「若人から青春を取り上げるなんて 許されていないんだよ 何人たりともね」
「大丈夫 僕 最強だから」
プロフィール
年齢 | 28歳→29歳 |
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生年月日 | 1989年12月7日(いて座) |
身長 | 191cmほど(FBの身長表で190超えの東堂より大きかったため) |
出身地 | 京都府 |
所属 | 東京都立呪術高等専門学校一年担任 |
高専入学方法 | 家系 |
等級 | 特級呪術師 |
一人称 | 「僕」(普段)、「俺」(学生時代)、「私」(上層部の前) |
好きな食べ物 | 甘いもの(頭を回すために食べていたら好きになった) |
嫌いな食べ物 | アルコール(ぼーっとするだけでなく、術式の出力がバグる) |
趣味・特技 | 無し(大抵何でもできるため) |
ストレス | 上層部絡み |
イメージソング |
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CV | 中村悠一/伊瀬茉莉也(少年期、佐々木せつこと兼任) |
演(舞台) | 三浦涼介 |
生得術式 | 無下限呪術 |
領域展開 | 無量空処 |
反転術式 | 使用可能 |
黒閃 | 経験アリ |
概要
日本に4人しかいない特級呪術師の一人で、自他ともに認める現代最強の呪術師。
特級術師の条件は国家転覆の可否である。五条悟はその条件を満たすのはもちろん、その中でも規格外な強さとして、他特級とも比べ物にならない別格の天井知らずな実力を持つとされている。
その常軌を逸した才能は生まれつきで、幼い頃から億単位の賞金首として狙われていた。彼が生まれてから呪霊が年々力を増すなど、世界の均衡(バランス)が変わったと言われるほど。
そこに圧倒的な自己研鑽も上乗せされ、名前だけで呪詛師が活動を控え、呪術全盛の時代を知る術師からも最大限警戒されている。
作中では超大物呪術師にして日本三大怨霊の一人・菅原道真の子孫で、教え子の一人・乙骨憂太とは超遠縁の親戚にあたる。
両面宿儺の指を取り込んだことで秘匿死刑の決定した虎杖悠仁に関して、「宿儺の指を全部取り込ませてから殺すこと」を提案し、死刑に実質無期限の執行猶予を付けて、彼を東京校へ入学させた。
人物像
飄々として掴みどころがなく、無駄に軽いノリで周りを振り回し、強さの割に軽薄な振る舞いをしている。
自分のことを性格が悪いと評しており、事実相対した相手を煽り、怒らせる。
そのため腐れ縁の同級生である家入硝子からは「(夏油共々)クズども」と言われ、後輩である七海建人からは「信用しているし信頼している、でも尊敬はしてません」と評されている。
ちなみに五条家の人間からは甘やかされているらしく、身内に自分を𠮟る人間がいなかった点もこのような生意気な性格になった要因の1つかもしれない。
冥冥や虎杖からは「あれは一人っ子でしょ」と言われており、事実一人っ子。
特級術師としての給料は閣僚クラスであり、エリート呪術家系の御三家の一つ、五条家の現当主。そのため超がつくほどの金持ち。
同期にも「こいつ金だけは持ってるよ」と言われるほど。睡眠時間は3時間ほどと短い。
戦闘の際は極力一般人や格下呪術師を遠ざけ犠牲を出さないよう努めたり、依頼人の願いを叶えるために睡眠を取らず術式を展開し続けたりなど、極力配慮を施してはいる。
が、任務達成のためにある程度の犠牲はやむを得ないとする考えも持ち合わせている。
作者曰く、「なんでもできてしまうため、なんでもはやらないようにしている」。
保身や権力欲に塗れた呪術界上層部を嫌っており、強く聡い呪術師の仲間を育て、呪術界を変革することを志している。
「教師なんて柄じゃない」と言いつつも教鞭を取っているのはそのため。
