×アイアンアント
○アイアント
基礎データ
全国図鑑 | No.0632 |
---|---|
イッシュ図鑑 | No.194 |
マウンテンカロス図鑑 | No.106 |
ガラル図鑑 | No.316 |
ローマ字表記 | Aiant |
ぶんるい | てつありポケモン |
タイプ | むし / はがね |
たかさ | 0.3m |
おもさ | 33.0kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
とくせい | はりきり / むしのしらせ / なまけ(隠れ特性) |
タマゴグループ | むし |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | アイアント | iron(英語で鉄)+ant(英語でアリ) |
英語・スペイン語・イタリア語 | Durant | durable(丈夫な)+ant(アリ) |
ドイツ語 | Fermicula | ferrum(ラテン語で鉄)+formīca(ラテン語でアリ)+-ula(ラテン語で指小辞) |
フランス語 | Fermite | fer(鉄)+Termite(シロアリ) |
韓国語 | 아이앤트 | 日本語名の音写 |
中国語(簡体字) | 铁蚁 | 铁(tiě、鉄)+蚁(yǐ、アリ) |
中国語(繁体字) | 鐵蟻 | 鐵(tiě、鉄)+蟻(yǐ、アリ) |
ロシア語 | Дюрант | 英語名の音写 |
タイ語 | ไอแอนท์ | 日本語名の音写 |
図鑑説明
ポケットモンスターブラック
はがねの よろいを みにまとう。てんてきの クイタランの こうげきを しゅうだんで ふせぎ はんげきする。
ポケットモンスターホワイト
やまを ほって すあなを つくる。ふくざつに いりくんだ トンネルは アイアントが つくった めいろだ。
概要
『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』より登場した、意外にもアリそうでなかった初の蟻ポケモン(アリアドスは、それっぽい姿の蜘蛛)。
名前の由来も「Iron(アイアン、鉄)+Ant(アリ)」とそのまんま。
実際のアリ社会に置いてほとんどの個体はメスなのだが、こちらはオスメスの割合が共に50%という男女平等社会になっている。この点はハチをモチーフとしたスピアーも同じか。
しかも役割分担を的確に行える程の結束力、そして岩石をも砕く大顎を武器にクイタランを追い払って見せるのだから、チームワークは並並ならぬものである事が窺える。
ちなみに女王がいないアリは原始的なアリらしい。次回作では女王アリ的なポケモンに進化する可能性もある。
その際は♂にも進化系ができることを願いたい。
アリクイモチーフのクイタランが天敵とされているが、最近はサダイジャも巣の奥深くにある卵を狙う事が判明している。こうした食欲旺盛な奴らを前によく絶滅しないなというツッコミたくなるが、現実のアリ同様に繁殖力が捕食圧を上回っているのだろう。
また、具体的にクイタランの攻撃を防ぐ方法が判明していないが、ポケモン空想科学読本では、クイタランの火炎を尻を上げて受け止めるターゲット役(フライパンと似た原理で溶けない)がいて、実働部隊がクイタランに痛手を負わせるという仮説を提唱している。流石にこんな防御方法が成功しすぎるとアイアントの数が増えすぎて生態系に影響が出る事も指摘されているが、そうなっていないということは、防衛の成功率とクイタランの捕食能力のバランスがとれているのだろう。
「鉄のアリ」という発想にはドラクエのアイアンアントという名前そのままな先駆者がいるほか、古典にまで目を向ければ、仏教の地獄における、獣姦を犯した者が送られる朱誅処で死者に罰を与える鉄の蟻が存在する。昆虫のメタル化というのは案外王道なアイデアなのかもしれない。
現実にも体表が銀ピカのアリ『サハラギンアリ』が存在し、熱を反射する為にこの姿に進化したという。しかし、長時間太陽光に晒されると死んでしまうらしく、餌探しに一度でも迷ったら避暑の為に巣に戻ってしまうのだとか。
ゲームでの特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
58 | 109 | 112 | 48 | 48 | 109 | 484 |
弱点がほのおしかないむし/はがねの複合タイプで足が速く、はがねタイプのメガシンカしていないポケモンの中ではアローラダグトリオについで速い2位タイの種族値109を誇る。攻撃も109と高く、HPは低いが防御も112あるので物理攻撃に対しては意外と堅い。反面、特防は48と非常に柔らかく、特殊技に関しては半減であっても耐えられない事もある。明確な強みと弱点がハッキリしていると言えるだろう。
