最後に笑うのは、人か— 呪いか—
概要
渋谷事変とは、作中の2018年10月31日に発生した未曾有の呪術テロ。
首謀者はかつて呪術高専を追放された特級呪詛師・夏油傑及び夏油と手を組む特級呪霊たち。また、夏油と関係を持つ複数の呪詛師も関与している。
東京都渋谷に最大半径約400mの帳が複数下ろされ、多数の一般人が閉じ込められた報を受け、呪術高専は呪術師を総動員して事態の対処にあたる。
作者の芥見下々が過去のインタビューで「『呪術廻戦』の3つある山場の1つ目」としたのがこの渋谷事変である。
2023年にアニメ化されており、話数では第30話「そういうこと」から第47話までに当たる。その都合で、直前のエピソードである「宵祭り」も渋谷事変のエピソードに含まれている。視聴者からは高い評価を得ているものの、そのあまりにも残酷で陰鬱な内容故に、視聴を躊躇ったり途中で止めた視聴者(主に展開を知っている原作勢や推しキャラを失ったショックのアニメ勢)も少なくない。
※以下ネタバレ注意!! |
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本件の首謀者とされる夏油傑は、かつて「新宿・京都百鬼夜行」と呼ばれる事件を引き起こしている。この事件では新宿と京都のそれぞれに特級呪霊を含む1000体もの呪霊が放たれており、作中において未曾有の呪術テロと称されている。
しかし、渋谷事変の被害規模は百鬼夜行を遥かに上回る空前絶後の大事件であると言ってまず間違いない。
まず建物の被害であるが、特に受肉した両面宿儺の戦闘によって、渋谷警察署付近、渋谷109前はボロボロに破壊される。さらに宿儺の領域展開によって、宇田川町近辺はもはや破壊などという言葉が生易しいレベルであり、完全に更地と化した。(場所等参考元)
次に人的被害として、やはり特に宿儺の領域である伏魔御廚子によって多くの民間人が虐殺されている。他にも特級呪霊らと五条悟の戦闘に巻き込まれた者、真人の術式の犠牲になった者、その他呪霊や改造人間に惨殺された者など、数え上げればキリがないほどの民間人が死亡している。
さらに参戦した術師の人的被害もまた甚大であり、何より特筆すべきは特級呪術師五条悟の封印だろう。現代最強の呪術師である五条の脱落が社会にもたらす影響は計り知れず、伏黒恵曰く「少なくとも日本では人間の時代が終わるかもしれない」と言われている。また、呪術師のエース格である1級呪術師も多く脱落した。七海建人及び禪院直毘人は死亡、冥冥は弟憂憂と共に国外へ一時的に亡命し後に帰国、東堂葵は左腕の欠損と右掌のわずかな変形により術式が使用不能となった。呪術界を牽引する存在である1級術師の複数脱落による戦力の低下もやはり計り知れないだろう。その他狗巻棘や禪院真希、猪野琢真といった実力のある術師が負傷し、補助監督にも死傷者が出た。
さらに偽夏油による1000万体以上の呪霊の解放により、渋谷のみならず東京23区がほぼ壊滅。日本の歴史においても例を見ない大損害となってしまった。
これら登場人物の脱落もさることながら、両面宿儺の暴走により多くの死人を出した事実、そして恩師である七海建人の死は主人公虎杖悠仁の心に影を落とし、一時は完全に戦意を喪失するまで追いつめられてしまう。着実に呪術師としての実力を身に着けてきた虎杖悠仁に対して「呪術師として戦う意味」を問う、ただでさえ話が暗い本作でも屈指のハードな長編となっている。また、主役サイドが完敗して敵の目的が達成されるという、少年ジャンプのバトル漫画では珍しいバッドエンドで終わる章でもある。
出来事・時系列
時系列 | 場所 | 出来事 |
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19:00 | 渋谷 東急百貨店 | 東急東横店を中心に帳が降ろされる(半径400mほど) |
20:14 | 東京メトロ渋谷駅13番出口(帳外) | 七海班(七海・猪野・伏黒) |
渋谷マークシティレストランアベニュー入口(帳外) | 禪院班(直毘人・真希・釘崎) | |
JR渋谷駅新南口(帳の外) | 日下部班(日下部・パンダ) | |
