概要
2001年から年末に開催されている日本一の漫才師を決めるイベント。2010年に一旦終了したが、2015年から再び開催されている。
島田紳助が「漫才への恩返し」を目的に企画・プロデュース。自分の番組で共演者である松本人志に計画の存在を明かしたことで本格的に動き出し、開催にこぎ着けた。
紳助は第1期は自らも大会実行委員長兼審査委員長として、番組に積極的に参加していたが、引退して京都と沖縄で隠棲生活を送るようになった第2期以降について、同期で親友のオール巨人が聞いた話によれば「もう見てない。ミルクボーイとか知らない」と述べていたが、後に山田邦子が電話したところによれば「宮崎で見ている」とのこと。
現在は吉本興業と朝日放送の共催(第10回までは吉本興業の単独主催)。テレビ中継は朝日放送(2018年からはABCテレビ)の制作で年末のゴールデンタイムに全国ネットで放送される。2005年開催の第5回からはキー局であるテレビ朝日が制作協力に加わり、テレビ朝日第1スタジオから決勝戦の模様が生中継、またABCラジオでも「裏実況」と称したラジオ中継が行われている。
また大会スポンサーとして、第10回まではオートバックス、第11回からはCygames、サントリー(第11回のみユニクロ)、日清食品、ファミリーマート(第17回からセブンイレブンに交代)が特別協賛している。
元々のコンセプトは「単純におもろい奴を決めるコンテスト」であるが、もう一つのコンセプトとして「漫才師を辞めるきっかけを与える」というものがある。紳助の持論として「才能がないのにいつまでも芸能界にいる者が一番不幸」「10年たって決勝に上がれない奴は辞めなあかん」というものがあり、出場条件に「結成10年以内」(第2回までは結成10年未満、第11回からは結成15年以内)と付けたのもこの為である。
終了と復活
2010年の第10回大会の準決勝終了後、「漫才が隅々まで広まった」ということから、10回目という区切りをもって発展的解消の形として終了することが決定。2011年以降は全国区の漫才賞レースとしてフジテレビの「THE MANZAI」が開催されていた。
ところが2014年、朝日放送はM-1を2015年冬に復活させることを発表(当初は「THE MANZAI」と並行する形で2015年夏に開催される予定だった)。大会が無かった4年の間にラストイヤーを迎えてしまった芸人への救済措置も兼ねて、出場資格が「結成10年以内」から「結成15年以内」に拡大される形となった。
出演者
司会進行
過去の司会進行
- 島田紳助
- 第1期の大会実行委員長・審査委員長でもあり、第1回では司会と兼務。
- 微妙だった漫才師には特に厳しい。
- 第4回は不祥事のため出演しておらず、また不祥事により引退した後に行われた第11回以降も当然ながら出演していない。また、第2期では大会実行委員長・審査委員長が設定されていない。
- 赤坂泰彦
- 第1回の男性枠。コンビ名を間違えるなど円滑に進まなかったためか、以降の回では出演していない。
- 西川きよし
- 第2回と第3回では司会を、第1回と第4回では審査員を務めた。
- 山寺宏一
- 第2回のもう一人の男性枠。この回のナレーションも兼任。翌年以降は関西を拠点にするナレーターの畑中ふうに交代し定着。
- 菊川怜 - 第1回の女性枠
- 中山エミリ - 第2回の女性枠
- 小池栄子 - 第3・5・7回の女性枠
- 井上和香 - 第4回の女性枠
- 眞鍋かをり - 第6回の女性枠
審査員
この大会はジャッジの一挙手一投足までもが注目される大会でその重圧は凄まじい上に、笑いに点数をつけるべきでないという考えの中堅クラス以上の芸人もいるため、開始当初から現在まで審査員オファーを断られることが多く人選は難航しやすい。実際に明石家さんまやビートたけしは「来ても受けない」と明言し、爆笑問題・太田光はオファーこそ来たが断ったという。
