概要
軌跡シリーズの舞台となる大陸。
「七耀暦」という架空の暦を用いており、《導力》と呼ばれるエネルギーによって動く《導力器(オーブメント)》が普及している。
大陸の外の海に出てもなぜか戻ってしまうため軌跡シリーズはこの大陸とその周辺になる小さな島々で完結している。
用語
- 《導力》
七種類の属性を持つ《七耀石(セプチウム)》という結晶体から抽出したエネルギー。
乗り物や家電、通信機器や各種兵器と石油などに代わるインフラの基盤となっておりその最大の特色は幾ら消費しても時間が経てば自然にエネルギーが充填されるという所である。(石油や火薬などのエネルギーも存在するが導力技術の利便性により現在はほぼ廃れている)
- 《ミラ》
この大陸における貨幣の単位。各国共通でありこの世界における『金』や『マネー』などの代わりに用いられている貨幣の用語そのものでもある。
(例.マネーロンダリング→ミラロンダリング 等)
- 《導力器》
《導力》をエネルギーとして用いることで稼働する機械。開発者はC・エプスタイン博士。
通信や乗り物などに広く使われており、《導力魔法(アーツ)》を使用するために開発された戦術オーブメントが存在する。
- 《古代遺物》
『早すぎた女神の贈り物』とも呼ばれている古代ゼムリア文明の時代に作られた遺物。
その殆どは力を失っており博物館などに展示されたり研究対象にされたりするが稀に未だ力を失っていない個体が存在しておりそちらは教会への引き渡しが義務づけられており所持が禁止されている(但し一部では教会からの許可をとって黙認されているものも存在する)
原理は不明ではあるが稀に使用者の肉体を取り込み暴走し怪物へと変貌させる事例もいくつかある。
- 七の至宝(セプト・テリオン)
1200年前の《大崩壊》以前に存在していた古代遺物の中でも極めて強大な力を持つ、女神から授けられた至宝。古代人達はその至宝に応じて分かれて、それぞれの文明を築いていく。
本編ではこれらが物語の鍵を握っているが、いずれもその強大さ故に災いをもたらしている。
東方出身の剣士ユン・カーファイが創設した東方剣術の集大成といえる流派。
作中では民間の旅客用から運送業、軍用と幅広く運用される。
七耀暦1992年の百日戦役でリベール王国が軍用飛行艇を開発、それを以って帝国軍を撃退したことで軍事転用が加速する。大陸各国の軍事力の象徴もしくは政府機関の顔役も兼ねたフラッグシップも開発され、その内のリベールのアルセイユ、七耀教会のメルカバ、帝国のカレイジャスには英雄達が搭乗してそれぞれの事件解決に乗り出している。
ZCFに所属する研究者レイが作った新種のトマト。その名の通りものすごい苦いトマトではあるが、栄養価は高くこれを使った料理はCP(必殺技を使用するためのポイント)が貯まる効果がある。FC当初はレイの研究所でしか入手出来なかったが、SC以降国内のみならず他国でも一般販売・栽培されるようになり、そのクセの強い味から決して万人受けはしないもののクロスベルのマクダエル議長を始め一部ニッチな愛好家がいる。
ゼムリア大陸において最も硬いといわれている鉱物。そのためゼムリアストーンで作られた武器や防具はどれも最高の攻撃力と防御力を誇る一品となっており、さらに鉱物としての安定性も高いことからこれを部品として用いた機械は高い精度を持つことが出来るとされている。そのあまりの硬度に加工は困難であったが作中でラッセル博士による加工法が確立され、後に同じ三高弟であるシュミット博士によってより強度の高い黒ゼムリア鉱の発見と加工法が確立された。
七耀教会が各国の大聖堂地下等に設けていた古代遺物の封印施設。地下深く存在し、教会以外の人間が立ち入るためには、内部で見聞きしたことをみだりに公表しない暗示を教会の法術でかけなければならない。
なお、オリジナルはアルテリア法国にある模様。
エプスタイン博士が開発した最初の導力器で、全てのオーブメントのプロトタイプ。
