概要
呪力を流して発動する特殊能力の事で通称、術式と呼ばれる。
呪力を「電気」に例えると、術式は電気を流して使用する「家電」に当たる。
術師は自身の術式に呪いの元である呪力(アニメでは青白いエネルギーとして表現されている)を流し指向性を与え、様々な異能を発揮する。当然呪力が枯渇すると術式の発動は不可能になる。
術式は一人もしくは呪霊一体につき、一つが原則である。
コピーや呪霊等、何らかの方法で複数の術式を所持する術師もいるが、それでも二つから四つまでが限界らしい。(九十九曰く「外付けでもしない限り脳のメモリがはち切れる」)
また、複数の術式を保有していても、二つ以上の術式の同時運用は不可能で、領域展開後は手持ちの術式が全て焼き切れる。
基本的に術式は生まれながらに身体に刻まれているものである為、術式を持たずに生まれた者はいくら呪力を持とうとも限られた能力しか発揮できず、また術式を持って生まれた者でも途中で術式を変える事はできない。その為に呪術師の実力はほぼ生まれながらに持った才能となる。
呪物を取り込んで後天的に術式を刻む方法もあるが、恐らく虎杖級の肉体強度が無いと自殺行為と思われる。
上記の点から「術式」と呼称されているものの他の創作物に登場する「呪術」や「魔術」とは違い、どちらかと言えば遺伝する(場合のある)超能力に近い。超常現象を起こす人由来のエネルギーが根幹にあり、それが昇華して固有の能力になる、と言う点では『HUNTER×HUNTER』の念能力に近似しており、ファンからも度々言及されている。
また術式自体は刻まれているのだが、そもそも呪術師としての能力を発揮できる脳の構造を持たない者もおり、そう言った者が術式を使うには何らかの方法で呪術師と同じ仕様に脳を改造する必要がある。脳を改造して調整すればその者も呪術師のように術式や呪力を使えるようになる。
簡単にまとめると呪力(MP)・術式(スキルツリー)・脳の構造(スキルツリー解禁)の3つが必要といえるか。
生得術式の内容を他人が公開する行為はプライバシーの侵害に当たるらしい。
作中では狗巻の術式を虎杖に解説した伏黒に対して釘崎が顔を顰めたり、日車の術式内容を交えて作戦を説明する際に虎杖が本人に許可を取る描写があった。
作中に登場した術式
基本的には何かを操作する系統の呪術を操術、呪力を通して相手や自分に影響を与える系統の術式を呪法、と言った形で区別している様ではあるのだが、実際のところはかなり自由に名前が付けられている。主に術、法、式と言った形で名づける術者が多い傾向にある模様。
下記に作中で登場した術式を記載する。
名称が判明している術式
- 呪言(じゅごん)
呪力の込められた自身の言葉を他者に送り込んで呪う術式。
所謂『言霊』であり、携帯電話や拡声器を介する事も可能。
非常に強力だが、使う言葉によって術者の声帯や舌に掛かる負担も大きくなる。
- 呪霊操術(じゅれいそうじゅつ)
調伏させた呪霊を球状にしてから体内に取り込み、自在に使役する術式。
自分より2級下の呪霊であれば、調伏無しで強制的に取り込む事ができる。
数の暴力で押し切るだけでなく、術者との連携攻撃を仕掛ける事も可能。
さらに呪霊を介する形で術式を複数使用する事もできる。
使用者:夏油傑
- 里香(りか)
他者(人間、呪霊問わず)の生得術式を複製して自らが使用する術式。
特級過呪怨霊と化した祈本里香自体が外付けの術式であり、彼女と接続していなければ複製の術式自体も複製した術式も使えない。彼女の呪力を武器に宿したり、呪力自体を撃ち出す事もできる。
本編においては里香の解呪後に残された、呪力と術式の塊である式神「リカ」を使役している。
使用者:乙骨憂太
- 無下限呪術(むかげんじゅじゅつ)
術者の周囲に呪力で無限を具現化させる事であらゆる干渉を防ぐ術式。
仮想重量で押し潰したり、空中浮遊・高速移動したりと用途は幅広い。
