CV:小島幸子
人物
世界中のプリキュアの活躍を報道するテレビ番組『プリキュアウィークリー』の看板キャスター。
自らレポーターも務め、プリキュアにインタビューをしたり、積極的に取材活動もおこなっている。
番組での名乗り口上は、
「みんなに伝えたい! 私が伝えたい!
ご存じ! 『プリキュアウィークリー』看板キャスター、増子美代!
続けて読めば~マスコミよ!」
であり、上記のように左手で「3」、右手で「4」の「みよ」を示す決めポーズを取る。
性格
従来作品にもプリキュアの正体を詮索しようとする人物は何度か現れたが、その場合は学校の新聞部などのプロではない人物が多かったため、いい意味でも悪い意味でも詰めの甘さがあった。
一方美代はプロのジャーナリストであり、プリキュアのことを知るためならどんな危険も冒し、手段も選ばない押しの強さを持っている。
サイアークが出現しても全く動じることなく現場に急行し、ハンディカメラを片手にプリキュアの活動を撮影、敵幹部にインタビューを敢行するなど、取材のためならば己の危険を顧みない。
反面、取材のためならば何をしても許されるという考えも持つ。
第16話ではプリキュアたちが女子中学生程度ということを把握していながら、正体と決めつけた人物の学校や自宅にまで勝手に押しかけて強行取材をするという暴挙を行ってしまう。
この時彼女はプリキュアの正体を晒すことで本人はおろか、家族を含めた周囲を命の危険に晒す事を全く考えておらず、倫理的にモラルが欠如していた。
また、世界各国のプリキュアがプリキュアハンターに倒される様子をセンセーショナルに放送するなど、プリキュアへの思いよりも番組の絵を優先する、悪い意味でのプロ根性も併せ持つ。
いい意味でも悪い意味でも、ジャーナリストの典型といえる人物。
前述のとおり、ニュース番組なのに自分の紹介にやたらと番組の尺を割くなど、ニュースキャスターとしては目立ちたがりな性格でもあるようだ。
だが、そのおかげで視聴者の人気は高いらしく、子どもにサインを求められたり、過激な取材であっても大目に見られたりすることもある。
押しの強い性格ではあるものの、自分が押されると非常に弱く、愛乃めぐみがレポーターのプリカードで突撃取材を敢行した際には慌てふためいて降参し、自分の本心を打ち明けてしまう。
彼女の過去と役割
第16話によれば、以前は政治部記者、それもエリート級とされる「総理番」だったと思われる。
ある日、首相官邸で幻影帝国対策のぶら下がり取材中、官邸をサイアークが襲撃。彼女は逃げ遅れ窮地に陥ってしまう。だがそこをとあるプリキュア(キュアテンダーか?)に助けられた。以来、真摯な憧れと、プリキュアになりたいという情熱を持っている。
『ハピネス』の第1話時点ではすでにプリキュアという存在が世界的に認知されているが、ブルーが敷いた「プリキュアの掟」によって彼女たちの正体やバックボーンは一般社会には秘匿されている。一般人たちにとってはプリキュアは正体不明の正義のスーパーヒロイン以上のことはわからないのだ。当然、どうすればプリキュアになれるのかも知られてはいない。
プリキュアたちに近づけばいつか自分もプリキュアになる方法が見つかるのではないか…… そう考えた彼女はプリキュアの秘密を探り出すべく、『プリキュアウィークリー』のニュースキャスターへと転身したのだ。
彼女の告白を聞いためぐみは、自ら正体を明かして「プリキュアになれるよう神様にお願いしてみる」と安請け合い。
しかしブルーに頼み込んで愛の結晶をもらったものの、結晶は光らずプリチェンミラーは生まれなかった。
そして失意のさなかに偶然出くわしたナマケルダによって、サイアークを誕生させられてしまい、プリキュアになるどころか逆に戦う羽目になってしまう。
さらにプリキュアの情報を熟知しているがゆえに、攻撃をすべて「それ知ってる!」とかわしてしまい、プリキュアを苦しめるという皮肉な事態になるが、初登場フォームのココナッツサンバには対応できず浄化された。
落ち込む彼女だが、相楽真央や子供達の応援で笑顔を取り戻し、自分の仕事に戻った。
