「狡猾にいこう 呪いらしく人間らしく」
「肉体と違って、魂は何度でも殺せる 次はどう殺してやろうかな…」
※この項目は単行本未収録のネタバレ情報を含む場合があります。 |
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プロフィール
等級 | 特級呪霊 |
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発生源 | 人 |
身長 | 推定185cm |
嗜好・興味 | 嫌がらせ、人間 |
嫌いなもの | 人間 |
CV | 島﨑信長 |
演(舞台) | 太田基裕 |
生得術式 | 無為転変 |
領域展開 | 自閉円頓裹 |
概要
人が人を恐れ憎む負の感情から生まれた特級呪霊。
見た目は皮膚が継ぎ接ぎだらけの青年で、身体を黒いローブで覆っている。
呪いが人間を駆逐して繁栄する新世界創造のため、偽夏油と手を組み暗躍している未登録呪霊達のリーダー格。
虎杖悠仁の最大の宿敵であり、「虎杖のことを何度でも殺したい」という抑えきれぬ欲望を持つ。また虎杖にとっても初めて純粋な憎しみと殺意を向けた相手でもある。
人物
軽薄な性格で、発生したばかりの呪霊ゆえに無邪気で子供っぽく好奇心旺盛。
表面上は人間にも優しく接するが、本性は呪霊らしく冷酷非情で人間を見下しており、逆に同族である呪霊には、心から親しみを持って家族や親友の様に接する。
「軸や一貫性に囚われず、気の向くまま自由に人間を欺き誑かし殺す事こそが呪いの本能」であり「理性を得ても『人を殺したい』という本能に逆らう理由にはならない」とした上で、「呪いは呪いらしくあるべき」と考えており、目的達成のため合理的に動く漏瑚や花御に対してもっと自由に生きるよう諭していた。
「魂」そのものを知覚できる能力を持つ。それ故「人間の喜怒哀楽や感情は全て魂の代謝物にすぎず、命に価値や重みは無い(故に肉体は魂の容れ物にすぎない)」という持論を持っているが、これは「肉体は魂であり、魂は肉体である」とする夏油とは意見が分かれるところであり、夏油と意見を交わした際に真人は「術式によって見える世界も違うのではないか」と返している。
基本的には人間を遊び道具程度にしか思ってないが、公式ノベライズで描かれた番外編では、孤独で無欲なホームレスの老人との交流を通じて、「この世の中の人間がすべてアンタみたいだったら俺は生まれなかった」という感情を抱いており、全ての人間をそのように見ている訳ではない。
能力
「より洗練された殺すための形 殺すためのインスピレーションを 体現しろ!!」
前述の通り非常に好奇心旺盛で、それゆえに驚異的な学習・成長速度を持ち、貪欲に知識や知恵を吸収し渋谷事変では黒閃の習得にも至っている。戦いの中での試行錯誤を心から楽しむ。
術式の性質上、その肉体は変幻自在。どれだけ肉体を破壊されようと、呪力があれば、魂に直接干渉されない限り即座に再生できる事実上の不死身。
ただし両面宿儺の器である虎杖は魂の輪郭を無意識に把握しているため、真人の魂を直接攻撃できる。宿儺は魂の干渉を跳ね除けられるばかりか宿儺側からカウンターを行うことができる。虎杖の魂に触れようとすると,同時に宿儺の魂にも触れてしまう(そしてカウンターを食らう)ため真人にとって虎杖は攻防共に相性の悪い天敵となる。
また、呪力が尽きるまでダメージを与え続けられたり、全身を一撃で粉々に吹き飛ばすような超火力も有効。さらに、繋がりを辿ってダメージを与える野薔薇の「共鳴り」も効果があり(恐らく体と魂のつながりをたどれるため)、これには真人自身も「俺の天敵は虎杖悠仁だけでは無かった!!!」と驚愕していた。
術式
無為転変(むいてんぺん)
相手の魂に触れ、魂の形状を操作することで対象の肉体を形状と質量を無視して思うがままに変形・改造する術式。
人型状態の変形させていない素手で触れなければ効果はないが「自身の魂の形を知覚した上で魂を呪力で覆う」以外防御手段がなく、魂を守れなければ強力な呪術師であろうと意のままに改造・変形され、改造された者は二度と元に戻れず遅かれ早かれ死ぬ。