ただし、使用には原子レベルの緻密な呪力操作が必要なため、特異体質『六眼』の保持者でなければ十分には扱えず、保有していても長時間使用は脳への負荷がかかってしまう。
使用者:五条悟、江戸時代(慶長?)の五条家当主
- 十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)
影絵を媒介として十種類の式神を召喚し、使役する術式。
各式神は固有の能力を持ち、術者と式神で連携攻撃を仕掛ける事も可能。
使役できる式神は一度につき二体までで、破壊されると再召喚は不可能。
- 芻霊呪法(すうれいじゅほう)
釘を人形を介して相手の一部に打ち込む事で相手を攻撃する術式。
釘が無くても尖った物体を使えばある程度代用は可能で、人形も人型であれば何でもいい。
無機物や霊魂にダメージを与えたり、呪詛に対してのカウンターも可能。
また、釘に込めた呪力を炸裂させて対象を攻撃する事も可能。
使用者:釘崎野薔薇、野薔薇の祖母
- 御廚子(みづし)
呪力の有無や大きさに応じて対象を切断する術式。
ただし、宿儺は「◾️」「開(フーガ)」と唱え炎を顕現させる能力も有しており、術式の全貌は未知数。
- 十劃呪法(とおかくじゅほう)
物体を7:3に分割し、その中心点を強制的に弱点へと変える術式。
対象は体全体のみならず、腕や脚など一部の部位への細かい指定もできる。
さらに呪具や呪骸などの無機物に対しても有効である。
使用者:七海建人
- 無為転変(むいてんぺん)
相手の魂の形状を操作する事で、肉体の形状を思うがままに変形させる術式。
相手を即死させるだけではなく、改造人間や武器に変えて手駒とできる。
自らに転用すれば、ノーリスクで変幻自在の攻撃が可能となる。
使用者:真人
- 澱月(おりづき)
クラゲ型の式神『澱月』を召喚して自在に使役する術式。
触手での拘束、毒の行使、術者を格納しての移動など手数は多い。
毒の種類や強さ、式神のサイズなどは自由に調整可能。
使用者:吉野順平
- 黒鳥操術(こくちょうそうじゅつ)
複数の鴉を自在に操作して鴉との視界を共有する術式。
鴉の視覚情報を映像媒体に映し出す事も可能。
主に偵察向けの術式だが、鴉の命を使った縛りで絶大な攻撃を放つ事もできる。
使用者:冥冥
- 不義遊戯(ブギウギ)
手を叩く事で、一定以上の呪力を持った物体の位置を入れ替える術式。
入れ替えは術者の意思である為、ワザと入れ替えをしない事も可能。
対象は生物のみならず呪具や呪骸にも適用される。
使用者:東堂葵
- 付喪操術(つくもそうじゅつ)
呪具や呪物などの呪力の込められた物体を操作する術式。
操作する物体によっては遠隔操作や飛行、属性攻撃もできる。
ただし、操作できる物体は一度につき一つだけの模様。
使用者:西宮桃
- 赤血操術(せっけつそうじゅつ)
呪力を込めた自身の血液や血液の付着した物質を操作する術式。
攻撃の他に防御や拘束や身体強化にも転用できる。
応用性が高いが、水気には弱く多用すると失血するリスクもある。
- 傀儡操術(かいらいそうじゅつ)
呪力が込められた傀儡や呪骸(自立して動く傀儡)を自在に操作する術式。
一度に複数の傀儡を操ったり、ある程度自立稼働もさせられる。
呪骸は核である『呪核』を破壊されると機能停止する。
- 構築術式(こうちくじゅつしき)
何も無い空間からあらゆる物体を構築できる術式。
領域と違って術式解除後も形成した物体は消滅せず、そのまま残り続ける。
ただし、消費する呪力や身体への負荷も莫大であり乱用は禁物である。
- 蝕爛腐術(しょくらんふじゅつ)
有機物、無機物を問わず物体を腐食させる有毒の血液を操作する術式。
食らった相手は毒と激痛で抵抗できずに骨まで分解されてしまう。
ちなみに有機物より無機物の方が腐食させ易い模様。
- あべこべ
術者に当たる強い力を弱く、弱い力を強くして攻撃の強弱をあべこべにする術式。
