概要
呪力を流して発動する特殊能力の事で通称、術式と呼ばれる。
呪力を「電気」に例えると、術式は電気を流して使用する「家電」に当たる。
術師は自身の術式に呪いの元である呪力(アニメでは青白いエネルギーとして表現されている)を流し指向性を与え、様々な異能を発揮する。当然呪力が枯渇すると術式の発動は不可能になる。
術式は一人もしくは呪霊一体につき、一つが原則である(一部例外も存在する)。
基本的に術式は生まれながらに身体に刻まれているものである為、術式を持たずに生まれた者はいくら呪力を持とうとも限られた能力しか発揮できず、また術式を持って生まれた者でも途中で術式を変える事はできない。その為に呪術師の実力はほぼ生まれながらに持った才能となる。
上記の点から「術式」と呼称されているものの他の創作物に登場する「呪術」や「魔術」と違って、どちらかと言えば遺伝する(場合のある)超能力に近い。超常現象を起こす人由来のエネルギーが根幹にあり、それが昇華して固有の能力になる、と言う点ではHUNTER×HUNTERの念能力に近似しており、ファンからもたびたび言及されている。
また術式自体は刻まれているのだが、そもそも呪術師としての能力を発揮できる脳の構造を持たない者もおり、そう言った者が術式を使うには何らかの方法で呪術師と同じ仕様に脳を改造する必要がある。脳を改造して調整すればその者も呪術師のように術式や呪力を使えるようになる。
簡単にまとめると呪力(MP)術式(スキルツリー)脳の構造(スキルツリー解禁)の3つが必要といえるか。
作中に登場した術式
基本的には何かを操作する系統の呪術を操術、呪力を通して相手や自分に影響を与える系統の術式を呪法、と言った形で区別している様ではあるのだが、実際のところはかなり自由に名前が付けられている。主に術、法、式と言った形で名づける術者が多い傾向にある模様。
下記に作中で登場した術式を記載する。
名称が判明している術式
- 十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)
影絵を媒介として十種類の式神を召喚し、使役する術式。
各式神は固有の能力を持ち、術者と式神で連携攻撃を仕掛ける事も可能。
使役できる式神は一度につき二体までで、破壊されると再召喚は不可能。
使用者:伏黒恵、江戸時代(慶長?)の禪院家当主
- 芻霊呪法(すうれいじゅほう)
釘が無くても尖った物体を使えばある程度代用は可能で、人形も人型であれば何でもいい。
無機物や霊魂にダメージを与えたり、呪詛に対してのカウンターも可能。
また、釘に込めた呪力を炸裂させて対象を攻撃する事も可能。
使用者:釘崎野薔薇、野薔薇の祖母
- 無下限呪術(むかげんじゅじゅつ)
仮想重量で押し潰したり、空中浮遊・高速移動したりと用途は幅広い。
ただし、使用には原子レベルの緻密な呪力操作が必要なため特異体質『六眼』の保持者でなければ十分には扱えず、保有していても長時間使用は脳への負荷がかかってしまう。
使用者:五条悟、江戸時代(慶長?)の五条家当主
- 呪霊操術(じゅれいそうじゅつ)
自分より2級下の呪霊であれば、調伏無しで強制的に取り込む事ができる。
数の暴力で押し切るだけでなく、術者との連携攻撃を仕掛ける事も可能。
さらに呪霊を介する形で術式を複数使用する事もできる。
使用者:夏油傑
- 十劃呪法(とおかくじゅほう)
対象は体全体のみならず、腕や脚など一部の部位への細かい指定もできる。
さらに呪具や呪骸などの無機物に対しても有効である。
使用者:七海建人
- 里香(りか)
呪霊化した祈本里香自体が外付けの術式であり、彼女と接続していなければ複製の術式自体も複製した術式も使えない。彼女の呪力を武器に宿したり、呪力自体を撃ち出す事もできる。
本編においては里香の解呪後に残された、呪力と術式の塊である式神「リカ」を使役している。
使用者:乙骨憂太
- 呪言(じゅごん)
所謂『言霊』であり、携帯電話や拡声器を介する事も可能。