同僚の日下部篤也曰く、「最初から何でもできるから教えるのには向かない」とのこと。
しかし、特級術師として任務や事務作業、学長や総監部との対談などの超多忙な生活の中、
- 深夜に授業の準備を行う
- 任務の引率をとる
- 生徒一人一人に向き合ったアドバイスや挑発や稽古をする
- サボりがてらに生徒にちょうど良い任務を見つけてくる
など、良い教師になるための努力はしている。
若い呪術師たちには将来性に期待を込めて接している。かつて天内理子と自分を殺した相手である伏黒甚爾の息子・伏黒恵に会いに行った理由が「優秀な人材を求めて」であることや、乙骨や虎杖といった問題児に手を差し伸べる理由も「強けりゃ良いじゃん的なところがある」ということから見て取れるように、強く聡い仲間を沢山作る為の後続育成に余念がない。
学生時代は「俺 正論嫌いなんだよね」と言い放ち、また一般人から呪術師の活動を秘匿する手間や配慮も厭うなど、今以上に包み隠さず不遜な性格で、親友の夏油傑から咎められていた。
だが、口では憎まれ口を叩きながらも、依頼者の願いを体に鞭打って叶えたり、素直ではないながらも相手を気遣う一面があった。
昔は一人称が「俺」であったが、夏油から目上の人に対して失礼であることと年下にも怖がられてしまうため一人称を改めるよう諭され、当時は拒否していたが夏油との別離後「僕」に矯正した。
しかし動揺し感情が高ぶったのか、渋谷事変にて一瞬「俺」に戻り、獄門疆から出た後は「俺」と「僕」の両方を使っている。
容姿
白髪・碧眼・190台の長身という、日本人離れした美形の男性。細身に見えるが服を脱ぐと逆三角形の隠れマッチョ。
呪力を詳細に視認できる特殊な目「六眼」を持ち、基本的に戦闘時以外は目隠しで目元を覆っている。素顔は普段目隠しで隠れているが、周囲は視認できている。
作中キャラで一番まつ毛がバサバサしている。そして戦闘の際も動き難いであろう革靴を履いている。
目元を覆う目隠しは変化しており、現在は主に黒い目隠しをしている。
前日譚(0巻)では白い包帯を巻いていたが、作画コスト削減で現在の黒い目隠しに変更となった。
学生時代は丸型の黒サングラスを着用。作者曰く透過しないほぼ真っ黒な素材であり、一般人が使用するサングラスとは異なるとのこと。現在もたまにサングラスを着用することがある。
人間関係
呪術規程により秘匿死刑となりかけたところを五条が上層部に掛け合い、執行を阻止。その後も未来の呪術師界を担う存在として存続させるため、庇護下に置いている。
1ヶ月ほど彼とマンツーマンで稽古をしていたり、共にご飯を食べたりと、ノリが似ていることもあり、気が合う。
自信を失っていた虎杖に優しく厳しい言葉を投げかけるなど、戦闘面だけでなく精神面でも良好な師弟関係を築いていた。
彼が小1の頃、呪術界御三家の一つ・禪院家に売られるはずだった計画を帳消しにし、将来呪術師として働くことを担保に、彼の義姉である津美紀と共に高専からの金銭援助を通した。
いわゆる、後見人かつ師弟のような関係性。
五条は、伏黒が自分に置いていかれないくらいに強くなることを期待している。
虎杖、伏黒とチームを組んでいる紅一点。五条のことはよく知らないそうだが、仲が悪いわけではなく話す機会が少ないだけ。
じゅじゅさんぽでは釘崎のスカートを穿いて虎杖とはしゃぐオバカな五条が描かれていた。最終決戦にて、渋谷事変で退場した釘崎の復活を信じていた。
特級過呪怨霊・祈本里香に取り憑かれ秘匿死刑が決定していたところを、自身の権力を用いて死刑を回避。
死にたいと訴える乙骨に「でも一人は寂しいよ」と説き、高専へ転入させた。一年時の担任であり、超遠縁の親戚。
乙骨のポテンシャルゆえか、彼の力を信頼していると同時に他の生徒と比べかなり手厳しく指導している。パンダや真希からは、「憂太にだけ厳しい」と言われている。