つまり強力な攻撃力を持つ相手ほど術者には苦戦を強いられる事となる。
ただし、強すぎる力や弱すぎる力はあべこべにできない。
使用者:粟坂二良
- 降霊術(こうれいじゅつ)
いくつか種類があり、猪野琢真のものは顔を隠して自らが霊媒となり四種類の「来訪瑞獣(らいほうすいじゅう)」を降ろす術式。
自身の肉体は変化しない為に、瑞獣の能力を使用すると言った方が正しい。
ただし、素顔を出してしまうと術式が使用不可能になる。
オガミ婆のものは降霊対象の体組織を呑み込み、自身や他者に死者の肉体情報を降ろす術式。
所謂『イタコ』で、降霊中は対象の身体能力や術式も完全再現される。
ただし、対象の精神を降ろすと肉体を乗っ取られてしまう。
- 投射呪法(とうしゃじゅほう)
自らの視界を画角として1秒間を24分割し、予め作った動きをトレースする術式。
それによって高速移動が可能となり、触れた物体を1秒間フリーズさせる事も可能。
さらに加速を繰り返す事で物理的な攻撃力は増し、最大亜音速で動ける。
ただし、使いこなすには優れたコマ打ちセンスが必要となる。
- 氷凝呪法(ひこりじゅほう)
呪力で氷や冷気を発生させて相手を攻撃したり凍結させる術式。
単純な威力だけでなく攻撃範囲も凄まじく、広範囲の相手を一瞬で凍結させる。
しかも凍結された対象は自力での脱出は不可能な程の拘束力を持つ。
使用者:裏梅
- 星間飛行(ラヴランデヴー)
手で触れた物体に、南十字座にちなんだ5つの星をマーキングする術式。
マーキングされた物はそれぞれ同じ星なら引き寄せ合い、違う星なら反発する。
地球から近い星の順番に触れていく事で解除可能。
使用者:星綺羅羅
- 超人(コメディアン)
術者が「ウケる」と確信した想像を現実に反映させる術式。
例として身体能力や肉体強度、再生力が有り得ない程に高くなる。
つまり、周りがシリアスな中で一人だけギャグ補正が掛かるような物。
使用者:髙羽史彦
- 再契象(さいけっしょう)
レシートや領収書を媒介として、購入した内容を再現・操作する術式。
物品を式神としての使役できる他、サービスを再現して回復を行うなど用途は膨大。
ただし、レシートを破壊されれば効果は途切れる他、水に濡れても使えなくなる。
使用者:レジィ・スター
- 星の怒り(ボンバイエ)
自身とその式神に仮想の質量を付与する術式。
防御不能の物理攻撃が可能で、概念防御すら突破できる程の攻撃力を持つ。
使用者:九十九由基
- 反重力機構(アンチグラビティシステム)
自身の周囲の重力を打ち消す術式。
ただし、元々の出力は低かったらしく、作中の使用者は術式反転によって、重力場を発生させる能力として使っている。これで相手の攻撃を叩き落とし、対象に強力な重力を掛ける事ができる。
使用者:虎杖香織
- 単独禁区(ソロソロキンク)
術式範囲内の歌姫本人を含む任意の術師の呪力総量、出力を一時的に増幅させる術式。
使用者:庵歌姫
- 幻獣琥珀(げんじゅうこはく)
自身の電気の特性を持つ呪力からなるあらゆる事象を実現する為肉体を作り変える。
但しその肉体は人の域を超えていて術式終了後は肉体が崩壊して死亡する。正に「一発それっきり」の術式。
使用者:鹿紫雲一
- 心身掌握(ハートキャッチ)
仮想の手で対象を「掴む」シンプルな術式。
遠距離から攻撃したり自分や味方を掴んで回避するなど応用力が高い。破壊されてもいくらでも顕現できるが術者本人に1/10のダメージがフィードバックする。だがこの術式の神髄は対象の心を掴むことで注目を自身へ向けさせることである。
使用者:ラルゥ
- 祈祷の歌(ハクナ・ラーナ)
自身の肉体でビートを刻むことで呪いを退けつつ、自身の肉体、身体能力を強化する、いわば領域展開のバフとデバフ両方の効果を適用させるような能力。
使用者:ミゲル・オドゥオール
- 幻影夜行(ファントムパレード)
