「私が高専で学び気付いた事は 呪術師はクソということです」
「そして一般企業で働き気付いた事は 労働はクソということです」
概要
サラリーマンのようなスーツと、独特な形の眼鏡、七三分けがトレードマーク。
非呪術師の家系出身で、母方の祖父がデンマーク人のクォーター。
特級呪霊の真人が映画館で引き起こした事件の調査の際、虎杖悠仁の引率を五条悟に任される形で登場した。
作中及びファンからの愛称は「ナナミン」。
プロフィール
誕生日 | 7月3日 |
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享年 | 28歳 |
身長 | 184cmくらい |
所属 | 東京都立呪術高等専門学校OB |
高専入学方法 | スカウト |
等級 | 1級呪術師 |
生得術式 | 十劃呪法 |
黒閃経験 | 有り(連続記録保持者) |
趣味・特技 | 酒、自炊 |
好きな食べ物 | パン(割とグルメ)、アヒージョ |
嫌いな食べ物 | 平麺 |
一人称 | 「私」 |
イメージソング | |
CV | 津田健次郎 |
演(舞台) | 和田雅成 |
人物
後輩の伊地知潔高曰く「大人オブ大人」。
常に冷静沈着で物事を俯瞰的に観る事のできる人物。「事実に即して己を律する」を信念としており、責任感が強く真面目な性格ゆえに、基本的に愛想がなく厳しい発言をするが、決して冷酷な訳ではなく、真人によって異形にされた人間の涙を拭ってやるなど、その実は非常に人情深い性格である。
学生時代に唯一の級友・灰原雄を目の前で喪ったり、慕っていた先輩の1人である夏油傑が呪詛師に身を堕とすなど散々な経験をし、結果「呪術師はクソ」という結論に至り、逃げるように卒業後は一般企業へと就職する。
しかし、証券会社の勤務で業績に振り回される毎日に精神的に疲弊していたある日、パン屋で働く女性に憑く低級呪霊を気まぐれに祓ったところ深く感謝され、自分が「やりがい」や「誰かに必要とされること」を求めていた事に気付いて、呪術師の道へと戻る事になった(本人は労働も呪術師もクソだが、同じクソならより適性がある方を選んだと、やや自嘲気味に嘯いている)。
五条悟の学生時代の一年後輩に当たり、呪術師に復帰する際は一番に連絡していた。五条についての評価は「信用しているし、信頼している。でも尊敬はしていない」「絵に描いたような軽薄、その裏にあるドス黒い強さ」との事であり、小説版でも「慕いがいのない先輩だった」と嫌味を言っている。
しかし五条の方からは相当信頼されており、匿った虎杖の指導を任され、虎杖自身も当初は教職ではないにも拘らず、自然に「七海先生」と呼んでしまった程であり、彼に訂正されてからは「ナナミン」と呼び慕うようになっていった。
後輩の2級呪術師・猪野琢真からは非常に尊敬されており、七海の推薦でなければ1級になる意味がないと言わしめる程であり、実際に彼は準1級呪術師相当の実力を持ちながら2級のままだった。
余談だが、スマホゲーム「呪術廻戦ファントムパレード」にて、ボウリングが得意であることが判明した。本人曰くアベレージは180。
学生時代は裸眼だった。なおこの頃から前髪は七三分けだが、分け目が逆で撫で付けた髪型をしていた。
能力
一見するとインテリ風の外見とは大違いのゴリゴリの武闘派であり、拳で軽々とコンクリートを粉砕。並の相手の蹴りではノーガードで受けたとしてもビクともせず"人間を蹴った気がしない"とまで言われ、更には刀で斬られても無傷だったことから岩の壁として表現されていた。
術式「十劃呪法」の使い手で、肉弾戦+白兵戦主体の戦法をとる。呪符のようなものを刀身にグルグルに巻き付けた鉈のような武器を扱う(この呪符については詳細不明だが、これも“縛り”である可能性もある)。
「ここからは時間外労働です」
自身に時間による“縛り”を科しており、普段は呪力を80~90%に制限しているが、彼の定めた時間を超えて仕事が長引くと呪力が増していく。作者曰く「残業は人生のデメリット」という認識で“縛り”を成立させているらしく、途中で“縛り”を解除して100%の呪力を発生させる事もできるのだが、その場合は発生する呪力の総量は落ちてしまう(通常ならば110~120%出せる呪力が101%などになってしまうとの事)。
