曖昧さ回避
- ラテン語で「美しい」という意味をもつ単語「pulcher」のカタカナ表記。
- JAXAが研究しているミイデラゴミムシの習性を元にした推進システム開発プロジェクト「Pulsed Chemical Rocket with High Performance Propellant」の公式略称。
- テレビアニメ「プリキュアシリーズ」に登場する戦士のこと。英語表記は「Precure」
pixivおよびピクシブ百科事典上では、主に3の意味で多く利用されているため、本項目にて解説する。
プリキュアシリーズのプリキュア
プリキュアは俗に言う「戦う変身ヒロイン」であり、変身する目的は「私たちにとって大切なものを奪おうとする怪物や悪人を追い払うため」である。その「大切なもの」が何かは作品によって異なっている。
変身することでパワー・スピード・タフネスなどの身体能力が飛躍的に向上し、『エネルギー波や属性攻撃、魔法じみた攻撃などを繰り出す』『武器やバリアを発生させる』『聖なる力で心身の傷や疲弊を癒し、負のエネルギーを浄化する』などの特殊能力を発揮することも可能となる。プリキュアはこれらの超常的な力を駆使すると同時に仲間達と力を合わせ、「私たちにとって大切なもの」を守るために戦っていくのである。
一つの作品において登場するプリキュアは2名以上・パートナー妖精も1名は必ずいる(キューティーハニーみたいに変身者が一人、パートナー妖精がゼロということは殆どない(※1 ※2))。そして同じチームを組んで戦う。
(※1)ただし、2012年度のプリキュアの初期案の中には「プリキュアを一人にしよう」というものがあった。詳細は『スマイルプリキュア』の項目を参照。
(※2) 2024年度の『わんだふるぷりきゅあ!』では明確なパートナー妖精が設定されていない。これは一部のプリキュア変身者が(人間以外の)動物であり、その動物態がパートナー妖精のポジションを代替するため。従って女児向け作品の定番であるマスコットキャラクターの存在まで排除しているわけではない。
プリキュアに変身する者の多くは「女子中学生」であり、これがプリキュアのスタンダードだと認識されている。しかし社会状況に対応して多様性の重視も意識されるようになり、小学生以下や高校生以上のプリキュアや、さらには異世界人・妖精・アンドロイド・宇宙人など特殊な出自のプリキュアもチーム内に最低1人はいるようになっていった。玩具販促に関わらない番外戦士的なプリキュアであれば、人種や性別の制限さえなく実に多様なプリキュアが存在していたが、性別については後に、社会の変化やシリーズの節目における挑戦として、男子のレギュラープリキュアや、舞台作品ではあるものの男子のみで構成されたプリキュアチームが登場している。
基本的にプリキュアを名乗る戦士は大部分がいわゆる善側の立場だが、一部の作品にはプリキュアの力をコピーして作られた「悪のプリキュア」というべき存在も登場し、善のプリキュアVS悪のプリキュアの戦いが起こることもある。(→プリキュア同士の戦い)
なお、この項目で書かれていることはプリキュアシリーズの各作品のほとんどに共通している事柄だが、プリキュアシリーズの各作品は直接の続編を除いて世界観のつながりはない。
「プリキュア」とはどのようなもののことを言うのかは、各作品ごとに考え方が違う。
ここで述べていること各作品のプリキュアの多くに見られる共通点だが「定義」というわけではない。
作中の設定面からこのキャラクターはプリキュアなのかどうかの真贋論争が起こることもある。
なお、プリキュアの生みの親の一人として知られる初代作プロデューサーの鷲尾天は、自分が現場から離れてもシリーズが続いていることに対し、プリキュアらしさとは何かと問われた時に決まって「困難に対しても凛々しく自立すること」ということを述べている。王子様のようなキャラに助けてもらおうとせずに問題に対して自分で立ち向かおうとし、仲間との絆を大切にしても依存はしない、というのがプリキュアの本質である。
戦闘スタイル
プリキュアが他の変身ヒロインと比べて特徴的なのは、徒手格闘をメインにした肉弾戦で戦うことにある。
コアな格闘ゲームファン向けな作品(DBシリーズ・北斗の拳シリーズ・聖闘士星矢シリーズ・KOFシリーズ・ストリートファイターシリーズetc)でなら決して珍しいことではないのだが、未就学児童を対象にした少女向けアニメにおいて、このようなバトル向けの演出を基本においた作品は他になく、格闘バトルはシリーズの多くの作品に受け継がれている。
アイテム
基本は徒手空拳で戦うが、ここぞというときはエネルギー波や属性攻撃、バリアや魔法などの特殊能力を使用する。格闘ゲームでいうところの必殺技または超必殺技である。(公式では「キメ技」と表記される)
このような技を発動させる際はきっかけとなるアイテムを使う場合が多い。
コスチューム
変身後のコスチュームについては、プリキュアシリーズの全作品に共通しているモチーフというものはない。
ただ、フリルとリボンをふんだんにあしらうのがデザイン上では慣例となっている。
