※注意
この項目は背景情報も含め、呪術廻戦単行本27巻のネタバレが含まれます!
概要
虎杖や五条達が新宿にて、呪いの王・両面宿儺との死闘を繰り広げている横で、岩手県の御所湖結界(コロニー)を舞台にした、まさかの髙羽史彦と、黒幕である羂索の一騎打ち。
というのも、虎杖ら平定チームは宿儺撃破と伏黒救出の他に、羂索が画策している天元と日本の非術師1億人の超重複同化を阻止しなければならない。
そして同化の条件とは、羂索(夏油傑)・宿儺(伏黒恵)・裏梅(氷見汐梨)を除く参加泳者を全滅させ、死滅回游を終わらせること。
泳者の中には勿論虎杖達も含まれているため、いずれ羂索とも戦う事は決まっているのだが、問題は上述にある通り平定チームは宿儺の打倒と同化の阻止を並行してやらなければならない。
もしも五条が負け、最悪全員で宿儺と戦う必要に迫られたら? 仮に勝てたとしても全滅、あるいは疲弊し切った状態で羂索が襲撃してきたら?
その最悪の場合を防ぐ策として、誰かが羂索の撃破、あるいは削りと足止めをしなくてはならない。
依然として最大の敵は宿儺のため、特級呪術師の乙骨やそれに並ぶ実力者である真希と秤は外せない。鹿紫雲は「宿儺と戦わせる」という約束がある。
ならば誰が羂索戦に相応しいか、と悩んでいる中で、意外にも天使から推薦されたのが髙羽だった。
そんな経緯で始まった、髙羽vs羂索。
髙羽の術式「超人」の影響で当然ではあるが、戦いの内容はこれまでの能力バトルとはジャンルが違うものとなった。
しかし、勝負はギャグ補正を味方につけた髙羽が優位に進めるかと思いきや、なんと羂索はお笑いにも精通しており、髙羽の渾身のギャグをロジカルに否定し、さらにはギャグ時空に適応して喰らいついてきた。流石は面白さを求めて1000年以上も生きてきた術師……
もはや結末は誰にも予想できないほど、混沌を極めつつあった。
戦いの結末
髙羽の術式「超人(コメディアン)」はついに相手のイメージすら取り込んでフィードバックさせる次元にまで到達(羂索曰く「魂の共鳴」)。
こうなると相手の思考と行動はおろか周囲の状況すら髙羽の術式に操作されてしまい、病院や野外クイズ会場、挙句にファンタの海と言った意味不明な環境に加え、警察やクイズ司会などのモブまで創造してしまう。
この完全にハジけた能力に翻弄された羂索は、「相手のイメージをも取り込み反映する性質」を利用し、漫才の舞台を創造。
髙羽と共に漫才で大ウケする事で髙羽を満足させ、術式を終了させる作戦に出たのだった。
羂索「もう十分喉は温まったろ いくぜ相方」
髙羽「…… おう」
羂索はお笑いコンビ「ピンチャン」ボケ担当として、自らがボケに徹することで髙羽をボケさせないようにし、優位に立った。結果、髙羽は客席を爆笑の渦に巻き込み満足させる程の漫才を成し遂げることができ…
羂索「……おい、どうした?」
髙羽「いや…終わっちまうんだなぁって……」
「終わりたくねぇよ…」
羂索「泣くな、白けちまうだろ」
髙羽「もういいよ」
術式(ネタ)は終了した。
互いに満足する戦いができた2人の顔には、心からの笑顔が溢れていた。
髙羽「ありがとう」
羂索「君 超面白かったよ」
直後、乙骨憂太が突如背後から出現。
羂索は瞬時に察知し、振り向き様に『反重力機構』の術式反転による迎撃を行う。
しかし、その寸前で甲高い音が響き、再び羂索の後ろに回り込んでいた乙骨が彼の首を切断した。
羂索(何故だ!! あの呪力総量の大きい乙骨だぞ……!! 何故気付かなかった……!?)