非常に強力だが、使う言葉によって術者の声帯や舌に掛かる負担も大きくなる。
使用者:狗巻棘、小説第2巻に登場した呪詛師
- 不義遊戯(ブギウギ)
入れ替えは術者の意思である為、ワザと入れ替えをしない事も可能。
対象は生物のみならず呪具や呪骸にも適用される。
使用者:東堂葵
- 赤血操術(せっけつそうじゅつ)
攻撃の他に防御や拘束や身体強化にも転用できる。
かなり応用性が高いが、水気には弱く多用すると失血するリスクもある。
使用者:加茂憲紀、脹相
- 付喪操術(つくもそうじゅつ)
操作する物体によっては遠隔操作や飛行、属性攻撃もできる。
ただし、操作できる物体は一度につき一つだけの模様。
使用者:西宮桃
- 構築術式(こうちくじゅつしき)
領域と違って術式解除後も形成した物体は消滅せず、そのまま残り続ける。
ただし、消費する呪力や身体への負荷も莫大であり乱用は禁物である。
使用者:禪院真依、万
- 傀儡操術(かいらいそうじゅつ)
一度に複数の傀儡を操ったり、ある程度自立稼働もさせられる。
呪骸は核である『呪核』を破壊されると機能停止する。
使用者:究極メカ丸、夜蛾正道、小説第1巻に登場した呪詛師
- 降霊術(こうれいじゅつ)
自身の肉体は変化しない為に、瑞獣の能力を使用すると言った方が正しい。
ただし、素顔を出してしまうと術式が使用不可能になる。
オガミ婆のものは降霊対象の体組織を呑み込み、自身や他者に死者の肉体情報を降ろす術式。
所謂『イタコ』で、降霊中は対象の身体能力や術式も完全再現される。
ただし、対象の精神を降ろすと肉体を乗っ取られてしまう。
使用者:猪野琢真、オガミ婆
- 投射呪法(とうしゃじゅほう)
それによって高速移動が可能となり、触れた物体を1秒間フリーズさせる事も可能。
さらに加速を繰り返す事で物理的な攻撃力は増し、最大亜音速で動ける。
ただし、使いこなすには優れたコマ打ちセンスが必要となる。
使用者:禪院直毘人、禪院直哉
- 黒鳥操術(こくちょうそうじゅつ)
鴉の視覚情報を映像媒体に映し出す事も可能。
主に偵察向けの術式だが、鴉の命を使った縛りで絶大な攻撃を放つ事もできる。
使用者:冥冥
- 無為転変(むいてんぺん)
相手を即死させるだけではなく、改造人間や武器に変えて手駒とできる。
自らに転用すれば、ノーリスクで変幻自在の攻撃が可能となる。
使用者:真人
- 氷凝呪法(ひこりじゅほう)
単純な威力だけでなく攻撃範囲も凄まじく、広範囲の相手を一瞬で凍結させる。
しかも凍結された対象は自力での脱出は不可能な程の拘束力を持つ。
使用者:裏梅
- 蝕爛腐術(しょくらんふじゅつ)
食らった相手は毒と激痛で抵抗できずに骨まで分解されてしまう。
ちなみに有機物より無機物の方が腐食させ易い模様。
使用者:壊相、血塗
- 星間飛行(ラヴランデヴー)
マーキングされた物はそれぞれ同じ星なら引き寄せ合い、違う星なら反発する。
地球から近い星の順番に触れていく事で解除可能。
使用者:星綺羅羅
- 澱月(おりづき)
触手での拘束、毒の行使、術者を格納しての移動など手数は多い。
毒の種類や強さ、式神のサイズなどは自由に調整可能。
使用者:吉野順平
- あべこべ
つまり強力な攻撃力を持つ相手ほど術者には苦戦を強いられる事となる。
ただし、強すぎる力や弱すぎる力はあべこべにできない。
使用者:粟坂二良
- 焦眉之赳(しょうびのきゅう)
折れた刀身を炎で補う事もできるが、刀身が基点なので攻撃範囲は狭い。
最大火力では、他者を骨も残さず焼き尽くす事が可能との事。
使用者:禪院扇
- 超人(コメディアン)
例として身体能力や肉体強度、再生力が有り得ない程に高くなる。
つまり、周りがシリアスな中で一人だけギャグ補正が掛かるような物。
使用者:髙羽史彦
- 再契象(さいけっしょう)
物品を式神としての使役できる他、サービスを再現して回復を行うなど用途は膨大。
ただし、レシートを破壊されれば効果は途切れる他、水に濡れても使えなくなる。
