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“死滅回游”


「答えはいつだって 混沌の中で黒く輝いているものだ」

※この記事は単行本未収録のネタバレが含まれています。


概要

かつて加茂憲倫、現在は夏油傑の肉体を乗っ取った羂索が仕組んだ、呪術を与えられた者達による殺し合い

経緯

人間という呪力の可能性を求めた羂索は、自ら生み出したモノでは自分の可能性の域から出ない事を悟り、自分の手から離れた混沌を創る事によって答えを求めた。
結果彼は千人の人間にマーキングを行う。その際彼の呪力にあてられて寝たきりになった者も出たが、羂索が封印を解いた事で目を覚ます。

呪いを与えられた者は二つのパターンに分けられ、一つは虎杖悠仁のように呪物を取り込ませた者。もう一つは吉野順平のように術式を所持していながら脳の構造が非術師の者。それらの脳を、抽出した真人の「無為転変」によって術師の脳に整える事で前者は器としての強度を、後者は術式を発揮する仕様を手に入れた。

羂索曰く「千人の虎杖悠仁が悪意を持って放たれた」事らしく、彼らはこれから呪力への理解を深めるために殺し合いを始めると語る。
結果、彼が語った通りその殺し合い……死滅回游が始まろうとしていた。

総則(ルール)

殺し合いと言っても単なる生存を賭けたバトルロイヤルではなく、八つほどの総則が最初から設けられている。

泳者(プレイヤー)は術式覚醒後、十九日以内に任意の結界(コロニー)にて死滅回游への参加を宣誓しなければならない。
前項に違反した泳者からは術式を剥奪する。
非泳者は結界に侵入した時点で泳者となり、死滅回游への参加を宣誓したものと見做す。
泳者は他泳者の生命を絶つことで点(ポイント)を得る。
点とは管理者(ゲームマスター)によって泳者の生命に懸けられた価値を指し、原則術師5点、非術師1点とする。
泳者は自身に懸けられた点を除いた100得点(ポイント)を消費することで管理者と交渉し、死滅回游に総則を1つ追加できる。
管理者は死滅回游の永続に著しく障る場合を除き、前項によるルール追加を認めなければならない。
参加または点取得後、十九日以内に得点の変動が見られない場合、その泳者からは術式を剥奪する。

つまり羂索が言う『人間の可能性』が見られるまでは永遠に殺し合いを続けなければならなく、拒否すれば術式を強制的に奪われる事になる。

各総則の捕捉

泳者(プレイヤー)は術式覚醒後、十九日以内に任意の結界(コロニー)にて死滅回游への参加を宣誓しなければならない。

羂索の手で術式を覚醒させられた者(呪物を取り込んだ者も同様?)は必ず回游に参加せねばならないという、命を懸けた戦いに参戦を強制するもの。
この話を聞いた時点で11月9日の午前9時、泳者の術師が覚醒したのは10月31日24時頃という事から、彼らが回游に参加するまでの猶予は残り10日と15時間となっていた。

前項に違反した泳者からは術式を剥奪する。
天元は死滅回游への参加を拒否すれば死ぬと考えており、家入硝子も後追いで参加する術師にも適応されるルールであるため、術式の剥奪は泳者の死に繋がると語っている。裏を取れば、術式を持っていない虎杖や真希三輪はノーリスクで参加する事が可能であり、死滅回游攻略の鍵を握っているとされる。

非泳者は結界に侵入した時点で泳者となり、死滅回游への参加を宣誓したものと見做す。
泳者を閉じ込めるには、泳者が“自ら望んで入った”という前提が重要で、初めから結界の中にいる一般人は少なくとも一度は外に出る機会が与えられる。天元はこれを「総則には結界の出入りに関する条項がないため、泳者に『結界から出る』という明確な目的を与えて死滅回游を活性化させる狙いだろう」と推測(あくまで断言はしていない)した。

