概要
毎週日曜朝8時30分からABC製作のテレビ朝日系列局で放送されている、低年齢少女向けのアニメシリーズ。いわゆるニチアサキッズタイムと呼ばれる児童番組枠の一つを担当している。
2004年に『ふたりはプリキュア』が放映開始し、人気を得てシリーズ化。以降10年以上続く人気シリーズに成長し、テレ朝アニメではドラえもん、クレヨンしんちゃんに次いで第3位、東映アニメーション制作の女児向けアニメでは最長シリーズとなっている。
「女の子だって暴れたい」をコンセプトに企画され、主に体術を使って戦うのが特徴。
「少女達が“プリキュア”という戦士に変身し戦う」「妖精がプリキュアのサポーターになる」の要素が基本。「プリキュア」は「Pretty」と「Cure」をあわせた造語で、「キュア○○」のような戦士名がつく(但し一部これに該当しない番外戦士もいる)。メインキャラクターの人数は作品毎に異なる。
それぞれの作品に明確な繋がりはないものの、歴代作品のキャラクターたちが総登場するアニメ映画『プリキュアオールスターズ』が制作されている。
また、漫画版が講談社の「おともだち」「たのしい幼稚園」等の幼児誌や、少女コミック誌「なかよし」などで掲載されているが、他社の雑誌掲載はほとんどない。
ちなみに、講談社関連のキャラクターが今まで起用してこなかったマクドナルドのハッピーセットに登場している。
また、ストーリーには単純な勧善懲悪で終わらない社会的なメッセージ性が込められることが多く、幼稚園入園前〜小学校低学年向けの番組とは思えないような複雑な内容も多々含まれている。
毎年2月1日は「プリキュアの日」として日本記念日協会に認定されている。
※ プリキュアシリーズそのものの概要についてはプリキュアシリーズの項目も参照ください。
キャラクターとしての「プリキュア」の特徴
プリキュアは俗に言う「戦う変身ヒロイン」であり、変身する目的は「私たちにとって大切なものを奪おうとする怪物を追い払うため」である。その「大切なもの」が何かは作品によって異なっている。
変身することで身体能力が飛躍的に向上し、エネルギー波を出したりバリアを発生させるなどの特殊能力を発揮することも可能となる。プリキュアはこれらの力を駆使すると同時に仲間達と力を合わせ、「私たちにとって大切なもの」を守るために戦っていくのである。
一つの作品において登場するプリキュアは2名以上・パートナー妖精も1名は必ずいる(キューティーハニーみたいに変身者が一人、パートナー妖精がゼロということは絶対にない(※))。そして同じチームを組んで戦う。
(※)ただし、2012年度のプリキュアの初期案の中には「プリキュアを一人にしよう」というものがあった。詳細は『スマイルプリキュア』の項目を参照。
プリキュアに変身する者の多くは「女子中学生」であり、これがプリキュアのスタンダードだと認識されている。しかし社会状況に対応して多様性の重視も意識されるようになり、小学生以下や高校生以上のプリキュアや、さらには異世界人・妖精・アンドロイド・宇宙人など特殊な出自のプリキュアもチーム内に最低1人はいるようになっていった。玩具販促に関わらない番外戦士的なプリキュアであれば、人種や性別の制限さえなく実に多様なプリキュアが存在していたが、性別については後に、社会の変化やシリーズの節目における挑戦として、男子のレギュラープリキュアや舞台作品ではあるものの、男子のみで構成されたプリキュアチームが登場している。
基本的にプリキュアを名乗る戦士は大部分がいわゆる善側の立場だが、一部の作品にはプリキュアの力をコピーして作られた「悪のプリキュア」というべき存在も登場し、善のプリキュアVS悪のプリキュアの戦いが起こることもある。(→プリキュア同士の戦い)
なお、この項目で書かれていることはプリキュアシリーズの各作品のほとんどに共通している事柄だが、プリキュアシリーズの各作品は直接の続編を除いて世界観のつながりはない。
「プリキュア」とはどのようなもののことを言うのかは、各作品ごとに考え方が違う。
ここで述べていること各作品のプリキュアの多くに見られる共通点だが「定義」というわけではない。
作中の設定面からこのキャラクターはプリキュアなのかどうかの真贋論争が起こることもある。
なお、プリキュアの生みの親の一人として知られる初代作プロデューサーの鷲尾天は、自分が現場から離れてもシリーズが続いていることに対し、プリキュアらしさとは何かと問われた時に決まって「困難に対しても凛々しく自立すること」ということを述べている。王子様のようなキャラに助けてもらおうとせずに問題に対して自分で立ち向かおうとし、仲間との絆を大切にしても依存はしない、というのがプリキュアの本質である。
