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懐玉・玉折

かいぎょくぎょくせつ

少年漫画『呪術廻戦』の本編よりおよそ12年前に起きた事件。単行本8巻〜9巻、話数で65〜79話の内容にあたる。
目次 [非表示]

これは、最強の2人の、もう戻れない青い春


概要

本編から12年前の2006年、不死の術式を持つ呪術界の要・天元が本人と適合する人間・星漿体との同化の時期を迎える為、天元からの指令で星漿体の護衛を任される呪術高専2年生の五条悟夏油傑、星漿体である天内理子を巡って送り込まれる刺客達の激闘、五条と夏油のそれぞれの大きな挫折を描く。


このエピソードでなぜ夏油が呪詛師へと堕ちてしまったのか、そして無敗を誇る五条の数少ない人生最大の敗北とどのように最強へと成り上がったのか、その過程、経緯が事細かく描かれている。


物語は天内理子の護衛と彼女の命を狙う禪院甚爾や他の呪詛師との激闘、五条の覚醒を描いた「懐玉編」と、それから1年後の夏油の迷いと葛藤、絶望による大きな挫折を経て親友である五条と決別する「玉折編」の2部構成になっている。

一見五条と夏油の淡い青春時代を描いてるように見えるが(アニメのOPEDではこの淡い青春を更にほのぼのとした日常系として強調されている)、実際は夏油の陰鬱な心理描写、本編と遜色ない救いようのないハードな鬱展開で掲載当時の原作勢や原作を知らないアニメ勢を絶望の底へ一気に叩き落している。

そしてそれから10年後に起きる事件更にその1年後に起きる大規模な事件に向けての伏線が張られており、呪術廻戦』という物語のすべての始まりでもあると言っても過言ではないほど重要かつ濃いエピソードである(実際作中である人物もこのことについて軽く言及している)。


人間味あふれる夏油と躍動感溢れる五条の戦闘シーン、少女を守りながら戦うというジャンプ王道の展開から本エピソードの人気が非常に高く、2021年12月に公開された『劇場版 呪術廻戦0』では追加シーンとして夏油と五条の回想で断片的に過去編が先行で映像化された。


そして2023年に全5話構成でアニメ化されており、同年7月6日から8月3日にかけてTBS系列で毎週木曜23時56分(、つまりnews23の後座枠)に放送された。


あらすじ

懐玉編

アニメ25話~28話

2006年、不死の術式を持つ呪術界の要・天元が、本人と適合する人間・星漿体との同化の時期を迎える。同化の2日前、呪術高専2年生の五条と夏油は星漿体・天内理子の同化当日までの護衛を命じられる。


五条達は天内殺害を目論む呪詛師達をことごとく返り討ちにして無事に同化当日を迎えるが、突如、「術師殺し」の伏黒甚爾が高専を襲撃。甚爾は盤星教という非術師の宗教団体の依頼で天内の殺害を目論んでおり、これまでの刺客たちも五条達を消耗させるために彼が仕組んだもので、最後の最後に標的が油断するタイミングを狙っていたのだ。


甚爾からの不意打ちで負傷した五条は、夏油と天内を先に向かわせると時間稼ぎを図って甚爾と交戦。激戦の末、五条は甚爾に殺害される。夏油は天内と共に天元の膝の元に辿り着くが、後から追ってきた甚爾に目の前で天内を殺害され、夏油も打ち負かされる。


甚爾は天内の遺体を盤星教に引き渡して多額の報酬を得るが、その直後、目の前に反転術式で生還した五条が現れ、甚爾は覚醒した相手との死闘を繰り広げ、敗北し、絶命した。

その後、五条と夏油は盤星教から天内の遺体を引き取りに行くが、そこは盤星教信者の笑顔と拍手で溢れていた。


玉折編

アニメ29話

天内理子を巡る伏黒甚爾との死闘から1年後の2007年、呪術高専3年生の五条と夏油は特級呪術師になっていた。

五条は『最強』としてその実力をさらに伸ばし続ける一方、夏油は星漿体護衛の一件からそれまで掲げていた「呪術は非術師を守るためにある」という信念が揺らぎ始め、精神的に磨耗していく。


そんな中、夏油は8月に高専に訪れた特級呪術師の一人、九十九由基と言葉を交わした際に「非術師を皆殺しにすれば良い」という考えを思わず吐露する。

返ってきた答えは、「それは“アリ”だ」というものだった。

この会話をきっかけに、この思想が夏油の中を占める割合がますます大きくなっていく。


その後も夏油は自らを慕っていた後輩の死、さらには9月に任務で訪れた田舎で、住人達にありもしない罪で虐待されていた呪術師の少女たちの惨状を目の当たりにする。


遂に夏油は、「猿(非術師)は嫌い」という“本音”を選び、村の非術師達を虐殺して呪詛師に堕ちた。事件後、夏油は五条に「非術師を抹殺し、呪術師の世界を創る」と宣言し、呪術高専から離反する。


その後、夏油は盤星教を乗っ取り、術師の仲間と共にその活動を始める。一方五条は自身を悔い改め、強い仲間を作ることを決意する。


こうして2人の親友は、互いに異なる道を歩むのであった。


余談

タイトルである懐玉・玉折のそれぞれの意味は懐玉が「玉を懐(いだ)く。明徳・才能をもつ」、玉折が「玉が砕け壊れるさま。優れたものが壊れる=優れた人が若くして亡くなること」

懐玉は五条の才能が開花して覚醒していく事、玉折は夏油が道を踏み外し挫折する事を差す。


時代背景が2006年ということもあってか、TVアニメ版では2006年当時のアニメでよく見られた演出などが鏤められており、往年の雰囲気を知るアニメファンには過ぎ去りし青春の日々を感じさせる絶妙な空気感が作られているのも特徴である。

関連イラスト

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関連タグ

呪術廻戦 東京都立呪術高等専門学校

夏油傑 五条悟 家入硝子

天内理子 黒井美里

伏黒甚爾 孔時雨

伏黒恵

さしす


2023年夏アニメ


バッドエンド ハートフルボッコ

OP詐欺 - アニメにおいて爽やかな青春物語風のOPとして作られたことに対する、一部ファン達からの皮肉。


戦場のボーイズライフ - 同じジャンプ作品『NARUTO』の短編の一つ。


起首雷同 / そういうこと懐玉・玉折宵祭り / 渋谷事変

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