概要
各ポケモンは1、若しくは2つのタイプを持っている。ポケモンが使用する技もそれぞれ1つのタイプを持ち、ポケモン自身と同タイプの攻撃技を使用した場合は威力が1.5倍となる(通称“タイプ一致技”)。
また、タイプには相性があり、攻撃技のタイプとそれを受けるポケモンのタイプによってダメージが4 - 0倍まで大きく変動する。タイプ相性によるダメージ増減は劇的であり、把握しているといないとでは雲泥の差である。ポケモンをプレイする上でもタイプ相性を覚えることは最重要といえるであろう。
ポケモンタイプ相性は生息環境や苦手とする環境などの生態にも反映されている一方、苦手とするタイプの技を覚えたり、(みずに耐性がある複合タイプを持たない)いわやじめんや水辺や海辺に平気で暮らしているなど絶対的なものではない。
タイプには現在、以下の18種類が存在する。
タイプ名 | タイプ名英語表記 |
---|---|
ノーマルタイプ | Normal |
ほのおタイプ | Fire |
みずタイプ | Water |
くさタイプ | Grass |
でんきタイプ | Electric |
こおりタイプ | Ice |
かくとうタイプ | Fight |
どくタイプ | Poison |
じめんタイプ | Ground |
ひこうタイプ | Fly |
エスパータイプ | Psychic |
むしタイプ | Bug |
いわタイプ | Rock |
ゴーストタイプ | Ghost |
ドラゴンタイプ | Dragon |
あくタイプ | Dark |
はがねタイプ | Steel |
フェアリータイプ | Faily |
この内、「あく」「はがね」の2種は第2世代、「フェアリー」は第6世代から追加されたものである。
また、第4世代までは「???タイプ」というものも存在していた。
タイプ1とタイプ2
タイプが複合する場合、「タイプ1」と「タイプ2」に分けられている。
例えばフライゴンは「じめん(タイプ1)/ドラゴン(タイプ2)」の順であるが、同じ複合を持つガブリアスは「ドラゴン(タイプ1)/じめん(タイプ2)」の順となる。
順番の違いによる対戦への影響は特にないが、『GO』や『HOME』における各ポケモンの背景色はタイプ1を参照しており、少なからずポケモンのイメージに影響しているのは確かと言える。
また、進化によってタイプが付加・変更される場合、タイプ2の方に付加・変更が行われることが殆ど。例えば、ナックラー(「じめん」のみ)はビブラーバに進化することでタイプ2にドラゴンタイプが付加されており、前述のフライゴンもその流れを汲んでいる。
2022年の『SV』発売時点で、全複合タイプが存在するタイプは、みず・ひこう・エスパー・くさ・でんき・かくとう・あくの7つである。
その多さと複雑さについて
ポケモンのタイプが他のゲームと比べて非常に多く、且つ複雑であることは良く話題に挙げられている(有名どころでいうと、このパズルゲームは5つ、このカードゲームは7つの属性しかない)。
属性が多いだけならポケモン以外のゲームにもいくつか見られるが、ポケモンのタイプはこれに加えて、
- タイプ同士の相性が4段階で定義されており、その数はタイプによって異なる。しかも、その補正数値は2倍・等倍・1/2・0倍(無効)と、他ゲームと比べて非常に極端でハッキリと実感出来る程にダメージ量が変わるため、きちんと把握していないとゲームの攻略難度が大きく変わる程の影響がある。
- 複合タイプが存在し、その相性は単一タイプの相性を掛け合わせる割と単純なものであるが、元々のタイプ数が多いので、攻撃する技のタイプと相手のタイプ組合わせを列挙すると2,916通りにもなる。
- 特性や場の状態といった相性の倍率を変化させる要素が複数存在するため、実戦ではより複雑な仕組みを意識する必要がある。
という、およそ正気の沙汰とは思えない仕様を備えている。
何せ18タイプの中に3すくみや4すくみがいくつもあり、同族特効や双方無効まであるのであるから、複雑にも程がある。
攻撃する技のタイプに複合タイプがほぼ存在しない(例外は1つだけ)のが救いといえば救いか。
