概要
ゼムリア大陸で暗躍する謎の組織。作中では《結社》等とも呼ばれる。
謎の多い組織で高度な技術力と組織力を誇り小国程度なら圧倒できる組織だがそういったことには興味がないようだ。
組織名である【身食らう蛇】そのものが何らかの意味のある単語であることがマクバーンの発言からわかる。
構成員が何かしらの約束・契約を交わす場合に「盟主に誓う」と口にする場合、それは最高レベルの信用を持つ事を意味し、特段の事情がない限りそれを違える事はない。
組織構成
組織としては盟主(マスター)を中心としており使徒(アンギス)と執行者(レギオン)と続いている。国家に属さない組織ではあるが非常に高い技術力を誇っていることが明らかにされている。
組織としては比較的新興の組織らしいが組織力はかなり強大で長い歴史を持つ暗殺集団《月光木馬團》や《D∴G教団》を壊滅に追いやっている。
盟主(グランドマスター)
《身喰らう蛇》を統べる最高権力者。
蛇の使徒(アンギス)
結社の最高幹部。第一柱から第七柱までの7人で構成されている。
執行者(レギオン)
結社の実行部隊。全員が並外れた戦闘力を有する。
鉄機隊
《鋼の聖女》アリアンロードが率いる《結社》最強の戦闘部隊。
十三工房
使徒六柱であるノバルティス博士が統括する数多の工房が集まったネットワーク。
結社の持つ人形兵器や高度な導力技術を担当しているが、各々の工房はあくまで結社の配下ではなく協力関係という間柄であるためか各工房の離反や裏切りが多くあまり盤石なものではないようである。
制作される人形兵器は結社の主戦力としての利用以外に他の組織や国に売り払ったりと資金繰りとしても利用されている。
ローゼンベルグ工房の工房長。ノバルティス博士の師匠だが自らが開発したゴルディアス級を奪われたため関係は険悪。創の軌跡の時点で結社を離脱している。
黒の工房の長。実はギリアス・オズボーンの配下で結社を事実上離反している。
- フランツ・ラインフォルト
ラインフォルトの技術者であり、黒のアルベリヒの肉体の器となってしまった男。黒のアルベリヒだった頃とは別にフランツ本人も十三工房に属していたと思われ、ノバルティス博士に研究成果の引き渡しをしていたと思われる。
その他
第38強化猟兵部隊中隊長 ⇒ 第06強化猟兵連隊長 |
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元ルーアン市長・ダルモアの秘書、市長の汚職に絡んでいたために逮捕されていたが巡り巡って
結社の強化猟兵に入隊。結社での経験を元に「肉体改造論」という本を著作する。
組織との類似点
ゼムリア大陸には《庭園》(「組織」とも呼ばれる)と呼ばれる暗殺などを扱う組織がおり、メンバーには小アルカナからとったコードネームが、幹部には大アルカナからとったコードネームが与えられる。
この組織は使徒である《千の破戒者》がかつての古巣と壊滅させた別組織とを合流させた結社の関連組織でもあり、コードネームの類似点はこのためだと思われる。
関連タグ
謎
だが、不可解なことに最高幹部の使徒は全員が盟主に忠誠を誓っているにもかかわらず最強の実行部隊にして戦闘員でもある執行者達にはあらゆる自由が与えられている。つまり盟主も蛇の使徒も執行者に対する命令権が存在していない。それぞれの計画への不参加ならまだしも完全に結社を脱退した上に、結社に籍を置きながらも計画を妨害する執行者や使徒を抹殺すらしようとしないなど、組織として無駄が多い。
これは普通の組織では絶対にあり得ないルールだと作中でも指摘されている。
使徒は後釜を据えることはあるが、執行者は後釜を据えるようなことをしていない。粛正を行わないのは、普通ならば執行者達が余りにも強すぎるために同じ執行者同士でも戦えば互いに無事では済まないかも知れないが、それでも野放しにしている。
《幻惑の鈴》は『福音計画』以来行方をくらませ、《漆黒の牙》は遊撃士、《殲滅天使》は学生、《告死線域》は大企業のメイドとして平穏な暮らしを送っている。《劫炎》も『幻焔計画』後一時的に行方をくらませ、第七柱直属も戻らないなど、離反したのがいずれもずば抜けた達人達ではあるので、放置するしかないという可能性もあるが、やはりおかしい。
これについて一人の少女は《身喰らう蛇》とは《盟主》の計画を遂行する組織であると同時に使徒や執行者たちも対象に何らかの“実験”をしているように思えると指摘している。
目的
ネタバレ注意!!
