「いい機会だ 教えてやる 本物の呪術というものを」
「ほら 頑張れ 頑張れ」
※この項目は単行本未収録のネタバレ情報を含みます |
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プロフィール
等級 | 特級呪物(特級呪術師相当) |
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嗜好・興味 | 食べること |
嫌いなもの | なし |
生得術式 | 御廚子 |
領域展開 | 伏魔御廚子 |
CV | 諏訪部順一 |
演(舞台) | 五十嵐拓人 |
イメージソング | 平沢進「Day Scanner(アルバムSIREN)」・マリリン・マンソン「(s)AINT」 |
概要
千年前の呪術師で、死後もなお現世を脅かす呪いの王と恐れられる男。呪術全盛の時代、術師が総力をもって勝てなかったとされる史上最強の呪術師。
その力のあまりの強大さに、死後もなお計20本の指の屍蝋が特級呪物として残されたが、当時の術師達は封印することしかできず後に散逸した。そのうちの1本を虎杖悠仁が取り込み、彼を器に受肉する形で復活を遂げる。
人物
人物像
天上天下唯我独尊、己の快・不快のみを生きる指針としている非常に奔放で残忍な性格。
弱肉強食主義者であり、「他者は死ぬまでの暇つぶしとして丁度いい」という思考で行動し、「強者」と認めた相手には興味を持つが、逆に「弱者」とみなした相手は一方的に痛めつけて楽しむ。人間の特に弱い女子供を殺すことを悦楽としている他、特に人間を食べることを最大の喜びにして趣味嗜好としている。
虎杖に受肉していた時期は虎杖に意識を抑え込まれており普段は意識が表層に出てくることはない。宿儺が肉体の主導権を握ると、爪が黒くなって尖り、顔を含めた全身に紋様が浮かび上がり、両眼の下にもう一対の眼が開眼する。
精神世界である生得領域内でも生前の容姿に戻ることはない。また肉体の主導権を握っている間は、心臓を抜き取っても修復と同時に呪力によって強制的に血液を流すことによって生き続ける事が可能。
渋谷事変までは作中にて実力に物を言わせた残忍・傲岸不遜そのものと言える言動が殆どで底が見えない第三勢力的な描写が多かったが、渋谷事変の漏瑚での戦いをきっかけに、独特の哲学や生死観、合理的な思考・謙虚さ・虚しさ・相手への洞察の深さ・相手が抱えているモノを見抜き問答をする描写が散見されるようになっていく。
自身は己の生き方を「俺は俺の身の丈で生きているに過ぎない」「これまで身の丈以上の理想を持つことが無かった」と考えているものの、己の内面を把握しきれていない面もあり、時には己自身にも自問自答することある。
頭脳の切れの良さと豊富な知識量から、初見の能力ですら高度な予測を立てて対処し、容易く模倣するなど戦闘面では冷静な一面も見せる。頭の回転が早く、分析力や状況判断力も高い。
側近の裏梅曰く、気まぐれな性格をしているらしく実力が自分に近い者でないと、例え自身の傷が深くとも本気を出さないこともしばしばあるとのこと。
傲岸不遜な面が目立つものの、自らが認めた者に対しては(あるいは気まぐれで)意外と気さくで口数が多くなり、意外に空気は読めて察しは良く、他者とのコミュニケーションも嫌いではなさそうな面を見せる。
羂索とは協力関係にあるが、「縛り」抜きにしても互いに軽口を叩き合っているため、どのような関係を持っているのか不明な点がある。
※2024年6月時点で羂索と宿儺の間にどういう関係を持っているかは本誌では明かされてない。
作者は「人間だった頃の記憶はまんまあります。宿儺自身や彼の周りが彼を“人間”と認識していたかは微妙ですが」と語っている。
虎杖悠仁との関係
器であった虎杖に対しては、自身を閉じ込める存在として疎ましく思っている一方で興味を抱かず冷淡な態度をとる。