使用者:レジィ・スター
- 星の怒り(ボンバイエ)
防御不能の物理攻撃が可能で、概念防御すら突破できる程の攻撃力を持つ。
使用者:九十九由基
- 反重力機構(アンチグラビティシステム)
ただし、元々の出力は低かったらしく、作中の使用者は術式反転によって、重力場を発生させる能力として使っている。これで相手の攻撃を叩き落とし、対象に強力な重力を掛ける事ができる。
使用者:虎杖香織
- 邪去侮の梯子(やこぶのはしご)
正確に言えば消滅させられるのは術式に留まらず、結界を無効化して通り抜けたり、受肉体すらも器から引き剥がし消し去る事もできる。
これを応用して、呪具の封印を解除する事も可能。
使用者:天使
- 単独禁区(ソロソロキンク)
使用者:庵歌姫
- 幻獣琥珀(げんじゅうこはく)
但しその肉体は人の域を超えていて術式終了後は肉体が崩壊して死亡する。まさに「一発それっきり」の術式。
使用者:鹿紫雲一
名称不明の術式
- 御廚子(仮称)
呪力の有無や大きさに応じて対象を切断する術式。
ただし、宿儺は「◾️」「開(フーガ)」と唱え炎を顕現させる能力も有しており、術式の全貌は未知数。
使用者:両面宿儺
- 呪核の操作
『パンダ核』『ゴリラ核』『???核』の三種類が存在する。
弱点である呪核の位置に関しては呪力操作でブラフを貼っている。
使用者:パンダ
- 賭博
作中世界に実在する「CR私鉄純愛鉄道」のパチンコ台の演出を具現化する術式。
作中では電車の扉を具現化して敵を挟む攻撃を披露している。
使用者:秤金次
- 固定
患部の悪化を止められるが、治癒する事はできない。
使用者:新田新
- 呪力の増幅・放出
自らの肉体そのものをアンプに見立てている。
使用者:楽巌寺嘉伸
- 巨大な拳による打撃
それぞれの巨大拳は本体の腕の動きに合わせて動作する。
上空からの拳打は、屋敷を跡形もなく破壊する程の威力と攻撃範囲を誇る。
使用者:禪院甚壱
- 岩石の操作
相手を掴んで握り潰したりする他、自身や仲間の足場にする事も可能。
加えてこの術式を応用して、建造物を作る事も可能な模様。
使用者:禪院長寿郎
- 対象の停止
拘束できる時間は対象が持つ力によって変動する。
また、巨大眼球が破壊されると本体の眼球にもダメージが入る。
使用者:禪院蘭太
- 転送
縛りによって日本からマレーシアという広範囲の移動も可能。
ただし、消費する呪力もそれなりに大きい模様。
使用者:憂憂
- 裁判
裁判所のような領域「誅伏賜死(ちゅうぶくしし)」を展開し、式神『ジャッジマン』によって対象が過去に犯した違法行為を炙り出す術式。
そして、領域解除と同時に判決にちなんだペナルティを相手に背負わせる。
使用者:日車寛見
- 炎熱の操作
人間を消し炭一つ残さず、数百メートル先まで焼き払う程の威力と射程距離を誇る。
物体の自然発火や式神の蟲で爆破する等の応用も効く。
使用者:漏瑚
- 植物の操作
根で打撃や刺突をしたり、呪いの種を撃ち込んだりとかなり応用が効く。
周囲の植物から吸収した生命エネルギーによる強力な砲撃も可能。
使用者:花御
- 水や魚の操作
水の勢いによる対象の吸引や押し流し、水の障壁などが主である。
領域内での式神『死累累湧軍』は対象に命中した瞬間に具現化する為に回避不能。
使用者:陀艮
- 障壁
使用者:少年院の呪霊
- 刺殺
使用者:八十八橋の呪霊
- 埋葬
3カウントの間に棺から出られなかった者を病に罹患させ死に至らしめる。
使用者:疱瘡婆
- ゴキブリの術式
爛生刀という魔剣や土中蠕定という式神も用いる。
使用者:黒沐死
- 転倒
使用者:大鯰
- 絞首
使用者:枷場美々子
- スマートフォンによる撮影
作中では自分と美々子を映す事で、漏瑚の攻撃から身を守った。
使用者:枷場菜々子
- 奇跡の蓄積
奇跡の多寡は目元の紋様で識別でき、奇跡を消費する度に目元の紋章が消える。
使用者:重面春太
- 毛髪の変形
羽生はジェットエンジンと翼、羽場はヘリコプターのようなプロペラを形成し、いずれも移動や攻撃に用いている。
