概要
手持ちに入れて歩くことで、ポケモンが産まれてくるというもの。初登場は『ポケットモンスター 金・銀』。
例えば、同じ種類のポケモンで♂と♀の個体を特定の環境で一緒に飼育していると、タマゴが発見されることがある。そのタマゴから生まれたポケモンは元の2匹のポケモンの能力を引き継いでいる場合が多いことから、これらポケモンは親子関係にあると推測できる。
タマゴの存在はウツギ博士によって確認されており、彼は「ポケモンはタマゴを生み、手持ちに持たせて動いているとタマゴが孵る」という考えを発表した。しかし、ポケモンがタマゴを「産んだ」瞬間が目撃された例はなく、研究者が注意深く観察していても、いつのまにかポケモンがタマゴを抱いているとされている。そのため、「産んだのではなくどこかから運ばれてきたのではないか」という説をウツギ博士は提唱している(もっとも、この場合、誰がどうやってタマゴを運んできているのか、そもそもそのタマゴはいつ誰がどのようにして作ったものなのかという別の疑問が生じることになるが)。現在に至るまで一貫して「タマゴが発見された」「タマゴが見つかった」というやや曖昧な表現を劇中で用いているのはこの理由のためである。
メタ的な事情から考えると、生物(特に動物)の繁殖は必然的に性行為を伴うものであり、子どもも遊ぶCERO-Aのゲームである関係上、動物の繁殖に関する生々しい描写ができないための苦肉の表現なのではないかと考えられる。
また、見た目がどう見ても哺乳類に近いポケモンや、植物モチーフのポケモン、果ては無機物がモチーフのポケモンまでものタマゴが発見されることもある。
以上の設定からウツギ博士が生まれる以前の時代が舞台である『Pokémon LEGENDS アルセウス』ではタマゴシステム自体が存在しない。
ただし『ポケットモンスター 金・銀』は『ポケットモンスター 赤・緑』と『ポケットモンスター ルビー・サファイア』の3年後の時間系列なので、少なくともホウエン地方では、博士がタマゴの存在を世に発表する前には、タマゴシステムが存在していたことになる。
もっとも、赤緑のリメイク版であるFRLGではカントー地方(ナナシマ)でもタマゴが手に入るように、HGSSではポケモンのタマゴもすでに過去の事になっているようで、ポケモンじいさんが発見したと騒いでるのに対して「新発見だってうるさいけど、どうせポケモンのタマゴだろうから」とそっけない態度である。
生まれてくるポケモンのレベルは、『ルビー・サファイア』まではレベル5だったが、『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』以降はレベル1となっている。また、たとえ無進化ポケモンであっても生まれた時点で親と同じ体格になっている。
通常の生物はタマゴの中である程度成長してから生まれてくるが、ポケモンの場合は完全に成長しきってから生まれてくるということなのだろうか?
「育て屋さんで みつかる ポケモンの タマゴらしき もの……」
「厳密には タマゴ ではなく ポケモンの ゆりかご らしいですね」
以上のようにXYではモブがポケモンのタマゴについて言及しており、我々が一般に想像する卵とは異なるという見解も示されている。
ウツギ博士がタマゴの殻を調べたところ、土や植物の繊維で作られているようで、タマゴの殻というよりはポッポやオニスズメの巣に近いもので、「タマゴ」は幼児を安全に育てるための「保育器」として作ったものなのではないかと憶測をしている。
このようなこともあり、あくまでポケモンの「タマゴ」であり「卵」という呼称は漢字モードなどでもされない。
ゲーム作品ではマナフィのタマゴを除いて某緑の恐竜のタマゴのように緑色の斑点が模様として刻まれているが、『ポケモンGO』では斑点部分が黄色や紫色になっているタイプ、アニメ版では生まれてくるポケモンをイメージさせる模様になったタイプが確認されている。