戦闘スタイル
プリキュアが他の変身ヒロインと比べて特徴的なのは、体術をメインにした格闘戦で戦うことにある。
コアな格闘ゲームファン向けな作品(DBシリーズ・北斗の拳シリーズ・聖闘士星矢シリーズ・KOFシリーズ・ストリートファイターシリーズetc)でなら決して珍しいことではないのだが、未就学児童を対象にした少女向けアニメにおいて、このようなバトル向けの演出を基本においた作品は他になく、格闘バトルはシリーズの多くの作品に受け継がれている。
アイテム
基本は徒手空拳で戦うが、ここぞというときはエネルギー波やバリアなどの特殊能力を使用する。格闘ゲームでいうところの必殺技または超必殺技である。(公式では「キメ技」と表記される)
このような技を発動させる際はきっかけとなるアイテムを使う場合が多い。
コスチューム
変身後のコスチュームについては、プリキュアシリーズの全作品に共通しているモチーフというものはない。
ただ、フリルとリボンをふんだんにあしらうのがデザイン上では慣例となっている。
プリキュアのほとんどはスカートを履いており、例外はキュアミューズの仮の姿(黒ミューズ)、劇場版限定プリキュアであるキュアモフルン、レギュラーではキュアショコラ(スカートとスパッツに見えるが実はチュニックとレザーのショートパンツ)やキュアミルキーなど(キュアエトワールもかぼちゃパンツ風のバルーンスカートなのでこれに近い)。
アクションではスカートの下にカメラが回らない、作品によっては回っても問題ないようにドロワーズ・スパッツ・パニエを着用したり、スパッツの無いキャラでも特定のフレームでのみスパッツを描いて対処している。『ふたりはプリキュア』では地面に踏ん張るためヒールを履かせない、ボディスーツを基調とするなど戦闘に支障のないバトルスーツとしての拘りも見せている。
変身すると服装だけでなくそのコスチュームに似合った髪型に変化し、髪の長さや色までもが大きく変化するプリキュアもいる。そのため、変身前はボーイッシュな見た目のキャラクターでも女の子らしいロングヘアーになって可愛らしい衣装を違和感なく着せることが可能になっている。
ほとんどのプリキュアにはキャラクター毎にシンボルカラーが設定されており、コスチュームもそのシンボルカラーが強調されたカラーリングとなる。これは同じニチアサ枠であるスーパー戦隊シリーズと同じ方法論である。
また、番組の後半に強化フォーム(スーパープリキュア)に変化したり、劇場版限定フォームが登場したり、特定のキメ技を使用するときのみサブフォームへフォームチェンジする要素もある。こちらも同じニチアサ枠である仮面ライダーシリーズの方法論を踏襲した形となる。
正体バレとその秘匿
作中でのプリキュアの活躍が一般市民にどれくらい知られているかということも作品毎によって異なっているが、どの作品でも「プリキュアの変身者の正体を周囲に明かしてはいけない」という規範がある。
ただし、これはあくまで規範にすぎず、正体を明かしたら変身能力が失われるなどのペナルティは基本的になく、一部の近しい人間に正体がバレてしまったり自分からバラしたりする展開も多々ある。
なお『魔法つかいプリキュア!』『スター☆トゥインクルプリキュア』ではプリキュアの正体バレが作品世界で設定されている罰則に抵触する可能性が高い(前者は「魔法を使えることがナシマホウ界の人間に知られたら杖を没収される(=魔法つかいとしての資格を剥奪される)」、後者は「(地球を含む)他の星と交流が無い星で異星人である事が露見した場合、100年間宇宙渡航禁止」)という珍しいケースと言える。
妖精
プリキュアをサポートする妖精(メップル役の関智一曰く「ちっちゃくて可愛らしいアニマルたち」)は「パートナー妖精」と呼ばれ、全てのプリキュアに必ずつく。
妖精についての詳細な解説は妖精(プリキュア)を、妖精の一覧についてはプリキュア妖精一覧を参照。
伝説の戦士
プリキュアは多くの作品で「伝説の戦士」という称号で呼ばれている。近年では作風的な都合で戦士とは呼ばれない、あるいは特殊な事情で伝説がない作品もある。
