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日本語

にほんご

日本の国語であり、事実上の公用語である。※日本語の方言に関しては当該項目を参照。
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概要

特徴を要約すると「高低アクセントを持つ非声調言語で、開音節が多く閉音節が極めて限定的にしか存在しない、膠着語である言語」である。書き言葉は主に漢字仮名(ひらがな・カタカナ)で構成される。

話者人口はほぼ日本国の人口に等しく1億3,000万人程度と見積もられ、統計にもよるが世界の言語で10位以内に入る。世界的にも十分な実用価値と影響力を持った言語の1つであり、日本で生活する分には日本語しかできなくても生活に困ることはない。日本国外に日本語話者がまとまって居住する地域はないものの、近隣の東アジア諸国を中心に日本語を操れる外国人も少なくないほか、アニメや漫画などのサブカルチャーの分野への関心の高まりから、日本語を母語としない外国人の日本語学習者は増加傾向にある。そのため、「日本語話者=日本語を母語とする日本人」という図式は必ずしも成り立たないことに留意されたい。

表記

文字表記に関して言えば、中国語と並び稀有な「多系統の文字を混ぜて書く言語」であり「漢字を日常的に使う言語」である(韓国語でも漢字を使うが今日では固有名詞以外の表記にはあまり使われない)ことが大きな特徴といえる。ラテン文字とアラビア数字と他の文字体系の混用は他の言語でもよくあるが、日本語は固有文字である仮名ひらがなカタカナ)に中国から導入した漢字を混ぜる。もっとも今のスタイルは色々な変遷を経て確立されたもので、かつては漢字のみで万葉仮名として表記したり、変体仮名や連綿体(続け書き)を用いたり、戦前くらいまでは「漢字+カタカナ」も広く使われていたなど、時代によって書き方はかなり変化している。また、現在では稀な「縦書きと横書きの両方を行う言語」でもある。

起源と系統

日本語は言語系統としては孤立しており、起源については今のところ詳らかではない。韓国語とは発音の相違が大きいものの文法はよく似ており、両言語は朝鮮半島・満州で古代に話されていた百済語・高句麗語・扶余語などと同系統の可能性が高いと指摘される(扶余・新羅語族仮説)が、共有している固有語が皆無に近いことが問題で、日本語以外の古代言語資料の少なさから真相の解明は絶望視されている。アイヌ語については数千年にわたって非常に近いところで話されていたにもかかわらず、語彙の借用以外に関連が見いだせない。

ただし、標準語と差が大きい琉球諸島の伝統的諸方言(ウチナーグチなど)を別言語(琉球諸語)と捉えれば、本土の方言と合わせて「日本語族」と考えることもでき、これらの言語(方言)と本土日本語との類縁関係は明らかである(琉球諸島の言語には日本語で失われた古い文法や語彙が多く残っている)。また、八丈島青ヶ島で話されていた古代東国語の面影を残す八丈方言を別言語「八丈語」とする考え方もある。そもそも、本土における方言差さえ諸外国における同系統の別言語並みに激しい(例えば、比較的似ている富山弁大阪弁の差異さえインドネシア語マレー語のそれ以上に大きいことや、東京弁博多弁の差異はノルウェー語デンマーク語の差異にほぼ匹敵する)こともまた一つの謎である

文の構成もヨーロッパ系言語や中国語などとは全く異なる。ただ、上記の韓国語(朝鮮語)をはじめトルコ語、モンゴル語などの言語と同じ膠着語であり、文法的に似たところも多いので、これらと同系の言語(アルタイ諸語)であるという説もある。

文法

基本的に「主語 - 目的語 - 動詞」の順をとるSOV型の言語である。英語や中国語などメジャー言語にはSVOが多いものの、世界の言語の約半数がSOV型なので、これについては別段珍しい形ではない。

ただ、現在日本で教えられているいわゆる「学校文法」は体系の全く異なる英語を参考に組み立てられたもので、「主語」という概念はそもそも日本語には必要ないという者も少なくない。
「僕はうなぎだ」に代表される「うなぎ構文」はそのいい例で、この文で喋っているのが人間であることを瞬時に理解するのは日本語を母語としない人々にとってかなり難しいと言われる。

この書籍によれば、「名詞文」(アウトだよ!等)、「形容詞文」(ちっちゃくないよ!等)、「動詞文」((3分間)待ってやる等)の3つとのことで、実際話す時は感動詞以外はこの3種類のうちいずれかを必ず使用していることが感じられるはず。
実際主語や目的語とされているものは順序関係なく使っても省いても違和感がないが、上記3文は最後に置かないと倒置的で、多用されると間違いなく違和感を覚えるだろう。日本語に限ったことではないが、現行の文法では不完全なため新たな総括が待たれる。

