基礎データ
ずかん | No.260 |
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英語名 | Swampert |
ぶんるい | ぬまうおポケモン |
タイプ | みず/じめん |
たかさ | 1.5m |
おもさ | 81.9kg |
とくせい | げきりゅう/しめりけ(隠れ特性) |
他言語版の名称
英語 | Swampert |
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イタリア語 | Swampert |
スペイン語 | Swampert |
フランス語 | Laggron |
ドイツ語 | Sumpex |
韓国語 | 대짱이 |
中国語 | 巨沼怪 |
進化
ミズゴロウ→ヌマクロー(レベル16)→ラグラージ(レベル36)→メガラグラージ(メガシンカ、ラグラージナイト)
概要
『ポケットモンスター ルビー・サファイア』(第3世代)から登場したポケモン。
名前の由来はおそらく「ラグーン(英語:lagoon、外海から隔てられ湖沼化した地形のこと)」+「ラージ(英語:large、大きいという意味)」と思われる。
ホウエン御三家の一匹、ミズゴロウの最終進化である。
みず・じめんの2つのタイプを持っているため、弱点タイプがくさしかなく、じめんタイプを持つおかげででんきタイプの攻撃を完全に封殺できる。
攻撃面でもみずとじめんの強力なわざをおぼえられるため、ラグラージ一体でかなり多くのポケモンと戦いやすく、ストーリー攻略の相棒にはうってつけの性能を持つ。
容姿
ヒレが二つに別れた他はミズゴロウ→ヌマクローの時の進化方向を引き継ぎ、手足がさらに太くなり、ガッシリとした体系になった。その一方で体色、腹部の色、エラの数など、一部ミズゴロウのような姿に戻っている部分もある。
バシャーモのように進化毎にイメージが一気に変化するということもなく、だんだんズレながら成長していく一方、御三家最終進化ながら目が鋭くならない(他はメガニウムのみ)など、カッコイイほうへのシフトは大きくない。
そのため、かっこよくも可愛くもなくキモいという人と、重厚でたくましくてカッコイイという人と、最終進化しても愛嬌が残りぷにぷにでカワイイという人に、ものの見事に三分される、ある意味奇跡的な姿(デザイン)となり、その結果「キモクナーイ」というあだ名がつくことになった。
生態
見た目通りの怪力の持ち主で、1tある大岩を運搬するだけでなく大型船も牽引できる程。素早さの値は公式で低いが水中となると話は別なようで、遊泳速度はジェットスキーに匹敵するという。
海沿いに巣を作り、レーダーのようなヒレで津波の気配を察すると大急ぎで岩を積み上げて巣を保護する。
じめんタイプらしく泥の中でもモノがはっきり見える為、泥沼地帯でも生活できるものと思われる。ポケダンでは分類を優先したのかひょうたん沼が友達エリアになっている他、レンティル地方ではミッケジャングルの沼に生息が確認されている。
対戦
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
100 | 110 | 90 | 85 | 90 | 60 | 535 |
恵まれたタイプと高い防御性能を持つ。種族値上は攻撃がもっとも高く、素早さに難がある以外は他の数値も高水準である。
合計種族値は僅差ながら歴代御三家で単独トップ。種族値の配分や耐性は、ガオガエンと似ている部分がある。
その上べらぼうな器用さを誇り、多彩なタイプの物理攻撃と特殊攻撃の高威力技、さらに色々な補助技を覚え、加えて苦手な敵も反射技で返り討ちに出来る場合がある。
物理攻撃、特殊攻撃、二刀流、耐久居座り、カウンター狙い、「すなあらし」対策、600族対策、起点作り、高速「がむしゃら」……と色々な型で戦うことができ、対戦での需要は高い。
歴代水御三家ではゲッコウガと並び最強クラスの実力者と言われる。
現にルビー・サファイアではこのラグラージ1匹でクリア可能と言う恐るべき実力を持っている。
1匹じゃないにしても安定を狙うにしてもライバルのジュプトルやジュカイン対策用のポケモン(アゲハントやドクケイル、オオスバメやマルノーム等)を1匹入れておけば後は問題ない程である。
何なんだ、このポケモン…。
また、「カウンター」と「ミラーコート」を備えている点でも珍しく、第7世代の時点では、他にはソーナンスやトリトドンがいる。
だが、唯一の弱点であるくさタイプで攻撃されると、通常の4倍のダメージを受けてしまう。
タイプ一致を食らってはいけないのは勿論のこと、不一致でも最近ではZワザ「ブルームシャインエクストラ」でゴリ押しされる機会が増えてきた。不意の役割破壊にはくれぐれも注意したい。
また、水御三家の中では唯一先制技を覚えられない。アシレーヌすら覚えられるのに。
FRLGの図鑑によると「腕は岩のように硬く一振りで相手を叩きのめす」と説明されていたが、第3世代の段階ではそれに対応するわざは、わざマシンの「きあいパンチ」「かわらわり」が辛うじて解釈できる程度であった。
しかし、それに対応するためか、第4世代になって「アームハンマー」を覚えるようになった。
隠れ特性は「しめりけ」である。
アタッカーとしては役に立ちづらい特性だが、こと起点作りとなると自滅によるあくびループ脱却を封じる強力な特性となる。