上述したようにプリキュアシリーズは直接の続編を除いて作品同士に明確な繋がりはないため、プリキュアにまつわる伝説の具体的な詳細や知名度は作品毎に異なっている。また、大半の作品の妖精達は人間の住む世界とは異なる次元、大半の人間には知られざる場所からやって来るため、プリキュアの伝説は妖精たちの間だけで語り継がれてきた秘密の伝説として扱われることが多く、人間でそれを知る者は皆無な場合が殆どである。また、「伝説」と言われているからには作中における過去の時代にもプリキュアが存在したということであり、『ハートキャッチプリキュア!』からは実際に主人公達より前に活躍したプリキュアについても描かれるようになる。
テレビシリーズ
メインシリーズ作品一覧
- 2004年:ふたりはプリキュア
- 2005年:ふたりはプリキュアMaxHeart(ふたりはプリキュアの続編)
- 2006年:ふたりはプリキュアSplash☆Star
- 2007年:Yes!プリキュア5
- 2008年:Yes!プリキュア5GoGo!(Yes!プリキュア5の続編)
- 2009年:フレッシュプリキュア!
- 2010年:ハートキャッチプリキュア!
- 2011年:スイートプリキュア♪
- 2012年:スマイルプリキュア!
- 2013年:ドキドキ!プリキュア
- 2014年:ハピネスチャージプリキュア!
- 2015年:Go!プリンセスプリキュア
- 2016年:魔法つかいプリキュア!
- 2017年:キラキラ☆プリキュアアラモード
- 2018年:HUGっと!プリキュア
- 2019年:スター☆トゥインクルプリキュア
- 2020年:ヒーリングっど♡プリキュア
- 2021年:トロピカル〜ジュ!プリキュア
- 2022年:デリシャスパーティ♡プリキュア
- 2023年:ひろがるスカイ!プリキュア
大人に向けたシリーズ作品一覧
- 2023年:キボウノチカラ〜オトナプリキュア‘23〜(Yes!プリキュア5・Yes!プリキュア5GoGo!の続編)
- 2024年:魔法つかいプリキュア!2(仮)(魔法つかいプリキュア!の続編)
映画
レギュラー単独映画シリーズ
- 2005年:映画ふたりはプリキュアMaxHeart
- 2005年:映画ふたりはプリキュアMaxHeart2雪空のともだち
- 2006年:映画ふたりはプリキュアSplash☆Starチクタク危機一髪!
- 2007年:映画Yes!プリキュア5鏡の国のミラクル大冒険!
- 2008年:映画Yes!プリキュア5GoGo!お菓子の国のハッピーバースデイ♪|ちょ~短編プリキュアオールスターズGoGoドリームライブ!
- 2009年:映画フレッシュプリキュア!おもちゃの国は秘密がいっぱい!?
- 2010年:映画ハートキャッチプリキュア!花の都でファッションショー…ですか!?
- 2011年:映画スイートプリキュア♪とりもどせ!心がつなぐ奇跡のメロディ♪
- 2012年:映画スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ!
- 2013年:映画ドキドキ!プリキュアマナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス
- 2014年:映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ
- 2015年:映画Go!プリンセスプリキュアGo!Go!!豪華3本立て!!!(パンプキン王国のたからもの・プリキュアとレフィのワンダーナイト!・キュアフローラといたずらかがみ)
- 2016年:映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!|キュアミラクルとモフルンの魔法レッスン!
- 2017年:映画キラキラ☆プリキュアアラモードパリッと!想い出のミルフィーユ!|Petit☆ドリームスターズ!レッツ.ラ.クッキン?ショータイム!
- 2019年:映画スター☆トゥインクルプリキュア星のうたに想いをこめて
- 2021年:映画ヒーリングっど♡プリキュアゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!|映画トロピカル〜ジュ!プリキュアプチとびこめ!コラボ♡ダンスパーティ!
- 2021年:映画トロピカル〜ジュ!プリキュア雪のプリンセスと奇跡の指輪!
- 2022年:映画デリシャスパーティ♡プリキュア夢みる♡お子さまランチ!|わたしだけのお子さまランチ
クロスオーバー映画シリーズ
- 2009年:映画プリキュアオールスターズDXみんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!
