この記事は本編終盤までの多大なネタバレを含みます。未試聴の方は注意。 |
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概要
「世界を最悪の形に変えて、全人類を不幸にする」をスローガンに、世界中で怪物(サイアーク)を暴れさせている悪の組織。
首領はクイーン・ミラージュ。
幻影帝国はごく近年に生まれた組織らしく、その誕生の発端は「災いをもたらす者達」が封印されていた「アクシア」と呼ばれる箱が何らかの理由で開けられてしまったことによる。
解放された者達はキュアプリンセスこと白雪ひめの故郷ブルースカイ王国を乗っ取り、元々いた王族や国民達を鏡の中に幽閉し、ここに幻影帝国を打ち立てた。
幻影帝国がプリキュアシリーズの敵組織からみて特殊なのは、主人公達が住む街以外の様々な場所に実際に侵略の手を伸ばしていると第1話時点から明示されていることである。
この明示が可能なのは、本作では世界中のあらゆる場所にプリキュアがいるという設定のため。(→モブキュア)
なので、世界中のあらゆる街で、幻影帝国とプリキュアの熾烈な戦いが繰り広げられているという設定なのだ。そしてプリキュア側も必ず勝てる訳ではなく、敗北して帝国の版図と化した街も数多い。
第1話の時点で4人の幹部が顔を見せ、クイーンの演説の際には「幻影帝国臣民よ」と、無数の戦闘員チョイアークに呼びかけており、政府・国土・国民を備えた、帝国の名に恥じない規模を誇る。
本作ではプリキュアと同様に一般人にも存在が知られている組織でもある。
帝国臣民と呼ばれている者達のほとんどは戦闘員チョイアークであるようだが、女王を世話するメイドや侍従などの姿も見え、こちらは普通に人間の姿をしている。
プリキュアシリーズにおいては、本拠地が地球上に存在する初の敵組織である。
構成員
本編では、幻影帝国が活動中のクイーンミラージュが率いる勢力と、幻影帝国が崩壊した後の黒幕が率いる新勢力に分けられる。
上層部
クイーンミラージュ(声:國府田マリ子) |
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幻影帝国の女王。元キュアミラージュで、現在は黒幕に洗脳されている。第43話でプリキュアに救済された。 |
ディープミラー(声:井上和彦) |
クイーンミラージュの側近で、幹部たちの上役。鏡の中から指示を下す不気味な存在。その正体は……???。 |
幹部
作中に登場した幹部はごく一部であり、設定上は世界各地に幹部が派遣され、現地のプリキュアと戦っているとされている。
三幹部
クイーンミラージュに仕える3人のメイン幹部で、いずれもディープミラーに唆された元人間で構成されている。
日本の「ぴかりが丘」における侵略活動を担当し、同地域で活動する「ハピネスチャージプリキュア」にとっては宿敵とも言える存在。
ナマケルダ(声:金尾哲夫) |
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怠け者な幻影帝国の幹部。元々は「生瀬」という恋愛に苦悩するサラリーマン。第42話でキュアプリンセスに救済された。 |
ホッシーワ(声:岡村明美) |
強欲な幻影帝国の幹部。元々は「星和歌子」という独占欲に駆られた保育士。第42話でキュアハニーに救済された。 |
オレスキー(声:子安武人) |
ナルシストな幻影帝国の幹部。元々は周囲から裏切られた警察官。第42話でキュアフォーチュンに救済された。 |
プリキュアハンター
ファントム(声:野島裕史) |
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幻影帝国のプリキュアハンター。元々はキュアミラージュの妖精・ファンファン。第41話でプリキュアに救済される。 |
アンラブリー(声:中島愛) |
第30話に登場。ファントムがキュアラブリーの影を纏い、1度だけ変身した姿。 |
その他の幹部
マダムモメール(声:浜田賢二) |
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第28話に登場。オネエ風の幻影帝国の幹部。ハワイの侵略を担当し、アロ~ハプリキュアと敵対する。 |
キュアテンダー(声:小林沙苗) |
クイーンミラージュに仕えるプリキュア。正体は氷川まりあ。第37話に登場するが、最後はプリキュアに救済される。 |
ブラックファング(声:森川智之) |
映画版に登場。道化師のような幻影帝国の幹部。つむぎを利用するが、最後はスーパーハピネスラブリーに倒された。 |
怪物・戦闘員
サイアーク(声:増元拓也) |