呪力に宿る「記憶」を読み取り「再現」することで、術師や呪霊の「幻」を使役する術式。
「呪術廻戦ファントムパレード」の戦闘システムそのものが「幻影夜行」によるものだと考えられる。
使用者:不明
- 災禍転呪(さいかてんじゅ)
受けた痛みを呪力に変換する術式。
傷そのものが治るわけではないが、痛みが蓄積するほど変換できる呪力量が多くなる。
後述の呪具「”竜”骨」と名前・効果が似ていることから、災禍転呪を有する”竜”胆サキは本編時空だと組屋鞣造に殺されて「竜骨」の材料にされたのではないかと言われている。
使用者:竜胆サキ
- 祈陣呪法(きじんじゅほう)
結界術の1つで、結界内の人間に様々な呪いをもたらすことができる術式。「礎石」を核として結界を展開する。
術式のルールとして「術師本人には術式の影響を及ぼせない」という縛りが設けられているため、祈陣呪法で術者本人を強化することはできず、術者の呪力を帯びた「礎石」を持つ人間も術式の影響を受けない。
善意で使えば味方の術師を強化できるが、悪意で使えばそれは毒以外の何物でもない。
使用者:香月沙良
- 呪錬礎術(じゅれんそじゅつ)(=祈陣呪法)
結界内の人間に戦いを強制させる呪いをかけて、呪力を底上げする術式。
呪術高専福岡分校の学長である奈木野健介が、前述した「祈陣呪法」の存在を隠すために名付けた偽りの名前である。つまり「呪錬礎術」という術式自体は存在しない。
使用者:結木海斗
- 奸骨奪胎(かんこつだったい)
対象の術式を再現する術式。術式そのものを奪うわけではないが、
・術者の肉体に直接触れる
・術者の呪力と血液を採取する
・再現する術式を実際に体験する
これら3つの条件で手にした術者の”呪力・血液・情報”を「器」に付与することで、擬似的に対象の術式を行使できる。
使用者:朧絶
名称不明の術式
- 賭博
領域がデフォルトで備わっている術式の一つ。
パチンコ台をモデルとした領域「坐殺博徒(ざさつばくと)」を展開し、作中世界に実在する「CR私鉄純愛鉄道」の演出を具現化する術式。
作中では電車の扉を具現化して敵を挟む攻撃を披露している。
使用者:秤金次
- 悪化の防止
呪力を篭めた手で対象の部位に星型五角形をなぞって術式を施すことで、その部位の状態を維持させる術式。
怪我の悪化を止められるが治癒するわけではなく、それ以降に受けた傷は術式対象外である。
まだ脈が止まっていない死にたてホヤホヤの人間に使用すれば、時間はかかるが生き返る可能性もある。
使用者:新田新
- 呪力の旋律
エレキギターで奏でた旋律を増幅させ呪力として打ち出す術式。
自らの肉体そのものをアンプに見立てている。
使用者:楽巌寺嘉伸
- 炎の術式
折れた刀身を炎で補ったり、術式開放「焦眉之赳」と称し、折れた日本刀を覆うどころか、一回り大きい炎の刀とするなど、炎を物質に纏わせて扱う術式。
更なる応用が出来る可能性もあるが、作中の描写が少ない。
使用者:禪院扇
- 巨大な拳による打撃
呪力で幾つもの巨大な拳を具現化させ、攻撃する術式。
それぞれの巨大拳は本体の腕の動きに合わせて動作する。
上空からの拳打は、屋敷を跡形もなく破壊する程の威力と攻撃範囲を誇る。
使用者:禪院甚壱
- 岩石の操作
地面や壁から岩石の腕を出現させ、操作する術式。
相手を掴んで握り潰したりする他、自身や仲間の足場にする事も可能。
加えてこの術式を応用して、建造物を作る事も可能な模様。
使用者:禪院長寿郎
- 対象の停止
巨大な眼球を具現化させ、視界内の対象を停止させる術式。
拘束できる時間は対象が持つ力によって変動する。
また、巨大眼球が破壊されると本体の眼球にもダメージが入る。
使用者:禪院蘭太
- 転送
その場から自分と対象をスカーフで隠して瞬間移動できる術式。おそらくマジシャンモチーフ。
縛りによって日本からマレーシアという広範囲の移動も可能。