また紳助は「この人に審査されたのなら文句の付けようがない」という人選を心がけていたという(自身や松本の他、オール巨人、渡辺正行や大竹まことなど、自身が知り合いである以上に芸人を見る眼力のある者を起用していたことからもそれがうかがえる)。特に上沼恵美子には紳助自らが頭を下げて依頼し、紳助引退後に起きた上沼批判事件に関しても紳助は雑誌の取材記事を通じて謝罪している。
第2期以降は第11回こそ(アンタッチャブルを除く)過去のチャンピオンによる審査だったが、翌年以降は過去のチャンピオンから初代覇者の礼二を残留させた上で松本・上沼・巨人師匠らが復活、そこに博多大吉が加わり、翌年は第1期でも審査員を務めた渡辺リーダーと小朝が加わったが、第14回以降は大吉の発案で大吉・渡辺の代わりに塙・富澤と関東出身の大吉と同世代の芸人が加わる形となり、同時に小朝も志らくに交代する。更にその後第17回を最後に巨人師匠と上沼が引退し、大吉が復帰して紅一点枠に山田邦子が加わっている。
- 松本人志
- 第1回から出演している「お笑い界のカリスマ」。第4回のみ大会委員長の欠席に加え、裏で相方の番組の特番があったため不在。第11回は歴代王者が審査員だったため休演。
- 中川家・礼二
- 兄弟漫才のトップランナーにして「初代王者」。第2期の審査員では唯一の皆勤賞。第12回以降では富澤や塙とは違い「・」付きが正式な表記。
- 博多大吉(博多華丸・大吉)
- 方言漫才の第一人者にして、後輩から慕われる「先生」。M-1への出場経験は第1回準決勝敗退(芸名を変えて出場してファイナリストの目もあったが最終的に芸歴の逆サバと判断されて実質失格)のみだが、年齢制限無しのTHE MANZAI 2014で優勝。第12回と第13回で審査員を担当したが、前記の通り「自分なんかよりも同世代の関東芸人が必要」という理由から富澤と塙に席を譲って1度は審査員の座を退いている。巨人・上沼勇退に伴い第18回では審査員に復帰。
- 富澤たけし(サンドウィッチマン)
- 2007年に敗者復活からの逆転優勝を果たし、今や「最も好感度の高い芸人」「国民的お笑い芸人」となった男。その功績が評価されてか、第14回から再び審査員を務めている。
- 塙宣之(ナイツ)
- 同地の高座を主戦場とする「浅草の星」にして、「史上最年少の漫才協会副会長」。現在の7名の中では最年少。M-1・THE MANZAI双方で優勝未経験ではあるが、M-1では2008年から3年連続で決勝に進出した実力者。本人は「テレビに出たかったから」とはぐらかすが、大会や漫才にかける思いの熱さが認められ、第14回から審査員を務めている。
- 立川志らく
- 天才・立川談志のDNAを引き継ぐ「落語界の風雲児」。第14回から審査員を担当。師匠のような10点刻み審査こそしないが、新しい形やイロモノなど、独創性に重点を置いた審査が特徴的で、他の審査員とは一線を画す。
- 山田邦子
- 80年代から90年代にかけて大活躍した、「史上唯一天下を取った女芸人」。近年は高座漫談やYouTubeでの活動がよく知られている。上沼恵美子にかわる紅一点枠として、第18回より審査員を担当する。
過去の審査員
- 島田紳助 - 出演者の節で詳述。第4回以外の第1期大会全てで大会委員長兼審査委員長として出演。
- 鴻上尚史 - 第1回に出演した劇作家・演出家。
- ラサール石井 - 第1~5・7回に出演したコント赤信号のツッコミ、そして元祖インテリ系お笑いタレント。
- 春風亭小朝 - 第1・4回に出演した落語家にして金髪豚野郎。第13回で14年ぶりの出演を果たした。
- 青島幸男 - 第1回に出演した元祖超マルチタレントで元東京都知事。
- 大竹まこと - 第2~8回に出演した日本のリチャード・ギア。
- 島田洋七 - 第2~6回に出演したB&Bのがばい方。
- 中田カウス - 第2~10回に出演した大トリを務める吉本最大の大御所。
- 立川談志 - 第2回に出演した落語家。10点区切りで点数をつけ、特にスピードワゴンは「下ネタ」と判断して50点を付けたことは有名。しかし大会委員長と違ってアフターケアはしており、「完成しているからここに来るべきではない」と評したテツandトモとは後に互いに尊敬しあう存在に。
- 南原清隆 - 第3・4・6・10回に出演したショートコントの創始者。