受肉して以降は虎杖の顔に自身の口や目などに表情を浮かべて、宿儺の指を取り込んだことで起こった惨劇をわざわざ「お前のせいだ」「オマエがいるから人が死ぬ」と嗤うなど心の傷を深く刻もうとするような非常に悪辣な態度を見せた。
しかし、人外魔境新宿決戦では、一月で反転術式を習得し、何度折っても立ち上がって来る虎杖のことを忌々しいと思う反面、一度は一つの肉体に魂を共存させたことで、虎杖が「百折不撓の理想」を持ち、遥か格下の存在でありながら理想を貫く意志の強さのみで自身に並びつつあることを認める。また、内心では虎杖の影響を受けていることに自覚してもいる。
※以下、本誌257話に含まれる重大なネタバレあり
本誌257話にて宿儺は本来双子であったことが判明。
生い立ちは本人もはぐらかした言い方をしたようだが、生まれつきの強者ではなく『忌み子』だったのではないかということ、そして『飢えていた』ことが示唆されている。
宿儺とその片割れの母は飢えていたが、片割れを喰らうことにより宿儺は生き延び、双子で生まれる運命を退ける。それは結果的に最強であることに誇りに持つ宿儺からしたら好都合であった。なぜかと言うと、呪術的な観点から見れば一卵性双生児は忌子であり2人が同一人物と見做されるため、本来の強さが2人分に分かれてしまい中途半端となり落ちこぼれになってしまうからである。
忌み子であれ飢えであれ、どちらにせよ宿儺は恵まれた生い立ちではない。
そして、宿儺が喰い殺した片割れの生まれ変わりを父に持つ悠仁は、血の繋がりはないが魂的に見ると宿儺の甥にあたる。
特級呪物「両面宿儺」
宿儺の死蝋は全20本の指として現代まで特級呪物として残り続け、強大な呪力が込められている。
他の呪いが寄り付かなくなるという性質を持っているため、毒をもって毒を制する形で魔除けとして使用される。通常の特級呪物は「封印中は他に害を成さない」という縛りにより、破壊不可能な耐久性を持つが、宿儺の指の場合は強大な呪力から、その縛りの上でも周囲に呪いを寄せ付けるようになった。
形態
虎杖受肉体
虎杖悠仁を器に受肉した姿。体を完全に乗っ取れておらず、虎杖と交わした契約の“縛り”等を除き、普段は虎杖に抑え込まれており、宿儺の意識は表層に出てくることはない。虎杖の精神世界内に展開されている彼の生得領域内では、袖の広い女物を思わせる白い着物を着ている。
作者曰くこれは彼には腕が4本ある為、大きめで作られている女物の着物の方が着やすいからとのこと。
伏黒受肉体(伏黒宿儺)
伏黒恵を器に受肉した姿。虎杖に受肉していた時と違い、肉体の主導権を完全に掌握している。宿儺本来の術式の他に伏黒の肉体に刻まれた術式「十種影法術」を使用可能。身体を乗っ取った当初は仲間を傷付けることを嫌った伏黒の拒絶で身体の支配が不完全だったが、浴による身体の仕上げと、万を受肉した伏黒の姉・津美紀を殺害することで伏黒の心を沈め身体の支配を完全なものとし、五条悟を殺害するまではこの姿でいた。
完全体(生前宿儺)
宿儺の生前の姿。顔の右側は歪に変形しており、史実に違わぬ四本の腕と腹の口を持つ異形の姿であり、背丈は2mを超える。
見た目こそ不気味だがこれは術師にとっては大きなアドバンテージであり、四本の腕によって掌印を結びながら肉弾戦ができるだけでなく、腹の口で心肺に負担をかけずに呪詞の詠唱を絶え間なく続けられる。
まさに呪術の極みを体現した肉体であり、鹿紫雲一はその姿に感動し美しさまで感じていた。
能力
※『十種影法術』は伏黒宿儺の記事を、呪具については生前宿儺の記事をそれぞれ参照。
実力
指を全て取り込んでいない不完全な受肉の状態でも特級呪霊を肉弾戦のみで圧倒するなど超越した戦闘能力を有し、その実力は計り知れない。