御三家関係や伏黒の禪院家との関係で、真希の高専入学前から関わりはあった模様。元々受け持ちの生徒であったが、あまり師事したりはしていない模様。(真希側の問題も多少ある)
悪ノリするタイプで、五条とも女子生徒の制服を盗むという悪ノリで済まないギャグを一緒にしていた。
秤曰く世話になった人であり、ヤンキーチックな2人が「五条さん」「悟ちゃん」と呼んでおり、関係はそれなりによさそう。
学生時代の担任。関係は良好で、数少ない五条の理解者。
一学年後輩。五条からよくウザ絡みをされているが軽くあしらっている。
学生時代の同級生で友人。五条派に属しているように見えるが立場はあくまで中立。ノンポリではあるが親しい方にちょっとは寄っている。
二学年後輩。五条からこき使われている苦労人の補助監督。五条から一番信頼されている。
学生時代の同級生で友人。時折意見の相違から喧嘩しながらも非常に仲が良かった。
夏油は五条にとって青い春であり、訣別した今でも「たった一人の親友」だと思っている。そして、五条が高専の教師を志すきっかけになるなど、現在に至るまで多大な影響を及ぼしている。
本編の一年前にあたる前日譚(0巻収録)にて、呪詛師となった夏油に五条自ら手を下し、処刑した。そして……。
京都校の教師。また五条の先輩にあたる術師である。京都側の内通者探しを依頼する。
五条がナメた態度を取るのが原因でマジで嫌っており、それに対して五条は嫌われている自覚がなく、態度が悪いのは冗談だと思っている。
高専時代に対峙した最大の敵。夏油と訣別する事態になったきっかけを作った人物。
しかし、五条が最強になったのは彼との戦いに負けたことで死にかけ、後に復活して勝利したからであった。伏黒恵の父親であり、彼から恵を託された。
史上最悪の呪いの王にして歴代最強の術師。伏黒恵奪還と人類存亡のため、そしてどちらが最強かを決めるため、覚醒後の五条が初めて全力で戦った人物。そしてその結末には……???。
戦闘能力
「この程度で僕に勝てると思ってる脳みそに驚いたって言ってんだよ」
数百年ぶりに五条家相伝の術式「無下限呪術」と唯一無二の特異体質「六眼」を併せ持って生まれた現代最強の呪術師。
圧倒的な呪力量に加え、六眼による原子レベルの緻密な呪力操作でほぼロスなく呪力を運用することが可能で、その呪力効率は作中トップ。呪力出力も作中で群を抜いている。
呪術戦の極致である領域展開も習得している。アメリカ首脳陣が五条の戦闘を見た際は「下手したら1人で一国の電力を賄える」とさえ言われている。
術式を抜きにした呪力強化術だけの戦闘能力も、周りの非術師に危害を与えないという制限を課せられた中で、術式無しの基礎的な呪力操作と体術のみで複数の特級呪霊を無傷で圧倒したほど。
さらに、1000体に及ぶ真人の改造人間を299秒で鏖殺し、作中屈指の実力者の領域内で互角に戦うことなども可能。
冥冥曰く「彼一人で日本にいる人間全員を皆殺しにできる」。
六眼による相手の呪術の分析力に加え、咄嗟の判断力、胆力、対応力も高い。
シン・陰流の門下かどうかは不明であるが、簡易領域を使用可能。(六眼により一見しただけで真似ることは可能と思われるが、それを人に伝授はできない)
また御三家の当主であるため領域対策として御三家秘伝「落花の情」も習得している。
また、反転術式を扱える数少ない術師の一人で、家入や乙骨のように他者に出力することはできないが、自身の脳を常時修復、欠損した腕を再生、通常の呪力操作と並行して使用しつつ、作中屈指の実力者と格闘戦も可能にするなど高度な運用をしている。
そして、通常不可能とされる、領域展開後に焼き切れた術式の修復が可能。これにより、領域が崩壊した直後に術式が使えなくなる時間を最小限に抑えることができる。