ただし、消費する呪力もそれなりに大きい模様。
使用者:憂憂
- 裁判
領域がデフォルトで備わった術式の一つ。
裁判所のような領域「誅伏賜死(ちゅうぶくしし)」を展開し、式神『ジャッジマン』によって対象が過去に犯した違法行為を炙り出す術式。呪術廻戦展で初期設定は術式:怒れる男(ジャッジマン)であったことが判明した。
そして、領域解除と同時に判決にちなんだペナルティを相手に背負わせる。
使用者:日車寛見
- 術式の消滅
術式を消滅させる術式。
単純に術式効果を消すだけではなく、結界を無効化して通り抜けるようなことも可能。
また、正確に言えば消滅させられるのは術式に留まらず、受肉体を器から引き剥がし消し去る事もできる。
これを応用して、呪具の封印を解除する事も可能。
邪去侮の梯子(やこぶのはしご)という光の柱で攻撃する技もあり、強力な術式と言える。
使用者:天使
- 炎熱の操作
火炎やマグマや爆発を発生させたり、火山岩を具現化させたりする術式。
人間を消し炭一つ残さず、数百メートル先まで焼き払う程の威力と射程距離を誇る。
物体の自然発火や式神の蟲で爆破する等の応用も効く。
使用者:漏瑚
- 植物の操作
樹木を初めとした植物を具現化させ、自在に操作する術式。
根で打撃や刺突をしたり、呪いの種を撃ち込んだりとかなり応用が効く。
周囲の植物から吸収した生命エネルギーによる強力な砲撃も可能。
使用者:花御
- 水や魚の操作
大量の水の奔流や、水棲生物を模した式神を操作する術式。
水の勢いによる対象の吸引や押し流し、水の障壁などが主である。
領域内での式神『死累累湧軍』は対象に命中した瞬間に具現化する為に回避不能。
使用者:陀艮
- 障壁
呪力の障壁を張る術式。
使用者:少年院の呪霊
- 刺殺
橋の下を通った相手を二週間おきに刺殺する術式。
使用者:八十八橋の呪霊
- 埋葬
相手を棺に閉じ込めて墓石で埋葬する術式及び領域。
3カウントの間に棺から出られなかった者を病に罹患させ死に至らしめる。
使用者:疱瘡婆
- ゴキブリの術式
呪力で強化した大量のゴキブリ(式神では無く本物)を使役する。
爛生刀という魔剣や土中蠕定という式神も用いる。
使用者:黒沐死
- 転倒
相手を穴に落ちるように錯覚させながら転倒させる術式。
使用者:大鯰
- 光柱
光の柱を落とし、対象を潰す術式。
使用者:ゾンバの呪霊
- 髑髏
下腹部?に生えている頭蓋骨を飛ばし、衝撃波を起こす術式。
使用者:盲目の呪霊
- 骸骨
地面から黒い人骨を召喚し、相手に攻撃する術式。
使用者:一つ目巨人の呪霊
- 絞首
縄で相手の首を括り、吊るして攻撃する術式。
使用者:枷場美々子
- スマートフォンによる撮影
スマートフォンのカメラの被写体に何らかの影響を及ぼす術式。
作中では自分と美々子を映す事で、漏瑚の攻撃から身を守った。
使用者:枷場菜々子
- 奇跡の蓄積
日常の記憶から小さな奇跡を抹消して蓄え、術者の命に関わる場面で放出される術式。
奇跡の多寡は目元の紋様で識別でき、奇跡を消費する度に目元の紋章が消える。
使用者:重面春太
- 毛髪の変形
自身の毛髪を飛行可能な乗り物のパーツに変化させる術式。
羽生はジェットエンジンと翼、羽場はヘリコプターのようなプロペラを形成し、いずれも移動や攻撃に用いている。
使用者:羽生、羽場
- 毛髪による刺突
サソリの尻尾のような形に結んだ髪を操り刺突攻撃を行う術式。
使用者:麗美
- 肉体の爆弾化
自身の身体の一部を自在に爆発させられる術式。
ただし、爆発させた部位は失われる為、その都度反転術式で再生しなければならない。
使用者:黄櫨折
- 鉤爪の生成
指先を鋭利な鉤爪に変える。
使用者:針千鈞
- 自律式の式神
自律式の二種の式神を顕現させ、それらの動いた軌跡を自らの領域として利用できる術式。
使用者:ドルゥヴ・ラクダワラ
- 空を操る
文字通り「空」を操る術式。