動詞に「た」を結びつけることで過去形、「たい」をつけることで願望、「れる」をつけることで受け身…のように、基本語彙に様々な語尾をくっつけることで意味を展開する「膠着語」というタイプの言葉である。膠着語には他にフィンランド語ハンガリー語などのウラル語族、トルコ語などのテュルク語族、モンゴル語、朝鮮語などがあり、アルタイ語族やウラル語族も合わせたウラル・アルタイ語族仮説の根拠となっている。日本語における「動詞の活用」は非常に規則的であり、不規則動詞は少ない。さらに、英語の「現在形:go、過去形:went」のように、全く繋がりのない単語に変化する動詞はほぼ存在しない。

単語の借用では古代中国語から漢語の形で大量に単語を導入しており、漢語なしでは表現できる内容が限られる。とはいえ朝鮮語(同じく漢語を導入)や英語(フランス語由来の単語が多数存在)等と異なり、固有名詞以外は借用語無しでも表現にある程度融通が利く(なるべく大和言葉だけで書かれたひらがなの記事を参照して欲しい)。もっとも、固有語とされる単語(大和言葉)でも中国語との類似が指摘されており、漢字伝来前にも中国大陸からかなりの語彙が入っているものと目されている。

発音

ほとんどの音節が母音で終わる開音節言語で、子音で終わる閉音節は「ん」と「っ」がつくもののみに限られる。このため、日本語の母語話者は子音を子音のみで発音することに不慣れな者が多く、外国語を喋っても通じないケースが多い一因となっている。

母音は(基本的に)5種類と多くはなく、子音も難解なものはあまりないので、発音はやさしい部類である。が、モーラ(拍)が極めて重要であり、これを苦手とする外国人は多い。モーラというのは「ん」や「っ」、長母音を含めてそれぞれを一拍とするリズムの取り方で、日本語ではこれを意識して重子音「っ」や長母音が含まれる言葉を正しいテンポで区別しなければならない。
日本の人気番組『笑点』でかつて、「世の中は 一つつまるの 違いにて おかずはアサリ 味はアッサリ」という川柳が紹介されたことがあるが、この「アサリ」と「アッサリ」は音が「A/SA/RI」と同一にも関わらずテンポが異なるため別の意味の言葉として処理される。日本語話者は全く気にせず使い分けているが、実はかなり器用なことをやってのけているのだ。

重子音や長母音を含んだモーラの概念が重要な言語としては他にウラル語族フィン・ウゴル語派フィンランド語がある。日本語とフィンランド語は歴史上の接点がほとんどなく共通の語彙が少ない言語なのに響きが妙に似ており、「一見日本語のようだがわけのわからないことを話している」ように聞こえ、空耳のネタになることが多い。

声調は定義されているわけではないのでどのような抑揚をつけてもよいが、「日本語として響きが良い声調」は暗黙に存在する。
同一単語でも場合によって響きが良い声調が異なり、例えば「長野」を単独語で用いる場合は後ろは下がり調子に呼んだ方がよく、「長野県」など後ろに接続させる場合であれば逆に先頭を下がり調子にした方がよいとされる。

表記

文字の種類

日本語は、発音こそ優しい部類に入るが(数学者であるピーター・フランクルは日本移住に際し「話すだけなら2年で十分」という前評判を聞いた上でマスターした)、表記については、かなり複雑な言語である。
日本語が母語であっても、学校のカリキュラムに於いて漢字の習得には9年以上かけている。また後天的に日本国籍を取得する場合においても漢字の識字能力が求められるが、小2レベルとかなりハードルを下げているのは難解さの表れとも言える。
文字は主にひらがな、カタカナ、漢字を使い、また漢字も中国の今昔の発音が共存し、訓読みもあって読み方が多数ある。
このため、日本語の漢字は漢字を使い慣れた中国人にとっても頭痛の種である。ひらがな、カタカナに限定すれば、いくつかの例外(「は」を、位置によって「わ」と読むなど)があるものの、基本的には1文字につき1発音である。しかし、漢字は、文字自体が多数あって習得が難しい上に、1つの文字につき、複数の読みがあるのが多く、非常に難解である。また、漢字のあとに付属させる「送りがな」も、厳密に決まったルールがなく、例えば「あかるい」は「明い」「明るい」「明かるい」の全てが、厳密に言えば間違いではない(学校のテストでは、正解は「明るい」となる場合が多いが)。

