概要
イングランド(イギリス)のアルフレッド大王時代ごろを背景にした、母親とその息子ジャックのお話。
一般的なもの(下の奴)はジェイコブズ版と呼ばれる。また、ベンジャミン・タバート版、アンドルー・ラング版では、少年の親は妖精で、妖精騎士であった父親の持っていた、領地と財宝を巨人が奪ったという筋になっている。岩波文庫版『イギリス民話集』での解説によれば、これは原話が「ジャックが人様のものを盗む」倫理上良くない行為であるため、もっともらしい設定をつけたもので、他に「飲んだくれの巨人が、最後に法廷で裁かれる」バージョンがあるという。
アト・ド・ヴリース『イメージ・シンボル事典』や、健部伸明編『幻獣大全』では、「巨人殺しのジャック」との関連が示唆されている。ある版では巨人の呼称が『巨人殺しの~』に登場する1サンダレル(Thunderel Thunderedellでサンダーデルとも)である。サンダーデルという呼称は、ブライアン・ヘンソンの映画版でも使われる。
作中、何度も登場する「Fee-fi-fo-fum 英国人の血が匂う」というセリフは、英国のお話における人食いなどの言うお約束であり、この作品の他『リア王』第3幕第4場にも登場し、また『マザーグース』でそれのみ(「生きてる奴かさもなきゃ死体/どっちだって粉にひいてパンにしたい(和田誠訳)」まで)がうたわれている。
あらすじ
ある日、飼っていた白い牛を売りに息子のジャックにお使いを頼んだが、ジャックは豆と交換してきてしまう。
怒った母親は豆を庭に捨てたが、翌朝には豆は巨木へと成長していた。
ジャックが豆の木を登って行くと、恐ろしい大巨人が住む家があった。
そこには金の卵を産む幻の鶏があったので生活の足しになると喜んで持ち帰る。味を占めたジャックは後日再び豆の木を登っていくと、今度は綺麗な音のハーブを盗み取るが巨人に見つかってしまう。命からがら庭に戻った
ジャックが、木を根本から切り落とすと追ってきた巨人が転落し、退治される。
巨人を退治したジャックと母親はそれから何不自由なく幸せに暮らした。
結末
巨人を退治したことで手に入れた宝物が消えてしまうが、ジャックを心配した(または宝物を持ち帰ることをよく思っていなかった)母親は「宝物が無くてもジャックが元気でいてくれれば充分」、「泥棒をしたり楽をして手に入れた幸せは長続きしないよ」などと諭す。反省したジャックは再び真面目に働くようになり、母からもらった麦を立派に育てたり、ハーブの演奏が縁で知り合った女性と結婚し子宝に恵まれるなど、「幸せは自分の努力を積み重ねてつかみ取るもの」だという教訓のこもった後日談が描かれる場合がある
ジャックと天空の巨人
2013年公開の映画。監督曰く、原作のままでは強盗殺人を正当化している様なので、大幅にアレンジされている。天には巨人の国「ガンチュア」があり、そこには双頭のゴリエ先生をリーダーとした吉本巨人軍団(狩りの得意なフランチェンやニューリーダー病に感染した山ちゃんなど)が住んでいる。