空(=空間)を面で捉える事ができ、空間を歪める事で防御や攻撃に利用する。
加えて浮遊も可能だが、直接相手を潰せないといった制限がある模様。
使用者:烏鷺亨子
- 呪力の放出
純粋な呪力を大砲、あるいはビーム砲のように撃ち出す術式。
高威力の単発砲撃の他、複数の追尾弾の同時砲撃も可能。
ただ呪力を撃ち出す術式なので、領域で焼き切れてもパフォーマンスはほぼ変わらない。
使用者:石流龍
- 未来視
巨大なGペン型の槍「G戦杖」を作って攻撃し、その穂先に相手の血液を溜める事で相手の1秒先の未来の行動を観測できるようになる術式。溜めた血液の量によってはより先の未来をも見る事もできる。
ただし、相手を常に視界の中に入れておかなければならない。
使用者:シャルル・ベルナール
- 不死化
不死になる事が出来る術式。
ただし不老ではないので、放っておけば老化が進み、最終的には人外の存在になってしまう。
その為に500年に一度、星漿体という特異体質者と同化して、老化をリセットする必要がある。
使用者:天元
- 脳の置換
脳を入れ替える事で肉体を渡る事ができる術式。
本体である脳は術者自身の肉体なので、非術師でも目視は可能。
使用者:羂索
- 札の式神
札から式神を召喚して操る術式。
使用者:原作第8巻に登場した呪詛師
- 分身
術者と同様の分身体を作る術式。
最大5体まで分身でき、どの体を本体にするかは任意で選べる。
使用者:原作第8巻に登場した紙袋呪詛師
- 硬化
皮膚を硬化させて防御力を上げる術式。
使用者:小説第2巻に登場した呪詛師
- 車両の操作
式神を車両に張り付けて自在に操る術式。
使用者:小説第2巻に登場した呪詛師
- 呪霊を飼う「籠」
「籠」に呪霊を閉じ込めて飼う術式。呪霊操術とは異なる。
呪霊を体内に取り込む必要はないが、閉じ込めた呪霊を意のままに操れるわけではない。
しかし呪霊操術は取り込んだ時点で呪霊の成長が止まるが、「籠」に閉じ込めた呪霊は成長が止まらない。周囲の呪力を「籠」に吸収することで、閉じ込めている呪霊達を楽に強化できる。
使用者:史緒乃(ファンパレオリジナルストーリー「花に舞う華」に登場)
呪具の術式
術式は術師だけでなく一部の呪具にも存在し、いずれも特級に相当する呪具である。
下記に呪具の中でも術式効果のある呪具を記載する。
- 天逆鉾(あまのさかほこ)
術式効果:刀身で刺した対象の、発動中の術式を強制解除する。
使用者:伏黒甚爾
- 万里ノ鎖(ばんりのくさり)
術式効果:左右どちらかの端を観測されない限り無限に伸長する。
使用者:伏黒甚爾
- 黒縄(こくじょう)
術式効果:縄が接触した対象の発動中の術式を一時的に乱す。
使用者:ミゲル
- 釈魂刀(しゃくこんとう)
術式効果:対象の硬度に関係なく魂を斬り裂く。
使用者:伏黒甚爾、禪院真希
※後者の人物が使用しているのはレプリカだが、術式効果は同じ
- 竜骨(りゅうこつ)
術式効果:刃に受けた衝撃と呪力を、使い手の意図に合わせ峰から放出する。
使用者:禪院真希
術式の応用と派生
術式反転
基本的には、呪術のエネルギーとなる「呪力」と言うもの自体が人に対する敵意や悪意をまとめた「負のエネルギー」であり、術式の効果は人を傷つけたり攻撃したりする事に特化している。
その一方で、反転術式と呼ばれる技術を用いて「負のエネルギー」同士を掛け合わせる事で「正のエネルギー」を生み出す事もでき、この「正のエネルギー」を操作する事によって傷ついた肉体の回復を行える他、「正のエネルギー」を術式に流す事で本来の術式とは逆の効果を発揮できる。
この「負のエネルギー」を操作した通常の術式効果を順転と言い、「正のエネルギー」を操作する事で逆転した術式効果を反転と言う。ただし、まず反転術式自体が術者の才能に依存する“技術”である為に使える者は少なく、作中で術式反転を使っている術者は少数しかいない。
- 赫(あか)