また、真人が自分自身に対して使うとノーリスクで自身の肉体を自在に変形させられるため、ドリルや鈍器、刃物や棘といった肉体の武器化や巨大化・伸縮・増殖・液状化、身体能力の強化が容易に可能。改造次第では
- 体の器官を再現して精巧なダミーを生み出す
- 両足を馬の脚に変化させて脚力を向上させ、超スピードで相手の懐に急接近
- 両腕を鳥の羽に変化させて飛行が可能
- 魚に変身して水中を高速で遊泳し、山猫や猿、ネズミや兎などの動物に変身して障害物の多い森林を跳び回る
- 腕を銃口に変化させ、縮小させた改造人間を銃弾として発射する(射出した後の弾の操作も可能)
- 改造でペラペラになった人間を着ぐるみの様に身に纏い、一般人に擬態する
- 時間差による変形で一般人の肉体を爆裂させて、血飛沫で目眩ましを行う
と言ったように恐ろしいほどに応用性が高く手数も桁違いに多いのも特徴。
最終的には分身すら可能としている。分身も独立した思考を持つ「もう1人の真人」であり、無為転変を使用できるが、効果範囲は自身の体を変化させるに留まっている。また自身の形状変化の応用で、領域展開に必要な印を口内で結ぶことが可能。絶え間ない打撃を受けながら,あるいは防御姿勢をとった状態でも領域を展開できる。
攻撃以外の使用法として他者に対し反転術式で治療できない重度の先天的傷病、身体の欠損でも改造することで完全に治しており、この点でも非常に有用な能力と言えるが、真人の呪霊としての性格上このような使い方をするのは希であると考えられる。
派生技
- 改造人間
上記の無為転変で魂を作り変えられ怪物化・奇形化させられた上で真人に操られる人間のこと。呪霊ではなく改造された人間なので、呪霊が見えない一般人にも見える。サイズは手のひらサイズから10メートルを超えるものまで造ることができ、手のひらサイズのものはいつでも取り出せるように真人の体内でストックされており,使用時は真人が吐き出すことで取り出す。無理やり形を変えられるため、闘わせると基本的に短時間でショック死する。改造後も僅かばかり人間の頃の自我が残っている。呪霊じみた異形として使役する他,巨大化させ質量攻撃を行う,武器に変形させるなど,応用の幅は広い。高専側には等級は3~2級弱と認識されている。渋谷事変では量産した幾千体もの改造人間を地下鉄に乗せるなどして渋谷へ送り込む大虐殺を実行し、ハロウィンの歓声で賑わっていた渋谷を一瞬にして悲鳴と断末魔が飛び交う阿鼻叫喚の地獄へと変貌させた。
- 多重魂 (たじゅうこん)
- 撥体 (ばったい)
- 幾魂異性体 (きこんいせいたい)
- 遍殺即霊体(へんせつそくれいたい)
「お前を殺して 俺は初めてこの世に生まれ堕ちる」
黒閃を経て真人が理解した自らの魂の本質、その剥き出しの姿。比較的人間に近い姿をしていた今までの姿から一変し、怪人のような姿となっている。
攻撃力・スピード・防御力が段違いに高められており、虎杖悠仁も「呪霊として変身前とは別次元の存在に成ったんだ!!」と考えるほど。
原型の200%もの強度を持ち、「両肘のブレード以外は変型しない」という"縛り"で更に強度を底上げしている。そのブレードは「変型時間を短くする」という縛りで強度をほぼ落とさずに中距離の相手を捉える事が可能。手首から先は原型の両手のため、遍殺即霊体の状態でも無為転変は使用できる。
なおこれらの解説は作者曰く「旋空弧月っぽくなったので本編で説明を省いたよ!!」という理由で本誌ではなく15巻で解説された。
領域展開
- 自閉円頓裹 (じへいえんどんか)
はい お終い
人間の腕が格子のように相手を囲む領域。
本来真人の手で直接対象に触れければならない「無為転変」が領域の効果で必中化するため、
領域対策がない限り回避不能の即死技となる。
なお、領域内でも無為転変自体は任意で発動しているため、領域が展開されてから無為転変の発動までに若干の猶予がある。
しかし、虎杖悠仁が領域に侵入した瞬間に、両面宿儺の魂に触れ、彼の逆鱗に触れたことから、領域内の相手の魂には常に触れており、いつでも魂の形状を操作できる状態にあるといえる。
無量空処同様、展開した時点で実質勝利が確定する凶悪な領域(ただし,上記のように虎杖は例外である)
七海建人と虎杖を同時に相手取った戦闘のなかで、「死」へのインスピレーションを得たことで発現した。
関連イラスト