CV:小林沙苗
概要
キュアテンダーの変身者。
かつてはプリキュアとして幻影帝国と戦っていたが、ファントムとの戦いに敗れ、封印されてしまった。
その後に妹のいおながキュアテンダーのプリチェンミラーを譲り受け、キュアフォーチュンが誕生した。
表向きには「海外留学中に行方不明」ということになっており、真実を知るのはごく一部の人物に限られる。
この点についての推察であるが、日本の地元、ぴかりヶ丘でプリキュアとして活動しててファントムに封印されたのであれば、氷川姉妹の祖父から地元の警察に行方不明の届け等が出されて、「海外留学中に行方不明」という話は出なかった筈。恐らく実際に留学中にプリキュアとなり、彼女の実力からして、当初から遊撃戦士として各地を回っていた可能性もある。
プリキュアの力を受け継いだいおなは当然知っているが、プリキュアの正体は親兄弟にも秘密という掟がある中、他の家族が知っているのかどうかについても言及されていない。
いわゆる「囚われの姫君」ポジションのキャラクターであり、作中では初期からその存在が言及されていたが、本編に実際に登場するのはまりあが封印から解放される第37話以降になる。
「キュアフォーチュンにはキュアテンダーという姉がいたが、現在は封印されている」という事実が本編で明かされたのは第13話だが、その時点では変身者の事までは言及されなかった。
本編でまりあの名前が初めて出てきたのは第18話で、おおもりご飯で結婚式を挙げる幸代の口から「行方不明になった親友がいる」という形で語られた。
第20話で、いおながチーム「ハピネスチャージプリキュア」の面々に、自分がキュアフォーチュンの変身者であると明かしたため、その流れの延長で姉のまりあがキュアテンダーの変身者だという事実も明かされた。
キュアテンダーの正体発覚前の予想については「キュアテンダー」の記事を参照。
容姿
姉妹だけあって氷川いおなと似ている。
いおなと同じくイメージカラーは紫だが、まりあは濃い紫色。髪の色は黒に近い。
パッと見は線の細い清楚な美人だが、実際は氷川流空手の達人であり見た目とのギャップが大きい。
なお、まりあの姿はOP映像にも登場している。クイーンミラージュのカットの直後に出てくる「鏡に封印された女性」がまりあである。第1クールのことはまりあのことがまだ本編で言及されなていなかったため、この女性がミラージュのかつての姿なのでではないかとも思われていた。
人物像
まりあが変身するキュアテンダーは作中世界では最強のプリキュアとも呼ばれているが、「テンダー」というプリキュア名が示すように実際には優しい性格。いおな曰く「プリキュアとして強かっただけでなく、一人の女性として素晴らしかった」とのこと。
妹のいおなとは違って、かなりフランクで誰とでも仲良くなれる。交友関係も広く友達も多かったようだ。
ただし、自分が決めたことについては決して曲げない意志の強さも持つ。
武術家の一面
氷川道場に通っていた誠司がまりあのことを知っていた事からわかるように、彼女もまた氷川道場で修練を積んだ空手家の一人である。
その腕前はいおなをはるかに凌駕する。封印から復帰した39話では、本気の勝負を挑んできたいおなを軽くいなしたうえで「強くなったわね」と余裕の激励をしていた。
日常では優しいお姉さんなのだが、常在戦場というべき精神性も同時にあわせもっている。
「戦場に立った以上は、勝者には敗者を好きにしていい権利がある」ということを納得しているところはあるようで、上述のいおなとの立ち合いでは、楽勝で勝てる相手のいおなに対しても、自分が勝った場合の要求を無理にでも考えてつきつけていた。まりあにとってはこれは「勝負の礼節」らしい。