ほぼ全ての指を取り込んだ状態での呪力量は五条を上回る乙骨憂太の更に倍以上の呪力量と、五条が六眼を持っていなければ勝っていたと言われる程の高い呪力効率を誇る。
呪術の才は極めて秀でており、反転術式は勿論、術式の高度な運用、後述する結界を閉じずに領域を展開する離れ技をやってのける他、一度見た呪術に関する技を理解・習得する等、学習能力も非常に高い。
作中では、五条の反転術式による焼ききれた術式の治癒を一度見ただけで会得し、羂索の手を借りて自身の魂を20本の指として分割したたった一度の体験だけで、自らを呪物にする方法を学習している。
呪力により心臓を動かす事が可能であり、心臓を刺されても生存することが出来る。
本誌では縛りを活用し、ノーモーションでの次元斬を放ったり領域の掌印を変更したり、「竈」「開」の威力や効果範囲を底上げしたりした。
体質
受肉体の特性の応用で肉体の一部を変化させる能力を会得しており、渋谷事変でアニメでの八握剣異戒神将魔虚羅との戦闘では、首に口を出現させ、退魔の剣を噛み砕いている。
人外魔境新宿決戦では、意図的に中断させていた受肉を再開させることで肉体を修復している。
反転術式
宿儺のそれは欠損した指や手、果ては臓器までもを一瞬にして再生してしまうなど極めて強力。
更には他者の治療も可能で、「確定した死」でなければ蘇生レベルの治癒を行える。
術式
御廚子(みづし)
不可視の斬撃を操るいたってシンプルな術式。条件付きで炎を扱うことも可能。
渋谷事変での宿儺本人の発言及び万との戦闘中に万の反応等から人間サイドは術式を知ってるような描写が在るが、少なくともジャンプ本誌(2024年4月1日発売分まで)及び単行本(25巻まで)では詳細は明かされておらず不明である。
六眼保有者の五条は戦闘中に「純粋な術式の性能では無下限呪術>御廚子」と評価している事から術式自体はそこまで強力ではなく、作中での性能が規格外なのは、宿儺の呪力出力と技量の凄まじさによるものである。
- 解(カイ)
通常の飛ぶ斬撃。
対象を細切れにしたり、ビルを真っ二つにするほどの威力。連射、形状の調節が可能。手を構える動作をとるが、ノーモーションでも放つことが可能である。
相手の硬度や自身の呪力出力によっては耐えられることもある。
- 捌(ハチ)
対象の呪力量・強度に応じて自動で最適な一太刀で相手を卸す斬撃。
領域内である場合を除いて、対象に直接触れてのみ発動する。
派生技として捌を蜘蛛の巣の如く広範囲を切り裂く蜘蛛の糸という技がある。
- 竈(カミノ)
「竈」→「開(フーガ)」と唱えることで炎を顕現させ、矢の形にして放つ攻撃。
炎の扱いに長けた漏瑚を上回る高火力を誇るものの、「解」「捌」の双方を使用してからでないと使えない、速度が遅い、効果範囲が狭いなど欠点も多い。
宿儺は後述の領域展開「伏魔御廚子」と組み合わせ、この技を自身の最終奥義へ昇華している。
まず『領域展開中を除く多対一での「竈」の実行禁止』という縛りを追加し術式を拡張、「伏魔御廚子」で切り刻み生み出した粉塵に「竈」と同じ爆発性の呪力を付与。塵の一粒一粒すべてがある種のサーモバリック爆薬と化したところで「竈」で着火し、大爆発を起こす。
粉塵の量など環境にも左右されるが、条件が整った際の威力は絶大であり、自身を除く領域内の全生物を死に至らしめる。
※追加した縛りについて、裏を返すと領域展開中や一対一では使用に制限がない。
渋谷事変で初めて使用された際は御廚子同様に本誌・単行本で詳細が明かされてなかったが、原作258話にて再登場。渋谷事変では「■」と表記されていた技名の一部が「竈(カミノ)」である事が判明した。
領域展開
伏魔御廚子(ふくまみづし)
掌印は、インド神話の冥府神ヤマが日本に伝わり仏教の天部となった、運命と死と地獄の神・閻魔天の印。様々な生物の頭骨に象られた寺のお堂が出現する。