ただし、これは術式そのものを修復しているのではなく、術式が刻まれている右脳の前頭前野を自身の呪力で一度破壊し、脳を修復することで術式をリセットする荒業であり、繰り返すと脳に深刻なダメージを負うリスクを伴う。
欠点としてはその絶大な強さゆえに味方との共闘だと最大限の力を発揮できないこと。
また、「百鬼夜行」のような単身での対応力を物理的に超える大規模・多方面作戦の対処も苦手である。
術式
無下限呪術(むかげんじゅじゅつ)
五条家相伝の術式。収束する「無限」を現実にする術式。術式を使いこなすには後述する六眼による原子レベルに干渉する緻密な呪力操作が必要。
自身の周囲に術式によって「無限」を現実化させることで、自身に近づく程低速化し接触出来なくなるため、基本的にあらゆる攻撃を無効化する(自分に当たらなくする)ことが可能。
後述する赫、蒼に対して「ニュートラルな無下限呪術」と言われている。
この「ニュートラルな無下限呪術」は常時発動しており、呪力の強弱、質量、速度、形状から物体の危険度を選別し、自動で術式が発動する。(例えば先の尖ったペンには発動するが消しゴムには発動しない)
緻密な呪力操作は脳に多大な負荷を強いるため、常時発動は脳が負荷に耐え切れず焼き切れてしまう。
しかし、防御対象の自動選別による効率化とともに自己補完の範疇で反転術式を同時に発動させ続けることで絶えず脳を修復し、このデメリットを打ち消している。
足下に発動することで空中浮遊も可能。また、使用者自身が触れている人間に対しても効果を適用できる。
反転術式を会得する以前の学生時代は、長時間術式を使用すると疲弊し、術式による防御も任意で選択した対象に対してのみ発動させていた。
まさに反則じみた鉄壁の防御、絶対不可侵。
なお、現在の五条は常に術式を発動しているため分からなかったが、学生時代の五条は上記の理由から術式を発動したり解除したりしていたために術式発動中は六眼が蒼く発光することがアニメ第2期にて判明した。
六眼
特異体質に属する両目。呪力を詳細に見ることが可能。
緻密な呪力操作を可能とし、無下限呪術を使いこなすには必須の能力である。
五条より呪力量の多い乙骨曰く「六眼によって呪力消費のロスが限りなく0である為、パフォーマンスでは五条の方が上」だという。
また、初見の術式であってもその原理を見ただけで読みとることが可能。
しかし、常人よりも多くの情報量を視覚的に捉えてしまうため裸眼だと疲労が溜まり、対策として目隠しやほぼ真っ暗のサングラスで目を覆い能力をセーブしている。
この時は目元を塞がれているが、この状態でも呪力を精細に読み取り、建造物など呪力のない物も呪力の流れや残穢を視認することで、周囲の空間や呪力のない建造物なども把握している。
勘違いされがちだが呪力が見えるだけなので、術式の看破は本人の洞察力とセットである。
六眼単体に解析能力は存在しない。
呪力の起こりを看破出来るか不明
※宿儺戦で術式や呪力の起こりを看破した描写が一切ない事が根拠
技
- 術式順転「蒼」(じゅつしきじゅんてん あお)
「位相 黄昏 知慧の瞳 術式順転『蒼』」
無下限呪術を強化し、−1の虚構という矛盾を作ることで「収束」(吸い込み反応)を現実に発生させる。
指向性を持たせることで任意の対象に発動可能。対象を引き寄せることで動きを制限するほか、「蒼」に触れた対象を削り取ることが可能。
最大出力の蒼を動かすことで、瞬く間に周囲を更地に変えることができる。反転術式会得後は「蒼」(および後述する「赫」)の複数同時発動が可能。
指向性の付与には繊細な呪力操作が求められるため、五条曰く「超疲れる」とのこと。また、大きな反応を自身の周囲に作ることはできないという欠点もある。
しかし、順転であることと引き寄せるどう言う能力上応用も効きやすい。
