概要
この記事は多大なネタバレを含みます。未試聴の方は注意。 |
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『わんだふるぷりきゅあ!』における本作の敵対勢力の便宜上の名前。公式サイトでは「ガオウたち」名義で一纏めにされている。
本作はトロプリ以来3年ぶりとなる、敵勢力に組織名そのものがない者達である。
ニコガーデンのキラリンアニマルやニコアニマルをガルガルと呼ばれる怪物にさせた黒幕で、現在確認できるのは首領1名と幹部2名。
遠吠神社を拠点としており、構成員は後述の出自から皆が和装を纏っている。
彼等の正体は人間によって滅ぼされた絶滅動物であるニホンオオカミの怨霊で、自分達を理不尽に駆逐した人間達に激しい憎悪を抱いている。
「いっしょに遊ぼ」「あなたの声を聞かせて」「構ってあげる」「こわくない」といったプリキュア達の言葉も、未来を奪い尽くされ最早取り戻しようがない彼らにとっては偽善・皮肉でしかない相手となる。
現にフレンディがトラメとザクロ相手に対話を試みようとしたものの
- 「そんな相手(自分達を滅ぼした人間)と、仲良く友達になんかなれると思う?」
- 「(人間共と友達になんか)なれるワケねェ! なりたくもねェ!!」
と突っぱねられてしまっている。
目的は勿論人間社会への復讐であり、その為に街への破壊活動を行っているが、プリキュアの存在もありこれと言った大きな影響は出せていない(29話でアニマルタウンに外出禁止令を出させた位)。
これはメンバーは僅か三名と極少数な上、全員元が動物かつ非道や奸計に向いていない性根の持ち主という点も大きい(トラメとザクロは次第に私情に走る傾向があり作戦立案能力も低い)。故にしびれを切らしたガオウが、老体を押して自らアニマルタウンに赴く事になった。
構成員
頭領
幹部
昔ガオウと似た境遇に合った2頭の狼。魂を現世に呼び戻され、アニマルタウンの「遠吠神社」に設置された狼像に憑依して受肉した存在。
黒き獣
ニコガーデンのキラリンアニマルやニコアニマル達がガオウによって怪物にされた存在。ニコが彼らを元に戻すため卵の中に閉じ込めたが、力及ばずそのままガルガルの卵が出来上がってしまった。
歴代の敵組織との比較。
本作が掲げてきたテーマである「人間と動物の関係」の負の側面を体現するキャラクターであり、"愛犬"の主人公に対して最大のアンチテーゼといえる存在。
本作の物語前半で敵組織について(というか敵そのものの実態が)ほとんど描かれていなかったため、本格的な登場が物語後半に入った第29話からと非常に遅い。
過去作だと『キラキラ☆プリキュアアラモード』におけるキラキラルをうばう存在に近いスタンスだが、あちらが2クール目からその実態が描写され始めたのに比べてもダントツの遅さである(最初に登場した幹部であるジュリオの初登場も10話だったが、OP映像には第1話から登場しているため、その点でも異例の遅さといえる)。
敵首領・幹部が全員幽霊、及び和風モチーフなのはテレビシリーズでは初の事例である。また地球発祥の敵組織はクライアス社以来(広義ではヒープリのビョーゲンズとトロプリのあとまわしの魔女たちも地球発祥であるが)。
ちなみに、実は彼等のような「人間への明確な加害」そのものを目的とした敵組織は、プリキュアシリーズではかなり珍しい。
今までの敵組織は「首領の復活等の目的のためにエネルギーを集める→そのための手段の結果として人間達に被害が及ぶ」もしくは「プリキュア陣営が持つアイテムを奪うために襲撃する」パターンが大半だったため。近いところでは「世界中の人間を不幸にする」のが目的だった幻影帝国だろうか。
彼等は「自分達種族が受けた積年の怨みを晴らす」べく活動しているが、そのやり方はほぼほぼ無関係な動物の自由意思を奪ったり、人間に友好的な動物に対して人間は敵だという思想を一方的に押し付けたりした挙げ句、兵器として仕立て上げ人間達にけしかけると、方向性こそ違えど本質的には、憎悪の対象である人間の所業と大差ないのが実状だったりする。
劇中でもこの事はニコやユキに指摘されたが、悟は「狼達にとってはどちらも憎い仇(=人間)であるのに違いは無い」と推察している。
また実はガオウ本狼も自覚しており好ましくない手段と認めているのだが、「それでも我は成さねばならぬ」。つまり苦しんで死んでいった同胞達の為にも止める訳にはいかないと語った。
そんな彼等には相応の救いがあるのか、あるいは悪役として因果応報を迎えるのか、その結末に注目が集まっている。
現状では敵対しているニコガーデンには、同様に人類に狩られ絶滅したニコアニマルも平和に共存しているが…。