使用者:羽生、羽場
- 毛髪による刺突
使用者:麗美
- 肉体の爆弾化
ただし、爆発させた部位は失われる為、その都度反転術式で再生しなければならない。
使用者:黄櫨折
- 鉤爪の生成
使用者:針千鈞
- 自律式の式神
使用者:ドルゥヴ・ラクダワラ
- 空を操る
空(=空間)を面で捉える事ができ、空間を歪める事で防御や攻撃に利用する。
加えて浮遊も可能だが、直接相手を潰せないといった制限がある模様。
使用者:烏鷺亨子
- 呪力の放出
高威力の単発砲撃の他、複数の追尾弾の同時砲撃も可能。
ただ呪力を撃ち出す術式なので、領域で焼き切れてもパフォーマンスはほぼ変わらない。
使用者:石流龍
- 未来視
ただし、相手を常に視界の中に入れておかなければならない。
使用者:シャルル・ベルナール
- 不死化
ただし不老ではないので、放っておけば老化が進み、最終的には人外の存在になってしまう。
その為に500年に一度、星漿体という特異体質者と同化して、老化をリセットする必要がある。
使用者:天元
- 脳の置換
本体である脳は術者自身の肉体なので、非術師でも目視は可能。
肉体を支配された者:夏油傑、加茂憲倫、虎杖香織
使用者:羂索
- 札の式神
使用者:原作第8巻に登場した呪詛師
- 分身
最大5体まで分身でき、どの体を本体にするかは任意で選べる。
使用者:原作第8巻に登場した呪詛師
- 硬化
使用者:小説第2巻に登場した呪詛師
- 車両の操作
使用者:小説第2巻に登場した呪詛師
呪具の術式
術式は術師だけでなく一部の呪具にも存在し、いずれも特級に相当する呪具である。
下記に呪具の中でも術式効果のある呪具を記載する。
- 天逆鉾(あまのさかほこ)
使用者:伏黒甚爾
- 万里ノ鎖(ばんりのくさり)
使用者:伏黒甚爾
- 黒縄(こくじょう)
使用者:ミゲル
- 釈魂刀(しゃくこんとう)
使用者:伏黒甚爾、禪院真希
※後者の人物が使用しているのはレプリカだが、術式効果は同じ
術式の応用と派生
術式反転
基本的には、呪術のエネルギーとなる「呪力」と言うもの自体が人に対する敵意や悪意をまとめた「負のエネルギー」であり、術式の効果は人を傷つけたり攻撃したりする事に特化している。
その一方で、反転術式と呼ばれる技術を用いて「負のエネルギー」同士を掛け合わせる事で「正のエネルギー」を生み出す事もでき、この「正のエネルギー」を操作する事によって傷ついた肉体の回復を行える他、「正のエネルギー」を術式に流す事で本来の術式とは逆の効果を発揮できる。
この「負のエネルギー」を操作した通常の術式効果を順転と言い、「正のエネルギー」を操作する事で逆転した術式効果を反転と言う。ただし、まず反転術式自体が術者の才能に依存する“技術”である為に使える者は少なく、作中で術式反転を使っている術者は少数しかいない。
- 赫(あか)
さらにこの蒼と赫を掛け合わせる事で、虚式・茈(むらさき)を使う事も可能になる。
使用者:五条悟
- 重力
使用者:羂索
載
術式は強化に段階が存在し、下記する極ノ番を除いた術式の各技の出力を最大限まで上昇させたものを「載」と言う。
これが事実上、各術式における通常技の極限状態なのだが、個々の通常技をそこまで極める者自体が少数な為なのか、作中でも習得者は上記の術式反転に並んで非常に少ない。
- 赫麟躍動・載(せきりんやくどう さい)
使用者:脹相
拡張術式
前述した通り、生得術式を後天的に変更する事は不可能だが、術式の解釈を広げて応用する事で、その術者固有のオリジナルの呪術=技を新たに生み出す事はできる。これを拡張術式と言う。
拡張術式の開発は、その術者自身の才能やセンスに大きく左右される。
- 不知井底(せいていしらず)
使用者:伏黒恵
- 瓦落瓦落(がらがら)
使用者:七海建人
- 超新星(ちょうしんせい)
使用者:脹相
極ノ番
下記する領域を除いた技の中で各術式における奥義に相当する技。所謂必殺技と言えるもので、各術式で最も強力な技に相当するのだが、現状習得している者は領域持ちより少ない。