泳者は他泳者の生命を絶つことで点(ポイント)を得る。
点とは管理者(ゲームマスター)によって泳者の生命に懸けられた価値を指し、原則術師5点、非術師1点とする。
管理者とは羂索ではなく死滅回游のプログラムそのものの事を指し、各泳者に一体ずつ憑く式神「コガネ」が管理者への窓口となっている。
なぜ回游を仕掛けた本人である羂索ではないのか。それはこれほどの大規模な呪術を成立させるために彼(?)自身も“縛り”を負っており、その一つとして管理者になれないのだと天元は語っている。
しかしこれは虎杖達にとって不利に働いてしまい、羂索を殺しても死滅回游は終わらない事を意味する。つまり泳者が全員死ぬか、泳者が全員参加を拒否して死ぬか。どちらにせよ彼らが全滅しない限り、この殺し合いは永遠に終わらない。

泳者は自身に懸けられた点を除いた100得点(ポイント)を消費することで管理者と交渉し、死滅回游に総則を1つ追加できる。
既にある総則を消去するのは無理でも、遠回しに否定するようなものなら可能かもしれない、と九十九と伏黒は思案した。

管理者は死滅回游の永続に著しく障る場合を除き、前項によるルール追加を認めなければならない。
判断基準が管理者任せ過ぎなこの総則に関しては、真希だけでなく脹相すら「これアリか?」と口に出していた。
しかし天元が言うには、ここまでの総則を強いている羂索にこれ以上利益が偏る事は呪術的にないので、ある程度公平な判断が見込めるらしい。

参加または点取得後、十九日以内に得点の変動が見られない場合、その泳者からは術式を剥奪する。
この必ず他泳者を殺さなければならない総則に、虎杖は何とも言えない表情を浮かべたが、伏黒にはいくつか考えがある模様。

結界の総則

実はこれらの総則には無い総則が存在し、それは死滅回游の舞台として設置された結界の総則。
結界内に侵入した泳者を設定された9つの地点にランダムで転送するというもので、これにやられて虎杖と伏黒は別行動を強いられた。さらに既に結界内で戦っていた泳者は各々その9つの地点で待ち伏せしており、転送という突然の現象に動揺した泳者を狙う初心者(ビギナー)狩りを行っている模様。

追加された総則(ルール)

回游の泳者(プレイヤー)が100点(ポイント)を消費して追加した総則。総則7にある通り、回游の“永続”に障るものでないなら、どんな内容であれ追加を認められる。

泳者は他泳者の情報──“名前”“得点”“ルール追加回数”“滞留結界(コロニー)”──を参照できる。
今まで戦った泳者は貧弱過ぎると不満を持った鹿紫雲が、早く宿儺を見つけるために追加した総則。これによって鹿紫雲は宿儺こと虎杖の、そして虎杖達は100点以上持っている鹿紫雲と日車の居場所をそれぞれ突き止められるようになった。

10泳者は他泳者に任意の得点を譲渡することができる。
総則8の『十九日以内に得点の変動が見られない場合、その泳者から術式を剥奪する』を逆手に取った総則。日車が虎杖の希望を受けて追加した。
得点の変動さえ見られれば術式は剥奪されないと解釈したもので、これによって無理に殺人を犯して点を奪う必要は無くなり、どちらも死なずに済ませられる比較的平和な選択肢が増えた。

伏黒が追加したい総則

  • 泳者間での点の譲渡を可能にする

上述の通り、虎杖との戦いを経て初心に還った日車により達成済み

  • 点を消費して死滅回游から離脱できる
津美紀のような、ただ巻き込まれただけの人間を回游から抜けられるようにするもの。ただしこれは総則の“永続”に抵触する可能性が高いため、非泳者を身代わりとして回游に引き込む条件を盛り込む必要があるかもしれないとの事。

乙骨が追加したい総則

乙骨は伏黒が追加したい総則に加え、死滅回游の平定に向けて、さらに二つの総則追加を狙っている。

  • 連絡手段の確立
後述のドルゥヴ・ラクダワラや黒沐死のような広範囲に大きな被害をもたらす術師が他の結界にいることや考慮し、それらが結界から出る前に対処するために重要な情報の共有を可能にすることが目的。
  • 結界の出入り
結界内の有限な物資の安定的な供給が目的。