結界で空間を分断せずに生得領域を具現化する「閉じない領域」を展開可能。現代の術師・受肉した過去の術師からも、「ありえない」と断言される離れ技。
領域内の呪力を帯びたモノには「捌」、呪力の無いモノには「解」が領域が消えるまで絶え間なく浴びせる。
「結界で相手を閉じ込めない」という性質を「相手に逃げ道を与える」という縛りにすることで、領域の効果範囲は指15本の時点で最大半径約200mにまで拡大されている。
上記の縛りにより領域の出入りは自由だが、領域が広い、絶え間なく斬撃が浴びせられるため、一度効果範囲内に捉えられると脱出するのは困難。
さらに結界で閉じないために領域同士の押し合いになっても相手の領域を外側から破壊できるため、相手の結界に斬撃を浴びせて結界を破壊する事で、閉じた領域相手には圧倒的な優位性を誇る。
領域の構成要件を変える事で領域の効果範囲を絞ることで威力を高める、通常の閉じた領域にも切り替えることも可能。
本誌の258話では掌印を縛りで五条と同じにさせる事で不完全な御廚子が放たれた。
活躍
上述の通り、虎杖が宿儺の指を取り込んだ事で、虎杖の体を乗っ取る形で千年ぶりに復活する。
虎杖のことは己を抑え込む檻のような存在のため疎ましく思っており、他の指がある限り復活が容易なため、当初は隙あらば虎杖を殺そうとしていた。
実際、一度心臓を抜いて殺してしまったが、伏黒恵のことを「唯一の好奇」として気に入ったことから、伏黒を傍で見守れる存在として虎杖のことを生かすことに決め、彼の心臓を治癒。
〝縛り〟を虎杖に結ばせる。
その際に「『契闊』と唱えたら一分間体を明け渡す」、「契約内容を忘れること」、「二つの条件で虎杖が自分に体を明け渡している間は誰も殺さないし傷付けない」という内容の縛りを結ぶ。(この誰も殺さない傷付けないは虎杖に拒否されたため、仕方なくこの条件を付けた。)
渋谷事変編
渋谷事変では漏瑚と枷場美々子・枷場菜々子が合わせて脹相に敗北し気絶した虎杖に計11本の指を一気に取り込ませたことで、適応が追い付かず契闊なしで宿儺が一時的に肉体の主導権を得る。
「頭が高いな」
美々子と菜々子に偽夏油を倒してくれと頼まれるも、それを一蹴して二人をあっという間に惨殺。
漏瑚に今のうちに肉体の主導権を永劫に独占するための〝縛り〟を虎杖と結ぶように言われるもそれを拒否し、戯れとして「俺に一撃でも入れられたら呪霊(オマエら)の下についてやる」と言う条件を付け漏瑚と交戦。
指15本分の力で漏瑚を終始圧倒し、最終的に漏瑚の得意技である炎を使った戦いに持ち込んだ末に彼を灼き殺す。
その時、今際の彼に「千年前戦った中ではマシな方だった」「誇れ、お前は強い」と声を掛け、珍しく相手を称賛した。その後、側近の裏梅と再会し、嬉しそうな表情を見せる。
漏瑚祓除後は、自滅覚悟で自ら召喚した八握剣異戒神将魔虚羅に重傷を負わされた伏黒の救出のため、裏梅と別れて魔虚羅と交戦(その戦闘の最中、アニメ版ではビル内での戦闘になるが、その際に中にいた一般人をついでのように殺害している)。
「あらゆる事象への適応」の能力をもつ魔虚羅に対し圧倒的な火力と領域展開をもって対抗し討伐する。この時、渋谷の半径140m圏内の市民や建物、土地などが巻き添えで塵と化した。
その後、伏黒の傍らにいた呪詛師重面春太を殺害。肉体の主導権が戻る事を察知した宿儺は伏黒を仮設本部に運んだ後、わざわざ自分と魔虚羅との戦闘で更地になった場所へ戻ってきた。「せいぜい噛み締めろ」という言葉を残し、虎杖に肉体の主導権を返還した。
以下、さらなるネタバレ注意。
死滅回游編
「術式を消滅させる術式」を持った術師・来栖華との接触。来栖に受肉している天使と呼ばれる千年前の術師と、〝堕天〟と呼ばれる泳者を殺すことを条件に獄門疆の封印を解く、と約束した虎杖達だったが、実はその〝堕天〟が両面宿儺であることを宿儺自身が明かす。