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幻影帝国のメンバーが使役する怪物。人間の不幸のエネルギーで誕生する。召喚した幹部によってマフラーの色が異なる。 |
チョイアーク(声:不明) |
幻影帝国に所属する戦闘員たち。幹部に従って行動する。プリキュアに比べて戦闘能力は高くないが、電撃能力をもつ。 |
以下、第44話以降のネタバレ注意
幻影帝国崩壊後の構成員
レッド(声:井上和彦) |
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ディープミラーの正体で、元惑星レッドの神。本作の黒幕。第44話で正体を現すが、フォーエバーラブリーに癒され改心する。 |
ダーク誠司(声:金本涼輔) |
レッドに洗脳された相楽誠司。第44話から登場。第47話でキュアラブリーに救済される。 |
侵略の手法
幻影帝国は人間という種族を不幸にさせることが理念なので、襲った町を支配統治することもなく、ただただ混乱をバラ撒くためだけにサイアークやチョイアークを暴れさせる。
ある意味、『フレッシュプリキュア』の管理国家ラビリンスの対極(不幸な混沌↔不幸な秩序)と言えなくもない。
世界中の様々な都市が既にサイアークによる破壊と浸食汚染にあえいでおり、プリキュアシリーズの敵組織としては類のないほどに大規模な悪事が行われている。
サイアークが暴れた場所はカビだらけになったりお菓子が生えたり廃墟と化したりとにかく混沌な状況になって、人間がまともに生活できる空間ではなくなってしまう。幻影帝国はそれを「不幸のエリア」と呼んでいる。
サイアークの真の恐ろしさは破壊行動よりもこの浸食汚染にある。これまでのシリーズ作品で登場した異形の空間は、一時的に敵側にとって有利な空間だったり、活動の為に必要な空間であることが多かったが、それらと大きく異なる点として、この汚染は皮肉な事に「幻影」などではないのである。
第1話冒頭では妖精のリボンが「世界が変えられる」と表現しており、そこに幻影帝国の本質がある。
「不幸のエリア」となった空間は浸食汚染を生み出したサイアークが浄化されれば元に戻る。プリキュアと幻影帝国の戦いはまさにエリアの陣取り合戦というわけである。
愛乃めぐみの住むぴかりヶ丘町も第1話以前からサイアークの被害を受けており、「不幸のエリア」と化したままの区域も町の一部に残り続けている。
帝国の狂気めいた理念は女王であるクイーン・ミラージュの個人的な意志を反映したものだが、臣民であるチョイアーク達はクイーンを絶対的に崇拝しており、それに異議を唱える者もいない。
プリキュアシリーズでは人間を不幸にするために怪物を繰り出す敵組織は過去にも多くいたが、それらは「特定の感情のエネルギーを集めることで何かを復活させる」というような目的があり、いわば人間を不幸にすることは手段にすぎなかった。
しかし、幻影帝国は人間を不幸にするために世界を最悪の形にするということを思想的な目的としているため、歴代プリキュアの敵組織の中でもかなり始末の悪い存在として描かれている。
組織の特徴
最も特異な点として、世界観の妙な明るさがある。
他の悪の組織は薄暗い場所をアジトとすることが多いのに対して、幻影帝国は魔法の国と見まごうばかりのカラフルな装飾物であふれている。
サイアークが侵略した痕も、色とりどりのカビやお菓子、ピンクの霧などで侵食されており、元がブルースカイ王国であったことを差し引いても色使いがとても明るく、メルヘンチックである。
過去このような例は、レジーナの居室など、あくまで個人に限定されていた。このように組織まるごとファンシーなのは異例中の異例である。
また、幹部も美少女や美青年などの爽やかな容姿のキャラクターで占められているが、過去作のような大柄な男性や老人やオカマ系などのイロモノ的なキャラが登場していない訳ではなく、本作ではマダム・モメールが「イロモノ系敵幹部」として存在している。
しかし、これは被害の描写が必ずしもソフトタッチと言うことを意味してる訳ではない。上述したとおり、彼らの悪事はもはや人類種そのものへの侵略というべき規模であり、世界中で現実の紛争のそれに近いテロリズムや災害を起こしている。
第16話の増子美代の回想において日本の総理官邸が襲撃される等、彼らのテロ行為は政府が動き出すほど国際問題にまで発展している。
従って、見た目のファンシーさと被害の実態に異様なギャップがあり、ある種の不気味さ・狂気を醸し出している。
「見た目天国・中身は地獄」という、まさに見た目に騙されるなという好例でもあろう。
幻影帝国の本拠地