ゲネシスと形状がよく似た導力器。
世界情勢
リベール王国
『空の軌跡』の舞台である王国。
エレボニア帝国
『閃の軌跡』の舞台である軍事大国。ゼムリア大陸における二大国の一つでもある。
カルバード共和国
『黎の軌跡』の舞台となる民主国家。ゼムリア大陸における二大国の一つでもある。
クロスベル自治州
レミフェリア公国
『暁の軌跡』の舞台の一つである公国。
アルテリア法国
「七耀教会」の総本山でもある法国。
ノーザンブリア自治州
かつては「ノーザンブリア大公国」と呼ばれる国家だったが、約30年前に起きた「塩の杭」事件で国土の大半が塩と化したことで崩壊。長年「北の猟兵」の出稼ぎによる外貨により食いつないでいたがエレボニアによる内戦での事件を口実に勃発した「北方戦役」の敗戦後帝国領の一部となる。
レマン自治州
大陸中部にある自治州であり、エプスタイン財団の本部や遊撃士協会の総本山やル=ロックル訓練場などが存在する。
オレド自治州
大陸内陸部にある自治州で、様々な農産物の特産地として知られるほか、温泉が有名。PMC(民間軍事会社)「マルドゥック総合警備保障」の本社が存在する。
ジュライ市国
大陸最北西部に存在していた都市国家。ノーザンブリアの塩の杭で経済が傾いたのちにエレボニアと経済面で提携、その後エレボニア本土と繋がっていた鉄道路線のテロ事件を原因になし崩し的に帝国領の一部にされる。
エルザイム公国
民主化革命以前から学問の伝達などでカルバードと交易があった中東国家。帝国同様に貴族制を敷くが、革命政府への移行後も友好関係は続く。ヴェルヌ社の大株主を務める以外に映画事業にも力を注ぎ、現在は技術大国として独自の飛行船を開発する中東最大規模の国家。
ヴァリス市国
大陸中東部の湾岸部にある巨大海港都市である都市国家。国土は小さいが南洋貿易で財を築き上げており、その富を大陸全土の投資に回している。エルザイムとは友好国にして競合相手であることが劇中でも語られている。MK社の筆頭株主である『ヴァリス投資銀行』が存在し、ヴェルヌ社が《ザイファ規格》を立ち上げた際は最大の出資をしたとされる。
神聖イスカ皇国
130年前ほどに滅亡した大陸東部全域を支配していた大国。イスカ神聖皇国とも呼ばれ、現在は都市連合として名前を残す。
現在でも少なからず世界に影響を持っておりマフィア組織《黒月》や侍衆《斑鳩》等はこの国に仕えていた『九曜衆』の末裔らしい。大陸東部には都市国家などに今もその遺志が残ってるとの事。
その他
七耀暦1207年まで舞台となった国はほぼ大陸西部であり、カルバードを含む大陸東部にかけては未だ謎が多く、ここ数十年原因不明の砂漠化や干ばつで徐々に環境が悪化し現在もその被害は拡大しているとのことである。大陸中東部も砂漠が多いが、エルザイムやヴァリスを初め技術や七耀石の鉱山といった国産企業のおかげで壊滅を免れた国がある。また、北部の自由都市圏はノーザンブリアほど極端ではないが経済面では不安要素がある模様。
組織
遊撃士協会
遊撃士たちが所属している協会。
身喰らう蛇
ゼムリア大陸で暗躍する謎の結社。
七耀教会
アルテリア法国に総本山を構える宗教教会。教会の通称で呼ばれ、空の女神(エイドス)を信仰する。星杯騎士団の母体組織で、彼らを通じて長年《身喰らう蛇》と対立している。
封聖省と典礼省の間で対立があり、一枚岩とは言いがたい側面を持つ。
黒月
共和国屈指の東方系マフィア、幾人の長老達の各派閥によって構成されている組織系統であり、マフィアではあるので非合法な行ないはするものの、黒月の存在自体が抑止力の役割を果たし、ある程度秩序を守っているため事によっては警察や遊撃士と非公式で協力する場合もある。
D∴G教団
暗黒時代から存在するカルト教団、違法薬物、誘拐、人体実験など非道の限りを尽くしていたために各組織による大規模な殲滅作戦により壊滅。しかし、一部の幹部達は生き延びて本編中での事件をいくつも引き起こしている。
月光木馬團