この時間外労働の状態になると、ネクタイをバンデージのように右手に巻き付けて、鉈と拳による連撃のスタイルで戦う。打撃・斬撃双方で近~中距離のリーチを完全にカバーしており、隙は殆どない。
その実力は、相性不利の術式を使う特級呪霊の真人とタイマンで真っ向から張り合うなど非常に高く、真人からも「強い」と評価されている(この時点の真人はまだまだ成長途上だったが、それでも既に並みの特級呪霊など凌駕するレベルの実力はあった)。
本人曰く結界術は苦手であり、領域展開の習得には至っていないが、スマホゲーム『ファントムパレード』のオリジナルストーリー「雨音と足音」にて、結界術の基礎である帳を下ろせることが判明した。しかし領域対策の簡易領域は未修得でありこれが原因で渋谷事変では負傷してしまった。
どんな術師でも狙って出せない、呪力を纏った打撃のクリティカルヒット「黒閃」の連続発生記録保持者である。京都での百鬼夜行で決めた事がファンブックで語られていたが、劇場版『呪術廻戦0』でそれが実際に掘り下げられ、一級呪霊4体を黒閃4連発で祓っている。
術式に頼らずとも1級相当以下の呪詛師程度なら単純な呪力による強化と防御だけの肉弾戦で、一方的に圧倒できる程である。
術式
十劃呪法(とおかくじゅほう)
対象の長さを線分した時に7:3の比率の点に強制的に弱点を作り出す術式。
全長だけでなく、頭部や腕など部分までを対象として指定する事が可能で、さらに生物だけでなく無機物にも有効である。
弱点を的確に攻撃する事ができれば、格下であれば峰打ち程度でも身体を両断してしまい、格上相手にも大きなダメージを通し、壁に拳を打ち付ければ地下道を崩落させる程の威力を発揮する事ができるなど、攻撃力や攻撃範囲すらも自在にコントロールできる応用の広い術式である。
しかし、真人のような身体の大きさを自由自在に変化させる事が出来る相手とは、非常に相性が悪い。また、基本的に接近戦でなければ有効な攻撃ができないため、遠距離を主体とする相手にも苦戦を強いられる。
拡張術式
瓦落瓦落(がらがら)
建物をクリティカルヒットによって倒壊させ、破壊した対象に呪力を篭める彼の拡張術式。
広域攻撃かつ高い質量を持った物体に呪霊に対する攻撃力を付与する高威力な技であり、作中で地下水道で使用した際には周囲でも震度2程度の地震が発生した。単純な火力は作中で登場した一級呪術師の中でもトップクラスだが、即座に退避を行わないと自らが巻き込まれるリスクもある。
評価
恐らく、作中で一番の好人物。
冷徹な第一印象に反して、実際にはむしろ甘いとすらいえる程に人が良い。
虎杖との初任務においても、教職ではない事を理由に先生呼びを否定しつつも、「私は大人で、子供である君を守る義務がある」と言う事で、虎杖のリスクを減らすために行動しており、前述通り呪術師と言う危険な職業に戻った理由も「人の為になる仕事」にやりがいを見出した事にある。
そっけない態度とは裏腹に、目下の者に対する愛情が強く、虎杖との初任務時には虎杖の事を認めないと口では言いつつも、虎杖の人間性を「他人の為に怒れる子」と高く評価し、真人戦後に「正しい死」に対して迷いが生じた虎杖に対して、彼を暗に呪術師として認める事を口にしながらその背中を押している。そして後輩が呪詛師にやられた際には、ブチ切れながら相手をボコボコにしている。
こういった事もあって、非常に多くの人から尊敬され信頼されており、前述した猪野は勿論だが、基本的に目上に対してもあまり遠慮がない伏黒恵や禪院真希、実力はあるが性格や対人評価に難がある東堂葵などからも「七海サン」「Mr.七海」などと敬称を付けて呼ばれており、猪野は虎杖が七海を「ナナミン」と愛称で呼んでいる事を知った際には、「マジで七海サンの事だったのか」と軽く引いていた。
それらの事柄から、ファンからは「いい人」「頼りにできる大人」と高い評価を得ており、作者からも、女性ファンに対して「(異性として好きになるなら)五条ではなく、ナナミンにしろ」とまで言われている。