- 渡辺正行 - 第5・6・8~10・13回に出演したコント赤信号のリーダーにして、「新人コント大会」主催。
- オール巨人 - 第7回から出演しているお笑い界の鉄人。第10回のみC型肝炎により欠席。第11回は歴代王者が審査員だったため休演。第17回をもって卒業。
- 上沼恵美子 - 同じく第7回から出演している伝説の女漫才師で審査員の紅一点。こちらも第10回のみ欠席。第11回は歴代王者が審査員だったため休演。第17回をもって卒業。
- 東国原英夫 - 第9回に出演したたけしの一番弟子。
- 大竹一樹 - 第10回に出演した東のコント職人。
- 宮迫博之 - 第10回に出演した第1期全大会視聴済みの真剣屋。
第11回では、コンビ活動休止中かつスケジュールの都合により参加できなかったアンタッチャブルを除いた過去の歴代チャンピオン9組から1人ずつが出演し審査員を務めた(なおアンタッチャブル柴田はその翌年以降、ABCお笑いグランプリで審査員を務めている)。このうち礼二と富澤は以降の回でも審査員として出演している。
その他、主な出演者
- 木村祐一 - 第10回まで決勝戦リポーターを担当。
- 中田なおき、はりけ~んず - 第10回まで敗者復活戦MCを担当。
- ヒロド歩美 - 第11回から出演。
- 陣内智則 - 第11回から敗者復活戦MCを担当。第14回では決勝戦リポーターも務めた。
この他、ほとんどの回では前回王者もゲスト出演する。歴代王者の中で特に出演が多いのは石田明(NON STYLE)、笑い飯、トレンディエンジェル、銀シャリ(敗者復活戦ゲスト、裏実況などを含む)。
歴代M-1チャンピオン
- 太文字は敗者復活からの優勝者。
- 吉本グループは2008年~2018年までタレント所属部門が「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」に移行していた。これらの回では便宜上「Y.C.A.」と記載する。
第1期
開催年 | 優勝コンビ | 所属(優勝当時) | 結成年 | 出場組数 |
---|---|---|---|---|
2001年(第1回) | 中川家 | 吉本興業大阪 | 1992年 | 1,603組 |
2002年(第2回) | ますだおかだ | 松竹芸能 | 1993年 | 1,756組 |
2003年(第3回) | フットボールアワー | 吉本興業大阪 | 1999年 | 1,906組 |
2004年(第4回) | アンタッチャブル | プロダクション人力舎 | 1994年 | 2,617組 |
2005年(第5回) | ブラックマヨネーズ | 吉本興業大阪 | 1998年 | 3,378組 |
2006年(第6回) | チュートリアル | 吉本興業大阪 | 1998年 | 3,922組 |
2007年(第7回) | サンドウィッチマン | フラットファイヴ | 1998年 | 4,239組 |
2008年(第8回) | NON STYLE | Y.C.A.東京 | 2000年 | 4,489組 |
2009年(第9回) | パンクブーブー | Y.C.A.東京 | 2001年 | 4,629組 |
2010年(第10回) | 笑い飯 | Y.C.A.大阪 | 2000年 | 4,835組 |
第2期
開催年 | 優勝コンビ | 所属(優勝当時) | 結成年 | 出場組数 |
---|---|---|---|---|
2015年(第11回) | トレンディエンジェル | Y.C.A.東京 | 2004年 | 3,472組 |
2016年(第12回) | 銀シャリ | Y.C.A.大阪 | 2005年 | 3,503組 |
2017年(第13回) | とろサーモン | Y.C.A.東京 | 2002年 | 4,094組 |
2018年(第14回) | 霜降り明星 | Y.C.A.大阪 | 2013年 | 4,640組 |
2019年(第15回) | ミルクボーイ | 吉本興業大阪 | 2007年 | 5,040組 |
