“才能と力を尊ぶ統制された戦闘一族”
呪術界御三家にも記載あり。
概要
呪術師を多く輩出する名門、呪術界御三家のひとつ。
強力な術式をもつ呪術師たちをその家系に取り込むことで発展してきた一族であり、呪術界に貢献してきたことで揺るぎない地位を獲得している。それゆえに、保守的な呪術界では珍しく比較的新しい術式にも寛容だった。
「禪院家に非ずんば呪術師に非ず 呪術師に非ずんば人に非ず」と口にするほど独善的な家であり、相伝の術式を引き継いでいない者は術師であっても落伍者として人生を始める。その中でも女性はスタートラインにすら立たせてもらえないこともあるという。
基本的には実力主義が敷かれているようで、内からもその言動から評価の低い直哉が次期当主として有力視されているほか、非相伝の術式を持つ扇であっても幹部の一人に名を連ねている。ただし、術師の家ゆえにか実力はあっても呪霊を祓うことができないなど、呪力の極端に少ないものに対しては排斥される。
五条家とは慶長時代、御前試合で当主同士が相打ったことがある。禪院家内部にも関係の修復を望むものは多いものの、現在に至るまで関係は非常に悪い。
拠点がどこにあるかは不明。当主候補の直哉が幼少期から関西弁だっため、京都に拠点を置いてると思われるが今の所描写はない。
相伝術式
- 十種影法術（とくさのかげぼうじゅつ）
自身の影を媒介とした十種の式神術。主な使い手は伏黒恵。
- 投射呪法（とうしゃじゅほう）
己の視界を画角とし、予め作った動きを後追いすることで高速の体術を可能にする術式。主な使い手は禪院直毘人、禪院直哉。
関係者
禪院家内の組織
「炳」（ヘイ）
高専資格条件で準1級呪術師以上の実力を持つ者たちで構成される、禪院家が誇る精鋭部隊。その人数は少なくとも12名以上。
- 禪院直毘人（ぜんいん なおびと）
特別1級呪術師。26代目当主。
- 禪院直哉（ぜんいん なおや）
特別1級呪術師。直毘人の息子。「炳」の筆頭。
- 禪院扇（ぜんいん おうぎ）
特別1級呪術師。直毘人の弟で、真希・真依の父。
- 禪院甚壱（ぜんいん じんいち）
特別1級呪術師。甚爾の兄にあたる。
- 禪院長寿郎（ぜんいん ちょうじゅろう）
「炳」の一員。
- 禪院蘭太（ぜんいん らんた）
「炳」の一員。
「灯」（あかし）
術式を所持しているが「炳」の銘打ち条件を満たしていない術師。構成員は少なくとも9名以上。
構成員は不明であるが、真依はその条件を満たしていた。
「躯倶留隊」（くくるたい）
術式を持たない禪院家男子が所属を義務付けられる、「炳」の下部組織。構成員は少なくとも30名以上。
日夜武芸に励み有事には「炳」の露払いを行う。揃いの制服に坊主頭が特徴。
真希も禪院家を出るまではここに所属していた。
- 禪院信朗（ぜんいん のぶあき）
「躯倶留隊」の隊長。
禪院家外に属する人物
呪術高専東京校
- 伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）
高専1年生。2級呪術師。甚爾の息子。津美紀の義理の弟。
- 禪院真希（ぜんいん まき）
高専2年生。4級呪術師。真依の双子の姉。
呪術高専京都校
- 禪院真依（ぜんいん まい）
高専2年生。3級呪術師。真希の双子の妹。
その他
かつて禪院家から出奔した人物。恵の父。甚壱の弟にあたる。
- 伏黒津美紀（ふしぐろ つみき）
甚爾の義理の娘であり、恵の義理の姉。禪院家の血は受け継いでいない。
- 23代目当主（本名不明）
直毘人や扇の父で、甚一や甚爾、直哉、真希、真依の祖父であり、恵の曽祖父に当たる人物。
- 24代目当主（本名不明）
家系図のみに登場。分家の身ながら当主になっている為実力は本家以上と思われる。
- 25代目当主（本名不明）
家系図のみに登場。直毘人や扇の兄であり、甚一や甚爾の父で恵の祖父。
軌跡
第138話にて、「渋谷事変」にて任務に参加した禪院家26代目当主・直毘人が漏瑚の攻撃を受けたことにより死亡。真希も同じく攻撃を受けていたが、こちらは顔や腕に火傷跡が残ったものの生還したことから、九十九由基は単純な肉体強度が生死を分けたと推察している。
当主死去により遺言状が開示。幹部である直哉、扇、甚壱が立会う。
この時点で直毘人亡き後の禪院家27代目当主と目されていたのは彼の息子である直哉であり、遺言でも直哉を当主とするよう記されていた。
しかし、付け足されていた「五条悟に異常があった際」の規約により、甚爾の息子、伏黒恵が次期当主となった。
その後、伏黒を次期当主とし全財産を譲ることを問題視する幹部ら、扇・甚壱は上層部の通達を利用し、合法的（呪術界基準）に伏黒を抹殺する計画を立てる。その計画とは、『伏黒恵と共に真希・真依を五条悟解放を企てた謀反人として誅殺する』というものであり（皮肉なことに、恵・真希に関してこの濡れ衣は事実であるが）、扇が実子の真希・真依を殺す事で（謀反人を殺したという）信憑性を増し、恵を狙ったことに対して疑いの目を向けられないようにするという狙いがあった。
その後、148話にて「死滅回游」に向け禪院家忌庫の呪具を回収するため実家に戻った真希を扇が待ち受け、真依とともに計画通り致命傷を負わせる。その後、瀕死の姉妹を大量の呪霊を飼っている修練場に放り込んで始末しようとしたところ、真依の死によって覚醒した真希に敗れ、扇が死亡。
扇が殺害されたことを受け、禪院家は真希を乱心と判断し「躯倶留隊」「炳」は真希を標的と定める。連携して真希に挑むが、かつての暴君と同じ境地に至った彼女には敵わず逆に全滅。
その後、「炳」筆頭である直哉と対峙。真希には連戦のダメージと疲労もあり有利に立つも、化け物じみた動体視力と反射神経で投射呪法の『1秒に24回動きを刻む』カラクリを看破した真希により術式のフリーズを無効化。カウンターで仕留められた。
間もなく、当時禪院家に不在だった炳6名、灯9名、躯倶留隊21名についても殺害され、非業の死を遂げる。結果として禪院家は壊滅した。
後日、五条家・加茂家から呪術総監部に対して禪院家の御三家除名が提議されるも、総監部は保留としている。
余談
関連イラスト