文化村通り道玄坂2丁目東(帳の中) | 帳の中の人々が「五条悟を連れてこい」と叫ぶ | |
20:31 | 五条、到着 | |
20:38 | 渋谷ヒカリエShinQs B1F | 五条が現状把握 |
20:39 | 青山霊園 | |
20:40 | 東京メトロ渋谷駅 B5F副都心線ホーム | |
20:51 | 東京メトロ明治神宮前駅2番出口前 |
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21:03 | 東京メトロ明治神宮前駅 B2F |
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21:15 | 東京メトロ明治神宮前駅 B4F | 虎杖・冥冥&憂憂が合流 |
東京メトロ渋谷駅 B5F副都心線ホーム | ||
21:22 | ||
21:26 | 東京メトロ渋谷駅 B5F副都心線ホーム | 獄門疆が動かせなくなったことをメカ丸が知り、虎杖に報告(メカ丸は真人に破壊される) |
21:27 | 明治神宮前~渋谷間 | |
21:30 | 渋谷駅 B4F |
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不明 | 禪院班のうち、釘崎・新田明が伊地知のもとへ | |
21:40 | 松濤文化村ストリート(帳の外) | 釘崎・新田明が重面と遭遇 |
21:44 | 東京メトロ渋谷駅13番出口(帳の外) | 七海が倒れている伊地知を発見 |
不明 | 重面と戦闘中、釘崎・新田明が負傷 | |
釘崎達のもとに合流した七海が重面を圧倒 | ||
七海達は現状を共有(伊地知は重傷を負うが後に回復) | ||
釘崎・新田明はその場で待機 | ||
七海は禪院班のもとへ | ||
22:01 | 渋谷Cタワー | |
首都高速3号渋谷線Cタワー前 | 虎杖&伏黒が粟坂に勝利 | |
22:04 | 戦闘により猪野がタワーから落下 | |
渋谷Cタワー | 伏黒甚爾の人格が復活し、オガミ婆を殺害 | |
首都高速3号渋谷線Cタワー前 |
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22:02 | 東京メトロ明治神宮前~渋谷間 | 冥冥&憂憂が蛯名に勝利 |
不明 | 冥冥&憂憂が偽夏油と遭遇 | |
偽夏油は特級呪霊の疱瘡婆を残し、立ち去る | ||
冥冥&憂憂が疱瘡婆に勝利 | ||
冥冥&憂憂 VS 偽夏油 | ||
22:10 | 東京メトロ渋谷駅付近 |
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不明 | 渋谷駅構内 |
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22:20 | 井の頭線 渋谷駅アベニュー口 |
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渋谷駅構内 |
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22:51 | 首都高速3号渋谷線 渋谷料金所 | 夜蛾学長と家入硝子が待機 |
不明 | 伏黒恵 VS 伏黒甚爾の戦いは、相手が自身の息子であることを知った伏黒甚爾が自害 | |
家入の元に向かう途中、伏黒は重面に背中を斬られ重傷を負う | ||
23:01 | 渋谷ストリーム前 | |
23:05 | 道玄坂 109前 | 伏黒が布瑠部由良由良で八握剣異戒神将魔虚羅を呼び出す |
23:07 |
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首都高速3号渋谷線 渋谷料金所 | 宿儺が伏黒を夜蛾と家入のもとへ運ぶ | |
23:09 | 東京メトロ渋谷駅 B5F副都心線ホーム | |
23:14 | 道玄坂 109前 |
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松濤文化村ストリート(帳の外) | 釘崎は救急隊員に救護される新田明と別れる | |