封印から復帰した後のまりあは、肉体封印と精神操作を受けたというあまりにも重い悲劇に対してもわりとあっけらかんとしていて、自分の尊厳を徹底的に凌辱したファントムとミラージュに対しても復讐心を燃やすような様子をほとんど見せない。これも、「負けた以上は文句は言えない」という考え方が根底にあるからかも知れない。姉のことを思うがゆえに復讐を誓ってそのために強くなろうとした初期のいおなとは完全に考え方が相反しており、技だけでなく心もいおなよりも熟達した「武人」なのだろう。
ただし、他のプリキュアたちが自分のような目にあうことについては強く心を痛めている。
プリキュアになった時期、および封印された時期については正確なところは不明瞭(封印された時期については上北ふたごによる漫画版において「3年前」と言われているがテレビ本編では言及されていない)。
ちゃっかりとした一面
前述のいおなとの立ち合いで自分が勝った場合の要求を無理にでも考えてつきつけていた点からも、大きいお友達たちから氷川まりあはちゃっかりした一面があり、いおなと同じ節約家な性格なのではないか?とも考えられている。姉妹そろって節約家なら将来の氷川流空手も安泰だと言えるが。服もやはり節約家ならしま○らが好きなのではないか?し○らーなのではないかと大きいお友達たちは妄想を膨らませている。しかしちゃっかりとした性格は劇中内では試合の時の条件提示とマッサージくらいでしか描かれていない。
年齢
年齢は明らかになっていないが前述した友人の幸代は結婚するくらいの年齢である。放送当時の日本の法律上、女性は16歳から婚姻可能なので(ちなみに8年後の2022年4月から男性と同じく18歳に引き上げられた)、少なくとも16歳以上であると推定される。ただし幸代はもう社会人らしい外観だったので、20歳前後かも知れない(年の離れた友人、という可能性も皆無ではないが)。
しかし封印されていた時期があり、その間は年を取らないであろう事を考慮すると戸籍上の年齢よりも肉体的には若いのかもしれない。実際、後述する封印を解かれた後の姿は、ハピネスチャージプリキュア達より年上であろうが、それほど歳は離れていない、概ね高校生くらいにも見える。
本編での活躍
まりあはいおなが「戦う理由」として強い存在感を持つキャラクターだが、ずっと封印されていたわけで本編で登場したのはごくわずかである。
彼女がプリキュアとしてバリバリ活躍していたのは本編開始よりも数年前。
増子美代の回想に出てくる「時の総理大臣を襲ったサイアークを一人で撃退したプリキュア」はキュアテンダーであることがそのシルエットから確実視されている。
第22話で明らかになった描写から、何らかの理由でファントムとの戦いに巻き込まれた妹のいおなを彼の攻撃から庇った事で戦いに敗れ、彼女の目の前で封印されたことが発覚した(その後、彼女のプリチェンミラーを拾ったいおながフォーチュンになった)。他のプリキュアと違い、彼女は変身が解けた状態で封印されたということである。
ファントムに封印されたプリキュアはプリキュア墓場へと転送されるのだが、同回で実際に墓場に立ち並ぶプリキュア墓標の一つにまりあの封印鏡があることが判明した。
墓場に乗り込むフォーチュンであったが、彼女に継承されていたプリチェンミラーとプリカードをファントムに奪われる。カードは燃やされてしまうが、プリチェンミラーは取り返す事ができた。
37話予告で「その声、その姿、お姉ちゃん…?」というフォーチュンのセリフにより、遂に本編に登場する事が告知された。
そして実際に放映された37話におけるラストシーンの最後の最後、なんとキュアテンダーがハピネスチームの前に「幻影帝国の切り札」として登場。
封印されて抵抗できないまりあはクイーンミラージュに洗脳されてしまい、悪堕ちしていたのである。ミラージュの忠実な戦士として妹のキュアフォーチュンに殺意をむけるというショッキングな展開は、あの衝撃を彷彿とさせるもので長らく続いていたプリキュアシリーズの禁忌が破られる事態となった。
展開次第ではあの父娘以上の悲劇的な状況になる可能性もあったが、38話でイノセントフォームの新技「イノセントプリフィケーション」で遂にクイーンミラージュの呪縛から解き放たれ、妹との再会を果たす。