2020年(第16回) | マヂカルラブリー | 吉本興業東京 | 2007年 | 5,081組 |
2021年(第17回) | 錦鯉 | ソニー・ミュージックアーティスツ | 2012年 | 6,017組 |
2022年(第18回) | ウエストランド | タイタン | 2008年 | 7,261組 |
優勝コンビのうち、
- 優勝回時点でラストイヤーだったのは5組(中川家、ますだおかだ、アンタッチャブル、笑い飯、とろサーモン)
- 関東勢は6組(アンタッチャブル、サンドウィッチマン、トレンディエンジェル、マヂカルラブリー、錦鯉、ウエストランド)
- 優勝時点で関東に活動拠点を移しているコンビも含めると9組(上記6組+NON STYLE、パンクブーブー、とろサーモン)
- 最終決戦での満票は2組(チュートリアルとパンクブーブー)
- ファーストラウンド3位通過からの優勝は2組(とろサーモンとウエストランド)
- 票数が過半数に満たずに優勝したのはマヂカルラブリーのみ
ルール
上記にあげたように、出場資格さえ満たしていればプロ・アマ関係なし。
年齢・国籍・男女・人数・経歴等なんでもOKな大会である。
それこそベテラン芸人が即興で組んだコンビだろうが条件を満たすので出場可能。
またギター・中敷き・鼓・扇子などを持ち込む芸人がたまにいるがあまりいい顔をされないことも多い。
予選
8月上旬(初期は9月上旬)から12月上旬(復活初期は11月下旬)にかけて全国各地で行われる。
1回戦
ネタ時間は2分。全国の主要都市で開催される、事実上のふるいがけ。
1回戦に限り複数回受けることが可能である。
なお、前年度に準決勝以上に進出した場合(第16回のみ1回でも準決勝以上を経験した組)は翌年度の、歴代王者は出場資格の許す限りシード権が与えられ、1回戦は免除される。
2回戦
ネタ時間は3分。ここから東京と大阪に絞られ、負けたら終わりのサバイバルが開始する。
第8回からネタ順等の理由で敗退したコンビから協議で数組復活させる追加合格制度が存在する。
3回戦
ネタ時間は3分。2回戦とほぼ同じだが、追加合格制度が第5回という早い段階から導入されていた。ここまで進出できれば一人前の芸人として認められ、世間の注目度も上がる。
時勢の都合により第16回では開催されず。
準々決勝
第10回から導入。ネタ時間は4分。東京と大阪による4日間の戦い。
初めて導入された第10回のみ、ここでの敗退者が準決勝敗退者と共に敗者復活戦に戦いの場を移した。
準決勝
ネタ時間は4分。決勝の2週間前(第4回まで4週間前)に行われる、数少ない切符を奪い合う激戦。ここまで進出できれば決勝進出を逃しても知名度は急上昇し、中にはTV出演が大幅に増えたコンビもいる。
また次回大会のシード権も獲得することができる。
切符の数は、第1回は10枚・第2回~12回は8枚・第13回以降は9枚である。
この激戦に敗れた者は、敗者復活戦に戦いの場を移す(第1回を除く)。
敗者復活戦
第2回から導入。ネタ時間は4分(第11回~第14回は3分)。
それまでとは違い極寒の野外で行われる、準決勝敗退者による地獄の戦い。
この戦いを制した者の多くは決勝で台風の目になり、敗者復活から優勝した者やブレイクした者もいる。
第10回までは出場人数がかなり多かった上に、第5回からは大井競馬場などテレ朝本社からかなり離れた場所でネタを行っていたが、第11回以降はテレ朝本社へ徒歩で行ける距離にある六本木ヒルズアリーナに移り、出場組数も20組→16組に絞られるようになった他、視聴者投票が新たに導入されている。
スケジュールの都合、新型コロナウイルスへの感染など、何かしらの理由で辞退するコンビも多い。以下の出場組数はそれらを除いた数を記載している。
なお、敗者復活戦の出場を辞退しても翌年のシード権は与えられる。
- 太文字は敗者復活からの優勝者。
開催年 | 復活コンビ | 所属(参加当時) | 結成年 | 出場組数 |
---|---|---|---|---|
2002年(第2回) | スピードワゴン | M2カンパニー | 1998年 | 45組 |