23:16 | 道玄坂小路 |
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23:19 | 渋谷駅道玄坂改札 | 虎杖 VS 真人 |
道玄坂小路 |
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列車内 | メカ丸は三輪に別れを告げ、彼女と京都校組である真依・加茂・西宮・歌姫が渋谷に向かう | |
23:28(※時刻は判明しているが、時系列的には不確定) | 渋谷ストリーム前 |
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23:36 | 渋谷警察署宇田川交番跡 |
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22:36(現地時間) | マレーシアクアラルンプール | 冥冥&憂憂は危機を脱出しKL(クアラルンプール)のホテルへ |
23:36(日本時間)※クアラルンプールと日本は時差が1時間ある(日本が1時間早い)ため逆算 |
主な死者(呪霊含む)
- 花御:五条悟に祓われる。
- 蝗GUY:虎杖悠仁に祓われる。
- 蛯名仁次:冥冥に殺害される。
- オガミ婆:降霊した伏黒甚爾によって撲殺される。
- 陀艮:伏黒甚爾に祓われる。
- 伏黒甚爾:伏黒恵との戦闘中に、自分の息子だと気付いた為、先を尖らせた游雲で頭部を刺し貫いて自死(あくまで降霊術で降ろされた死人であるため、実際に死亡したのは依代であるオガミ婆の孫)。
- 枷場美々子:宿儺に首を刎ねられ殺害される。
- 枷場菜々子:宿儺に全身を跡形もなくバラバラに斬り飛ばされ即死する。
- 菅田真奈美:漏瑚と宿儺の戦いに巻き込まれた漏瑚の火炎により死亡。
- 祢木利久:同じく漏瑚と宿儺の戦いに巻き込まれ漏瑚の火炎により死亡。
- 漏瑚:宿儺に祓われる。
- 重面春太:宿儺に身体を真っ二つにされ絶命する。最期の台詞は「今日も、生き延びた!!」だった。
- 七海建人:陀艮戦後、漏瑚の放った熱線をゼロ距離で浴び瀕死の状態となり、更に真人の無為転変を受け上半身が爆裂し死亡。
- 釘崎野薔薇:真人の無為転変を顔面に受け顔半分と片目が吹っ飛び死亡したが、新田の術式を施され死亡して間も無い状態を維持された。※作者曰く死にたてホヤホヤ状態を維持されてる為、蘇生処置次第では復活する可能性はあるとの事であくまで渋谷事変の時点での話である。
- 真人:虎杖悠仁に敗北し偽夏油に取り込まれ、術式抽出後「うずまき」として消費される。
- 禪院直毘人:陀艮戦後に漏瑚の攻撃で全身を焼かれて瀕死の状態となり、治療を受けていたようだが数日後死亡。
- 重面春太に殺害された補助監督
- その他偽夏油に与した呪詛師
- 宿儺に殺された人々
- 呪霊に殺された人々
- 改造人間にされた人々
主な重傷者
- 伊地知潔高:重面春太に背後から何度も刺されるが、七海に運ばれ家入の治療を受けたため、九死に一生を得ている。
- 猪野琢真:オガミ婆の降ろした伏黒甚爾の猛攻を受けて瀕死状態。伊地知同様家入の治療を受ける。後に戦線復帰。
- 禪院真希:陀艮戦後、漏瑚の急襲を受けて全身に火傷を負う。後に反転術式による治療で復活するが、火傷跡は残ることとなる。
- 狗巻棘:宿儺の領域展開に巻き込まれ、左腕が欠損する。
- 伏黒恵:伏黒甚爾との戦闘で腹部を刺され、その後に重面春太の一撃で背中を斬られ重傷を負い、重面を道連れにする目的で召喚した魔虚羅に背後から攻撃を受け調伏の儀により仮死状態となる。直後、現場に急行した宿儺が反転術式で伏黒に応急処置を施し魔虚羅を倒した後に意識が戻らない伏黒を医療現場に運んだ。
- 東堂葵:真人との戦闘で左手首が欠損し腹部に重傷を負い戦闘不能になったところをラルゥに救助される。また、真人の0.2秒の領域展開で左手首から先を失った事で術式・不義遊戯が使用不能になるが、後に義手により術式が使用可能となる。
主な生死不明者
- 粟坂二良:虎杖と伏黒に敗北し気絶していたが、その後の消息は不明。