目的

そもそも『呪力の最適化』『人の新たな可能性』を見たい羂索が、なぜここまでの大規模な殺し合いをさせたがるのか。

それは人類を次のステップに進ませるため
より詳しく言えば、天元との同化によって人類を進化させるためである。

天元は進化した事で個の自我は消えており、その魂は至る所にある……つまり天地そのものが天元であるため、日本の人間全てと同化できる事が判明した。
さらに進化を果たした天元は人間というより呪霊に近い組成となったおり、これは天元が呪霊操術の術式対象だという事を意味している。しかも羂索の実力を考慮すると、接触した時点で取り込まれるかもしれないらしい。

本来は星漿体と呼ばれる特別な人間としか同化は出来ないが、11年前に進化を始めた今の天元ならば星漿体以外の人間との同化は不可能ではなくなっているらしい。
しかしあくまで不可能ではないだけで、現時点では高確率で不完全なモノに成ると天元自身が言う。

それをより確実にするための慣らしとして、死滅回游が行われる。
その正体は泳者の呪力、結界同士で結んだ境界を使い、この国の人間を彼岸へ渡す儀式。総則にある“永続”とは、それを中断させないための保険に過ぎなかった。

死滅回游によって日本中の人間に呪いを掛ける慣らしを終えた後、いよいよ羂索は彼らと天元の同化を始め、人々を強制的に進化させる。
それが果たされた場合、確かに人間は新しい存在の形へと進化するが……同時に個としての境界が無くなってしまうため、一部の者だけが持っていた悪意は全ての人間に伝播し、一億人分の穢れが世界に流れ出る事になる
何のために羂索がそのような手段をとるのかは、天元にも分からない様子。

解説

まず全国各所に計10個の結界が点在し、その10個の結界は“人間を彼岸へ渡すための境界”を結ぶさらに大きな二つの結界へと繋がっている。そして10個の結界にて死滅回游が行われる事で、大きな二つの結界を日本全国に覆わせ、日本にいる人間全員に彼岸へ渡す境界を越えさせようとしている。

ようは結界内で殺し合う泳者達の呪力を“彼岸へ渡す境界”を動かすためのエンジンとして使い、それをもって日本全土の人間に呪いを掛けるのが死滅回游の本当の目的。
ちなみに北海道は既に巨大な霊場として慣らしが済んでおり、呪術連の結界によって回游の範囲には入っていない。

本当の目的は?

ただし、泳者の一人であるレジィはそれはブラフ(というより二、三番手の計画)であり、羂索の本当の計画は別にあるのではと確信に近い予想をしている。
根拠として泳者の数泳者の実力差結界の総則の三つを挙げており、そこから各結界の転送と鹿紫雲や日車のようなズ抜けた強者によって弱者は間引かれ、早い段階で死滅回游は膠着すると推測した。本当に泳者の呪力を利用したいのならば、より多くの術師により長くダラダラと戦ってほしいはずだと。
総則にある“永続”はあくまで隠れ蓑で、強者だけが残った回游に羂索がある爆弾を落とす(仕込みを発動させる)事が本当の計画ではないか? とレジィは疑っている。

泳者(プレイヤー)

泳者には先述の通り2つのパターンがおり、1000年前から羂索がコツコツと契約してきた術師が受肉した過去の術師と、一般人が術式に目覚めた現代人の術師が存在する。
また、後から結界内に侵入した虎杖らも侵入した時点で泳者と見なされる。

呪術高専

東京第1結界

東京第2結界

仙台結界


その他の泳者

東京第1結界

公平と弱者救済を望む余りに道を踏み外した弁護士。術式発現から僅か12日ながら一級術師相当の実力をもって100点以上を獲得し、虎杖と伏黒が総則を追加するためのターゲットとなる。
正義の女神をモチーフとした式神を持つ。

