イタリック語派
いたりっくごは
インド・ヨーロッパ語族の語派(サブグループ)の一つ。
主に西欧や南欧といったラテン人国家において用いられる他、大航海時代以降スペイン・ポルトガル・フランスが大規模に世界進出した結果として、両アメリカ大陸(主にカナダの一部地域と中南米)のように日常的にイタリック語派に属する言語が用いられている地域や、アフリカのように第二言語としてのイタリック語派に属する言語の使用が盛んな地域が広がっている。
また上述の大航海時代以降の世界進出のみならず、古代ローマ帝国や中世フランス王国などの有力国家の存在やラテン語を典礼言語としていたカトリックの存在などもあり、ラテン語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語を由来とする語彙も中の言語の中に散見される。
太古にはオスク語、ウンブリア語、ファリスク語など様々な言語が用いられていたが、ローマによるイタリア半島統一後はローマの言葉であるラテン語のみが生き残った。現在用いられているイタリック語派に属する言語は、ラテン語およびラテン語の口語方言から派生した言語(ロマンス諸語)のみとなっている。
古代語を含めるとオスク・ウンブリア語派とラテン・ファリスク語派の2分類が用いられる。一方、現存するラテン語以外の言語(=ロマンス諸語)の分類としては(政治が絡んでくる部分も多分にして存在するので全会一致の分類は確立されていないものの)おおむね西・南・東・島嶼の4グループの分類が用いられる。ここではラテン語とロマンス諸語のみについて言及する。
ラテン語
詳細は当該項目を参照のこと。
南ロマンス語
イタロ・ダルマチア諸語とも。イタリア半島のトスカーナ州・マルケ州以南、および(サルデーニャ島を除く)周辺の島々で用いられる言葉。トスカーナ語(≒標準イタリア語)、コルシカ語、ナポリ語、シチリア語などが該当。
島嶼ロマンス語
現在ではサルデーニャ島で話されるサルデーニャ語のみが該当。