22話において、いおな=フォーチュンは自前の変身アイテムであるフォーチュンピアノと新生プリカードを入手していた事から、プリチェンミラーは本来の所有者まりあに返還され、真のキュアテンダーの姿と力を取り戻した。
39話ではキュアテンダーがぴかりが丘で無双状態で大活躍している様子が描かれる。ハピネスチャージプリキュアの4人は当然、テンダーが5人目の仲間になってくれると考えていたが、まりあは「ファントムの脅威から世界中のプリキュアを守るために世界各地を回りたい」という決意を述べた。まずは両親のいるアメリカに行きたいという。封印されて洗脳までされた自分だからこそ、これ以上プリキュアたちが封印されるのはもう見たくないというのがまりあの偽りない本音だった。
そして、ハピネスチャージプリキュアに対しては「自分がいなくても十分やっていける」と実力を認めたがゆえに、自分がぴかりが丘に残る意味はないと判断したのだ。
姉と別れることを嫌がったいおなは、まりあに空手の勝負を挑む。「自分が勝ったら渡航は止めて欲しい」という条件で本気で戦ったが、実力の差を歴然で、眼前の寸止めでまりあの勝利で決着した。流石に実戦なら貴様は二度死んでいるとは言わなかった。
しかし、勝負という結果を通じて姉妹はわだかまりなく「新しい道」をそれぞれが歩むことを祝福することができた。
その翌話にあたる40話では。幻影帝国で世界中のプリキュアたちが勢力を急回復してきているとして緊急対策会議が行われている。本編中でその原因が指摘されたわけではなかったが、流れ的に見ればキュアテンダーの活躍の結果と考えるのが自然だろう。
43話では、南国の島らしき場所でミラージュのサイアーク相手に奮闘してる姿が描かれている。
46話でハピネスチャージプリキュアが悪堕ちされた誠司の攻撃に傷ついたときは、彼女らのピンチを救うべく天から舞い降りてきた。
赤いサイアークの追い討ちを掛けられる寸前のラブリーを救うために自らが盾となりつつ、絶望にうちひしがれていたハピネスチャージプリキュア達に自分を救ってくれた時を思い出す様に厳しい言葉で鼓舞した。
再起したハピネスチャージプリキュアと共に赤いサイアークに挑み、浄化に成功。この時にフォーチュンとのコラボ攻撃を展開している。
またこの時はアロ~ハプリキュアや他のプリキュアチームもともに助っ人にかけつけてくれている。世界各地でキュアテンダーがプリキュアたちを助けた縁が実った形だろう。
なお、いおなも驚いていたので帰国の連絡などが事前にあったわけではなかったようだが、主人公のピンチに助っ人が都合よく現れるというのは、まあこの手のアニメでのお約束なのでツッコミは野暮だろう。
そしてプリキュアシリーズ15作品目『HUGっと!プリキュア』第37話ではキュアテンダーとして1カット登場。アロ~ハプリキュアと共に『Go!プリンセスプリキュア』から『HUGっと!』までの19人を含んだ歴代プリキュアに力を送った。また、『プリキュアオールスターズF』でもアロ~ハプリキュアに加え、『ふたりはプリキュアSplash☆Star』の霧生満と霧生薫・『ハートキャッチプリキュア!』のキュアフラワー・『ハピネスチャージ』のキュアミラージュと他の世界のプリキュア、そしてクロスオーバー映画オリジナルのキュアエコーとパートナー妖精であるグレルとエンエン(『F』では番外扱い)と共にミラクルライトを振り、『スター☆トゥインクルプリキュア』から『ひろがるスカイ!プリキュア』の23人を含んだ歴代プリキュアに力を送った。
中の人について
担当声優の小林沙苗は、プリキュアシリーズにおいては『ハートキャッチプリキュア!』で演劇部員を演じて以来の登場。
前回は端役の担当で、今回は重要人物の担当での再登場となった。
関連タグ
早乙女まりあ⇐9年後の20周年記念作品に登場する同じ名前で有り同じく9年後の4号キュアの姉。