35歳。売れない芸人をしていたが、術式の開花と共に吹っ切れセンターマンのような衣装で参戦し、伏黒と共闘する。
ギャグのような見た目と言動だが相当の実力者。

  • 羽生/羽場
結界に侵入直後の泳者を襲う初心者狩り。それぞれ髪がジェット/プロペラに変形する術式の持ち主。虎杖を襲うが返り討ちにあい、それ以降の消息は不明。

  • 甘井凛
羽生と羽場のパシリ。術式は不明。
虎杖のことを一方的に知っていたらしく、西中の虎という異名を知っていた。
羽生と羽場が戦闘不能になってからは虎杖の案内役になる。

サソリのような髪の女術師。
結界に入ってきた伏黒を襲うが返り討ちにあい、自らの安全を守る騎士(ナイト)となることを条件に伏黒の案内役を務める。

潜伏場所に誘い込んだ他泳者を狩っていた過去の呪術師。羂索と関わりがある。
レシートを全身に纏った奇抜な衣装が特徴。

  • 黄櫨折(はぜのき いおり):35点
レジィの仲間。眼や歯といった自身の身体の一部をもぎ取り爆弾にする。
もぎ取った部位は反転術式で再生可能。

  • 針千鈞(はり ちづる):28点
レジィの仲間。鋭い爪を武器とする。

天使の異名を持つ1000年前の術師。あらゆる術式を無効化する能力を持ち、獄門彊に封印された五条悟を救出する最後の手段として虎杖たちが目指す。

東京第2結界

400年前の呪術師。歯応えのある相手を求め、宿儺を見つけ出し戦うために100点を消費し総則9を加える。

両親がフランス人だが、日本生まれの日本育ちの漫画家。
死滅回游での戦い方が後ろ向きだと感じており同じ観覧車に乗っていた秤(シャルルが誘った)に戦う理由が欲しいと懇願していた。
観覧車に乗っていた理由は『終わりの景色を眺めに来た』とのこと。

仙台結界

乙骨が介入するまで、大物4人(正確には3人と1体)による四つ巴の膠着状態が続いていた。
恐らく相性関係としては、

  • ドゥルヴは蜚蠊の群れで対処できない程に領域を拡大できるので黒沐死に強い
  • 黒沐死は空間を捻じ曲げられようと無尽蔵に手駒を出せるので烏鷺に強い
  • 烏鷺は空間を捻じ曲げることで砲撃を本人に弾き返せるので石流に強い
  • 石流は領域外から高威力の砲撃を放って式神を吹き飛ばせるのでドゥルヴに強い
という構図だったと思われる。

倭国(弥生時代)の呪術師。今回で二度目の受肉。自律する二種の式神を有し、倭国大乱の際に単独で列島制圧を成し遂げた大物だが乙骨に敗北し死亡。

泳者の中でも最高の呪力出力を持つ過去の呪術師。

元 藤氏(とうし:藤原氏のこと)直属暗殺部隊日月星進隊隊長。空を操る呪術師。

羂索によって解放された蜚蠊(ゴキブリ)の特級呪霊。ドルゥヴとの相性を鑑み、自らドルゥヴの存命中という条件をつけて休眠していた。乙骨によってドルゥヴが殺害されたことで活動を開始する。

余談

実はアニメ2クール目のOP映像で黒百合タテジマキンチャクダイと呼ばれる魚が映っている。
ファンも当初は「津美紀や順平の暗示」「呪術廻戦全体を表してるのでは?」というような認識だったのだが、実はこのタテジマキンチャクダイは死滅回遊魚とも呼ばれ、そして黒百合は津美紀を表すような描写が作中で存在している。

この事から津美紀が死滅回游に巻き込まれる事を暗示していたのでは? とも考えられる。

ちなみに、死滅回遊魚とは、本来回遊はしないはずの熱帯の魚が、海流や台風などの影響で北上した結果死亡する魚のことであり、穿った見方をすれば本来呪術とは無縁の人間を無理やりに呪術の世界に引き入れて殺し尽くすとも取れる。

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呪術廻戦 渋谷事変
虎杖悠仁 伏黒恵 禪院真希 乙骨憂太
脹相 九十九由基 伏黒津美紀
夏油傑 羂索

バトルロイヤル 蠱毒

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