(……そうか 邪魔されたくなかったのか……)
羂索は呪力総量の大きい乙骨に気付けなかった理由を自問自答していたが、その原因が「外部の状況を遮断してネタに集中させる」「逆に内部の状況に干渉させずネタを邪魔させない」という髙羽の術式の影響によるものだと悟った。
羂索「初めから このつもりだったのかい?」
乙骨「髙羽さんに人は殺せませんから」
羂索「そうか 道半ば……残念だよ。」
「だが 私の意志は受け継がれる」
そう羂索が告げた直後、術者の死による「呪霊操術」の暴走が発生。
その隙に乗じて羂索は生首のまま『天元と人類の超重複同化の決定権を伏黒(宿儺)が持つ』ルールを追加し、乙骨に頭部を貫かれながらも、変形した天元を宿儺へ送った。
今際の際、羂索は最期にこんな言葉を残した。
羂索「千年分楽しんだとは言わないさ でも」
「最後に遊ぶのが彼で良かった」
「後は君たちの番だ きっと楽しいよ」
なお、髙羽は天冠に死装束という正に仏様の格好であったが、本当に死亡したのか、そういうネタの一貫なのかは不明である。
しかし術式が終了する直前、「終わりたくない」と限界を察している様子の髙羽が描かれているため、呪力切れが近付きつつもあくまでもネタとして散ろうとした、髙羽の最後の力によるコスチュームチェンジの可能性が高い、と考察されている。
そして270話にて、上記の事が明らかになった。
また最期の台詞にある意志を継ぐ者について、発覚前はいくつかの候補が予想されていたが、248話にて宿儺を保険としていたことが発覚した。
事前に継承の儀を済ませている、と発言していることから五条復活の回で口にしていた約束はこの事だと思われる(引き継いだ宿儺は誕生する呪霊を自分の遊び相手にする程度の感覚ではあるが)。
余談
- タイトルの「バカサバイバー!!」は、おそらく……というか十中八九『ボボボーボ・ボーボボ』のOPテーマにもなった、ウルフルズの『バカサバイバー』から。
- なお、渋谷事変や人外魔境新宿決戦のように数字ではなく、「生き残れ」→「勝ち残れ」という風に話が進んでいく。
- これも上述の曲『バカサバイバー』の歌詞から持ってきたもので、そこから考察してこのエピソードは全7話ほどになると思われたが、「成り上がれ」と「泣きわめけ」は採用されずに結果全5話となった。
- ちなみに、お笑いに精通している漫画家の森田まさのりは「ジャンプに漫才の漫画が載ってると聞いて見てみたら呪術廻戦だった。」と驚いた様子を見せていたが、後のストーリーの展開に「呪術廻戦やばいな…。」とコメントしている。そして最終的には、2023年のM-1準決勝進出者に「知らないコンビの中に芥見下々って書いてたら怖いからプロフィールが開けない。」とネタにしていた。
- ナース姿の羂索が呟いた「ごりんのじゅうでございやしたね」はオードリー・春日俊彰が相方・若林正恭の父親の訃報をLINEで報告された際に返信した春日語である。
- また、羂索と髙羽の漫才の場面では明らかにM-1グランプリを意識して描かれており、審査員席には松本人志、上沼恵美子に似た人物が座っており、司会は今田耕司に似た人物が担当していた。
- 12/11号の巻末コメントには、「先週は許可取りに担当が奔走しました。関係各所の皆さん、ありがとうございました。」と感謝の言葉が綴られており、編集部が某芸人事務所への許可取りに奔走していたことが窺える。
- 髙羽vs羂索が収録された単行本27巻は、髙羽が表紙を飾っているが、そのポーズも明らかにボーボボ1巻のパロディである。それどころか発売日も同じ7月4日であり、帯に使われているフォントまでボーボボを意識したものになっている。
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南へ/バカサバイバー!!