通常は“収束”という性質を持つ無下限呪術の順転・蒼(あお)を、反転させて“発散”という性質を持たせる事によって、対象を数百メートル先まで吹き飛ばす程の反発エネルギーを生み出す技。
さらにこの蒼と赫を掛け合わせる事で、虚式・茈(むらさき)を使う事も可能になる。
使用者:五条悟
- 重力
通常は重力を打ち消す反重力機構を、反転させて周囲に重力場を発生させる技。
ただし、元々の出力が低かった為か、術式効果範囲は半径2~3メートル、発動時間は6秒間だけで一度使うと一定のインターバルが必要であるなど、かなり限定的で使いどころが難しい技となっている。
使用者:羂索
虚式
術式順転の「負のエネルギー」と術式反転の「正のエネルギー」を半分ずつ出力する。
そもそも土台が「術式反転使用可」でなければいけないと敷居が高く、判明している使用者(というか虚式の存在を知っている人物)は五条家のごく一部のみ。
- 茈(むらさき)
術式順転「蒼」と術式反転「赫」を衝突させ、発生する仮想の質量を押し出す。
結果として起こる事象は「赫」と同類だが、それとは桁違いの破壊力を持つ。
実質的な五条悟の奥義にして切り札。
使用者:五条悟
載
術式は強化に段階が存在し、下記する極ノ番を除いた術式の各技の出力を最大限まで上昇させたものを「載」と言う。
これが事実上、各術式における通常技の極限状態なのだが、個々の通常技をそこまで極める者自体が少数な為なのか、作中でも習得者は上記の術式反転に並んで非常に少ない。
- 赫麟躍動・載(せきりんやくどう さい)
血流を操作して身体能力を強化する赤血操術の赤麟躍動を、最大出力まで高めた技。
極限まで身体能力を強化でき、外眼筋に集中すれば高速移動する相手を見切れる程に動体視力も強化できる。また、体内で術式を完結できる為、体外での血の操作が困難な状況でも最大の力を発揮できる。
使用者:脹相
拡張術式
前述した通り、生得術式を後天的に変更する事は不可能だが、術式の解釈を広げて応用する事で、その術者固有のオリジナルの呪術=技を新たに生み出す事はできる。これを拡張術式と言う。
拡張術式の開発は、その術者自身の才能やセンスに大きく左右される。
- 不知井底(せいていしらず)
十種影法術の式神である鵺と蝦蟇を掛け合わせたオリジナルの式神を作り出せる。
元の鵺や蝦蟇に比べると小型で戦闘力も低いが、同時に複数体召喚できる上に奇襲や後方支援に適しており、しかも本来の式神と違って破壊されても再顕現できるので、遠慮なく使えるという強みがある。
使用者:伏黒恵
- 瓦落瓦落(がらがら)
対象を7:3で線分してそこに弱点を作りだす十劃呪法で壁などを破壊し、生まれた瓦礫の一つ一つに呪力を宿らせて対象を押し潰す広範囲技。
使いどころによっては自分も巻き込まれるリスクがあるが、威力は絶大で地下で使用した場合は周囲に震度2に相当する揺れが発生する程である。
使用者:七海建人
- 超新星(ちょうしんせい)
赤血操術の百斂で作った血の玉を炸裂させて、全方位に散弾のように撃ち出す技。
威力は穿血には及ばないがより回避は困難であり、しかも掠りでもすればそこから血の毒が侵入して相手を蝕むという極めて厄介な技である。さらに複数の血の玉を生み出して同時に炸裂させる事も可能。
使用者:脹相
極ノ番
下記する領域を除いた技の中で各術式における奥義に相当する技。
所謂必殺技と言えるもので、各術式で最も強力な技に相当するのだが、現状習得している者は領域持ちより少ない。
詳細や使用者は該当記事を参照。
領域展開
呪術戦の極致とされる奥義。自身の生得領域(心象世界)に術式を付与して結界術で具現化し、相手を閉じ込める技。一言で言えば術者の最強のフィールドに閉じ込めるという事である。
