オクト=ゲネシス

おくとげねしす

『軌跡シリーズ』の『黎の軌跡』全般に登場するキーアイテム。

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目次 [非表示]

1 概要

2 謎

3 巻き戻し

3.1 巻き戻りによる三日間

3.2 巻き戻りの真実

4 全ての終わり

5 関係者

6 派生品

7 関連タグ

本記事自体が重大なネタバレに付き注意

『どうか、《オクト＝ゲネシス》を120x年までに取り戻して欲しい。』

『さもなければ全てが終わる。』

C・エプスタイン

概要

通称ゲネシス。導力革命の父、C・エプスタイン博士が発明したプロトタイプ・オーブメント。初期型のオーブメントのような懐中時計のような拵えであり、(より正確にはオーブメント自体がゲネシスをモデルにしているため、当たり前と言えば当たり前)頑丈且つ精巧な作りで三高弟でさえも発明不可能とされるほどの高性能。

導力技術者、中でも三高弟関係者の間ではゲネシスは有名な模様で、《オクト＝ゲネシス》の名前通り“世界を計る”８つの観測実験器として開発されたらしい。

謎

が、観測器にしてはゲネシスは古代遺物と同等かそれ以上の超常現象を幾度も引き起こしている。エプスタイン博士の死後は各地に散らばったが、七耀暦1208年のマフィアアルマータの事件を皮切りに表舞台に姿を現し、いくつもの超常現象とそれを用いた事件を起こす。

いずれ、しかるべき人物の手に集まる定めにあるものらしいが、それが誰なのかは不明。更に、エプスタイン博士は晩年に『七耀暦120X年までにゲネシスを取り戻さなければ、全てが終わる』という一文を手記に残しているが、それが何を意味するのかは不明。これらを呼んだ博士の曾孫に当たるアニエス・クローデルは言い知れぬ不安を抱き、アークライド解決事務所にゲネシス捜索を依頼することになる。

ゲネシスは四十年前のラングポートで《大君》と呼ばれる東方人街の王による支配にも関わっているほか、七耀教会の外典に記される魔王を顕現させて汎魔化（パンデモニウム）と呼ばれる怪奇現象を引き起こしている。

いくつもの超常現象を引き起こしたゲネシスだが、特に八番目のゲネシスは別格で人の”罪”、”原罪”を観測するらしく、他のゲネシスを経由して浸蝕、所有者を通じて本人や接触した人物の記憶を改変、それに基づいた凶行を多くの人物に行わせている。それだけではなく、時折メアが口にする『聞き取ることが出来ない何か』の根幹をなしていることが、メア本人から明かされている。

尚、どれほど破格でもオーブメントであることに変わりはなく、導力ネットを駆使した浸蝕などを行ってもその処理速度には上限が存在する。

巻き戻し

更に、ゲネシスは時間の巻き戻しさえも引き起こしており、所有者若しくは関係者が命を落とした場面に反応して死に瀕する前の一定のタイミングに時間を巻き戻し、そのときの記憶をフラッシュバックとして追体験させているが、それを体感できる人間もまばら。

巻き戻りによる三日間

七耀暦1209年にアークライド解決事務所は最後のゲネシスを持つガーデンマスターによってこれまで回収したゲネシスの内六つを奪われ(作中のルートに因んでA～Fと仮称)、それによる浸蝕で事務所の関係者たちを凶行に走らせ、その奪還による浸蝕の解除も巻き戻しによって達成されている。

順序としては、下記を参考にする。

『一日目に(A)を奪還』⇒『二日目に(B)を奪還する』⇒『三日目の早朝に事務所ごと爆殺された瞬間、(A)と(B)を持ったまま一日目の夜にまき戻され、別の方針を立てる』⇒『別の方針の元で(C)によって引き起こされたもう一つの二日目を解決する』⇒『(B)と(C)の回収によって三日目早朝の爆殺を切り抜けた後、数回の巻き戻しを経て(D)を奪還する』⇒『三日目夜に発生したクーデターに巻き込まれて全滅し、(D)も持ったまま二日目の夜に巻き戻される』⇒『クーデターの阻止とそれを引き起こした(E)を奪還した直後に発生した最後の侵蝕で全員が吞み込まれ、ナーディアが奪還した(F)をアニエスが受け取った瞬間に(A)から(F)の全てを持った状態で一日目の行動開始直前に巻き戻される』⇒『ディルク記念公園に隠れていたガーデンマスターを撃破し、最後のゲネシスを取り返す』