2003年(第3回) | アンタッチャブル | プロダクション人力舎 | 1994年 | 59組 |
2004年(第4回) | 麒麟 | 吉本興業大阪 | 1998年 | 53組 |
2005年(第5回) | 千鳥 | 吉本興業大阪 | 2000年 | 57組 |
2006年(第6回) | ライセンス | 吉本興業東京 | 1996年 | 55組 |
2007年(第7回) | サンドウィッチマン | フラットファイヴ | 1998年 | 57組 |
2008年(第8回) | オードリー | ケイダッシュステージ | 2000年 | 58組 |
2009年(第9回) | NON STYLE | Y.C.A.東京 | 2000年 | 59組 |
2010年(第10回) | パンクブーブー | Y.C.A.東京 | 2001年 | 67組 |
2015年(第11回) | トレンディエンジェル | Y.C.A.東京 | 2004年 | 20組 |
2016年(第12回) | 和牛 | Y.C.A.大阪 | 2006年 | 18組 |
2017年(第13回) | スーパーマラドーナ | Y.C.A.大阪 | 2003年 | 20組 |
2018年(第14回) | ミキ | Y.C.A.大阪 | 2012年 | 16組 |
2019年(第15回) | 和牛 | 吉本興業大阪 | 2006年 | 16組 |
2020年(第16回) | インディアンス | 吉本興業大阪 | 2009年 | 15組 |
2021年(第17回) | ハライチ | ワタナベエンターテインメント | 2006年 | 16組 |
2022年(第18回) | オズワルド | 吉本興業東京 | 2014年 | 17組 |
決勝
上記の予選を勝ち抜いたコンビに敗者復活組を加えた戦いが、7名(第11回では9名、第12回では5名)のレジェンドによる厳しい審査で行われる。
ファーストラウンド
持ち時間4分の間で漫才を行う。
審査員が100点満点で審査し、上位3組(第1回のみ2組)が最終決戦に進出する。
現時点でファーストラウンドで最も高い平均点を獲得しているのは、第15回のミルクボーイ(平均97.3点、合計681点)。
逆に最も低いのは第1回の中川家(特別審査員限定で平均85.1点、合計596点)だが、当時は審査員による評点のバラツキが大きかったため、単純に比較することは不可能である。
偏差値の平均が最も高いのも同じく第15回のミルクボーイ(68.58)。
一方で最も低いのは、1位通過コンビとしては第8回のオードリー(60.17)、優勝コンビとしては第11回のトレンディエンジェル(56.94)、決勝進出コンビ全体では第8回のザ・パンチ(33.63)となっている。
格差が最も大きいのは第15回の34.58、最も小さいのは第11回の20.87。
最終決戦
ファーストラウンドとは違う新たな漫才ネタを披露する。
全ネタ披露後、審査員全員の記名式投票で優勝者を決定する。
なお、得票数が同じだった場合はファーストラウンド上位のコンビを上位とする。
余談
決勝関連
第1回のみ札幌・大阪・福岡の吉本劇場でそれぞれ100人の一般審査員の審査もあった。
しかしおぎやはぎやDonDokoDon、ますだおかだら非大阪吉本勢に対する不公平な採点があり、第2回以降は廃止されている。
第13回からは「笑御籤(えみくじ)」が導入。くじはネタ開始前にやるため、いつ呼ばれるかわからない。まさに運試し。
さらに「アンカー固定=敗者復活組有利」の状況を是正するため、敗者復活組もくじに含まれるようになった。実際にこのシステムが導入されてから、敗者復活組が最終決戦に進出した例は一度もない。
アマチュア関連
アマチュアでも出場可能なM-1だが、そのアマチュアが決勝に進出した例が一度だけある(第6回(2006年)の変ホ長調)。
これがきっかけでアマチュアの出場が増え、第12回(2016年)からはアマチュアを応援するべく、特別賞として「ベストアマチュア賞」が設けられた。
ベストアマチュア賞
開催年 | 受賞コンビ | 最終成績 | 備考 | その後 |