「うp主」等複数の種類の文字を一単語内に平然と織り交ぜ、一文字に2音節以上の発音を充てる言語は世界広しといえど日本語くらいしかない(「志」一文字で訓読みには5音節もある)。かつて、朝鮮語やベトナム語などでは、似たような漢字の使い方をしていたが、これらの言語は漢字をほぼ廃している。またこれらの国の漢字には音読みしかなかった。
というか、言語学的に見た場合日本語の表記は表音文字と表意文字を当たり前のように同時に使いこなすというとんでもないことをやってのけているのである。絵文字文化が世界的に浸透し始めてきたが、この絵文字を漢字として日本語の文中に混ぜて使ってきたのが日本語と考えると分かりやすいだろうか。

古くはひらがな、カタカナともに異体字が複数あった(変体仮名)。カタカナの異体字は早い時期に姿を消したが、ひらがなの異体字も明治期に活版印刷が普及したために複数のかな書体を使う意味が薄れ、国語改革によって整理された。しかし、あえて古い雰囲気を出すために、日本料理店の看板などに使われることはある。

識字

日本語の複雑怪奇な表記体系は外国人にとっては難題であるが、古くから日本人の識字率は高かったことが知られている(このことから、「文字数が多い日本語は不合理」と考え日本語改革を進めていたGHQは最終的に日本語のローマ字化を断念したという)。アルファベットを使用している人には馴染み深い「難読症」は日本ではかなり少ない(全くいないわけではない)。ただし、文字は読めても、その意味を正確に理解することが出来ない、いわゆる「機能的非識字」は、それなりの数が存在する(一説には、日本の中学生の15%がそれに該当するという)。日本が他国に比べて機能的非識字が多くはないが、少ないわけでもない。一応、かな文字だけなら発音の乖離が少なく、拗音を除き一文字一音節なので習得はさほど困難ではない。

なお、脳が外傷を負うことで文字が読めなくなる症例がある。アルファベットを使う言語の話者なら当然「文字が読めない」の1通りしかないが、日本語話者の場合は「漢字だけ読めない」「仮名だけ読めない」の2通りが加わる。このことから、漢字と仮名では脳が処理している場所が異なるという仮説が立てられており、この特性が、漫画の構成展開(吹き出し⇔仮名、絵⇔漢字)に良影響を及ぼしているという指摘があるとか。恐らくは先述した「表音文字・表意文字の併用」がそのような影響を与えているものと思われる。

分かち書き

日本語は、文の区切りにおいて空白で区切る、いわゆる「分かち書き」を基本的に行わない。なお、分かち書きはあくまで記法であり、そこで区切って読むのは誤り。⇒リンキング

文の区切りは、「、」や「。」などの句読点で示す。文の終りを示す「。」は、かなり厳密に記されるが、文節の区切りを示す「、」は、特に決まったルールなどはなく、書いた本人の感性に委ねられる事が多い。なお、句読点は明治辺りになって初めて導入されたものであり、それ以前の文章は句読点も無しに延々と書かれていた。古文の1文がやたらと長いのはこのせいである。
句点が厳密なのは、そこに「終止形」と呼ばれる文末特有の語句形態がつくからであり、古文に便宜的に句読点がつけられるのもこの終止形の存在があってこそである。つまり、日本語は空白ではなく語形で文末を規定する言語なのである。

また、漢字、ひらがな、カタカナのような文字の種類の違いも、文の区切りとして機能する。

分かち書きをしない言語は世界的にみて少数派である。他の言語では、中国語タイ語、ミャンマー語などが分かち書きをしない(タイ語では文章中に空白が入ることがあるが、これは日本語で言うところの句読点に近い。単語ごとに空白を入れる事はしないので、分かち書きとは言えない)。

余談

日本語には「1文だけで話者の身分や年齢、性別、状況まで推測できる」という特徴もある。
一人称の多さ(私、僕、俺、おいらなど)もさることながら、例えば語尾に「わ」や「よ」などがついていれば女性の可能性が、「ぞ」や「ぜ」などがついていれば少年の可能性が高い。敬語を使っているのであれば聞き手に対して身分が低いか、大勢に対して話しているかという推測が成り立つ。
付け加えて言えば、方言差が著しいために一人称やイントネーションからおおよその出身地まで予測できる。「なまら」「べこ」「車校」「さくば」「がばい」「あとぜき」など、使用頻度が比較的多い基本的な語彙にさえごく狭い地域のみで用いられる特有の単語が多数あるため、例え標準語で会話していても時折口を突いて出てくるお国訛りからすぐに出身都道府県までわかってしまうことも珍しくはない。

関連タグ

言語 言葉 会話 方言
日本 国語
ひらがな カタカナ
手話:日本の聾者の多くは日本語ではなく日本手話を母語とする
アイヌ語:かつて日本(の一部)で話されていた言語

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