自身の打撃に「蒼」の収束による吸い込む反応を重ねることで、単純な呪力強化術による打撃以上の威力を実現している。
自身に並ぶと期待する生徒の内二名は受けただけで嘔吐するほどで、秤曰く「普通に殴られているはずなのにカウンターを食らったような感触」であり、七海曰く「自分が苦労して出すクリティカルヒットをジャブ感覚で出す」。宿儺ですら顔をしかめるほどの威力を放つ。
蒼の引き寄せを相手に使い自分のところへ持ってきたり、自分に使えば高速移動も可能である。
さらに空間と座標を圧縮することで他者を含む瞬間移動が可能。
これにより、「投射呪法」を持ち、術師最速と称される禪院直毘人を上回る動きを実現しているがそもそも術式なしでも宿儺と殴り合える速さなので普通に最速である可能性が高い。
時間すらも凝縮可能であり。音速の穿血がすぐ近くのものに辿り着く前に詠唱を完了させてしまう。
また蒼を纏ったパンチや小さい蒼を大量に飛ばして宿儺の肉体を抉るなど、赫に比べて威力が低いものの殺傷力という点では蒼の方が高いのかもしれない。
- 術式反転「赫」(じゅつしきはんてん あか)
「位相 波羅蜜 光の柱 術式反転『赫』」
無下限呪術の術式反転。「蒼」とは逆に、無限を「発散」させることで、対象物を弾き飛ばす衝撃波のようなものを発生させる。
発散させるタイミングは任意で変更可能。
通常の倍の呪力を用いる反転術式による術式反転であるため、最低出力でも順転の最低出力の2倍であり、街中などでは使用が制限されるという欠点もある。
反転術式会得前は未修得だったが、反転術式の修得と共に完全に会得した。
- 虚式「茈」(きょしき むらさき)
「九綱 偏光 烏と声明 表裏の間 虚式『茈』」
術式順転の「蒼」と反転の「赫」を掛け合わせる事で生まれる五条家の奥義。
「蒼」と「赫」を衝突させることで発生する仮想の質量を高速で押し出す。(作者曰く「二つのエネルギーをぶつけることで別の凄まじいエネルギーが出来るイメージ」)
つまり、見ることも触れることもできない「重さ」だけを超高速で発射する。
その威力は絶大で、姉妹校交流戦の舞台となった森を広範囲に渡って地中深くまで抉り取り、偽夏油と組んでいる特級呪霊の中で抜きん出た硬さとタフネスを持つ花御ですら、直撃は避けたにもかかわらず左半身を大きく抉られた。
御三家相伝の術式は対外的に知られていることが多いが、「茈」の存在は五条家の人間でも一部にしか知られていない。
「術師の腕は呪詞・掌印など術式を構成あるいは発動させるまでの手順をいかに省略することができるかで決まる」とされており、五条も通常は呪詞・掌印を省略しているが、作中初めて省略しない形が描写された技。
呪力を増幅された状態で、呪詞・掌印を唱えて放たれる「茈」の威力は通常の120%とされる。
さらに、バフをかける術師に協力してもらい200%を引き出すと、目測で約4km弱にわたって新宿の高層ビル群を完全に倒壊させるほどの破壊力になる。
人外魔境新宿決戦では遠隔での「茈」を披露。十種影法術の拡張術式「嵌合獣 顎吐」を圧殺した「蒼」を継続したまま呪詞を唱えて出力を増強し、そこに「赫」を撃ち込みつつ「茈」の呪詞を詠唱することで指向性を持たない爆発という形で発動した。
その威力は宿儺に強化された魔虚羅を法陣ごと消し去る程の威力(渋谷のフーガですら法陣を消すことはできていない)で半径400mほどを瓦礫の山にした。
領域展開
無量空処(むりょうくうしょ)
掌印は、ヒンドゥー教やインド神話の軍神インドラとも同一視される仏教の守護神、天部の一柱帝釈天の印。
宇宙空間のような光景が広がる領域。五条は無下限の内側と表現している。
相手に無限回の知覚と伝達を強制する術式効果「無量空処」が必中効果として付与されている。これは、蒼や赫と異なり領域内でのみ発動する術式効果である。