暗黒時代から続く暗殺組織、十数年前に当時新興勢力だった身喰らう蛇との抗争により壊滅。一部メンバーはその後身喰らう蛇に鞍替えする。
新生帝国解放戦線
かつて存在した《帝国解放戦線》の名を騙る集団。
庭園
幼い子供を暗殺者として教育しており、表の世界にもパイプを持つ。脱走した二人組の手配書代わりに二人を題材にした本を出版している。結社と同様構成員をタロットナンバーで定めており幹部は大アルカナ、末端は小アルカナのナンバーを付けられている。詳しい詳細や組織名は未だ不明であるが、遊撃士協会を始め、裏に通じる人間からは【庭園(ガーデン)】という通称がある。組織の幹部クラスが脱走した構成員に殺害されたことが切っ掛けでしばらく大人しくなっていたが共和国編でマフィア組織アルマータに協力している。
実態としては最悪極まりないもので、結社に壊滅させられた【月光木馬団】と国際的な掃討作戦で壊滅したある教団の残党が合流して出来上がったもの。
アルマータ
共和国に存在するマフィア。元々は小規模な勢力であったが、現ボスであるジェラール・ダンテスが先代を追い落としボスになって以降は上記の通り活動を停止していた【庭園(ガーデン)】から構成員を雇っていたり、反移民勢力やそれに連なる各大企業や資産家の支援により黒月に匹敵する大規模勢力を誇るほどになる。大量破壊兵器の所有、虐殺等やってることはマフィアというよりテロリストに近い。
マルドゥック総合警備保障
オレド自治州に本社を構えるPMC。独自の武器や飛行船開発を行っており、結社同様謎が多い。七耀暦1208年には共和国に帝国の機甲兵やガルガンチュア級を凌ぐAF(アサルトフレーム)や飛行戦艦の開発で協力している。
貴族
帝国のように現在も貴族制を維持している国家では重要な地位となっている。リベールや共和国では既に貴族制は廃止されているが、帝国と共和国はそれに根付く深刻な問題を抱えている。また、現実同様に貴族もピンからキリまでいる。
帝国と共和国ではいずれも貴族が最悪の事件を引き起こしている。
猟兵団
傭兵部隊。ミラで危険な任務や代理戦争などを請け負う稼業で、『戦争屋』、『死神』などと同義語で世間一般からの評判は悪く、国によっては運用自体を法律で禁じている一方で一部の国家では治安維持や防衛を委ねており、政府や軍といった国家機構がカバーしきれない部分を補ってくれるため、大々的に切り離せない。遊撃士協会とは職業柄折り合いは悪いが、お互いに一定の距離を保つ。
ゼクトアームズ
通称ZA。七耀暦1203年頃から急速に力をつけてきた新興の武器メーカー。アルマータを初めとした裏社会への武器提供などを行い、結社やマルドゥックともまた違う人形兵器を開発するだけの技術力を持つ。が、七耀暦1209年に首都の裏解決屋とグリムキャッツ、星杯騎士に惨敗を喫して共和国から撤退する羽目になる。
武の理
作中において、武術の世界では『理』と呼ばれる境地が存在し、その境地に至った達人達は常識の枠を遙かに超えた戦闘能力を誇る。また、その境地に至らずとも彼らと渡り合える実力者が多く登場する。
本編においてはプレイヤーキャラの前に立つ巨大な壁となる事が圧倒的に多いが、NPCとして登場した場合にはあまりにも規格外過ぎる強さで多くのレギュラーから『化け物』と称される。
尚、そんな彼らでさえも凌駕するのが外の理の存在であるが、こちらはそもそもゼムリア大陸の住人ですらない。
高位次元の霊体
七耀教会においてゼムリア大陸は人の住まう世界と定義され、その他に聖典に記される七十七柱の悪魔や天使が住まう高位次元が存在する。教会の教義で罪人の魂が送られる煉獄は主に悪魔が住まうとされている。また、煉獄が主に用いられながらも類似概念として地獄も用いられている。
彼らは基本的に人の世界へ現れることはないが、七耀脈の異常な乱れあるいは儀式を用いることで出現する。特に七十七の悪魔は七耀教会の聖典で事細かにその名前が記され、教会外部の人間も聖典の悪魔程度にならば認知されている。
