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概要

言語をその起源に基づいて系統別に分類したグループの一つで、印欧語族ともいう。元来はインド亜大陸から中東ヨーロッパにかけてこのグループの言語が分布していたが、大航海時代以降ヨーロッパ諸国が世界各地に進出した結果、現在では世界ありとあらゆる地域でこの系統の言語が話されている。

起源については学説により意見が割れているが、クルガン説(現在のウクライナあたり発祥)とアナトリア仮説(現在のトルコにあたる場所が発祥)が存在し、そこから欧州・中東・インドへ伝播して数千年かけて分岐進化していったとみられている。

ヨーロッパの主要言語の大半はこれに属する。ただし全てというわけではなく、欧州諸国の公用語で印欧語族に属さない例としてはウラル語族のフィンランド語エストニア語ハンガリー語やアフロ・アジア語族のマルタ語がある。

小分類

インド・ヨーロッパ語族に属する言語は、更にその系統の近縁性から以下のような語派に細分化される。
イタリック語派
イタリア語フランス語スペイン語ポルトガル語ルーマニア語など
イタリア半島に起源を持つ言語のグループで、いわゆるラテン系の言語。現在は主に南欧とその影響下にあった旧植民地に分布する。ルーマニア語は現在スラヴ語派が多数派の東欧において例外的にこの系統である。
現存するものはすべてラテン語から派生したものだが、これはローマ帝国の前身にあたる共和制ローマの拡大に伴ってラテン語が各地に普及し、ラテン語以外のイタリック語派の言語はそれによって淘汰されたからである。
一般に「アルファベット」として知られるABC...という文字はラテン文字あるいはローマ字とよばれ、元々は彼らが編み出したものである。

ゲルマン語派
ドイツ語オランダ語英語デンマーク語スウェーデン語ノルウェー語など
現在でいうドイツ北部あたりが起源とされる言語のグループ。現在では中欧から北欧にかけて分布するほか、旧英領・蘭領を中心に世界中に伝播している。
かつてはルーン文字という独自の文字を用いていたが、現在ではラテン文字に取ってかわられている。古い形を色濃く残すアイスランド語では、ラテン文字を使用しながらもルーン文字が1文字だけ現役である(ソーン þ という文字で、歯摩擦音つまり英語で言うTHの音を表す)。また、ラテン文字の中でも「W」に関しては英語(アングロサクソン人)によって新しく追加された文字である。本家本元のイタリック語派の言語にWがあまり出てこないのはこういう背景による。

ケルト語派
アイルランド語スコットランド・ゲール語ウェールズ語マン島語コーンウォール語ブルターニュ語など
現在でいうオーストリアあたりが発祥とされ、かつては西ヨーロッパで広く話されていた言語のグループ。印欧語族の中で最も早く欧州西岸に到達したグループで、ロンドンパリなど各所の地名の語源ともなっているが、後続のゲルマン語派やラテン語派に追われ、今となってはブリテン諸島やブルターニュ半島にマイノリティ言語として伝わるのみとなっている。唯一アイルランド語のみ一主権国家の公用語の地位にあるが、実際の会話にはほとんど英語が使われている。
オガム文字という独自の文字を用いていたが、ゲルマン語派同様、ラテン文字に移行した。

【バルト・スラヴ語派
スラヴ語派:ロシア語ウクライナ語ポーランド語チェコ語セルビア語クロアチア語ブルガリア語など
バルト語派:ラトビア語リトアニア語
現在でいうウクライナベラルーシあたりが発祥と目されているグループ。現在では中欧(チェコスロバキア)から東欧バルカン半島に分布するほか、ロシア/ソ連によって中央アジアシベリアにまで伝播している。
ロシア語をはじめ、ブルガリア発祥のキリル文字を使う言語が多いが、ポーランド以西や旧ユーゴスラビアではラテン文字を使うものも多い。
バルト語派とスラヴ語派は別であるとする主張もあるが、これはバルト諸国がソ連から独立したという経緯による政治的主張が多分に含まれており、学術的には同じあるいは極めて近いグループだと位置付けられている。

【ヘレニック語派】
エーゲ海沿岸に起源を持つ言語のグループ。諸説あるものの、現存する言語でこれに属するのはギリシャ語のみである。隣接するアルバニア語派とは近い関係にあることが指摘されているが、同じ語派とまでは分類されていない。
数式でおなじみのギリシャ文字を言語の表記に使う。

【アルバニア語派】
バルカン半島南部で話される言語のグループ。標準アルバニア語と、周辺諸国のアルバニア系少数民族の言語がいくつか含まれる。一説には古代バルカン西部に住んでいたイリュリア人の言葉の生き残りとされるが、肝心のイリュリア人が用いていた言語についての情報がほとんどない事から立証も反証もできずにいる。
長らく文字は持っておらず、15世紀になって初めてラテン文字により文字表記された。その後オスマン帝国の領土となりアルバニア人の多くがイスラム教に改宗したことで一時はアラビア文字表記もされたが、現在ではラテン文字に戻っている。

【アルメニア語派】
アナトリア半島東部に起源を持つアルメニア語だけで形成される。これは他の同語派の言葉が淘汰されて無くなったということではなく、アルメニア語は印欧祖語から他のいずれとも違う特殊な分岐進化をしたと考えられているために単独で独自の語派とされている。
アルメニア文字という独自の文字を持ち、現在でも用いている。

インド・イラン語派
インド語群:サンスクリット語ヒンディー語ウルドゥー語ベンガル語シンハラ語など
イラン語群:ペルシャ語タジク語ダリー語を含む)、クルド語オセット語など
発祥地からみて欧州とは反対方向に伝播した言語のグループ。イラン語群はイラン・タジキスタン・アフガニスタンにかけて、インド語群はさらにその先のパキスタンインド北半・スリランカにかけて分布する(インド南半は印欧語族ではなくドラヴィダ語族が分布している)。
文字は梵字から派生したデーヴァナーガリー文字や、イスラム教の伝播によりもたらされたアラビア文字など、それぞれの言語で異なったものを使っていることが多く、一概にこれとは言えない。中にはタジク語のようにソ連に組み込まれた影響でキリル文字を使うものもある。

以上の他には、現在のトルコに分布していたアナトリア語派と、現在の新疆ウイグル自治区に分布していたトカラ語族が存在したが、これらは既に構成言語が全て死語となって消滅しており、現在ではいずれもテュルク語族(トルコ系民族)の分布域となっている。

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