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概要編集

インディ500』『ル・マン24時間』と並ぶ世界三大レースの一つ。毎年5月の最終日曜日に決勝が開催される。


モナコ公国のモンテカルロ市街地を縫うようにサーキットが作られており、普段は一般道路として使用されているが、レース開催の週になると道路は封鎖されて仮設スタンドが設けられる。1周が3.340kmとF1サーキットの中では最も短く、かつストレートがほとんどないため、コースの平均速度は160km/h程度と一番遅い。そのうえ道幅も狭いため、コース上の抜き所がほとんどないと称されている。なお、F1が開催されるサーキットで唯一トンネル(洞門)がある。


このようなサーキットであるが、1929年から開催される格式高いレースであることや、高いテクニックを要求されることからF1ドライバーの間でも「モナコは格別」という者が多く、優勝者には「モナコ・マイスター」の称号が与えられる。また、F1グランプリを開催する場合、主催者のFOMへ開催使用料を支払う必要がある(大抵20億円から60億円)が、モナコだけは免除となっていた。しかし近年はF1の商業面を取り仕切るFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)が米国企業『リバティ・メディア』に買収され、国際的なGP招致合戦が過熱している情勢もあり、(他国GPと比して安価ではあるものの)開催使用料を支払うようになっている。


ちなみに開催時期がインディ500と重複することから、同一年に世界三大レースを制覇することは不可能となっている(6月開催のル・マン24時間とのダブル優勝は可能)。


最多優勝はアイルトン・セナの6回で、1989年から1993年まで5連覇を達成している。特に1992年のナイジェル・マンセルとの残り5周からのデットヒートは伝説となっている(メイン画像がその様子)。


特徴編集

表彰式編集

本来であればピットの階上にある表彰ステージが、モナコの場合は王室が観戦するためのロイヤルボックスの階下にある。そのロイヤルボックス付近に停められるのは上位3台のみで、それ以外は停めることができない。


また、モナコ公国の大公が表彰式に参加することから、表彰ステージ上でのシャンパンファイトは禁止されていた(行う場合はコースに降りて実施していた)。かつてアイルトン・セナが1987年にロータスを駆って初優勝した際、表彰台上からシャンパンファイトをしてしまい、しかもシャンパンがレーニエ大公に掛かってしまったから、後に主催者やチームから雷を落とされた。近年は大公や王室は表彰台後ろに"避難"する形で、そのままステージ上でシャンパンファイトをしている(ドライバーたちは大公たちにシャンパンが掛からないようにしている)。そして2024年のモナコGPでは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がモナコ人初の母国優勝(1950年から始まったF1世界選手権では初、それ以前のものも含めると1931年のルイ・シロン以来93年ぶりである。またモナコGPで地元出身のドライバーが表彰台を獲得したのも1950年のシロン以来74年ぶりとなる)を飾り、現モナコ大公であるアルベール2世は歓喜の余り、シャンパンファイトに参加した。


その他編集

  • 1993年に石橋貴明フジテレビのモナコGPのTV中継にゲスト出演したが、ミハエル・シューマッハがエンストすると「やってもうたあ!」と叫んだり、さらに10秒ペナルティストップを受けたアラン・プロストに「僕がタイヤに穴をあけておいた」など頓珍漢(本人は笑いを取るつもりだったらしい)なことを言ったところ、このGPの解説を担当していた今宮純が「もうあいつを二度と呼ぶな!」と激怒した。これにより石橋はフジテレビのF1中継に呼ばれなくなってしまった。
  • 1995年に出場した井上隆智穂(タキ井上)がフリー走行中にマシンが止まってしまい、乗車したままロープで牽引されているところオフィシャルカーに衝突され、マシンが横転してしまった。幸い井上は無事であったが、その様子を見ていたミハエル・シューマッハは大爆笑している。

関連タグ編集

モータースポーツ F1

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