コラボ
ゲーム
2021年の呪術廻戦コラボでプレイアブルキャラとして登場。
職業は剣。モチーフ武器として七海の鉈も登場。
特性として18時から10時の間はパワーアップする(スキル使用時の消費SPが-50%、気絶・感電・粘着・封印無効。七海の鉈も攻撃ダメージとアクションスキルダメージが50%増加)。
リアルタイムの時間に連動してパワーアップするのは鬼滅の刃コラボで登場した竈門禰豆子、七つの大罪コラボ第二弾で登場したエスカノールらと同じである。
アクションスキル1は7:3の位置にいる的に大ダメージを与える、アクションスキル2「瓦落瓦落」は敵を移動不可にできるなど原作を踏襲したスキルを使用可能。
呪術廻戦コラボガチャで登場。伏黒や釘崎を差し置いてまさかの星6で実装。
18時を過ぎると「時間外労働」で攻撃力が約1.1倍になる、ストライクショット「十劃呪法」でトドメを刺すとボスが7:3に分割されるといった原作再現の隠し要素が盛り込まれている。
また、原作再現というわけではないが超究極「不義遊戯」で後者の仕様を発動すると、ボスである東堂のイラストが「左側に東堂」「右側に高田ちゃん」という構成になっているため、7:3でちょうど東堂と高田ちゃんを分割できるという小ネタが存在する。
栄冠の闘技場アルセーヌセット「6-5」で最適性を獲得した。
敵は闇属性なので七海の持つ「闇属性キラー」もしっかり刺さる。
関連イラスト
関連タグ
※以下、「渋谷事変」編および、それ以降のエピソードのネタバレ注意!!!
マレーシア… そうだな… マレーシア……クアンタンがいい
何でも無い海辺に家を建てよう
買うだけ買って手をつけていない本が山程ある
1ページずつ今までの時間を取り戻すように捲るんだ
違う 私は今、伏黒君を助けに…。
…疲れた 疲れたな そう、疲れたんだ もう充分やったさ。
七海は陀艮との戦闘後、漏瑚に体の半分を焼かれ瀕死の重傷を負ったが、そんな状態になっても尚、渋谷駅構内に残っていた改造人間に立ち向かっていた。
そんな中、一人脳内で灰原に語り掛けていたところ、死んだはずの彼が現れ、灰原は虎杖を指差した。
最初は灰原の最期とそれに伴う七海自身の「呪い」を想起し、否定していた七海だが、
直後、彼の様子を見ていた真人に背後を取られ、今際の際に駆けつけた虎杖に────────
「虎杖君」
「後は頼みます。」
優しい呪いの言葉を掛け、上半身が弾け飛ぶという残酷な最期を迎えた(彼の死後、術式自体は使用していた鉈に受け継がれ、呪具へと昇華した)。
この言葉は、後に良い意味で虎杖に「呪い」として遺ることとなった。
虎杖「 ………お前は なんなんだ!!!! 真人!!!! 」
真人「 デケェ声出さなくても聞こえてるよ!! 虎杖悠仁!! 」
七海建人の死と一人の友の犠牲、そして始まる虎杖と真人の最終決戦
渋谷事変は遂に最終局面へと突入する──────
余談
- 上記エピソードに該当する、漫画第120話の掲載が本誌でアニメの声優発表が記載されたのと同じ号で、アニメ第42話に至っては放送日がよりにもよって勤労感謝の日だったため、「製作陣は人の心とかないんか?」といった声が相次いだ。
- また、この場面収録は放送日の2ヶ月前に行われ、七海役の津田健次郎や真人役の島﨑信長の他、『情熱大陸』の取材班が津田の特集のために同行し、この七海の最期のシーンのアフレコ風景が本放送2週間後にオンエアされた。最後の台詞の「後は頼みます」に苦悩する津田の姿が収められている。
- アニメ放送後、なんとマレーシアのパハン州議員が観光地アピールのため、七海が作中で呟いていたクアンタンビーチ内に「七海の家」を建てたという。Google Earthで調べると「Nanami Home」と表示されている。
- 後に同局の火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』でも最後の台詞の「後は頼みます」が最終話で使用された。(いわゆる中の人ネタ)