「いーじゃんいーじゃん楽しいじゃん 俺が楽しければそれでいいじゃん!!」
CV:羽多野渉
概要
サイドテールにした金髪と華奢な体格をした青年。目元に術式と連動した刺青のような紋様が六つある。
ノリが軽く無邪気な笑みを浮かべるが、「自分が楽しければそれでいい」「弱い者イジメが好き」という理由で弱者、特に女子をいたぶるのを好む卑劣漢。
その一方で強い相手に追いつめられると弱腰になって謝り倒すなど非常に小物臭い人物。
武器は仲間の呪詛師・組屋鞣造が作った柄が人の手になった奇怪な剣の呪具。手を離していても生物のように操ることができる。本人曰く「非力」であるため、その剣からも手を握ってもらっているとのこと。
尚、作中では長らく名前が不明だった。本誌の紹介文では「サイドテールの男」と記載されていた。
術式
奇跡の蓄積(名称不明)
日常の小さな奇跡(デジタル時計のゾロ目など)を記憶から抹消して貯え、貯えられた奇跡は自身の命に関わる場面で放出される術式。放出される奇跡によって危機を回避したり、致命傷や即死級のダメージを耐えることができる。
ただし、あくまでギリギリで耐える能力であって無効にしたり受けたダメージを回復するわけではなく、ダメージや怪我自体はちゃんと発生する。実際、七海に徹底的に叩きのめされた際には一時戦闘不能になり、再登場した時もボロボロのままだった。
奇跡の多寡は目元の紋様で識別できるが、重面自身はその性質を自覚、認識出来ないという欠点を持つ(本人には「いざという時に頼れる術式」程度の認識しかない)。
このため「何故奇跡が貯まったのか」「今どれだけ貯まっているのか」「現在はどれだけ残っているのか、それとも使いきってしまったのか」等の能力に関する情報が把握出来ず、実戦で使うにはあまりに不安定な能力になっている。
言ってしまえば最大で六回連続で使えるきあいのタスキといったところ。
動向
初登場の交流会編では庵歌姫に後ろから斬りかかろうとするも失敗、釘崎野薔薇、禪院真依が加わり女子3名で臨戦態勢に入られたことで「モテモテだあ」と歓喜の声をあげたり、手負いの花御を「楽にしてあげる」との名目で殺害しよう(祓おう)とする(この時は真人が制止)など、この時点でかなりの危なっかしさが目立っていた。
その後渋谷事変にて再登場。偽夏油の命で補助監督を殺し回り、その中で野薔薇と新田明に遭遇。卑劣な性格と剣の呪具で追い詰め、新田を痛めつけて人質に取ることで優位に立つ。
しかし、そこに殺された補助監督達や重面に刺されて重体に陥った伊地知の姿を見て怒りが頂点に達した七海建人が登場。スーツ姿から補助監督の一人か何かと勘違いしたのか「状況見てよ?女の子が人質になってるでしょお!」と挑発するが、その隙をつかれて新田に逃げられる。
目前まで来た七海から「仲間の数と配置は?」と問われるも、「知らなぁ〜い」と彼を斬りつけて蹴飛ばす。
………が、七海はまるで動じず、重面は壁を蹴ったかの様な感覚に陥り、斬りつけた箇所は斬れてすらいなかった。
「仲間の…数と配置は?」
静かだが怒りに満ちた七海の問いにようやく自分の置かれた状況を察した重面は後退りしながらも「知らない」と口を開いた直後、それを言い終える前に顔面に呪力を込めた打撃を叩き込まれ、勢いよく吹っ飛ばされる。
「自分の術式が無ければ死んでいた」と安堵すると同時に「逃げなければ」と命の危険を感じて逃げだそうとするが直ぐに七海に捕まり、
「仲間の…」
「数と配置は!!?」
凄まじい怒りと迫力に満ちた七海の3度目の問いに「本当に知らない」と弁明しようとするが、その答えを言い終える間も無く腹部に強烈な一撃を叩き込まれ、壁に打ち付けられる。
倒れ込む重面だったが隙を突いて手放していた剣を呼び寄せ、そのまま背後から七海の頭への直撃を狙うが、野薔薇に「させねェよ!!」と釘で天井に打ち付けられ妨害されてしまう。
「空気読めよォ!!」と逆ギレする間もなく、七海に首を掴まれ高く持ち上げられる。
「此処に来るまで何人もの補助監督が殺されていました。」
「…アナタですね…!」
右拳を握りしめ、強く睨みつける七海に「ごめんなさ…!」と首を掴まれたまま泣きながら謝罪しようとするが、次の瞬間七海の拳が顔面に炸裂。
一発目とは比べ物にならないほどのスピードで屋外まで吹き飛ばされ、その先の建物に看板が外れるほどの勢いで激突した。
これで死亡したかに思われたが、術式のおかげで何とか生き延びており、目覚めた後に伏黒甚爾(に魂を上書きされて肉体を乗っ取られたオガミ婆の孫)との交戦で負傷していた伏黒恵を襲撃するが、恵が重面と刺し違える覚悟で八握剣異戒神将魔虚羅を降臨させたため、一転パニックに陥り、瀕死の状態の恵に「おい!何とかしろよ!起きろよ!クソ術師!」と絶叫していた。
その後、魔虚羅の気配を察知した宿儺が乱入。自身が気に入っていた恵を生かし、調伏の儀を無かったことにするため魔虚羅と戦闘を開始。その激闘に巻き込まれてしまう。
決着後、宿儺から「何を見ている。去ね。」と言われたことでその場を立ち去ろうとしたが生き延びたことを喜んだ瞬間身体を真っ二つに切り裂かれ、絶命。
既に七海との戦いで「奇跡」を使い果たしていた重面は、それを自覚することがないまま呆気ない最期を迎えた。