技と防御面には「物理」「特殊」という属性があり、最終的なダメージ計算に大きく関わってきている。かつてはタイプごとに「物理」「特殊」と分けられていたが、第4世代以降は技によって分別された。
加えて、「あるタイプを持つポケモンがそのタイプの技しか覚えない」ということはほぼない。自分のタイプとは異なるタイプの技を平然と覚えるだけでなく、中には自分のタイプの技を全く覚えないポケモンすらいる。
このタイプと相性は、本編ゲーム内では主にポケモンジムを通じて学んでいくことになる。
が、それがないコンテンツ(ポケダンシリーズなど)については予め相性を学習する必要があり、事前知識がないと行き詰まってしまうことがしばしば。
良くいえば「ポケモンという種族の多様性の象徴」「ゴリ押しだけでは勝てないポケモン勝負の奥深さの本質」であるが、悪くいえば「ポケモン勝負の新規参入を妨げている最大の障壁」でもある。
実際、ポケモンの影響を受けて登場し、同じように多様なタイプが存在するコンテンツは軒並み衰退しているか、タイプを削減するなどの仕様変更を受けている。
ゲーム本編では、『SM』以降一度見たポケモンに対する技の相性が表示されるようになるなど、難解さを低減するための仕様変更も行われている。
ゲーム本編の世界観を踏襲し、原作の補完も行なっている『ポケモンマスターズ』でも原作だと半減されるはずのタイプで半減されないなどタイプ相性に変更が加えられている。
弱点が多いタイプ一覧(5 - 7つ)
ポケモンバトルでは弱点の数がそのポケモンの評価に直結する事もあるが、時には弱点の数が他のタイプと比較しても多いタイプ、もしくは複合タイプが存在する。
ここではポケットモンスターSMで行われたインターネット大会、【ポケモン危機一髪!】に則り、弱点が5つ以上となるタイプの組み合わせを紹介する。
なお、各タイプの後には最終進化形となるポケモンの数と、4倍弱点になってしまうタイプなどの備考を記載する(2024年11月現在)。
7つ
- くさ・あく…ダーテングなど6体が該当。むしが4倍弱点。
- くさ・こおり…ユキノオー1体が該当。ほのおが4倍弱点。
- くさ・エスパー…セレビィなど4体が該当。むしが4倍弱点。
- いわ・エスパー…ルナトーンとソルロック テツノイワオの3体が該当。4倍弱点はなし。
- いわ・あく…バンギラス1体が該当。かくとうが4倍弱点。
6つ
5つ
ポケモンカードゲームのタイプ
ポケモンカードでは、ポケモンやエネルギーのカードが(基本的に)1つずつタイプを持っている。(基本的に本家のタイプ1に該当するが、タイプ2のほうを該当することもある。)タイプ相性による弱点・抵抗力は各カード毎に設定されており、タイプ共通ではない。
発売当初のタイプの数は7種類(コインの裏を参照)。第1世代当時15種類あった本編のタイプを圧縮したのは、プレイ時の混乱を減らすためだと制作陣が明かしている。その後、現在は合計10種類となっている。
名称こそ漢字表記中心で本編のものとは異なるが、ポケモンのタイプは基本的に本編のタイプと対応している。ただし、世代を経てその対応が変更されたケースもある(例:どくタイプ:草→超→悪と遷移)。
ゲームでの新タイプ登場に合わせて悪・鋼・フェアリーが途中から追加されたが、ドラゴンタイプのみBWシリーズの途中で突如追加されている。
剣盾シリーズでは初となるタイプの圧縮があり、ドラゴンはシリーズ途中まで登場しないなど、再編の動きが見られる。
タイプ | 備考 | 弱点 |
---|---|---|
草タイプ | くさ・むし・どく( - PCGシリーズ)に相当 | いずれも炎 |
炎タイプ | ほのおに相当 | 水 |
水タイプ | みず・こおりに相当 | 水は電気、氷は鋼 |
雷タイプ | でんきに相当 | 闘 |
超タイプ | エスパー・ゴースト・どく(DP - SMシリーズ)・フェアリー(剣盾シリーズ - )に相当 | エスパー、ゴーストは悪、フェアリーは鋼 |
闘タイプ | かくとう・いわ・じめんに相当 | いわ・じめんは草(以前はじめんは水)、かくとうは超 |
悪タイプ | あく・どく(剣盾シリーズ - )に相当 | いずれも闘(あくはかくとう、どくはじめん弱点のため) |
