曖昧さ回避
- 『インド神話』に登場する神。本項で解説。
- 『女神転生シリーズ』に登場する悪魔(仲魔)。本項で解説。
- 『ファンタシースターオンライン2』に登場するキャラクター。⇒偽の女神ミトラ
- 『キングスレイド』に登場するキャラクター。⇒ミトラ(キンスレ)
概要
インド・イラン共通時代に起源を持ち、この宗教文化より分裂したヒンドゥー教(バラモン教)、ゾロアスター教双方で聖なる存在とされる。
ゾロアスター教聖典アヴェスターではミスラ表記で登場し、中級神霊ヤザタの一人である。時代がくだって現れたパフラヴィー語ではミフルと呼ばれた。
紀元前14世紀のミタンニ・ヒッタイト条約文ではヴァルナ、インドラ、ナーサティア(アシュヴィン双神)、アグニと共に言及されている。
地中海世界ではギリシャ語形のミトラスの名で信仰された。バラモン教ともゾロアスター教とも異なる信仰の在り方は「ミトラス教」「ミトラ教」と呼ばれる。
仏教における弥勒菩薩(マイトレーヤ、メッティヤ)は名前が似ており、ミトラが語義に持つ「友」を意味としている。
このことから弥勒菩薩信仰がミトラ信仰の影響を受けたとする説もある。
薬師の使いである十二神将にもカウントされており、こちらでは「迷企羅大将」(めきらたいしょう)と呼ばれる。対応する干支は寅であり、虎頭の武人としても表される(場合によっては酉があてがわれる事も)。
『インド神話』のミトラ
契約とそれを結んだ「盟友」たちの守護神であり、友情と和合を司る神でもある。
天則を司る存在として、ヴァルナ、アリヤマンと共に掟を破った者に罰を与える。
ヴァルナと共に「アスラ」と呼ばれ、アスラの魔神化が進む『アタルヴァ・ヴェーダ』においてもそうである。
『リグ・ヴェーダ』においてヴァルナ・ミトラは「神々の中のアスラ」と称され、最も優れた「アスラ力」を持つという。
ミトラは太陽神であり、スーリヤ同様「アーディティヤ」とも呼ばれる。ヴェーダにおいては女神アディティの子「アーディティヤ神群」の一人。
アーディティヤ神群にはゾロアスター教側で悪魔ダエーワとされるインドラも含まれており、インド・イラン系宗教の東西分裂前の信仰の様子がうかがわれる。
『女神転生シリーズ』のミトラ
初出は『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ』で、種族は「魔王」。
『真・女神転生Ⅱ』では神将として十二神将におけるミヒラが登場。
『真・女神転生Ⅲ』ではシジマの幹部として登場。この時の種族は「魔神」。
『デビルサマナー ソウルハッカーズ』や『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』では魔王ミトラス、堕天使ミスラ名義で登場。
『真・女神転生ⅣFINAL』ではミロク菩薩が変異してミトラ菩薩となった。
『真・女神転生Ⅴ』での種族は「魔神」。
一般によく知られるデザインは蛇が絡まった獅子人のような姿をしている。これはミトラス教の神像とされる獅子頭の像がモチーフとなっている。しかしながら、この像が本当にミトラを指すかは疑問が残る所であり、アイオーン、アリマニウス(ゾロアスター教のアンラ・マンユ)という説もあったりする。