「何が不満かって!? 分かってんじゃねぇか!!」
「満ちてねぇから不満なんだろ!!」
概要
受肉した過去の呪術師の一人であり、苛烈を極めた仙台結界において四つ巴の一角。所持得点は77点。
人物
ポンパドールヘアで裸にファー付き皮ジャケットを羽織った青年。ヘビースモーカー。
約400年前の術師であり、生前は陸奥・仙台藩に属す。藩の歴代一の呪力出力を誇り、当時から『大砲』の異名と共に全国に名が知られていた。この頃からヘビースモーカーである。
食に対する執着が強いのか、作中では戦闘を度々食事やお菓子に例えている。甘党なのか物事を甘いお菓子に当てはめて考えたり、「sweet」や「甘い」という言葉が口癖である。
一度目の人生はおおむね満足(本人曰く「腹八分」)だったらしいのだが、自らの心のどこかで感じる理由のない『渇き』を解消する為、受肉して死滅回游に参加。今回が初めての受肉と思われる。その為に生前に悔いを残し、二度目の人生に縋る烏鷺亨子とは真っ向から反発する。
戦闘中の乙骨憂太と烏鷺をまとめて潰しにかかったり、得点から見て分かるように術師・非術師共に手にかけたり(正確には一般人を積極的に狙う気はないのだが、自らの攻撃で巻き添えになる事を全く意に介さない)と非常に大胆かつ極端にドライな性格をしており、良くも悪くも自分の渇きを癒す事以外に関心がない。
乙骨達との戦闘の中で、乙骨との戦いに前世で味わえなかったデザートとしての意味を見出し、激闘の末に『満腹』を迎え、満ち足りた表情を見せつつ敗北。乙骨へポイントを譲渡した。
その後、自由の身になった宿儺に気圧されながらも堂々と対峙。「解」を喰らいダメージは受けるも致命傷にはならず、宿儺からも本気でやってやろうと「捌」を使われ、術式を使う間もなく頭を刻まれて殺害された。
能力
乙骨も含めた死滅回游全泳者中最強の呪力出力を誇り、『大砲』と評されている。
後述の呪力の砲撃以外にも、桁外れの呪力出力と瞬発力に物を言わせた身体強化と格闘能力も凄まじく、完全顕現状態のリカを真正面から殴り飛ばす程の火力と、リカの攻撃を真正面から受けても即座に反撃する程のタフさを持つ。
格闘と呪力の出力だけならば、リカ接続状態の乙骨の最高出力すら上回る。
加えて乙骨と互角以上に渡り合っていた事から、1級以上かつ特級に届き得る実力者といえる。
宿儺に瞬殺されたものの、当の宿儺からは『三枚に卸すつもりだったのになかなかやるな』と賞賛される程の実力者。
また後の宿儺の回想では、『「リカ」よりも堅く、触れなければ致命傷を与えられない』と語られている。
術式
呪力の放出
ただの呪力操作。つまり術式としては無いも同然であり、ある程度の呪力とその出力が出来れば誰でも使える技。
裏を返せば、術式が使用不能になっても同等のパフォーマンスが可能という事であり、彼だけは領域展開後に術式が焼き切れた状態でも普段と同等のパフォーマンスを発揮できる。
このように術式が無くとも出力任せで再現可能である程の単純すぎる術式でありながら、己の確固たるセンスと具体的なイメージ等が無ければ修得に至らない「領域展開」まで構築出来るように、術式に対して並々ならない理解力を有している。
- グラニテブラスト
ポンパドールの先端から呪力の砲撃を放つ。攻撃範囲が広く、威力も相当高い事が窺える。
砲撃は極太ビーム、追尾可能な誘導弾、フレアの様な複数発射などバリエーションも豊富で、頭が固定砲台として機能するので、そのまま接近されても素手による格闘戦が可能。
ただしこれらの多くは、術式に依らない通常の呪力操作でも同じ事が可能。ただし術式なしで放つと威力が落ちる模様ではある。
その威力は一撃で道路を抉って建造物を吹き飛ばす程で、リカ接続状態での乙骨の最高出力の呪力放出ですら及ばないとされている。実際に真正面からの撃ち合いでは乙骨を押し切っている。
領域展開
領域展開を習得している。印相は孔雀明王印。
作中では乙骨と享子との三巴の中で使用したが、黒沐死の子による妨害のせいで不発に終わったのでその全容は不明。
余談
- 400年と数余年前の術師とされているが(大体戦国時代が終わって家康が江戸幕府を開いたくらいの頃)、その割には「グラニテブラスト」という技名も含めて、やけに洋風な言い回しを好んでいる。受肉した肉体の元の持ち主の嗜好が現れているのだろうか。
- 生前は鹿紫雲一と同じ時代に生きていたが、鹿紫雲は既に老境に達していて、且つ互いに遠く離れた場所にいた為に二人が交わる事はなかった。乱世の時代でも全力を出すことがなかった鹿紫雲に対して、江戸幕府による平和な時代に全盛期を迎えて力を燻っていた石流と、2人とも少し違った渇き方をしている。
- 『グラニテ』はフランス語で口直しとして出される、シャーベット状の氷菓子を意味する。
- 宿儺との対戦で、『解』を防いでいる。『解』は、様々な方法をつかって威力を下げて防ぐのがやっとであり、それを通常の呪力強化で防げているのは、彼の呪力出力の高さを裏付けている。