この三日間の繰り返しによって、アークライド解決事務所はガーデンマスターの撃破と全てのゲネシスを揃えることに成功している。

この三日間の特筆すべき点は、ゲネシスとその関係者だけが時間を遡っているという現象を引き起こしている。また、アークライド解決事務所のメンバー以外でもこの巻き戻しの記憶を持っている人間はいるが、内何人かはゲネシスの浸蝕や巻き戻しを受けた或いはそれによって起こされた事件の関係者など共通点がある。

巻き戻りの真実

作中で何度も起きた巻き戻しは『ゲネシスが起こした望まぬ観測結果を数回まで再試行できる強制リセット』というオクト=ゲネシスの副産物としての機能であることが判明する。

尚、その望まぬ観測結果はあくまで記録として保存されるが、なにがしかの条件で現実をその記録に再構成する事が可能という、世界そのものを書き換えるような恐ろしい機能をも秘めていた。つまり、本編中の場合はアークライド解決事務所のメンバーが死んだ若しくは彼らによって阻止された三日間の事件が全て起きたという形で現実が書き換えられてしまうのである。

この機能はあくまで副産物であるため、ゲネシスにはもっと重大な秘密が隠されているとアニエスとヴァンは考えている。

全ての終わり

『ゲネシスを120X年までに取り戻さなければ全てが終わる』というエプスタイン博士の手記の最後の一節の意味はまだ明かされていない。

全てのゲネシスがアニエスの元に揃った際には、ガーデンマスターの引き起こした事件がその全ての終わりではないかと予想した者もいるが、その事件はあくまでイレギュラーであり“最後の一節”が示すことではないと判明している。

しかし、七耀暦1206年に幻焔計画の完遂を確認した結社の盟主も『全ての無へ至るまで3年』という言葉を用いており、翌年のクロスベル再事変でもエリュシオンがおよそ二年後に訪れる危機を観測している。

もし、盟主の言葉通り《巨イナル一》が消滅した三年後に全ての終わりが到来し、それをエリュシオンが観測し、手記の最後の一節がそれを指している場合、ゲネシスが全て集まったのは七耀暦1209年の4月……単純計算でタイムリミットまですでに5か月を切っていることとなる。

アニエスの父ロイ・グラムハート大統領もゲネシスについて何かを掴んでおり、宇宙軍基地計画を推し進め、結社の『永劫回帰計画』、それらに関連すると思われる大統領と結社の相互不可侵協定、そしてハミルトン博士も何かを知っている模様。ゲネシス、グレンデル、メアにこれらがどう関わるのか………

関係者

C・エプスタイン――開発者。どのような目的があって、ゲネシスを開発したのかは不明。

アニエス・クローデル――エプスタイン博士と血のつながりを持たない曾孫で博士の養女リリヤの孫。博士の手記を読んだのをきっかけに、ゲネシスの捜索を開始する。また理由は不明だがゲネシスはアニエスに反応することがある。

ヴァン・アークライド――本人はゲネシスの存在を知らなかったが、アニエスから依頼を受けて捜索を始める。それだけではなくメアとグレンデルもゲネシスに絡んでいることが判明しているので無関係ではいられなくなった。

アークライド解決事務所――アニエスと共にゲネシスを探している。メンバーの中にはゲネシスの異変に巻き込まれた当事者もいる。

メア――最初のゲネシス入手をきっかけに、ヴァン達の前に現れたホロウ。普段は普通のAIだが、ゲネシスやグレンデルが関わる場面ではエリュシオンの観測者のように感情豊かになる正体不明のAI。帝国でⅦ組が遭遇した喪われた名前と同じく認識できない言葉を何度か発している。尚、これらは録音してもノイズとしてしか記録されない。