---|---|---|---|---|
2016年(第12回) | 晴天サンティ | 準々決勝 | 大学お笑いサークルの女子大生コンビ | 2017年2月に解散。ボケのよしおかは男女コンビシンクロニシティを結成し2022年準決勝進出。 |
2017年(第13回) | 完熟フレッシュ | 準々決勝 | 元芸人の父親と小学生の娘の親子コンビ | 2018年1月にワタナベエンターテインメント入り |
2018年(第14回) | 漫画家 | 準々決勝 | 森田まさのりと長田悠幸の現役漫画家コンビ | |
2019年(第15回) | ラランド | 準決勝 | 大学お笑いサークル出身。10年ぶりにアマチュアが準決勝に進出した | 2020年にフリーでプロに転向し、その翌年にはTV出演が急増、個人事務所を立ち上げる |
2020年 | ガーベラガーデン | 2回戦 | 教諭と講師のコンビ。アマチュアながら二度準々決勝に進出しているコンビだが、2回戦敗退。しかしこの年は4年ぶりにアマチュアが準々決勝に出なかった影響で受賞 | |
2021年 | 軍艦 | 準々決勝 | 大阪NSC在学中ながら準々決勝進出を果たす。NSC在学中の準々決勝進出は2003年のオオカミ少年、2004年のオリエンタルラジオ、2005年のバルチック艦隊以来4組目16年ぶり。 | 2022年4月に大阪吉本入り |
2022年 | 深海魚 | 準々決勝 | 兄妹コンビ。同年の準決勝では準決勝進出者の出番前にネタを披露した。 | 2023年1月に大阪吉本入り |
賞品
現状お笑いでは最高峰のグレードに位置づけられる賞レースということもあって、副次的な効果も含めて非常に豪華。
用意されている優勝賞品はトロフィーと賞金1000万円。
並びに副賞として、第10回まではオートバックスセブンのカー用品100万円分と向こう1年間のCM出演権、第11回以降はファミリーマートのプレミアムチキン1,000本などが贈られる。
だがそれ以上に、複数のコンビに翌年の大ブレイクが約束されるという事が最大の優勝賞品であろう。たとえ優勝や最終決戦進出を逃しても、決勝進出で注目を浴び翌年以降仕事が急増する芸人も多い。それらの事は「M-1バブル」「M-1効果」と言われている。
もちろん優勝すれば「M-1で優勝した芸人」という肩書きがつくので、それを目玉に据えたバラエティ番組が奪い合うように芸人に出演依頼をかけることになる。楽屋の待遇も大きく改善されるらしい。
中には優勝者以上にブレイクした芸人もおり(南海キャンディーズ、オードリー、ハライチの澤部佑、メイプル超合金のカズレーザー、ぺこぱ、おいでやすこがなど)、第16回のオープニング内「M-1グランプリ 激闘の歴史」でも2008年と2009年を取り上げた際、NON STYLEやパンクブーブーが映った時間が極端に短かったのに対し、2008年に敗者復活で大爆笑をかっさらったオードリーや2009年に満点を出した時の笑い飯の方が遥かに長かったほど(一方で全く映らなかった王者もいたが…)。
しかし逆に滑ると結構擦られる。
関連用語
麒麟枠
麒麟児……ではなく、2001年から出場したお笑いコンビ「麒麟」が由来の、俗に言うダークホース。近年ではノーシードから決勝初出場となったコンビが麒麟枠に挙げられる傾向にある。
侍スライス枠
準決勝における麒麟枠。前年までに3回戦以上進出したことのない無名のコンビが挙げられる。2018年に準決勝進出した「侍スライス」が由来。東京ホテイソン(2017年)、魔人無骨(2018年、現・令和ロマン)、ラランド(2019年)、タイムキーパー(2020年)、ヨネダ2000(2021年)、カゲヤマ(2022年)などが該当する。
ラストイヤー
第3回目の時は結成10年未満、第10回までは結成10年目、第11回以降は結成15年目でこの年が優勝するラストチャンスである組のこと。
返り咲き
1度決勝進出し、その後予選落ち又は欠場したが、その後の大会で再度決勝戦に勝ちあがること。
正面突破