知覚→伝達→行動のサイクルのうちの「知覚と伝達」が無限に終わらないため、相手は膨大な情報量を流し込まれつつも思考を行動に移せず何も出来なくなる。
現実でも、幻覚剤を使用することで脳の統合機能が麻痺すると周囲の物体の細部が見え過ぎてしまうという症状を発症するため、無量空処の効果はそれをさらに強力にしたようなものかもしれない。そう考えると、とんでもなく脳に悪そうな技である。
領域の発動時間と効力は比例するらしく、0.2秒の領域展開の場合、巻き込まれた非術師たちの脳には半年分の情報が流し込まれ立ったまま気絶したが、2ヶ月後には全員が後遺症なく社会復帰できる程度(?)の負荷に抑えられた。
人間と呪霊の脳の仕組みの違いから、人間より呪霊の方が効きが悪いが、それでも作中トップクラスの特級呪霊が完全に何も出来なくなったことから、対呪霊においても強力な領域であることには変わりない。
五条自身の膨大な呪力量と六眼による高い呪力効率、そして前述の反転術式で脳を壊して治す荒技により、連続して複数回の領域展開が可能。
また、一般的に領域の対内条件、対外条件、体積、構築速度などは術師ごとに決まったものがあり、易々と変更できるものではないとされているが、五条はそれらを自由に設定可能。
領域をバスケットボールよりも小さいサイズに圧縮することで、結界の強度を限界以上に引き上げることができる。
五条自身が触れている相手に対しては必中効果が発動しない。
英語版では『Infinite Void』
活躍
上述の通り、作中ではひたすらその最強ぶりを味方にも敵にも魅せつけている。
まだ指一本分だったとは言え、あの呪いの王宿儺や、同じく特級の呪霊である漏瑚(戦闘力は甘く見積もって指8~9本分であり、呪霊組の中でもトップクラス)を圧倒し、花御を「茈」での狙撃一発で瀕死に追いやるなど、その強さは頼もしさを越えて恐ろしさを感じさせるほど。
新宿・京都百鬼夜行編
本編より1年前の話である『東京都立呪術高等専門学校』及び『呪術廻戦0』でもその強さは相変わらずで、そこらのビル並に大きな呪霊を一撃で消し飛ばし、ミゲルが撹乱や壁に利用した呪霊も尽く真正面から祓っている。
術式が乱されようとお構いなしに呪力強化と体術でフルボッコにしていた。
その後、乙骨との戦いで片腕を失った最悪の呪詛師……かつては同じ高専の仲間で、自身の唯一の親友であった夏油傑の元へ赴いた。
深手を負って疲弊し切った夏油に、五条は「何か言い残す事はあるか?」と問う。
すると、夏油は素直に自分の気持ちを吐露する。誰がなんと言うと猿(非術師)は嫌い。でも高専の人たちまで憎かった訳じゃなく、ただこの世界で自分は心の底から笑えなかったのだと。
そう語る夏油に、五条は告げた。二人だけにしか聞こえない静かな、確かな自分の思いを。
それを聞いた夏油は、切なそうに笑顔で顔を綻ばせる。
夏油「最期くらい呪いの言葉を吐けよ」
そして五条悟は、親友を葬った。
懐玉・玉折編
さらに時間は遡り、五条悟の青春時代。
無下限呪術もニュートラルの「止める力」順転の「蒼」しか使えず、この二つを攻略した術師殺しの伏黒甚爾を相手に、人生初の敗北を味わう。
しかし、今際の際で呪力の核心を掴んだことで「反転術式」を習得。同時に術式反転「赫」と虚式「茈」も使用可能となり、これらを駆使して甚爾に見事勝利して現代最強の術師となった。
その後、徐々に己の術式と技量を極めていきながら任務をこなしている間に、親友の夏油が高専から離反。彼との別れを機に、強い後進を導き育て、腐った呪術界を変えていく事を決意する。
渋谷事変編
夏油と真人ら呪霊組が引き起こした渋谷事変では、漏瑚・花御・脹相の三体の特級を相手に、一般人が犠牲になるのを承知で大立回り。
宣言通りに花御を祓う(ころす)も、列車で改造人間と共に雪崩れ込んできた真人が乱入。