なお、一般的な生物は年齢を重ねる毎に次第に生殖能力が衰えていくが、ポケモンの場合、非常に長い年月を生きた老齢の個体でもタマゴを作ることができた事例が確認されており、年齢と生殖能力の間に相関性がないか、若しくは通常の生物と比べると加齢に伴う生殖能力の減退が極めて少ないのではないかと考えられる(ゲームシステム上の都合もあるのだろうが)。
ゲームでの入手条件
ほとんどの場合、タマゴグループの一致している♂と♀のポケモンを育て屋に預けると♀のポケモンの未進化状態のタマゴが貰える。複数のタマゴグループを持つポケモンの場合、どれか1つが相手と共通していればいい。一部のポケモンは、そのままだと進化後の姿の状態で生まれてくるが、対応するおこう系アイテムを親に持たせていた場合のみ、進化前の状態で生まれてくる。
メタモンは、どのポケモンと預けても、相手のポケモンの未進化状態のタマゴが貰える。性別不明のポケモン、♂しか存在しないポケモンはメタモンと一緒に預けると発見出来る。タマゴ未発見グループのポケモンとメタモンのタマゴは見つからない(ただ、野生で多数の個体が存在する事例もあるため、あくまで人間の目が届く環境では発見されないだけで、何かしらの方法で繁殖することは可能だと考えられる)。ニドリーナおよびニドクインはタマゴ未発見グループだが、これらの進化前のニドラン♀のタマゴは存在する。進化前のニドラン♀のみ親にしてタマゴを発見することが出来る(タマゴグループが全く別の物に変わってしまう珍しい例)。
ちなみにニドキングは問題なくタマゴが発見される。
一部はイベントで入手出来るタマゴもある。例として、
などが挙げられる。
アニメ版では
初登場は、初代『ポケットモンスター』のカスミのトゲピー。以降、各シリーズ毎にサトシ一行(サトシも含めて)の誰かが、タマゴを孵化させている。
以下の表ではサトシ一行に限らず、アニポケ全体で孵化する瞬間が明確に描かれたポケモン全てを挙げていく。
シリーズ | 孵化したポケモン | 孵化させたトレーナー(おや) | 備考 |
---|---|---|---|
無印 | トゲピー | カスミ | アニポケ初の、ポケモンのタマゴ |
〃 | ゴマゾウ | サトシ | サトシ初のタマゴから孵化したポケモン |
〃 | ヨーギラス | サトシ | 手持ちではなく、親のポケモンに返すまでの一時預かり |
アドバンスジェネレーション | イーブイ | ハルカ | |
ダイヤモンド&パール | ピンプク | タケシ | タケシ唯一のタマゴから孵化したポケモンで、現時点で唯一、サトシ以外の男性同行者のタマゴポケモンでもある。 |
〃 | ヒノアラシ | ヒカリ | アニメ版では、タマゴから孵化した初のポケモン御三家 |
ベストウイッシュ | ズルッグ | サトシ | |
XY | オンバット | サトシ | |
サン&ムーン | アローラロコン | リーリエ | ラナキラマウンテンで見つかったタマゴ |
〃 | ロコン | ナリヤ・オーキド | リージョンフォームの教材としてサトシ達がポケモンスクールへ送ったタマゴ |
新無印 | リオル | サトシ | シンオウで発見されたが、孵化できないまま育て屋を盥回しにされ、クチバのポケモンセンターに持ち込まれた。また、サトシ初のベイビィポケモンでもある |
余談
- 開発段階では道路やダンジョンに落ちているアイテムのような扱いで、前作(赤緑)との通信の際に孵化してポケモンが産まれる……という構想が、第一世代の攻略本で語られている。
- 個体値が遺伝するのは廃人ならお馴染みであるが、初出の金銀では遺伝するのは防御と特殊(とくこう・とくぼう)だけで、値は子供と逆の性別の親と同じ、または基準となっていた。
- ♂と♀でこれが一致すると「げんきいっぱいだ!」と表示されてタマゴが発見されない。つまり近親相姦は出来ないようになっていた。
- 一致すると赤の他人でも発見されない。わかり易い例では個体値で決まる色違い同士では発見されない。意味がわかると納得なのだが、発見されない事も含めてわかりにくいためか、第三世代以降は廃止。