詳細や使用者は該当記事を参照。
領域展開
呪術戦の極致とされる奥義。自身の生得領域(心象世界)に術式を付与して結界術で具現化し、相手を閉じ込める技。一言で言えば術者の最強のフィールドに閉じ込めるという事である。
この領域内で行う術式を付与した攻撃は全て“必中”で回避は不可能。しかも領域の中では(領域の種類を問わず)その領域の保有者以外の術式は中和されてしまう為、いかに強力な術式を持とうとも敵の領域内では無力となってしまう。ものによっては厄介なルールを強制してくる場合もある。
但し、呪術に関する才能は当然なのだが結界術の才能も要求される為、使用出来る者は極一握りの優れた呪術師や特級呪霊のみで極めて少ない。なおかつ同じ領域をぶつけて相殺する、簡易領域を展開する、攻撃が物理攻撃の場合は呪力で受ける等の幾つかの対策自体はある。また、領域展開後は凄まじい呪力消費に加えて、術式が焼き切れ一時的に使用困難になる為に、諸刃の剣とも言える。
なお、現代では呪術戦の極致と言われる奥義だが、昔は必中効果のみを重視する技術だった事から比較的カジュアルであり、現代ではそこに必殺効果も求めた事でより習得難易度が上がった。
各領域の詳細や使用者は該当記事を参照。
縛り
呪術における誓約。術者の力を抑え同時に術者の性能を底上げするブースター。
何らかのリスクや制限を自身に掛ける事で、引き換えに術式の性能の底上げや呪力の増加など、何らかのメリットを得る。破った場合は得たメリットを失ったり、最悪の場合何らかのペナルティが降りかかる。
他者との間で縛りを結ぶ場合もあり、こちらは主に裏切り等が無いように相手の行動を縛る為に用いられる事もあるが、これは性質上脅して無理矢理他者との縛りを結ばせると言う事は非常に難しい。
術式の開示
自身で自身に科す縛りの例。作中で最も多用される縛りであり、言わば縛りにおける基礎。
相手に自身の術式の詳細を公開する事で、それによって術式の効果や呪力を底上げする事ができる。
ただし、メリットこそあるが相手に対して自分の手の内を明かす事には違いない為、開示した情報を元に術式を攻略されて敗北する恐れもあり、リターンも大きいがリスクも大きい技術である。
ただしこれを逆手に取って、あえて嘘偽りの情報を流して敵を撹乱するといったブラフを張る呪術師も存在する。さらに知能が低い呪霊が相手の場合や、そもそも物理攻撃のみに特化した術式等の極めて能力がシンプルな術式などは、術式情報の開示に事実上デメリットが無いので(情報を知られても対策しようがない為)、こういう場合やこういう術式の使い手はより積極的に術式の開示を行う。
命を懸けた縛り
縛りの最終手段。文字通り自らの命を懸けた縛りで絶大な力を生む。
言うまでもなく行った術者は死ぬが、黒鳥操術によって操られたただの鴉が、この縛りによって一撃で特級呪霊を倒す程の攻撃を行う事ができる事からも、どれ程強力な縛りであるかが窺える。
作中ではこの縛りによって、呪力の制限解除を行って地形を変える程の呪力攻撃を行ったり、特級呪具のレプリカを自らの術式で作成したりと、いずれも凄まじい効果を及ぼしている。
天与呪縛
こちらは先天的に術者に縛りが科された例。
先天的な身体の欠損や不自由と引き換えに高い呪力を得る、もしくは逆に呪力を全く持たない代わりに高い身体能力を得るなどのパターンがある。ただし、自分自身で縛りを科すものとは違い、生まれた時から縛りを強制されている縛りである為、当人達の意思で解除する事はできない。
作中では究極メカ丸、禪院真希、伏黒甚爾の三人がこれに当たる。
その他(ネタバレ注意)
その他に呪術には呪詞(詠唱)、舞、楽と呼ばれるものが存在している。掌印についても領域の展開時以外にも用途があるようである。
曰く、呪術を極めるという事は引き算を極めるという事。
術式の構成、或いは発動させるまでの手順を如何に省略させるかが出来るかで術師の腕が決まる。