その後、伏黒恵の姉である伏黒津美紀が覚醒した呪術師ではなく、受肉した過去の術師であることを知り、伏黒恵の魂が折れかけた隙を付き、上記の契約で強制的に虎杖と入れ替わり、邪魔されないように近くにいた来栖(天使)を気絶させ、虎杖の小指を自身の小指として呪物化させて千切り(「誰も傷つけない」という〝縛り〟に虎杖自身は含まれていなかった)伏黒恵に無理矢理それを飲み込ませ…
彼の身体を乗っ取り受肉を果たした。
以降の彼の動向の詳細は伏黒宿儺にて
余談と考察(本誌ネタバレ注意)
謎の多い人物
・本名
・生い立ち
・肥大化した仮面のような二つの片目
・天元や羂索、天使との因縁
・『堕天』とは何だったのか
・なぜ天元は宿儺の遺体を即身仏にしたのか
・なぜ現在の天元の見た目が生前の宿儺に似ていたのか
・虎杖が宿儺の素性に理解を示した理由
・呪物になってまで現世に来た理由
・伏黒恵が宿儺への耐性がある理由
・最終回で明かされた「2度のきっかけ」
など本編で触れられてはいるが詳細は不明な設定が多く、過去編が読者から待ち望まれている人物なのだが、果たして掘り下げられる日は来るのだろうか…。
『宿儺の興味』
ファンブックで宿儺の最大の喜びは「食べること」と説明されている。
宿儺の領域展開である「伏魔御廚子」の名称に含まれる厨子とは仏具を収める物入全般を指し、広義には仏壇もこの厨子に入る。その「物入」と言う特徴と、宿儺自身が呪いの王であるという設定から、宿儺の術式は、様々な術式を蒐集し扱う事ができるというものではないかと考察されていた。また、130話で「領域展開後は肉体に刻まれた術式は一時的に焼き切れ使用困難になる」という情報が記述されたことも宿儺の斬撃と炎は別の術式なのでは?という考察の裏付けとなった。
一方で、118話の煽りに「万死の厨房」と言う言葉が使われたことから、宿儺の術式が調理なのではないか?と言う考察が俄かに脚光を浴びはじめた。実際、御廚子とは「台所」を意味する言葉でもあり、そもそも元ネタになった両面宿儺にも料理に関するエピソードがあり、日本一宿儺鍋と言う巨大な鍋も宿儺の地元に存在している。
何より「切断を多用し火も扱える」と言う特徴に加えて、宿儺の使う言葉の端々には、三枚おろし、味見、飢え、俎板の上の魚、鱗から剥ぐ等、食にまつわる言い廻しが多く、伏魔御廚子が発動した際にも、巨大な口と大量の獣の骨という、食事を想起させる描写がある。また、解や捌の発動時にイメージとして出刃包丁と中華包丁が描かれ、平安時代の新嘗祭(作物の豊穣を祈る祭り)では大人しく人々から祭られている。
更に、海外でのアニメ配信時には伏魔御廚子にMalevolent Kitchenという英訳がつけられたが、これは凶悪な厨房という意味であり、術式が調理に関連するという説をより後押ししている。
「■」について
宿儺は斬撃の術式以外に炎の術式も扱え、その直前「■ 開(フーガ)」と唱える。この「■」の読み方については初出以降ずっと明かされず、流用元となった過去の読切漫画『No.9』で主人公が「□(ボックス)」と呼んでいた事から、便宜上ボックスと読ぶ読者が多かった。
しかしその後の原作にて「■」の中身が「竈」である事が判明。読みは「カミノ」ではあるものの字は料理にも使う竈門であり、宿儺の術式が調理という説が的中したと思われる。
またさらに後で「胎児の頃に飢えのあまり双子の兄弟を食らった」というショッキングな事実が判明したことから、宿儺の無意識下でのトラウマが術式に影響を及ぼしているとも考えられる。
普段の様子
虎杖に受肉していた時の宿儺は、虎杖の中でボーっとしているらしい。たまに虎杖を通じて外の世界をのぞいているらしく、映画修行の時も見たり見ていなかったりしたという。
作者曰く、「千年ボーっとしていた暇つぶしの達人」。
アニメ版「渋谷事変」篇のアニオリシーンにて、魔虚羅との戦闘で映画館まで吹っ飛ばされたが、なんとポップコーンとコーラを持ちながら復帰してくるという、何ともシュールな光景を見せた。