幻影帝国の本拠地は前述のように乗っ取ったブルースカイ王国の領土である。
そして幻影帝国のメンバーは、かつてひめやその両親が住んでいた城を我が物顔で根城にしている。
その領域内では、理由は不明であるがプリキュアの力が殆ど発揮できない。オレスキー曰く「普段の百万分の一」ほどに落ちると言われている。
この数値はナマケルダも「言い過ぎ」とツッコんだために大袈裟な数値な可能性もあるが、第15話ではハピネスチャージプリキュアの3人が大技を使っても、戦闘員のチョイアークたちを倒すこともできないほどに下がることが発覚している。
格闘の身のこなし自体は変化がないが、浄化技などのプリキュアの技の威力が大幅に下がるらしい。
(ちなみにその回ではブルーのアシストや3幹部達が余裕こき過ぎたため、諸事情でやって来ていためぐみたちはなんとか逃げ仰せられた)。
そのため、世界中にいるプリキュアが幻影帝国に乗りこんでも攻略することは現状で不可能となっている。
こうなってしまった要因は、第21話のブルースカイ王国を滅ぼした張本人と思わしきファントムの発言(ぴかりが丘には愛があふれており、そろそろ頃合いだという旨の発言より推測)から人々の幸せが絶頂に達した時点で、彼の能力で王国が不幸のエリアに一気に置き換えられた結果、プリキュアの力の源である愛の力が根こそぎ失われ、プリキュアの力が殆ど発揮できなくなってしまった可能性が推測されるが、現時点ではその詳細は不明である。
これらの事情を踏まえ、幻影帝国はシリーズ最強の敵組織と言われている。
その一方で、幻影帝国は第1話時点から最大レベルまで成長している状況に近く、これ以上強くなる余地がない。
それ故にプリキュアに無限の力を持つシャイニングメイクドレッサーを覚醒させることを何より警戒していた。しかしハピネスチャージプリキュアの4人が第29話でドレッサーを解放することに成功。そこからハピネスチャージプリキュアは急速に成長するターンとなる。ハピネスビッグバーン、イノセントフォーム、イノセントプリフィケーションと次々と新しいパワーを手に入れていくハピネスチャージプリキュア達に、帝国陣営は手も足も出ない。奥の手としてキュアテンダー・闇を送り込んだまでは良かったが、結局は新技獲得に加え彼女が元に戻ってしまった事で、結果的に帝国陣営は大幅な弱体化を受けてしまう。幸いキュアテンダーがハピネスチャージプリキュアに加わる事はなかったが、それでもプリキュアの方が一方的に有利なのに変わりはない。第40話はそれを表現するためだけに一話まるまる使った放映回で、オレスキートリオが本気をだして百体近いサイアークをぴかりが丘に作り出したにもかかわらず、ハピネスチャージプリキュアの4人は全く苦戦せずに一方的に蹂躙するヒロイックな無双展開が描かれた。この時点でオレスキートリオはハピネスチャージプリキュアの4人がもはやサイアークで倒せるレベルではないほど強くなったことを知り、ブルーは彼女達が幻影帝国本拠地の乗り込むまでに成長したと太鼓判を押した。
一応フォローしておくとこれ自体は日本のぴかりが丘を守るハピネスチャージプリキュアに限った事であって、日本の外では同じくパワーアップが見られない海外のプリキュア達が一概に有利とは言えない。下記するようにキュアテンダーが復帰する第39話までは国外では結構不利な状況が続いていたようだ。
復活から消滅まで始末の悪い帝国
前述した通り、幻影帝国が復活したのはアクシアの箱が解放されたためだが、その箱を開けてしまったのはブルースカイ王国王女、ヒメルダ・ウインドウ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイこと白雪ひめである。
無論、ひめは悪気があって開けたわけではない。毎日の祈りを捧げていたひめに、アクシアから助けを求め、それによってひめが箱を開けてしまったのが事の始まりである。
つまり、自らの復活のためにひめを騙したともいえ、卑劣極まりないと言っても過言ではないだろう。
プリキュアはサイアークを倒し、そこで生成されたプリカードでファイルを満たせば「大いなる願い」でどんな望みでも一つだけ叶う。
この手のネタで大きなお友達がよくするツッコミで「それなら幻影帝国を消し去るって願えば、全部解決だよね?」というのがあるが、なんと第22話でぐらさんが「それはそれでアリだぜ」と言っていたので、不可能ではなさそうである。
一見すれば世界を救うための最適解のように見えるが、その願いではプリキュア墓場で封印されたプリキュアたちが元に戻る保証はないという大きな問題点が残る。
サイアークを作り出すために封印された一般人たちはそのサイアークを浄化すれば元に戻るが、ファントムによって封印されたプリキュアの解放のメカニズムはいまだ解明されていない。