- 2010年:映画プリキュアオールスターズDX2希望の光☆レインボージュエルを守れ!
- 2011年:映画プリキュアオールスターズDX3未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花
- 2012年:映画プリキュアオールスターズNewStageみらいのともだち
- 2013年:映画プリキュアオールスターズNewStage2こころのともだち
- 2014年:映画プリキュアオールスターズNewStage3永遠のともだち
- 2015年:映画プリキュアオールスターズ春のカーニバル♪
- 2016年:映画プリキュアオールスターズみんなで歌う♪奇跡の魔法!
- 2017年:映画プリキュアドリームスターズ!
- 2018年:映画プリキュアスーパースターズ!
- 2018年:映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュアオールスターズメモリーズ
- 2019年:映画プリキュアミラクルユニバース
- 2020年:映画プリキュアミラクルリープみんなとの不思議な1日
- 2023年:映画プリキュアオールスターズF
3Dアニメーション映画シリーズ
- 2006年:ふたりはプリキュアSplash☆Starマジッ☆ドキッ♡3Dシアター
- 2011年:プリキュアオールスターズDX3Dシアター
- 2016年:みんなあつまれ!プリキュアフェスティバルプリキュアONミラクル♡マジカル☆ステージ
2.5次元舞台
プリキュア戦士一覧
太字のキャラクターは、プリキュアオールスターズとして認められた戦士(ただし魔法つかいプリキュア!の場合は魔法使い、キラキラ☆プリキュアアラモードの場合はパティシエ)。斜体はスーパープリキュアまたはそれに相当する強化フォーム。
※印のキャラクターは、厳密にはプリキュアではない。
- ふたりはプリキュア~ふたりはプリキュアMaxHeart(第1~2作:2004~2005年)
- ふたりはプリキュアSplash☆Star(第3作:2006年)
- Yes!プリキュア5~Yes!プリキュア5GoGo!(第4~5作:2007~2008年)
- フレッシュプリキュア!(第6作:2009年)
- ハートキャッチプリキュア!(第7作:2010年)
- スイートプリキュア♪(第8作:2011年)
- スマイルプリキュア!(第9作:2012年)
- ドキドキ!プリキュア(第10作:2013年)
- ハピネスチャージプリキュア!(第11作:2014年)
- Go!プリンセスプリキュア(第12作:2015年)
- 春野はるか/キュアフローラ、モードデュオローグ(声:嶋村侑)
- 海藤みなみ/キュアマーメイド(声:浅野真澄)
- 天ノ川きらら/キュアトゥインクル(声:山村響)
- 紅城トワ/キュアスカーレット(声:沢城みゆき)
- 先代プリンセスプリキュア
- ドレスアッププレミアム
- モードエレガント"ハロウィン"(劇場版のみ登場)
- ドレスアップロイヤル
- グランプリンセス
- 魔法つかいプリキュア!(第13作:2016年)
- キラキラ☆プリキュアアラモード(第14作:2017年)
- HUGっと!プリキュア(第15作:2018年)
- スター☆トゥインクルプリキュア(第16作:2019年)
- ヒーリングっど♡プリキュア(第17作:2020年)
- トロピカル~ジュ!プリキュア(第18作:2021年)
- デリシャスパーティ♡プリキュア(第19作:2022年)
- ひろがるスカイ!プリキュア(第20作:2023年)
- Dancing☆StarプリキュアTheStage(舞台作品:2023年)
余談
ちなみに海外展開も行われており、名称は若干異なる。
ドイツやイタリアでは名前の由来になった「Pretty」と「Cure」を合わせて「PrettyCure」(読みはプリティキュア)と呼ぶ。中華圏では「光之美少女」、韓国語では「프리큐어」(こちらの読みは日本と同じ)となっている。
一番イメージからかけ離れているのはアメリカであり、こちらは「Glitter Force」(読みはグリッターフォース)となっている(なお、この名称はスマイルプリキュアの事を指す)。
関連イラスト
関連タグ
Pixivにおける関連タグ
プリキュア(二次創作)を参照。
評価タグやコラボタグに関する記事もあり。
外部リンク
ポータルサイト『プリキュアガーデン』
Youtube公式チャンネル
Instagram公式アカウント
プリキュアシリーズ - Wikipedia
プリキュアとは - ニコニコ大百科