鋼タイプ | はがねに相当 | 炎 |
無色タイプ | ノーマル・ひこう・ドラゴン( - BWシリーズ途中)に相当 | ノーマルタイプは闘、ひこうタイプは電気 |
ドラゴンタイプ | ドラゴン(BWシリーズ途中 - )に相当 | フェアリー( - SMシリーズ)→なし(剣盾シリーズ - ) |
フェアリータイプ | フェアリー( - SMシリーズ)に相当 | 鋼 |
基本的に上記の対応に当てはまっているが、ルギアやδ-デルタ種などの例外もある。
また、タイプを2種類保持している特殊なポケモンのカードも度々登場している。
タイプアイコン
『ポケモンGO』や『LPLE』の頃から、ゲーム内に各タイプを表すアイコンが導入されている。
実は細部でデザイン変更があり、『剣盾」までと『BDSP』以降では色は同じであるが紋章は異なるものとなっている。なお、『BDSP』発売後も『ポケモンGO』では旧デザインをそのまま使っている。
タイプ/メディア | 『^BDSP』以降 | 『剣盾』まで/GO | タイプカラー |
---|---|---|---|
ノーマル | 哺乳類の顔 | 丸 | グレー |
ほのお | 燃え盛る炎 | " | 赤 |
みず | 雫 | " | 青 |
くさ | 草むら | 葉 | 緑 |
でんき | 稲妻 | " | 黄色 |
こおり | 雪の結晶 | 氷の結晶 | 水色 |
かくとう | 拳 | じゃんけんのグー | オレンジ |
どく | 毒液 | ドクロマーク | 紫 |
じめん | 振動する地面 | 山脈 | 茶色 |
ひこう | 羽 | " | 空色 |
エスパー | 念波 | 渦を巻く念波 | 桜色? |
むし | 甲虫 | 触角の生えた甲虫 | 黄緑 |
いわ | カットされた鉱石 | 石飛礫 | 黄土色 |
ゴースト | オバケ | 吹き出し型の霊魂 | 濃い紫? |
ドラゴン | ドラゴンの顔と翼 | 東洋の龍 | 紺色 |
はがね | ビス留めされた鉄板 | ナット | 不明 |
あく | こちらを睨む目 | 三日月 | 黒 |
フェアリー | 蝶 | 光 | ピンク |
なお、上述の話はゲーム内に限った話であり、古くは第1世代の頃のポケモンカードゲームやポケモンバトリオなどでタイプアイコンが独自に作られ用いられていた。
その他
タイプの特徴
タイプは「ほのお」「みず」「くさ」「むし」「どく」「じめん」「こおり」「ひこう」、「いわ」「はがね」といった自然や科学に基づくもの、「ノーマル」「あく」「エスパー」といった概念に基づくもの、「ドラゴン」「ゴースト」「フェアリー」という伝承に基づくもの、「かくとう」という戦法に基づくものに分けられる。
このために弱点設定も科学的な知見に基づくものと文化的な側面に基づくもの、引いてはゲームバランスの関係上設定されているものが混在している。
例えば、「むし」は「くさ」に強いというのは科学的な見方であるが、「エスパー」や「あく」が「むし」に弱い、「はがね」が「ドラゴン」技を半減する、というイマイチ連想しにくい組合わせも存在する(※)。
「むし」「ゴースト」「エスパー」など"RPG属性としては"メジャーとは言い難いタイプが多いのも特徴的である。
なぜこの様なタイプが混在するのかは不明。もっとも、第1作『赤・緑』が特撮や昆虫採集などスタッフが幼少期に親しんだ文化が反映されていると思しき面があるので、そこからある程度推察が出来る(公式の発言ではない事には留意されたし)。
(※)アニポケ新無印編のED『バツグンタイプ』によるとファンの間で度々挙げられていた「羽音で集中させない」説を採用している。
タイプ相性の覚え方
なぜこのタイプがこのタイプに弱いのかは公式発言されていない(※)ことがほとんどで、当サイトを含めて実に多種多様な覚え方が存在する。
以下はそのリンクである。
(※)『XY』ではフクジが「アスファルトを 突き破り 成長する 草木の 強さが わたしの あこがれ なんだよ」と語っているように作中でヒントという形で言及されることも0ではないが、あまり注目され辛い。
公式サイドの場合