この領域内で行う術式を付与した攻撃は全て“必中”で回避は不可能。しかも領域の中では(領域の種類を問わず)その領域の保有者以外の術式は中和されてしまう為、いかに強力な術式を持とうとも敵の領域内では無力となってしまう。ものによっては厄介なルールを強制してくる場合もある。
但し、呪術に関する才能は当然なのだが結界術の才能も要求される為、使用出来る者は極一握りの優れた呪術師や特級呪霊のみで極めて少ない。なおかつ同じ領域をぶつけて相殺する、簡易領域を展開する、攻撃が物理攻撃の場合は呪力で受ける等の幾つかの対策自体はある。また、領域展開後は凄まじい呪力消費に加えて、術式が焼き切れ一時的に使用困難になる為に、諸刃の剣とも言える。
なお、現代では呪術戦の極致と言われる奥義だが、昔は必中効果のみを重視する技術だった事から比較的カジュアルであり、現代ではそこに必殺効果も求めた事でより習得難易度が上がった。
各領域の詳細や使用者は該当記事を参照。
縛り
呪術における誓約。術者の力を抑え同時に術者の性能を底上げするブースター。
何らかのリスクや制限を自身に掛ける事で、引き換えに術式の性能の底上げや呪力の増加など、何らかのメリットを得る。破った場合は得たメリットを失ったり、最悪の場合何らかのペナルティが降りかかる。
他者との間で縛りを結ぶ場合もあり、こちらは主に裏切り等が無いように相手の行動を縛る為に用いられる事もあるが、これは性質上脅して無理矢理他者との縛りを結ばせると言う事は非常に難しい。
術式の開示
自身で自身に科す縛りの例。作中で最も多用される縛りであり、言わば縛りにおける基礎。
相手に自身の術式の詳細を公開する事で、それによって術式の効果や呪力を底上げする事ができる。
ただし、メリットこそあるが相手に対して自分の手の内を明かす事には違いない為、開示した情報を元に術式を攻略されて敗北する恐れもあり、リターンも大きいがリスクも大きい技術である。
ただしこれを逆手に取って、あえて嘘偽りの情報を流して敵を撹乱するといったブラフを張る呪術師も存在する。さらに知能が低い呪霊が相手の場合や、そもそも物理攻撃のみに特化した術式等の極めて能力がシンプルな術式などは、術式情報の開示に事実上デメリットが無いので(情報を知られても対策しようがない為)、こういう場合やこういう術式の使い手はより積極的に術式の開示を行う。
命を懸けた縛り
縛りの最終手段。文字通り自らの命を懸けた縛りで絶大な力を生む。
言うまでもなく行った術者は死ぬが、黒鳥操術によって操られたただの鴉が、この縛りによって一撃で特級呪霊を倒す程の攻撃を行う事ができる事からも、どれ程強力な縛りであるかが窺える。
作中ではこの縛りによって、呪力の制限解除を行って地形を変える程の呪力攻撃を行ったり、特級呪具のレプリカを自らの術式で作成したりと、いずれも凄まじい効果を及ぼしている。
天与呪縛
こちらは先天的に術者に縛りが科された例。
先天的な身体の欠損や不自由と引き換えに高い呪力を得る、もしくは逆に呪力を全く持たない代わりに高い身体能力を得るなどのパターンがある。ただし、自分自身で縛りを科すものとは違い、生まれた時から縛りを強制されている縛りである為、当人達の意思で解除する事はできない。
作中では究極メカ丸、禪院真希、伏黒甚爾の三人がこれに当たる。
術式の対象の変更
宿儺が戦闘相手を倒す為に使う事が多い。
自分自身の縛りで解決出来る描写がある為、宿儺以外のキャラも使えると思われるが使っている描写が無い為に詳細は不明である。
無理難題な縛り
羂索が死滅回游の成立で利用。
死滅回游という大規模なシステムの成立出来るレベルの縛りではあるが、その縛りを通すシステム等の詳細は不明。
余談
その他に呪術には呪詞(詠唱)、舞、楽と呼ばれるものが存在している。掌印についても領域の展開時以外にも用途があるようである。
曰く、呪術を極めるという事は引き算を極めるという事。
術式の構成、或いは発動させるまでの手順を如何に省略させるかが出来るかで術師の腕が決まる。