その姿を見てブルーもなぜ愛の結晶が輝かなかったのかの理由に気付いていた。
彼女はプリキュアの活躍を世界中に伝えることで、人々に勇気と希望を与えるという役目を、既に担っていたからなのであった。
なお、今回の件で自分の取材が時にはプリキュア達を苦しめる刃となる事を痛感したのか、守秘義務という最後の一線だけは守り、ハピネスチャージプリキュアの正体もブルーの事も公表することはしなかった。
光らなかった愛の結晶は、その後もチョーカーに加工して身につけている。
取材は続くよいつまでも
その後も彼女の精力的な活動は続き、最終回では何と人間に戻ったナマケルダを探し出し、「幹部として悪事を重ねていたことをどう考えているのか」と責任追求型の突撃インタビューを試みるというマスゴミっぷり・・・もとい敏腕レポーターぶりを発揮している。プリキュア達ですら知らなかった彼の情報をどうやって知ったのか、やはり『プリキュアウィークリー』のバックには強力なスポンサーがついているのだろうか。
プリキュアマスコミ娘の系譜
キャラクターデザインと決めゼリフが、プリキュア5シリーズの登場人物・増子美香をオマージュしたものであることは明らかである。
担当声優は異なるが、美代の声優である小島幸子は『ハートキャッチプリキュア!』で多田かなえを演じていた(後年の『スター☆トゥインクルプリキュア』では星奈ひかる/キュアスターの母親輝美を演じる)。
彼女もプリキュアをスクープしたいという願望を持っていた。
本作はプリキュア10周年記念作品であり、過去作のオマージュが散見されるが、彼女は過去のプリキュアマスコミ娘をリスペクトして誕生したキャラクターだと言えるだろう。
事実、アニメージュ2014年6月号では「キャラクターとしては『Yes!プリキュア5』シリーズに登場した増子美香のオマージュであり、シリーズ構成の成田良美がアイデアを出し、美香のデザインを元にキャラクターデザインの佐藤雅将が新たに描きおこしている」という趣旨の記述がある。
美香との劇中での関連性は今のところ不明で、ファンの間でも姉妹などの血縁関係説とただのそっくりさん説で割れている。ただ、第16話で美代が「増子家の勘」という言葉を発しており、美代の家系にマスコミ関係者や情報を探る仕事の人物が多いことまでは示唆されている。
こういったあからさまなオマージュはシリーズでも珍しい。
過去のキャラのコスプレなどはあったものの、キャラとして登場させるということは今までなかった。
成田良美先生としても増子美香がお気に入りだったのかもしれない。
「プリキュアになりたいがなれなかった人」として
ちなみに、ミユキさんを始め、「プリキュアになりたいけどなれない人」としてネタにされる人達は、話を持ちかけられても自ら断ったり、そもそもプリキュアになりたいという意思そのものがファンによる創作であることが多かった。
しかし美代は、「プリキュアになりたい」と志願しながら果たせなかった人という、珍しくファンアートに近い立ち位置の女性キャラとなった。
しかも話の中で他の目的を自分で見つけるなど、極めて前向きな消化の仕方がなされているため、ミユキさんらと同じ扱いになるかどうかはまだわからない。
男性キャラなら近い位置のキャラとして番ケンジがいる。ただしこちらはプリキュアになりたいと志願したわけではなく、勧誘こそされたもののその勧誘した本人であるポプリが思い直して断念している。
その後の美代さん
2016年3月19日公開の映画『プリキュアオールスターズみんなで歌う♪奇跡の魔法!』にて、フレッシュのカオルちゃんやスマイルのおまわりさん達と手をつないで踊っている映像がある。
関連イラスト
関連タグ
他作品の似たような人物
森山ホナミ…「未来戦隊タイムレンジャー」の登場人物。女性でマスコミ関係の仕事をしている上、メインであるタイムレンジャー達と絡む機会が多かったなど、共通点が多い。
ティナ…「かつての30分後の作品(ただし他局)」に登場する、ノリと役割が似ているキャラ(アニメオリジナル)。中の人は「花咲つぼみ」こと水樹奈々である。