プリキュアのほとんどはスカートを履いており、例外はキュアミューズの仮の姿(黒ミューズ)、劇場版限定プリキュアであるキュアモフルン、レギュラーではキュアショコラ(スカートとスパッツに見えるが実はチュニックとレザーのショートパンツ)やキュアミルキーなど(キュアエトワールもかぼちゃパンツ風のバルーンスカートなのでこれに近い)。
アクションではスカートの下にカメラが回らない、作品によっては回っても問題ないようにドロワーズ・スパッツ・パニエを着用したり、スパッツの無いキャラでも特定のフレームでのみスパッツを描いて対処している。『ふたりはプリキュア』では地面に踏ん張るためヒールを履かせない、ボディスーツを基調とするなど戦闘に支障のないバトルスーツとしての拘りも見せている。
変身すると服装だけでなくそのコスチュームに似合った髪型に変化し、髪の長さや色までもが大きく変化するプリキュアもいる。そのため、変身前はボーイッシュな見た目のキャラクターでも女の子らしいロングヘアーになって可愛らしい衣装を違和感なく着せることが可能になっている。
ほとんどのプリキュアにはキャラクター毎にシンボルカラーが設定されており、コスチュームもそのシンボルカラーが強調されたカラーリングとなる。これは同じニチアサ枠であるスーパー戦隊シリーズと同じ方法論である。
また、番組の後半に強化フォーム(スーパープリキュア)に変化したり、劇場版限定フォームが登場したり、特定のキメ技を使用するときのみサブフォームへフォームチェンジする要素もある。こちらも同じニチアサ枠である仮面ライダーシリーズの方法論を踏襲した形となる。
正体バレとその秘匿
作中でのプリキュアの活躍が一般市民にどれくらい知られているかということも作品毎によって異なっているが、どの作品でも「プリキュアの変身者の正体を周囲に明かしてはいけない」という規範がある。
ただし、これはあくまで規範にすぎず、正体を明かしたら変身能力が失われるなどのペナルティは基本的になく、一部の近しい人間に正体がバレてしまったり自分からバラしたりする展開も多々ある。
なお『魔法つかいプリキュア!』『スター☆トゥインクルプリキュア』ではプリキュアの正体バレが作品世界で設定されている罰則に抵触する可能性が高い(前者は「魔法を使えることがナシマホウ界の人間に知られたら杖を没収される(=魔法つかいとしての資格を剥奪される)」、後者は「(地球を含む)他の星と交流が無い星で異星人である事が露見した場合、100年間宇宙渡航禁止」)という珍しいケースと言える。
妖精
プリキュアをサポートする妖精(メップル役の関智一曰く「ちっちゃくて可愛らしいアニマルたち」)は「パートナー妖精」と呼ばれ、ほぼ全てのプリキュアにつく。
妖精についての詳細な解説は妖精(プリキュア)を、妖精の一覧についてはプリキュア妖精一覧を参照。
伝説の戦士「プリキュア」
プリキュアは多くの作品で「伝説の戦士」という称号で呼ばれている。作品によっては作風的な都合で戦士とは呼ばれない、あるいは特殊な事情で伝説がない作品もある。
上述したようにプリキュアシリーズは直接の続編を除いて作品同士に明確な繋がりはないため、プリキュアにまつわる伝説の具体的な詳細や知名度は作品毎に異なっている。また、大半の作品の妖精達は人間の住む世界とは異なる次元、大半の人間には知られざる場所からやって来るため、プリキュアの伝説は妖精たちの間だけで語り継がれてきた秘密の伝説として扱われることが多く、人間でそれを知る者は皆無な場合が殆どである。また、「伝説」と言われているからには作中における過去の時代にもプリキュアが存在したということであり、『ハートキャッチプリキュア!』からは実際に主人公達より前に活躍したプリキュアについても描かれるようになる。
能力の喪失と復活の有無
一連の戦いが終わると、プリキュアの資格を喪失するケースとそのまま変身能力を保持するケースに分かれる。
初期シリーズでは妖精達の帰郷あるいは永い眠りに就く事により変身アイテムが失われ、プリキュアの資格も失われていたが、2年目がある作品ではその冒頭で変身能力が復活している。
その後、プリキュアオールスターズシリーズの兼ね合いもあり、『ハートキャッチプリキュア!』からは最終決戦後も変身能力を保持して妖精達との暮らしも続くパターンが続いていたが、『Go!プリンセスプリキュア』以降は再び変身能力が失われる結末を迎える作品も出ている。作品によっては一度変身能力を失っても間を置いて再変身できるようになる事も。
上記のように、プリキュアオールスターズを含むクロスオーバー映画では最終決戦後であっても登場プリキュア全員が変身可能であり、欠員が出ることはない。この辺りの設定はこちらの記事を参照。
作品によっては加齢により変身能力を失う事もあるが、初変身時に近い心理状態を取り戻す事で能力(資格)が復活する事がある事、また、変身している時のみは変身者がどんな年齢であろうと、肉体的な最盛期の状態に自動的に最適化され、安定したポテンシャルを常に発揮できる事がいくつかの作品で示されている。
「プリキュア」に該当する人物
プリキュア戦士一覧を参照。
関連イラスト
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