中でもそれらを束ねる《五柱の魔王》は世界が一度書き換えられた際に七十二体いた悪魔に新たに加わり、現在の七十七の悪魔になった模様。
英雄達
各シリーズの舞台で起こった多くの事件を解決した英雄達。全てが周知されてはいないが、現地からは英雄視され、事情に精通する者達からは強い関心を向けられ、同時に敵対する者からは最大の脅威と見做される。彼らに共通して言えるのは、一部の例外を除けばそれぞれ暗い過去を背負っており、互いにそれを受け入れた故の絶大な信頼関係を持つ。また、王族や一般人はもちろんのこと、猟兵や殺し屋、果ては裏組織の幹部など生まれも多種多様だが当人達は全くそれを気に止めていない。
尚、世間から英雄視されるのに対して当人達は自分達を英雄だとはまるで思っていない。が、だからこそ彼らは英雄なのかもしれない。
リベールの英雄
王国軍情報局のクーデターとソレを裏で操っていた結社の計画を阻止した。リベールに限らず帝国、クロスベル、共和国、アルテリアと仲間達は多国籍に及ぶ。
クロスベルの英雄
腐敗したクロスベル警察で新設された部署。当初は『偽遊撃士』と揶揄される程度の存在だったが、クロスベル発祥の悪魔教団を討伐したことで一躍英雄となる。
エレボニア帝国の英雄
帝国の士官学院の生徒達。七耀暦1204年にはテロリストの鎮圧と内戦の終結に尽力。彼らは卒業後、七耀暦1206年に後輩達と共に帝国を1000年に渡って蝕んだ存在を滅ぼす。
影の英雄達
各国の英雄達と違い表舞台では動かず、あくまで影から事件の解決に乗り出した隠者達。
カルバード共和国の英雄
好景気に沸く共和国でうごめく闇に触れた裏稼業。リベールの英雄同様に遊撃士や七耀教会、猟兵など様々な位置づけの人間が集まっている。
関連タグ
空の軌跡 零の軌跡 碧の軌跡 閃の軌跡 閃の軌跡Ⅱ 閃の軌跡Ⅲ 閃の軌跡Ⅳ
可能世界
人々は天使や悪魔が存在する高次元とは別にゼムリア大陸を女神が創造した唯一のものだと信じている………………否、信じ込まされている。
近代以降、外海を進む船や飛行船は行けども行けども先へは進めない。それらを女神の力によるものと思考停止に陥り、古代遺物と同じく、女神の存在を裏付ける証拠ともされていた。
七耀教会はその事実に気づいていたが、秩序を乱すわけにはいかずに世間に公表せずに沈黙を保っていた。だが、魔女の眷属や中世の魔導士達はそれらの解明を試みており、それらの現象を《外の理》と呼んでいた。
女神が創造したゼムリア大陸に存在する理から外れた外の世界の現象であり、女神の至宝とも異なる法外な奇蹟。その最たる例がノーザンブリアに出現し、大地や人を塩に変えてしまった《塩の杭》である。
また、結社の執行者No.0と『七十七の悪魔を束ねる五柱の魔王の一体』はゼムリア大陸が存在する世界を可能世界と呼び、それらの秘密にはエプスタイン博士も何らかの形で気づいていた模様。
真実に気づいている者達
身喰らう蛇――――正確には盟主がその真実について何かを知っている模様。また経路は不明だがそこで作られたいくつかの武具を使徒や執行者に下賜している。
七耀教会――――《始まりの地》や古代遺物…塩の杭などの災厄から、ゼムリア大陸の外に至れない発想や現状を知りながらも、女神への信仰によって秩序が保たれているために混乱が生じるのを恐れて秘匿している。
D∴G教団――――至宝の一つを受け継いだクロイス家に操られたカルト教団だったが、独自の視点から真実に至り、開発した薬品《真なる叡智》によって世界の枷を外すことに成功している。更にとある幹部司祭は教会で定義される煉獄さえ存在しないという不可解な真実に辿り着いている。
劫炎のマクバーン――――ゼムリア大陸の外の世界からやってきた存在。本質は塩の杭と同じ災害である。盟主曰く【異界の王】と呼ばれている。
魔女の眷属、中世の魔導師――――《塩の杭》を初めとした説明不能の要素に何らかの法則が働いていると仮定。七耀教会やD∴G教団、結社と違うアプローチで真実の一端に触れていた