『7つの至宝がこの"可能世界"において、人の手で如何なる結末を迎えるのか。それを導き、見届けること自体に《盟主》の計画の意味はあるのさ』
《オルフェウス最終計画》―――計画は三段階に分かれており、長である《盟主》が掲げるこの計画を達成するために《結社》は動いている。今だ詳細は不明だが以上の台詞から、《至宝》とそれを扱う人間の観測が主な目的の一つである。《黒》のアルベリヒからも、根本的には《観測者》に過ぎない組織と口にされている。
1.《福音計画》
元《使徒》第3柱、《白面》ゲオルグ・ワイスマンの主導によってリベール王国で行われた計画。
《七の至宝》の一つである《空の至宝》『輝く環(オーリオール)』を封印から解き放ち、それを利用して人類を完璧な理性と揺るがない自己を持った超人的な存在に導くこと目的に動いていたが、それはワイスマン個人の目的であり、《結社》の本当の目的は『輝く環(オーリオール)』を手に入れることであった。
ワイスマンの野望はエステル・ブライトを始めとした《遊撃士》と協力者達によって阻止されたが、『輝く環(オーリオール)』はカンパネルラによって回収され、《盟主》に献上された。
2.《幻焔計画》
クロスベルとエレボニア帝国の二か所で行われた《福音計画》を超えた大規模な計画。
クロスベルでは、かつて消失した《幻の至宝》を超える《至宝》を創造し完成させる《零の至宝》の観測。
帝国では、かつて《焔》と《大地》の至宝が激突し融合したことによって生まれた《巨イナル一》。それを"魔女"と"地精"の先祖によって7つに分割して生まれた7体の《騎神》。それらを再び一つに錬成し、その結末を観測を目的に動いた。
クロスベルの主導の《使徒》は第六柱F・ノバルティスと第七柱《鋼の聖女》アリアンロードの二人。
まずクロスベルにて、消失した《幻の至宝》を超える《至宝》を創造することを目的としたクロイス家に協力。結果、クロイス家が創造した人工生命体(ホムンクルス)のキーアが《零の至宝》として完成し、キーアを観測した後に帝国方面へと向かった。
帝国の主導の《使徒》は第二柱《蒼の深淵》ヴィータ・クロチルダ。
7体の《騎神》を再び一つに融合するには、闘争によって生まれるエネルギーで満たすことを条件で発動する儀式の《七の相克》が絶対条件。しかもその闘争エネルギーは、世界大戦に匹敵する程でなければならない。しかしヴィータ・クロチルダは世界大戦を望まず、それに代わる計画を考案したことによって、それが行われた。
帝国では貴族派に協力する形で内戦に介入。帝都ヘイムダルにて煌魔城を呼び起こし、内部にて《灰》と《蒼》の《騎神》を戦わせることで疑似的な"相克"を起こすことで帝国の"呪い"の解呪を試みたが、死んだと思われた《鉄血宰相》ギリアス・オズボーンによって《幻焔計画》を乗っ取られてしまう。
2年後、《幻焔計画》奪還のため再び動き出すが、3体の神機による計画に必要な闘争の程度を見極めの実験、そして《鉄血宰相》と相対するより協力した方が計画促進に繋がると判断し、ヴィータ・クロチルダを除いた《使徒》6名の賛同によって代案ではない本来の《幻焔計画》が動き出す。
ヴィータが反対した理由は、《鉄血宰相》の《巨イナル黄昏》に協力して行われる《幻焔計画》はその過程でゼムリアという世界そのものを滅ぼしてしまうからであったため。それでも《鉄血宰相》に協力したのは、"世界が滅んでも《結社》にとって不都合が全くない"からなのかもしれない。
以降の計画の主導者は新第三柱《根源の錬金術師》マリアベル・クロイスと第七柱《鋼の聖女》アリアンロードの二人。
《鉄血宰相》及び《結社》と協力者達、そして《大イナル黄昏》によって広がった"呪い"によって、"表"では共和国と各国を巻き込む全面戦争の準備が着実に進んていき、"裏"では《騎神》同士が争い最終的に一つになる儀式《七の相克》が進められた。
最終的には《灰》が勝ち残る形で相克は終了し、《巨イナル一》が錬成された。しかし不十分な錬成で本来の数十分の一程度の力しか発揮できない状態で顕現してしまい、そこに宿った呪いの本体たる《黒》の精神ごと討たれることでこの世界から消滅した。
《結社》はその結末を見届けたことで、《幻焔計画》は完了。しかしその過程で、アリアンロードは亡くなり、シャロンは完全に《結社》を抜け、マクバーンと《鉄機隊》は計画以降《結社》に戻ってきていない。その代わり、セドリック・ライゼ・アルノールが《結社》に加わり、後に執行者のNO.XIXとなる。
更なるネタバレ注意!!
『――――《黄昏》による終焉は回避され、世界の命数は僅かながら伸びました。"全ての無"へと至るまで、およそ3年――――』
『これより、《オルフェウス最終計画》が第三段階――――《永劫回帰計画》を開始します』
《結社》の計画は、遂に最終段階へと動き出していく………
未だに行方も詳細も明かされていない残り3つの至宝、同時にカルバード共和国で新大統領ロイ・グラムハートが進めている計画、クロスベルの再独立から二年強で訪れる全ての無、空の至宝、幻の至宝、焔の至宝と大地の至宝を巡る戦いに巻き込まれた彼らがどう動くかはまだわからない…………