恐らく虎杖が呪力について学ぶ為の映画鑑賞で食べていたのを彼の裡で見て、興味を持ったのだろう。(だが不評だったらしく、ポップコーンもコーラも口に入れた傍から「不味い」とすぐに吐き出している。)
虎杖悠仁との関係2
本来の宿儺と虎杖悠仁は関係性が明かされる前から髪の色や雰囲気が似ていたため、宿儺に妻や子がいないのは作者から明言されているので先祖と子孫の関係ではないにしろ、何かしらの深い関係なんだろうと考察されていたが、上記にも記載した通り、本誌にて悠仁の父親である虎杖仁が宿儺の双子の生まれ変わりであることが明かされた。つまり宿儺と悠仁は血の繋がりはないが魂的に叔父と甥っ子の関係にあたり、この関係性が読者から気に入られ、pixivやSNSで公式とは真逆な叔父さん宿儺と甥っ子悠仁のハートフルな二次創作が多数描かれた。しかし、魂的に叔父と甥の関係でも血の繋がりは無いため、髪色や顔の雰囲気が似てるのはなぜなのか?といった疑問は残る。宿儺と虎杖家は親戚関係なのか?もしくはメタ的に関係性の匂わせ目的でビジュアルを似せただけの可能性もある。しかし、作者からの言及がないため詳細は不明。また、宿儺と虎杖悠仁の関係は、作者曰く『NARUTO』のうずまきナルトと九喇嘛の関係がモデルになっているが、二人とは違い絶対に相容れない関係として描いているとのこと。
宿儺の怒りの沸点
作中では滅多に怒りの感情を表してはおらず、どんな時も毅然とした態度を崩さなかったが、初めて明確に怒りを表したのが、悠仁に黒閃を何度も打ち込まれ、それにより伏黒の魂から引き離されそうになった時である。何に対する怒りなのかは明らかにされていないが、状況的に読者からは「どんだけ小僧が嫌いなんだw」や「伏黒恵と引き離されるのがそんなに嫌なんだな。」など様々な解釈がされている。また、266話の「あの日」にて、自身に憐れみを向けた悠仁に今まで見た事がないくらいの激しい怒りを露わにした宿儺が描かれた。どうやら、宿儺は憐れみを向けられる事を見下されていると受け取るようで、自分でも驚くほどの怒りの感情が湧くようだ。
名前の由来
名前の元ネタは『日本書紀』では皇命に逆らう賊とされた両面宿儺だが、飛騨国から美濃国にかけての旧飛騨街道沿いには様々な伝承が残っている。
作中の彼は伝承と近い姿をしているから『宿儺』と呼ばれているだけで、実のところ彼自身の本名すら分かっていない(あるいは本名すら無い可能性がある)。
ちなみに、両面宿儺の伝承が残る地で宿儺に因んだ『宿儺かぼちゃ』と『宿儺のめぐみ』という名前のかぼちゃが生産されている。
双子の胎児
妊娠した双子の胎児のうち1人がお腹の中から消えることは現実でも少なくない現象(バニシングツイン)であり、ある統計では生まれてくる赤ちゃんのうち8人に1人は子宮の中で双子(隠れ双子)だった時期があるという。
『宿儺の過去』
宿儺の過去は断片的にしか語られないが、下の内容は本編を中心に触れられている。
その事から、人権という概念すらなかった平安時代で、最底辺の生い立ち及び他人を頼らずに生きていく壮絶な人生だったことは想像に難くない。
・生まれる前から母親が飢えていた
.生まれる前に双子の片割れを食べた
・忌み子で虐げられていた
・異形の外見
・周囲から人間扱いされていなかった
・育ての親はいなかった
・術式を自覚する4歳頃までは無力な子どもでしかない
.天使の属していた組織や万がスカウトされた組織など複数の組織を退けた実績あり
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両面宿儺……神あるいは鬼や妖怪に分類される存在。元ネタの一つであり、作中では宿儺の本名ではなく、異形な姿が似ているから俗称でそう呼ばれている。