以上の理由から、初登場の『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』ではシナリオクリアを目指すうえでの要注意ポケモンの一角だった。出現場所は「チャンピオンロード」の洞窟部のみなのだが、俊足のため逃げるのが難しく、100を超える攻撃種族値からの一撃で並程度の物理耐久ならば粉砕、防御種族値も100超えなので炎タイプ以外の攻撃ならば一撃で落とすのは困難、天敵のほのおタイプもじめんタイプの「あなをほる」で返り討ち…という有様で悉くプレイヤーをポケセン送りにしていった。もっとも、イッシュ地方の四天王は半数がむしタイプを苦手とするうえにラスボスの切り札にも刺さるため、ゲーム終盤の即戦力としては大いに期待でき、捕まえても損はないのだが…。
覚える技は威力が高いものこそ少ないがバリエーションが豊かであり、「いわなだれ」「シザークロス」「アイアンヘッド」「かみくだく」などがある。また、技マシンで覚えられる「つめとぎ」で特性「はりきり」のデメリットを自力で補えるという強みもある。ただ、特防が低いため、積んだときにやられる可能性があり、きあいのタスキで耐えたとしても先制技がないため、相手の先制技を持っていた場合は落とされる。また「でんじは」や「バトンタッチ」も合わせて覚えられ、高い素早さを生かしたサポートも可能(爪はあるにしてもおおよそ攻撃には向いてなさそうである)。
天敵はクイタランらしいが、「ストーンエッジ」を覚えられるため返り討ちにすることが出来る。とはいえ「はりきり」だと外す可能性があり、きあいのタスキで耐えられ「だいもんじ」で倒されてしまう可能性がある。
ちなみに野生個体は「ストーンエッジ」を覚えていないのでクイタランの餌食……かと思いきや、「あなをほる」を自然習得するので結局クイタランが不利な点は変わらない。
隠れ特性はまさかの「なまけ」。これは実際の蟻の生態を再現したものと思われる。
「なまけ」を「なかまづくり」で相手の特性にすることができ、後続へ繋げば優秀なサポート役になる。特にダグトリオやゴチルゼル等の相手の交代を制限するポケモンに繋げばまもると合わせて無限に積み技を使うことができる。
またポケモン捕獲においても相手の行動を制限しつつPPを抑えられるので非常に優秀。
『ポケットモンスター サン・ムーン』以降の作品で使用する場合、「つめとぎ」は『ポケットモンスター X・Y』以前の作品で覚えさせてから転送させなければならならない点に注意。
『ポケットモンスター ソード・シールド』ではハッサムを始めとする競争相手が軒並みリストラとなったことや、攻撃わざが必中のダイマックスとはりきりのコンボが強いと話題になり、非常に強力な要注意ポケモンとなっている。はがねタイプ最速な点も強み。ただ不意のダイバーンには注意。
ランクマッチのシーズン2(2020年1月)以降は他の要注意ポケモンも対策できる汎用性から炎技の採用率も格段に上がっているため以前のような登場頻度はなくなったが、それでもうまく環境を整えれば十分活躍できる。
しかし6月にガラル御三家の隠れ特性が解禁されると状況は一変。環境はエースバーン一強へと流れていき、上から4倍弱点を突かれるアイアントの肩身は一気に狭くなった。
さらに同月のダウンロードコンテンツ『鎧の孤島』配信に伴い、同タイプのハッサムが入国。汎用性の差は歴然であり、シーズン8の使用率はハッサムの25位に対してアイアントの順位は98位と一気に落ち込んだ。
シリーズ6では上位のポケモンが禁止のルールであり、天敵のエースバーンがいなくなったことで再び復権。使用率も30位以内をキープと十分な活躍が見られたが、それも2ヶ月の間のこと。
『冠の雪原』配信後のシリーズ7ではエースバーンの復帰、及び準伝説の大量入国によって押し込まれ、とうとう使用率150位圏外にまで落ちてしまった。
使用トレーナー
ゲーム版
アニメ版
- ゴウ
- オリーヴの部下(新無印43、44話)
漫画版
- クダリ(ポケットモンスターSPECIAL)
アニメ版
アニポケ・サトシの旅シリーズ
〈レギュラーの手持ち〉
- ゴウのアイアント
〈ゲスト等〉
- ベストウイッシュ74話
- 劇場版『神速のゲノセクト_ミュウツー覚醒』
- ニュートークシティの自然公園「ポケモンヒルズ」のポケモンで登場。
- 新無印43・44話
- オリーヴの部下のポケモンとして登場。
- 新無印72話
アニポケ・リコとロイの旅シリーズ
- 24話
- 野生で登場。
余談
『ドラゴンクエストⅡ』に出てきたのは、アイアンアント。アンが一個多い。
英語名の「Durant」で検索すると、バスケットボール選手の「ケビン・デュラント」の方がヒットする。そのためか、アイアントとケビン・デュラントのコラ画像も多い。
英名の由来はシャルルマーニュ伝説に登場する聖剣デュランダルまたはDurable(丈夫な)とant(蟻)の造語だろう。
また、『ポケモン超不思議のダンジョン』では序盤の「カンロ草原」から出現するのだが、習得技が『オメガルビー・アルファサファイア』基準となっているため序盤であるにもかかわらず「ハサミギロチン」をぶっ放してくる。今作の異常っぷりを表す最初の敵といえよう。
関連イラスト
関連タグ
0631.クイタラン→0632.アイアント→0633.モノズ
同タイプ繋がり