概要
無限の大女神アディティの息子たち「アーディティヤ神群」の一柱である。
『リグ・ヴェーダ』ではアーディティヤ神群の一人ではなかったものの、単数形で「アーディティヤ」と呼ぶ場合、それはスーリヤの異名であった。
後にヴィシュヌ等と共にアーディティヤ神群に加えられた。
空を遍く照らす日光の要素が強く反映された太陽神で、司法神であるヴァルナやミトラの「眼」として下界を監視し、地上の人間全員の行いを漏らさずチェックする。
太陽の熱も象徴されているのか、火神アグニの別名「ジャータ・ヴェーダス」とも呼ばれる。
アグニもまた「裁く神」としての性質を持つ神である。
地平線から太陽が姿を現す時、彼は夜の闇を追い払い、生き物たちに力を与える。
日の出の太陽を象徴する事から、同時刻に活躍する暁の女神ウシャスとの繋がりも深い。
『リグ・ヴェーダ』ではウシャスの後にスーリヤが現れるのを「若い娘を若い男が追っかける」様子になぞらえている。
このためか、ウシャスがスーリヤの正式な妻とする説もある。
チャリオットが存在する文化の太陽神らしく、彼も戦車に乗る。彼が乗る戦車を引くのは七頭の栗毛の牝馬たちである。
別の太陽神ヴィヴァスヴァットと同一視される事もあり、その場合ヤマ(閻魔)の父ということになる。
仏教にも取り入れられ、漢訳仏典では「日天」と呼ばれる。ウシャスがモデルとされる摩利支天を眷属としている。
家族関係
妻:サンジュニャー、チャーヤー、ラグイー、プラバ、ウシャス
サンジュニャーはヴィヴァスヴァットの妻として『ヴィシュヌ・プラーナ』に登場する。チャーヤーは同プラーナの説話においてサンジュニャーが自身の影として作り出した分身のような存在。
カルナは『マハーバーラタ』でパーンドゥ王の后クンティーにマントラ(真言)の力で授けた子。スグリーヴァは『ラーマーヤナ』に登場するヴァナラ(猿)族の王の后との子。医神であるアシュヴィン双神は『ヴィシュヌ・プラーナ』ではヴィヴァスヴァットが馬の姿でもらした精液から生まれた。馬の姿の妻が産んだとするプラーナもある。
ちなみにこのアシュヴィン双神は、同作において息子カルナの異父弟達であるパーンダヴァ5兄弟のうち、ナクラとサハデーヴァ兄弟の父となる。(母はクンティーの妹であるマードリーなので、カルナからすると従兄弟かつ甥にあたる)
創作での扱い
アルカナ「太陽」のペルソナとして登場。
なお有名な神ではあるが、女神転生シリーズでは外伝作を含め悪魔として登場したことは一度も無い。
2部4章にて、とあるサーヴァントの霊衣に混ざった神性の一つとして登場。