このまま全員を祓うには混乱した一般人や改造人間が邪魔、しかし領域展開すれば一般人を巻き込んでしまい、かと言って彼らを領域から除外すれば結界と駅内の壁で潰してしまう。
ゆえに、一か八か、0.2秒の領域展開。一般人への後遺症が少なく、社会復帰できるほどの超々短時間の領域で全ての特級と改造人間の思考を止めた五条は、下手に刺激を与えて漏瑚達の思考が再起動するのを考慮し、標的を改造人間だけに絞る。
僅か299秒で改造人間およそ1000体全てを鏖殺した、その瞬間。
「獄門疆 開門」
どこからか特級呪物・獄門疆を放られた。それが危険な代物だと、六眼で即座に察知した五条は当然距離を取ろうとするが、
偽夏油「やあ 悟 久しいね」
かつて自身の手で介錯したはずの親友、夏油傑の姿がそこにあった。
幻覚、偽物、あらゆる可能性を六眼に否定され、五条の脳内では3年間の青い春の情景が浮かぶ。結果「対象の脳内時間1分」という条件を満たしてしまい、五条は獄門疆に封印されてしまった。
しかし、ただで捕まる現代最強の呪術師ではない。
獄門疆は封印した五条悟の情報処理を終えることができず、偽夏油が運べないほどの出力で駅の床に落下。
その後は、後進である虎杖たちが解放してくれることを信じ、物理的時間が流れていない獄門彊の中でただ待ち続ける。
死滅回游編
以降は特に出番は無く、虎杖ら高専関係者の回想で登場する程度となった。
天元が死滅回游平定チームに伝えた五条悟の解放条件。それは偽夏油こと羂索が使用した獄門疆の中身と繋がっているという獄門疆“裏”、それを抉じ開けるための鍵となる天使・来栖華。
数々の激闘と犠牲の上に、なんとかその二つを揃えた虎杖達は、ついに獄門疆“裏”を天使と来栖の協力で開放する事に成功する。
しかし、獄門疆“裏”が置いてあった所に五条の姿は無かった。
それは、羂索が持っている方の獄門疆から封印された者が出てくるという仕掛けになっていたから。
呪霊操術で天元を取り込んだ羂索は、彼女から獄門疆“裏”の事を聞き、五条悟の封印を解かれた場合の対策を講じていた。
最深部は8000メートルもあるという日本海溝、そのプレートの沈み込み帯に、二重三重の封印と検知器役の呪霊を仕込んだ獄門疆を置いておく。そうすれば仮に封印が解かれたとしても、巨大な水圧で殺せると踏んで。
羂索「マジでどうなってんだよ 君は」
「オマエさ」
「もっと言葉を選んだ方がいいんじゃないか?」
「今際の際だぞ」
その程度の小細工で死ぬ五条悟ではなかった。
獄門疆の封印が解かれた瞬間(日本海溝〜埼玉付近の広範囲に巨大な地震を起こしながら)、真っ先に羂索の前に現れた。
夏油傑を騙る術師を殺すために。
今度こそ、親友を弔うために。
しかし、その寸前で呪いの王・両面宿儺に阻まれる。大切な教え子の一人である伏黒恵に受肉したその姿に、一瞬だけ眉をひそめる五条。
そうして始まる頂点同士の戦い……にはならず、双方の都合(宿儺は羂索との約束、五条も戦う前にやる事をやっておきたい)ため停戦。
決戦の日は12月24日。かつての大規模呪術テロ新宿・京都百鬼夜行の決行日であり、たった一人の親友が死んだ命日。
その日に全ての決着をつけると。
羂索の嘲笑う「勝つ気かい?」という言葉に、五条悟は虎杖との会話を思い出しながら堂々と宣言した。
虎杖『先生とどっちが強い?』
『うーんそうだね 力を全て取り戻した宿儺なら ちょっとしんどいかな』
虎杖『負けちゃう?』
「勝つさ」
人外魔境新宿決戦編
そして来る12月24日。決戦の日。かつて五条と夏油が決別した新宿。そして夏油の命日。
新宿にて、現代最強の術師、史上最強の術師による人外同士の戦いがついに始まった。
余談
