曖昧回避
- インド神話に登場する女神。本項で解説
- デジタルデビルサーガに登場する悪魔。本項で解説
- MSX2で発売されたゲーム
- 3×3EYESのキャラクター。⇒ウシャス(3×3EYES)
インド神話のウシャス
ウシャスは「リグ・ヴェーダ」に登場する暁の女神。名は『輝く』という語根“us”にちなみ、ギリシャ語の『エオス』、ラテン語の『アウローラ(オーロラ)』と同一の語源を持つ。
ディアウスとプリティヴィーの間に生まれ、姉は夜の女神ラートリーで、恋人に太陽神スーリヤ(または火神アグニ)を持つ。
ウシャスは曙の神格化であり、彼女は毎朝太陽に先立って東の空から現れ夜の闇を追い払う。そして自身の生みだす光によってすべての人間や動物を目覚めさせて活動をうながし、神々への祭祀を始めさせる。ただしウシャスのもたらす光は老いの源であり、浴びた者たちから一日分の若さを吸収していく。
天を駆けるウシャスは赤い馬、あるいは牛の引く車(暁に輝く雲の表現)に乗り、それをスーリヤ(日の出)が追いかける。そしてスーリヤがウシャスに追いつき強く抱きしめると彼女は消滅し、次の日の朝に再び生まれるといわれる。ウシャスは年老いた存在ながら、日々消滅と誕生を繰り返すために若く美しい姿なのである。
ウシャスは若い女性の姿をしており、リグ・ヴェーダの中で赤色の衣装と金色のヴェールをまとう花嫁として描写され、図像では宝石で身を飾ったり水浴びをしている美女として書かれる。
デジタルデビルサーガのウシャス
赤と緑の二色が交互に配された体色の女性的な姿で、脚部に鋸刃状のプロテクター、頭頂部から伸びる髪のような触手を持つ。なおエンブリオンメンバーのアートマよりも背が高く、変身前のジナーナと比べて軽く二倍近い身長を持つ。
戦闘ではほどいた触腕を伸ばして通常攻撃に用い、ウシャス専用スキル“セラフィックロア”では頭上に触腕で円を形作り強力な光を生みだす。
また“地獄突き”の攻撃モーションは脚部プロテクターをドリル状に畳んで突貫するものである。
作中では『飢え』によって正気を失ったジナーナが変身し、サーフたちの前にその姿を初めて現す。
破魔・魅了属性スキルや単体と全体それぞれに対応した物理攻撃に加え、地変属性以外の基本属性ダメージを二割減退する防御耐性のため力押しが通じにくい相手である。
また“セラフィックロア”は最大HPの80%の割合破魔ダメージをもたらす凶悪な性能で、増援の攻撃も含めて対応を誤ると一気に形勢を逆転される。
「デジタルデビルサーガ2」ではアルジラが終盤に取得する“セラフィックロア”使用時にのみ姿を見せ、プリティヴィーと背中合わせに立ったウシャスが触手を振るって閃光を励起するという二人を中心に回転するカメラワークも手伝って熱い使用になっている。
五代ゆう著の「クォンタムデビルサーガ」にも上位アートマとして登場。
他のアートマが軒並みゲームと似た姿で表現されているのに対し、腰部の翼状の機構、黄白色の光沢を持つ肌、触手が髪に置き換わっているなどイメージに相違がみられる。
一本一本が触れる物を貫通・寸断し溶解させる長大な髪と、光刃を放つ翼状の機構を用いて攻撃を行い、また髪を展開させることで敵の攻撃を無効化する絶対防御を構築することも可能である。
戦闘に特化したアートマの中でもウシャスの能力が持つ破壊力は高い水準にあり、カルマ協会が開発した人工アートマアルダーのプラズマ操作能力はウシャスの発展形とされる。