敗者復活戦を制し、その次の大会で正規の決勝進出者になること。逆に前回の決勝進出組が敗者復活戦を勝ち上がることもあり、近年の大会では前年の決勝出場組が敗者復活戦を勝ち抜いている。
笑神籤
第13回から始まったファーストラウンドのネタ披露順番を決めるもの。
それまで入場時や大会が始まる前にやったりしていた。
基本ゲストアスリートの手で引くが、第16回の時はMCの手で引いた。
上沼怒られ枠
2016年から自然発生的に生まれた。
カミナリはツッコミの仕方で指摘され、2017年のマヂカルラブリーはシュールなネタですべって酷評され、ギャロップは自虐の仕方がダメだと怒られ、和牛は貪欲に笑いを取りに行こうとする姿勢が感じられないとして怒られた。
その前にも前チャンピオンが二冠を狙いにいった際もトークが苦手とこのパイロット版があった。
もちろん番組内でそのようなコーナーがあるわけでもない。
俺たちが一番面白い枠
2007年からオープニングの煽りVTRにおいて、「俺たちが一番面白い」のナレーションの部分に被るようにファイナリストから一人映し出される。
また、起用された漫才師は決勝で好成績を残せるも優勝できないというジンクスが存在する。
出囃子
本放送版でステージで入るとき流れている曲。表記は「ギフィギャンギャン」又は「ガンガンガ~ン」。
元はファットボーイ・スリムの「Because We Can」の一節。
ほかの番組で出囃子代わりに使われることも。DVDでは下記の通り変えられている。
余談
テレビ朝日が制作に加わる以前は東京ビッグサイトの目と鼻の先にあるパナソニックセンター有明スタジオから生放送されていた。また放送当日の昼にスタジオ外の特設会場で敗者復活戦が行われていたため冬コミ帰りの見物客もちらほら見受けられ、自身もアニメオタクである司会のはりけ~んず・前田がそのことをイジっていたと言う。
DVD化もされているが、音源変更されたり一部ネタ(替え歌で版権に引っかかるパターンが多いが、芸能人の悪口、下ネタや住所など問題発言系もカット対象)やCM前の下りなどのネタがカットされる。
第2回から第4回まである番組の床が使用されていたが、第5回からセットが豪華になった。
トロフィーは第2回まで一人像、第3回は角張った顔のあるコンビ像、第4回以降は丸みのある顔がないコンビ像。最近はマスコット化して動き出した。
日清食品は副賞として変わったものを出している。その中でも2018年は「キニアーナ牛とどん兵衛1食」だったのだが、出演者が誰もいじらなかったので結果的にすべってしまった。それがきっかけなのか2019年に至っては「考え中」だった。
ちなみに第10回で一旦終了した後に、後継番組としてジャグラーなどが出演する「KAMIWAZA ~神芸~」が放送されていた。しかしお笑いと大道芸ではジャンルが違い、M-1のような人気は得られず定着しなかった。
ニッポン放送のラジオ番組「ザ・ラジオショー」のメインパーソナリティはナイツ・中川家・サンドウィッチマンというM-1の審査員を務めたコンビが揃っており、M-1終了後にはこの3組が揃って大会の総括をする特別番組が放送される。
pixivでは
基本的に決勝に進出した芸人のイラストにこのタグが付くことが多い。
2009年には物凄く印象に残ったネタのイラストにもこのタグが付くようになった。
なお、別の意味として、「魔法少女のグランプリ」にこのタグをつけているイラストも見受けられる(漫才の大会としてのM-1とは無関係と思われる)。
外部リンク
「M-1グランプリ」公式サイト
wikipedia-M-1グランプリ
関連タグ
お笑い 漫才
F1グランプリ 〇1グランプリの元祖
THE MANZAI…M-1休止期間中、漫才日本一を決めるコンテストとして復活していた。
NHK新人お笑い大賞…NHK主催の若手芸人の登竜門的なコンテスト。
R-1ぐらんぷり…ピン芸人日本一を決めるコンテスト。
キングオブコント…コント日本一を決めるコンテスト。
女芸人No.1決定戦 THE W…女芸人日本一を決めるコンテスト。
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