- アニメでは2018年のコミックPVから中村悠一氏が担当し、そのままアニメでスライドする形で続投されたため呪術でのメディア展開では一番最初にキャストが決まった。オーディションのジャッジを経由せずに一人のみのスライドという珍しい採用だった為、中村氏は当初はどう五条を演じるか分からない状態のまま演じていたらしい。
- 2019年バレンタインのチョコレート獲得数は第1位であり、2019年に行われたジャンプフェスタでの来場者限定の人気投票では294票を獲得し堂々の1位に輝いた際、作者から「五条に投票した方、特に女性、悪いことは言わない。七海にしとけ。」とコメントされていた。
- なおジャンプ本誌での人気投票では第1回が3位、第2回が2位となっている。
- 2020年のエイプリルフールで夏油と「祓ったれ本舗」というどこかで聞いたようなグループ名のお笑いコンビを結成したが、昔懐かしい形式の呪力舎公式ホームページで既に解散している事が判明する。互いが離別した回のセンターカラーの煽り文は「もういいわ(最強コンビ、解散)」。手の込んだブラックジョークであった。
- 「キャラクターブック京都交流会編」内の公式Q&Aによると、料理を始めとした家事はわりとできるらしい(そもそも呪術師は独身が多いため、皆一律に生活力はあるとのこと)。
- アニメ版エンディングテーマ『LOST IN PARADISE feat.AKLO』シングルのカップリング曲のひとつに、五条悟をイメージして作られた楽曲『MOONBEAMS SATELLITE feat. K.A.N.T.A.』が収録されている。
- 作中で『デジタルモンスター』のスカルグレイモンとメタルグレイモンについて言及しているが、デジモンの育成ギアから派生したバイタルブレスBEにて本当に呪術廻戦が参戦する。しかし、旧バイタルブレスシリーズとは異なり、実機を用いた他作品同士でのクロスオーバーバトルは行えないのでスカルグレイモンと五条悟の対決は実現せず。
- ファントムパレードなどでその多忙っぷりが判明した。これだけ働いていたら周囲から多少は尊敬されてもおかしくないのに尊敬されないのが五条の問題児っぷりである。
- 白髪・碧眼という共通点から、幼少期の五条に対して『HUNTER×HUNTER』のキルア=ゾルディックを連想するファンが少なからず存在していたが、アニメ放送で子供時代のCVがキルアと同じ伊瀬茉莉也氏であったことから「キルアじゃねーか!」と総ツッコミを受けた。
関連イラスト
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ぷくぷく天然かいらんばん:同姓同名のキャラがいる。作者の反応
271話のネタバレ注意
五条は新宿決戦にて、宿儺に敗れ、命を落としたが、他とは違う人間離れした価値観を持ちながらも、教師として強く聡い仲間たちを育てるという五条の夢は無事に叶った。
虎杖は死滅回游の残党である覚醒型プレイヤーの呪詛師を伏黒と釘崎と協力して見事捕まえた。虎杖は好きな人への逆恨みで術式を使って嫌がらせをしてきたことに反省する呪詛師を励ます際に五条の言葉を思い出す。
「もう五条悟とか どーでもよくない?」
虎杖「何言ってんの?」
「未来の話だよ 悠仁にはそう思ってて欲しくって」
「僕に何かあった時は繋いでいってほしい意志も夢もあるよ」
「でも今の僕が僕の終わりだとしても みんな いつかは僕より大人になる日が来るわけじゃん」
「そんな中、一人くらい僕のことを忘れて 僕とは全く違う強さを持つ人間が居た方がいいと思うんだ」
虎杖「忘れるわけないじゃん」
「期待しているよ 悠仁」
虎杖は反省している呪詛師に五条と同じ言葉を伝える。そして、これからがあることと、しっかり反省したら自分達に協力して欲しいことを伝えて喝を入れた。
最強の呪術師である五条の意志と夢は呪いを残さずこれからも続いていく。