帝国をすべて消し去ってしまうことはその情報が闇に葬られることを意味する。
つまり、仮に幻影帝国が願いで滅んで一般人たちは平和を取り戻しても、それはこの世界を守ったプリキュア達を見捨てることになる。ここでも帝国の始末の悪さが垣間見れる。
とはいえ、これらはあくまでキュアフォーチュンの予想であり、もしかすると帝国を消し去ればすべて元通りになるかもしれない。
しかし、こういった不安要素がある限り、少なくともハピネスチャージプリキュアのメンバー達は「幻影帝国を消滅させること」を大いなる願いごとにすることはないと思われる。
なお、後の第30話ではファントム自身が「自分を倒しても封印されたプリキュアは戻らない」と言いきっている。
そして、封印されていたプリキュア達は第43話で女王ミラージュが浄化されることで全て解放に至った。
幻影帝国興亡史
帝国の支配
上述した通り、主人公達が属するチーム「ハピネスチャージプリキュア」(ぴかりが丘担当)はほぼ無敗の快進撃を続けるチームだが、地球全土に目を向けると幻影帝国とプリキュア軍団との戦いは一進一退のようで、その戦況に変化がある度に視聴者にも情報が伝えられる。
第8話での戦略会議で表示された世界地図を見ると、幻影帝国が「不幸のエリア」として持続させている面積は、地球全土の一割にも満たない。
ただし、基本的に彼らは人間が住んでいる場所を襲うので侵略総面積と脅威度は単純に比例しない。
むしろ、世界地図上で虫食いのように不幸のエリアが点在されているという状況の方が、彼らの侵略がいかに神出鬼没で予測できないものかを表している。
第8話の時点では、以下の国々(および州)は最低一つ以上の都市は不幸のエリアとして侵略されているようである。
- アフリカ大陸
コートジボワール、ガーナ、ブルキナファソ、トーゴ、ベナン、ナイジェリア。ガボン、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国。南アフリカ共和国、レソト、スワジランド、ナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、モザンビーク、ザンビア、マラウィ、マダガスカル。リビア。
イギリス、スペイン、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、イタリア、チェコ、ポーランド。
エジプト、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン、レバノン、シリア、トルコ、イラク、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦。
ロシア(西部と樺太)、カザフスタン、インド、バングラデシュ、ネパール、ブータン、中国(黒竜江省、河北省、河南省、安徽省、山東省、江蘇省、浙江省、福建省、江西省、広東省)、日本(関西、関東)。
カナダ、メキシコ、アメリカ合衆国(ワシントン州、カリフォルニア、テキサス、ルイジアナ、ジョージア州、サウスカロライナ、ウィスコンシン、ミシガン州、オハイオ州、バージニア州、ウェストバージニア州、デラウェア州、ニュージャージー州、ペンシルベニア、ニューヨーク州、バーモント州、コネチカット州、メイン州、ニューハンプシャー、マサチューセッツ、ロードアイランド)
エクアドル、ペルー、ボリビア、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ。
第8話時点では「プリキュア反撃の時期」で、世界各地のプリキュアの活躍により不幸のエリアが次第に奪還されている状況。
日本以外で幻影帝国と戦うプリキュアとしてはボンバーガールズプリキュア、メルシィプリキュア、ワンダフルネットプリキュア、キュアナイル(ただし13話で封印された)、アロ~ハプリキュアが登場している。
ただし、幻影帝国側もファントムを使いプリキュア狩りに動き出しており、第14話時点では世界各地のプリキュア達が倒されている危機的状況が『プリキュアウィークリー』で報道されている。プリキュアと幻影帝国とのエリアの奪い合いはまさに一進一退というわけである。
そのファントムも日本のぴかりが丘のハピネスチャージプリキュアの討伐だけは失敗続きであり、次第に彼女らはこの世界の希望となっていく。特にキュアハニーは世界のプリキュアの助っ人として何度か手助けを行っている(→世界のキュアハニー)。
そして、第39話にて最強のプリキュアと言われたキュアテンダーが封印から解放されて戦線に復帰。彼女は「ファントムの脅威に晒されてる世界中のプリキュア達を守りたい」という目的で、世界中のプリキュア達の支援の旅に出た。
