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サンスクリット語

さんすくりっとご

サンスクリット語は古代から中世にかけて、インド亜大陸や東南アジアにおいて用いられていた言語である。
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概要編集

梵語(ぼんご)とも呼ばれる。


ヒンドゥー教仏教シーク教ジャイナ教の礼拝用言語であり、キリスト教圏におけるラテン語よろしく、宗教的な面で多大な影響力を持つ。仏教文化圏である日本にももちろん少なからぬ影響を及ぼしており、経典や宗教用語(そこから意味が転じた単語を含む)など、サンスクリット語由来の借用語は日本語にも一定数みられる。

例えば密教で唱えられる真言(玄奘般若心経における「羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶」のような、呪文として唱えられる部分)は、サンスクリット語を基にした当て字である。


元々サンスクリットは文字を持たない言語であり、古くから各地の民衆語(プラークリット)を表すための様々な文字体系を応用して記されてきた。このうち北インドでは6世紀頃にサンスクリットを書き表すための文字としてシッダマートリカー文字(梵字)が使われるようになり、その後少なくとも9世紀頃にはこの梵字をもとに現在一般的に用いられるナーガリー文字が確立した。

日本では仏教伝来の頃に用いられていた梵字がサンスクリットの表記用として定着しており、サブカルチャーでも『天空戦記シュラト』などの密教系バトルマンガでは常連(魔法ものにおけるルーン文字と同じ扱い)となっている。


現在でも一応は死語ではなく、現代のインドの憲法でもきちんと公用語として規定されている言語の一つである。また、実際にインドネパール両国における国勢調査では(人口に対する割合としては極めて少数なものの)2ヶ国の合計で2万5千人ほどが母語話者であると回答している。彼ら全員が本当に日常的な言語としてサンスクリットを話しているのか、宗教的な理由などでそう答えているのかは疑問視する声もあるが、少なくとも宗教的・学術的な場面では今尚生きている言語であり、サンスクリット語によるTV番組や、サンスクリット語で教育を行う大学なども存在している。


サンスクリット語が由来になった言葉編集

単語語源
アバターअवतार(ヴィシュヌ神の化身)に由来。
韋駄天(天部または素早い様)स्कन्द(Skanda:軍神)が音訳された際に誤記が広まったもの。
閻魔यम(インド神話冥界神)に由来。
釈迦शाक्य(ブッダの出身部族)に由来。
シャリ(酢飯)शरीर(Śarīra:仏舎利)に由来。
ゼウスद्यौस्(天空の神)と同一起源とされる。
ディーバ(歌姫)देव(インド神話の神族)。ラテン語の「デウス」と語源は同じ。
旦那दान(お布施)に由来。
ダルマधर्म(法の神)から派生した名前達磨大師に由来。
/卒塔婆स्तूप(高く聳えるもの)に由来。
奈落नरक(Naraka:地獄)に由来。
涅槃निर्वाण(炎が消された)に由来。
ヒマラヤ山脈हिमालय(雪の住処)に由来。
魔羅(アレの事)मार(煩悩を司る魔王マーラ)に由来。
摩訶महा(Mahā:偉大)に由来。
マハラジャमहाराज(偉大な)の意味。「マハー」バーラタナーガ「ラージャ」も語源は同じ。
マハーカーラमहाकाल(Mahākāla:偉大な時間//暗黒)の意味。
伽羅काल(Kāla:)として「कालागुरु(黒沈香)」の略が転じたとされる。
ヨガयोग(伝統的な修行法)に由来。
瑠璃वैडूर्यの略語。ベリリウムとは語源が同じ。

主な単語編集

自然編集

意味カナ表記ローマ字表記サンスクリット語表記備考
アグニ / バーラタ / プルトゥ / ハリ / ヤジュニャ / ティールタ / サララAgni / Bharata / Prthu / Hari / Yajna / Tirtha / Saralaअग्नि / भारत / पृथु / हरि / यज्ञ / तीर्थ / सरल
アプ / ジャラ / パーニーヤAp / Jala / Paniyaअप् / जल / पानीयアプサラスは水の中で動くものの意。
ヴルスティ / ヴァルサーVrsti / Varsaवृष्टि / वर्षा
ヒマHimaहिमヒマラヤは雪の住居の意。
ヴァジュラVajraवज्रヴァジュラは雷神インドラの武器として有名。
メーガMeghaमेघメーガナーダは雲の咆哮の意。
雨雲パルジャニヤParjanyaपर्जन्य
雷雲アブラAbhraअभ्र
太陽スーリヤ / ラヴィ / アーディティヤSurya / Ravi / Adityaसूर्य / रवि / आदित्यスーリヤアーディティヤ神群に属する太陽神として有名。
チャンドラ / ソーマChandra / Somaचन्द्र / सोमチャンドラは月神、ソーマは月と酒の神として有名。
ナクシャトラ / ターラーNakshatra / Taraनक्षत्र / तारा

場所編集

意味カナ表記ローマ字表記サンスクリット語表記備考
サムドラSamudraसमुद्र乳海撹拌のことはサムドラ・マンターナという。
ナディー / スロータスNadi / Srotasनदी / स्रोतस्
サラスSarasसरस्
パルヴァタParvataपर्वतパールヴァティーは山の娘の意。
火山アグニパルヴァタAgniparvataअग्निपर्वत
ウパティヤカーUpatyakaउपत्यका

生き物編集

意味カナ表記ローマ字表記サンスクリット語表記備考
マツヤ / ミーナMatsya / Minaमत्स्य / मीनマツヤヴィシュヌの化身として有名。

関連タグ編集

インド 南アジア 東南アジア

インド神話 仏教

言語

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