概要
M-1、キングオブコント、R-1ぐらんぷりの3つの大会全てに決勝進出、M-1とR-1で優勝(後述)したことがある。主にコント漫才を行う。
2017年にM-1に出場したが、審査員を務めた上沼恵美子から酷評され最下位に沈んだ。それから3年後、再び決勝のステージに立ったマヂカルラブリーの2人は1stラウンドを2位で通過。そして決勝ラウンドで審査員7人に対し2:3:2という歴代屈指の大接戦を制し、第16代目のチャンピオンとなった。M-1 20年の歴史の中でも最下位を経験したコンビが優勝したのはマヂカルラブリーが初の出来事である。
メンバー
野田クリスタル
村上
芸風
野田が唐突に「◯◯になりたいよー!/◯◯だよー!(例:いじめっ子になりたい/ジブリが好き、など)」と叫び、それに村上が応じる形で展開するネタを得意とする。
形式的には漫才コントに近い形であるが、同じく漫才コントを得意とするサンドウィッチマンやアンタッチャブルなどとは違い、野田が一人で好き勝手に演じている横で村上が傍観者としてツッコミを入れ続けるという独自の芸風を持っている。
それ故に漫才であるにもかかわらず二人で掛け合いをするシーンが極端に少ないのも大きな特徴である。
結成当初からしばらくは掛け合いどころか漫才中の会話もほとんど無いネタばかりを演じていたため、2009年のM-1グランプリの予選で披露されたネタを見た先輩芸人の博多大吉からは当時「僕は(こういうネタは)怖くて出来ない」「ここから先はわからない。我々の手には負えない」という未知数の評価をされていた(塙宣之は、「野田くんみたいなボケにみんな憧れる」「ああいうボケって先輩からダメ出しくらったりして心が折れてやらなくなる」と分析している)。
野田が従来のデニムとタンクトップからスーツに衣装を変えた頃から漫才中の村上と野田の会話が徐々に増えていき、現在は前述の口上を除くと本題が会話から始まるようになっている。
2020年のM-1グランプリファイナルステージでは、「つり革」をテーマに野田がほとんど喋らずに動き続けている横で村上がツッコミし続けるという往年の形式を彷彿とさせる漫才を披露し見事悲願の優勝を果たした。その芸風が故に審査員もこれを「漫才」として優勝させていいものかどうか非常に悩んだことがエンディングで審査員たちから語られている。(なお、野田のこのネタ作りのセンスはコンビを飛び出して他の芸人とのユニットコントでも発揮されており、2022年11月19日放送の「ドラフトコント2022」では、「チーム春日」の一員としてネタ作りを担当、春日俊彰、斉藤慎二、松尾駿、ナダルの4人がただ自身のギャグを発するだけの商店街ロケというコントかどうかも分からない作品を約8分強も披露した。)
このM-1で披露したネタに関して、審査員内のみならず世間にも「漫才か漫才じゃないか論争」を巻き起こした。この論争には多くの芸人が持論を展開。そのほとんどが「あれは漫才ですよ」というものであり、否定派は松嶋尚美が「あれはコントだと思う」と言ったくらいでかなり少数派であった。
2人揃ってゲームやアニメ・マンガなどが好きなため、ネタの題材やボケの種類がその類の少しマニアックなものになる事も多い。
コントではよりその傾向が表れ、タイムリープや異能力バトル物のアニメ、果てはあの国民的キャラブランドのキャラクターを利用したブラックなコントなど独特の設定のものが多い。
キングオブコントでは2018年に初めての決勝進出を果たすものの、2番目に披露したのが災いしてか7位という結果に終わった。
ちなみにキングオブコントには「原則として準決勝(2日間で2本を披露する)でやったコントと同じネタを決勝でも披露する」というルールがあるのだが、マヂカルラブリーは2本目のコントの設定がコンプライアンス的にNG(ピエロの格好をした殺人犯と子供の設定)だったために、運営の方から変えるように命じられていたというエピソードがある。
その後、2021年にも決勝進出したが9位に終わっている。
またあらびき団や、千鳥のクセがスゴいネタGPでは「最強ラッパー 村上」に野田が挑むという設定のコントを幾度も披露しており、M-1以前に漫才を見たことがなかった人もそのネタは見覚えがあったという人も多いかもしれない。
こちらもキングオブコントの準決勝で披露されていたネタが雛形となっているが、内容はその時とは大幅に異なっている。
因みにネタ合わせでは、台本は用意せず、ネタ作り担当の野田が口頭で村上に伝えるという一風変わったスタイル。これは2人の間では普通らしくネタ合わせする際に態々台本を書いてくる芸人には感心していた。
ネタに対する村上の姿勢は野田曰く「ネタに納得いかないと難しい顔を浮かべるが、基本的に意見は述べない」との事。
実際に『水曜日のダウンタウン』でのドッキリでは、野田がつまらないネタをわざと作って来た際も、オチで脱衣するのは必要ないと呟いたり、ネタ自体にも違和感を抱いていたが、ネタばらしするまでの打ち合わせ中は相槌ばかりでほぼほぼ受け入れていた。
野田は「文句が無くて凄く残念だった」と落胆していたが、村上は「(どんなネタでも合わせてくれる姿勢は)ありがたいと思った方が良いですけどね」と述べている。
余談
芸歴は2人でそれぞれ異なり、野田が先輩(始めたのが15歳と早かった)で、村上は芸人になる前から野田のライブを通して惹かれたらしく、野田とコンビを組みたいと考えたらしい(9歳年上の尾形貴弘と同期でチョコレートプラネットよりも先輩、こちらも年上であるかまいたちよりギリ先輩だが、野田自身は「そんなに変わらないからタメ口でいい」と言ったが、山内健司は「ずっと敬語でやってきたから、今更変えられない」と返したなどといった野田の芸歴に関するネタが多数ある)。
関連タグ
霜降り明星:同じくM-1、R-1(粗品)両方で優勝したお笑いコンビ。
ジャルジャル:同じ年にKOCで最下位を経験してから優勝したコンビ、野田とは同期に当たる。
M-1グランプリ歴代チャンピオン