その影響が第40話で現れたようで、海外の方も急速にプリキュア達によってエリアが取り返されている様子が「プリキュアウィークリー」で明らかとなった。
帝国との決戦
だが、第41話でその状況に業を煮やしたクイーンミラージュが遂に自ら総攻撃を掛ける事を決意することになる。パリ、ニューヨーク、ハワイ、東京(ぴかりが丘含む)など、その時点で侵略できていなかった都市群を一瞬で制圧した。これにより一気に帝国側優勢になり、本気で世界の崩壊が危ぶまばれた為、ハピネスチャージプリキュアはブルーと共に幻影帝国本拠地に逆侵攻。必死の連戦を経てファントム、三幹部を屈服させる。そして第43話にてついにクイーンミラージュをイノセントプリフィケーションによって浄化させた。
それと同時に、世界各国で暴れていたサイアークは消滅し、鏡に閉じ込められていた一般人や封印されていたプリキュアも解放された。
ここに、幻影帝国は最終回を前に崩壊し、残すは裏でミラージュを操ってた側近のディープミラー等の残党のみとなった。
年明けを待たずして組織の首領の敗北により組織が瓦解し残党のみとなる悪の組織も、プリキュアシリーズでは初である。
帝国崩壊後
黒幕のディープミラーがレッドとして「真の正体」をさらけ出し、幻影帝国の後を引き継ぐ形で再び地球に絶望を与えるために動き出す。
まずは幻影帝国との戦いの結果、ブルーへの失恋で心に深い傷を負った愛乃めぐみを第二のクイーンミラージュにしようと接触するも、誠司の介入で失敗する。
次にレッドが白羽の矢を立てたのは、そのめぐみの支えとなっている誠司であり、悪堕ちさせめぐみに深い絶望を与えたうえで、かつて自分が護っていた惑星レッドを地球にぶつけさせ地球もろとも心中しようとする。
しかし、最終的にめぐみ(キュアラブリー)は憎しみに囚われた誠司を救い、更には惑星レッドに起きた天変地異で一瞬でそこに住む生命体を失い愛を否定する憎しみの神レッドを、フォーエバーラブリーの大きな愛の力で屈服させ、レッドは敗北を認める。
その後、レッドはゼロからやり直し惑星レッドに新たな命を育むことを決意、ブルーとミラージュも彼を手伝うために惑星レッドに残り、めぐみ達に別れを告げる。こうしてハピネスチャージプリキュアの長い戦いの物語は幕を下ろす。
後日談では、浄化された三幹部も元の人間の姿に戻っており、これにより幻影帝国の上層部の人間は黒幕のレッドも含めて救われたことになる。
敵組織の上層部がラスボス含めて全員救われた(ただし劇場版に登場した幹部を除く)というパターンはスイートプリキュア以来の快挙となる。
余談、もしくはツッコミ
経済
これまでのプリキュアシリーズでは敵味方問わず様々な国や異世界が出てきたが、どんな通貨があって、どのような物価になっているのかを明確に描いたことが無い。
たまにパンを買う者や、限定版ケーキを買う者はいたが、いずれも日本国内にて日本円を支払うことで入手している。
幻影帝国では、幹部たちやチョイアークが帝国内で買い物をする描写こそ無いが、物価に関しては「オレスキーのファンクラブでは年会費として800エンを徴収される」(第7話)と言及されている。
このことから、幻影帝国には「エン」という貨幣(日本円との関連性は不明)が流通しているらしい。
帝国?
ミラージュの肩書は「帝国」なのに「女王」である。本来であれば皇帝、つまり「エンプレス・ミラージュ」でなければならないはずだが………。
なお、劇場版ではとある「王国」を従属させるという、「帝国」らしいことをやっていた。
プリキュアオールスターズでの扱い
『NS3』では少なくない数の子供達が昏睡状態に陥る事件が起きたのだが、劇中には「幻影帝国の仕業か?」と言いだす者は一人もおらず、めぐみやひめでさえ「幻影帝国」という単語を口に出さなかった。このあたり、世間からは「世界中を不幸のエリアにしようとする巨悪」と見なされていても「悪事なら何でも出来て、何でも行う」とは見られていないことがうかがえる。
『春のカーニバル』では悪名高き存在として扱われ、それを倒したハピネスチャージプリキュアが妖精達(異世界から来た者も含む)から英雄扱いされていた。
一方、日本国民であるはずのプリンセスプリキュアの面々は「幻影帝国」という単語に無反応で、それを倒したハピネスチャージプリキュアのことも英雄扱いせず、あくまで先輩として一目置いていた(めぐみ達も気を悪くした様子はなかった)。
幻影帝国も日本を隅から隅まで攻撃していたわけではないし、本編前のはるかやきららも忙しかったから、知らない・興味が無いのも無理はないのだろう。