カタカナ(片仮名)トハ、日本語ヲ書キ記ス際ニ用フル文字ノ一種ナリ。
ガイエウ
ヒラガナト並ビテ日本語ニテ使用セラルヽ表音文字ナリ。音節文字ニシテ一文字ハ原則トシテ一ノ音節ヲ表ス(「シャ」「ミュ」ナド拗音ヲ含ムモノハ除ク)。二系統ノ音節文字ヲ倂用スル言語ハ世界廣シト雖モ希少ニシテ、現在ハ日本語アルノミナリ。
外来語ノ表記乃至学術上ノ動物・植物ノ名ノ表記、擬音語・擬態語ノ表記ナドニ用ヰラル。日本ノ学校教育ニ於テハ、小学校一年生二教授セラル。
日本語ノ他ニハ「アイヌ語(アイヌ イタㇰ)」ニ用ヰラレ、戰前ニ於テハ「臺灣語(タイ𚿳ヲァヌ𚿻ヲエ𚿵)」並ビに「臺灣客家語(ト̣イ𚿵ヴァヌ𚿽ハㇰ𚿶カア𚿳ギイ𚿳)」(倶ニ臺灣二於ケル中國語方言ナリ)ノ發音表記トシテ用ヰラレタリ。沖繩縣當局ニヨリ定メラレシ「沖繩語(ウチナーグチ)」ナド「琉球諸語(シマクトゥバ)」ノ表記法ノヤウニ方言・地方言語ノ發音表記ニカタカナヲ利用スル例モマタアリ。但シ是等ノ言語ニ於テハ日本語ニ無キ発音ヲ表現スベク、「ㇰ」「ㇷ゚」ノ如キ小文字ガ追加セラレ、且符号ヲ加フル等ノ改變セラレタリ。
レキシ
万葉仮名ニ宛テラレツル漢字ノ一部ヲ取リ出シ、独立シタ文字トシタルモノニシテ、平安時代ニ僧侶達ガ御經ノ書写ヲ簡便ニセムトスル爲ニ用ヰラレタル記号ヲ淵源トス。
初期ニハ異體字ガ數多在リシガ、平假名ト異ナリ、早キ時期ニ現在ノ字體ニ統一セラレタリ。
明治ヨリ昭和初期ニハ、法律ヲ始メ公文書ノ表記ハ、片仮名ト漢字トヲ以テセリ。日本国憲法公布後、公文書ハヒラガナニ因ル口語體ト定メラレキ。サレド近年迄、刑法・民法・商法ナド、カタカナ書キ文語體ノ条文ガ殘存スル法規モアリキ。平成ニ入テヨリ順次平仮名書キ口語體表記ニ改メラル。
猶、本稿ハ戦前ノ表記ヲ踏マヘ、歴史的仮名遣且ツ文語體ニテ記シキ。
カタカナイチラン
カンレンタグ
表記ユレ:片仮名