概要
『リグ・ヴェーダ』10巻第70編ではアディティには八人の息子がいる、と語られている。
ヴェーダ時代は7、8人であったが、プラーナ聖典、ブラーフマナ文献が書かれた時代には12人とされるようになった。
ちなみに単数形の「アーディティヤ」は太陽を指す語であり、太陽神スーリヤの別名である。
彼はプラーナにおけるメンバーの一人ヴィヴァスヴァットと同一視され、『シャタパタ・ブラーフマナ』ではメンバーとして記されている。
ヴェーダ
ヴァルナ、ミトラ、アリヤマン、バガ、アンシャ、ダクシャ(ダトリ)、インドラ、ヴァーユ
アーディティヤ神群全員への賛歌ではインドラ、ヴァーユ以外が登場する。インドラとヴァーユである事は他の賛歌で説明される。例えば上述の『リグ・ヴェーダ』10巻70編では「マールタンダ(ヴァルナ)」が、2巻27編ではインドラがアディティの子である事が語られている。
プラーナ
『バーガヴァタ・プラーナ』では、メンバーはヴァルナ、ミトラ、アリヤマ(アリヤマン)、バガ、アンシュマン、ダタ(ダトリ、ダクシャ)、インドラ、プラジュニャー、トヴァシュタ(トヴァシュトリ)、ヴィシュヌ、プーシャ(プーシャン)、ヴィヴァスヴァン(ヴィヴァスヴァット)。
『リンガ・プラーナ』ではプラジュニャー(神名は智恵を意味する語で仏教の「般若」の語源)がサヴィトリになっているが他のメンバーは同じである。
アンシュマンはヴェーダ時代のアンシャと語感が似ており、『ヴィシュヌ・プラーナ』ではアンシュマンの替わりにアンシャがメンバーとされている。
プラーナ文献ではヴィシュヌがアーディティヤ神群のリーダーとされる。『バガヴァッド・ギーター』でもその扱いである。
シャタパタ・ブラーフマナ
ヴァルナ、ミトラ、アリヤマン、バガ、アンシャ、ダトリ、インドラ、サヴィトリ、ヤマ、スーリヤ、ダクシャ、ラヴィ
人数が同じ12人であるプラーナと異なりヴィシュヌ、プーシャン、トヴァシュトリが居らず、替わりにヤマとラヴィがメンバー入りし、ヴェーダでは同じ神の名であるダトリとダクシャが別個の神格となっている。ラヴィは「太陽」の意味でスーリヤの別名として扱われる事も多い。