【公式】「バツグンタイプ」 アニメ「ポケットモンスター」EDテーマ
はじめしゃちょー氏の場合
ポケモンのタイプ相性を可能な限り分かりやすく説明してみた
ゆっくり解説の場合
【ポケモンSV】もう相性表が必要ない!絶対に覚えられるタイプ相性
ひぐまぐら氏の場合
【初心者向けポケモン講座】タイプ相性の覚え方 ~見るだけでバトルが強くなるポケモン講座~ ダイパリメイクに備えて
ポケモンレンジャーシリーズにおいて
ポケモンレンジャーシリーズではタイプは「グループ」と呼ばれ、原作で割り振られているタイプのうち一つだけがグループに設定されている。
なので『ポケモンマスターズ』同様複合タイプ概念がなく、タイプ相性も単タイプのものが参照され、ポケアシストの効き目や発動時間と密接な関わりがある。
ただし、でんきポケアシストは初代では回復専用であったため、原作ででんきを弱点としていたポケモンに対してはそれ以外の弱点を突く必要があった。
基本的にポケアシストタイプは該当ポケモングループに依存するが、以下の様な例外もある。
初代ポケモンレンジャーでは
「はがね」、「ドラゴン」「ノーマル」のグループが存在しながら、ポケアシストが存在しないため、原作で複合タイプを持っていたポケモンは「ポケアシスト」が存在する方のタイプ(グループ)のポケアシストが代わりに発動する。
例えばハッサムは「はがね」グループであるが、ポケアシストは「むし」が発動する。
カイリュー・ハガネール・エアームド・フライゴン・ボーマンダ・レックウザなどの連れ歩きが出来ないポケモンにも内部データによってこの仕様が適用されていることが『ポケモンレンジャー公式完全クリアガイド(メディアファクトリー)』で公表されている。
ややこしい事に以下のポケモンの様に原作での保有タイプ両方にポケアシストが存在している場合でも同様の現象が見られる。キャプチャしたり、ポケアシストを使う場合には注意。
- スピアー・コンパン(グループ:むし/ポケアシスト:どく)
- ウツドン/ウツボット(グループ:くさ/ポケアシスト:どく)
- イシツブテ族(グループ:じめん/ポケアシスト:いわ)
- プテラ(グループ:いわ/ポケアシスト:ひこう)
- ヘラクロス(グループ:むし/ポケアシスト:かくとう)
- ウリムー族(グループ:じめん/ポケアシスト:こおり)
- ヨーギラス/サナギラス(グループ:じめん/ポケアシスト:いわ)
- バンギラス(グループ:いわ/ポケアシスト:あく)
- ラグラージ(グループ:じめん/ポケアシスト:みず)
- コノハナ/ダーテング(グループ:あく/ポケアシスト:くさ)
- ツチニン(グループ:じめん/ポケアシスト:むし)
- アゲハント/テッカニン(グループ:むし/ポケアシスト:ひこう)
- ヌケニン(グループ:むし/ポケアシスト:ゴースト)
- アサナン族(グループ:エスパー/ポケアシスト:かくとう)
- ソルロック(グループ:いわ/ポケアシスト:エスパー)
- シザリガー(グループ:あく/ポケアシスト:みず)
この仕様のために複合タイプを持たないポケモン、例えばマッスグマやレジスチルのような単ノーマルや単はがねポケモンはポケアシストでの使い道はない。
『ポケモンレンジャーバトナージ』では
複合タイプの法則に囚われないポケモンが登場している。
例えば、サクラビスとハンテールはグループ自体は原作に倣いながらも、ポケアシストはそれぞれエスパー/あくとなっている。これは水中でのミッションでグループが「みず」に偏っていることが原因と思われ、原作での習得技に倣ったグループのポケアシストが発動したと思われる(※)。
また、『バトナージ』で全タイプのポケアシストが登場したが、前作同様に原作における複合タイプの設定を活かしたポケアシスト割振りがされているポケモンは健在であり、キングドラや(グループ:みず/ポケアシスト:ドラゴン)などが該当する。
(※)3作目『光の軌跡』でも仕様はそのままであり、該当作では陸生のポケモンであっても原作の習得技に倣ったグループのポケアシストを使うポケモンが登場した。例えばでんきグループでありながら、ポケアシストのグループがノーマルであるマルマインなどが該当する。