概要
『わんだふるぷりきゅあ!』第41話に登場した人物。
ガオウたちについて調べていた悟は、クラスメイトの一人・烏丸から古い文献を見せられる。
それは150年程前に書かれた日記だった。
「スバル(字幕でもそう表記されている)」と名乗る人物が1匹の狼と仲良くなり、交流する様子が記されていた。
そして、このエピソードに感銘を受けた狐崎は、彼をモデルにした演劇のシナリオを制作した。
日記の内容
「四月五日、遠吠山に野草を摘みに行った帰り、狼に出会う。石が脚の上に落ちてきたらしく、怪我をしていた。薬草を貼って治療した後、水を汲みに川へ向かったが、戻った時にはもう狼はいなくなっていた。無事だといいが・・・。」
「七月九日、魚釣りをしている内に夜になり、迷ってしまった。途方に暮れている私の前に、あの時の狼が現れた。狼は、まるでついて来いと言うかの様に私の前を歩いた。その狼について行くと、私は知った道に出る事ができた。」
「九月二十五日、今日も私達は遠吠山の山頂で過ごした。彼の言葉はわからなくとも、その瞳や仕草で私を友人だと認めてくれているのが伝わる。共に風に吹かれるこの時が何よりも幸せだ。」
「十一月十日、今日も私達は遠吠山の頂上で過ごした。近頃は、仲間の狼も来るようになった。頭領と共に過ごす私を、仲間と認めてくれたのかも知れない。」
「しかし、平穏は、長くは続かなかった。運悪く村人と鉢合わせてしまった。」
「村人は『危険だ』『離れろ』と狼を追い払おうとした。」
「村に戻ると『もう遠吠山には近付くな』と言われてしまった。」
「全ての狼が危険なわけではないと繰り返したが、村人は聞く耳を持たなかった。狼と人間、共に生きていく道は無いのだろうか。彼は、私にとって、唯一無二の友なのだ。そう、私にとってガオウは・・・。」
関連タグ
わんだふるぷりきゅあ! わんだふるぷりきゅあ!の登場キャラクター一覧
以下、第48話のネタバレ注意
「……オレは、狼達と共に生きるつもりだった。だが、それは叶わなかった」
「賢く、誇り高く、仲間思いの狼達……しかし、そんな狼達を人間は忌み嫌い、住み処を奪い、"ガオウ"の命までも……!!」
「オレは怒りを抱えたまま、永い時を眠っていた。だが、目覚めてしまった」
「その時……声が聴こえたんだ……。」
「のうのうと栄えて生き続けている人間達への声が……!!」
「オレは許さない……。狼達の怒り……無念……全てを忘れ去り生きる人間達を!!」
「─────"ガオウ"に代わって、友の無念を晴らす!!!!」
CV:大塚剛央(声色もほぼ変わっていないことからスバル本人の声と思われる)
年明けにアニマルタウンへの侵攻を始めたガオウはニコと対峙する。ガオウはニコの隙をついてニコダイヤの力を奪うが、ニコは一矢報いてガオウのアイマスクを割る。
すると、ガオウのマスクが粉々になり、中から現れたのはなんと人間だった。ニコたちは、その人間が「ガオウの友人だった昴」であることを察した。
つまり、昴こそが一連の事件の真の黒幕であり、今までのガオウは昴が姿を借りていたに過ぎず、本物のガオウは現代に蘇っていなかった。
一人称は「オレ」だが、日記には表現の都合上「私」で表記していた。
容姿
黒髪の短髪に黒い瞳の青年男性。生前は青い野良着を着ていたが、現代ではガオウの服をそのまま着用しており、瞳のハイライトがほぼなくなっている。
憎しみをたぎらせるとガオウを思わせる青い長髪で瞳も青く光り、目の下に紋様が現れる。
真相
現在のアニマルタウンに相当する山村に住んでいたスバルは、遠吠山に野草を摘みに行った帰りに怪我をしている狼に出会い、治療するとその場を去った。
それから約3か月後、魚釣りに行った遠吠山で遭難しかけた時に助けた狼に再会する。その狼についていき、無事に帰ることができた。
これをきっかけに、スバルは遠吠山の狼たちと仲良くなり、狼達からも仲間の一員として認められる。時に狼の頭領であったガオウとは唯一無二の親友と言えるほどの関係になっていた。
しかし、幸せは長く続かなかった。村人たちは狼を敵視し対立するようになる。スバルは一貫して人間と狼の共存を訴え続けたが、村人たちは聞き入れず狼たちを殲滅してしまった。
スバルは狼たちを助けられなかったことを悔やみ、人間に対して死後もなお収まることのない憎悪を抱くようになる。
そして現代。ある嵐の夜にスバルの怨念が目覚め、神社本殿に祀られていた惨たらしい血痕も生々しく根元から抉り取られた狼の牙一本を依り代に獣人として復活した。
その目的は、ニコダイヤの力で人類を滅ぼし人間界をオオカミが生存していた時代の環境に創り変えることだった。
狼を迫害した人物の末裔もいるかもわからないとはいえ、怨敵である人間たちがニコニコと笑い合いながら暮らしている世界に憤り、復讐を決意。そのために必要なニコダイヤを強奪するためにニコガーデンを襲撃し(どうやってニコガーデンに訪れたのか不明)、アニマルたちをガルガルやガオガオーンと呼ばれる黒き獣に変え、人間たちを襲わせていた。
なお、部下であるザクロは最初から彼がスバルであることは認知しており、正体が発覚したあとは「スバル」と呼んでおり、プリキュアたちには「惚れた相手を間違えるわけないだろ」と返した。
トラメは正体に気が付いていたのかは不明だが、回想シーンではガオウやザクロと共に昴とは旧知の間であったことから、おそらく復活した時点で既に気づいていた可能性が高い。
余談
地球人としての黒幕はノワール、ジョージ・クライに次いで3人目となるが、首領のみが人間で、それ以外が人外という敵組織の構成は本作が初となる。ただし、怨霊であることから、ノワールと同様に純粋な人間ではない。日本人がラスボスとなるのも初である。また怨霊という点は、感謝祭における2代目ジェントルーに次いで3人目ともなる。ただし、小説を含めると前例がある
また、「人の身でありながら友だった動物を種族ごと死に追いやった人間に復讐するために自ら畜生へと堕ちた」というスバルの生い立ちは、皮肉にも「大好きな人間を守るために動物から人間の姿に変身した」本作のプリキュア(こむぎとユキ)とは真逆の構図となっている。
日記では「昴」と漢字表記されていたが、字幕やエンドクレジットではガオウたちに合わせるため、カタカナで表記されている。また、名前はガオウとよく空を眺めていた設定から空に関する名前に定まった(出典:アニメージュ2025年2月号)。
上記の通り、声優は大塚剛央が担当しており、プリキュアシリーズのラスボス声優では歴代最年少かつ初の平成生まれとなった。
また、一人称が「オレ」のラスボスは、『ハピネスチャージプリキュア!』に登場したレッド以来である。
真の関連タグ
盗人:ニコ様のニコダイヤや力のほとんどを強奪して使った為。