相手がしめりけを忘れじばく、だいばくはつを選択すると眠ることが確定する。
(また第7世代でこいつの「ビックリヘッド」を無効化できるようになった)
『ORAS』ではメガシンカを獲得し、メガラグラージとして新たな戦術を展開するようになった。
だが通常のラグラージは使われなくなるどころかむしろ器用さが再評価され、現在でも両方が対戦の第一線で活躍している。
第7世代では、メガシンカのシステムの変更により、最初のターンからすいすいを活かす事ができるようになった。ただ、多くのポケモンに配られた「アクアブレイク」を取得できていなかった。
なお、もともと「だくりゅう」は本系統の専用技だった。
第8世代ではメガシンカを没収されアタッカーとしては大幅に弱体化することになった。
攻撃技として水物理最高威力のアクアテールを没収されたが代わりに命中安定かつ追加効果のあるアクアブレイクを習得した。
大きな変化点はクイックターンを習得したこと。
この技は水版とんぼがえりというべき技で、対面操作や起点作り後にタスキを潰しつつ裏に繋ぐのに役立つ。
これがカバルドンとの大きな差別化点となり、伝説ポケモンが蔓延る現在のランクマッチで使用率20位前後と大健闘を見せている。
使用トレーナー
ゲーム版
- ユウキ:RSE・ORAS男主・ライバル※1 ※2
- ハルカ:RSE・ORAS女主・ライバル※1 ※2※3
- ミクリ:ホウエンリーグチャンピオン※4
- ヒース:ドームスーパースター
- マキシ:ジムリーダー(シンオウ)※5
- デンジ:ジムリーダー(シンオウ)※5
- クリフ:GOロケット団リーダー
※2 ライバルとしては、主人公がアチャモを選んだ場合
※3 ポケモンマスターズでのバディー
※4 BW2
※5 BDSPのバトルタワー
アニメ版
漫画版
番外作品
『ポケモンコロシアム』
敵組織シャドーの幹部格であるダキムの手持ちとして登場している。
……が、肝心の出番はED後。しかもED後シナリオでも終盤であるボトムコロシアムでの戦闘のみ。
エンテイをスナッチし損ねたり稼ぎのためにボトムコロシアムに潜っているなら何度も見ることになるが、そうでないなら一回こっきり戦って終了なのでかなり影が薄い。
なんならかの唯一神を産んだダキムとの初戦に出てくるヌマクローや、ダキムの上司であるジャキラとの決戦で出てくるバシャーモの方が目立っているまである……。
『ポケモンレンジャー』シリーズ
初代及び光の軌跡に登場。
特に初代では難所と名高いバンギラス戦で使えと言わんばかりの位置に配置されており、多くのプレイヤーがメタングと合わせてお世話になったとか。
『Newポケモンスナップ』
アチャモ共々ホウエン御三家で数少ない出演を勝ち取っている。
ジャングル・リバーの2コースに登場するが、ジャングルでは夜にしか登場しない。普段眠っているが条件を満たすと起き上がり、にこやかな笑顔を見せる。
リバーでは川の中を泳ぐ姿も見られ、条件を満たすといきなり飛び出してくることも。
『ポケモンGO』
進化前ミズゴロウの出現率が低く、進化に必要なアメも多いので、入手はかなり困難。幸い巣はあるのでそこで積極的に集めよう。またみずタイプなので雨が降ると出現率が上がる。
性能的にはでんきを軽減するみずタイプといったところ。
このゲームに無効は存在せず、じめんタイプがでんき技を半減させられるのだが、もう片方のみずタイプが抜群で受けるせいで、弱点(1.4)×二重耐性(0.51)=0.714倍(耐性ひとつ分)で受けるということになっている。
そのため、普通のじめんタイプと比べるとでんき技でのダメージがやや嵩張ってしまう(それでも抜群でないだけマシだが)
同タイプのヌオーと比べCPが遥かに高く、「マッドショット」と「じしん」を揃えられるため完全な上位互換と言える。ただしこの構成はグラードンやガブリアス等と被ってしまうのでやや考え物ではある。
一方のみず技はというと「みずでっぽう」、「なみのり」、「だくりゅう」を、そして水御三家の限定技である「ハイドロカノン」を揃えることができる。「なみのり」は半分ゲージで威力たったの65と物足りないが発動クールタイムがダントツで短い。この為「ハイドロポンプ」とダメージ効率が殆ど変わらないという非常に優秀な性能だったりする。そして、「ハイドロカノン」はこれをさらに上回る半分ゲージで威力90という恐るべき威力を誇り、クールタイムも短めと「なみのり」のほぼ完全な上位互換となっている。
しかも通常技はシャワーズでお馴染み「みずでっぽう」なので高機動みずアタッカーとしても採用できる。しかもでんきタイプにも強い。
このようにみずタイプとしてもじめんタイプとしてもトップクラスの性能を誇り、原作同様の器用万能ぶりが窺える。
トレーナーバトルでもその強さは健在。
ゲージ回収に優れた「マッドショット」+タイプ一致かつ高性能な「ハイドロカノン」「じしん」という文句の付け所のない技構成ができ、一つしかない弱点のおかげで不慮の事故も少ない。どのリーグでも活躍できるポテンシャルを持っている。
もちろん、その強さはGOロケット団との戦闘でも十二分に発揮できる。
特にボスであるサカキとの戦闘においては、豊富な耐性を持つことや、高い攻撃力により放たれる「ハイドロカノン」により相手のじめんポケモンを一気に粉砕できることから、プレイヤーからは非常に重宝されている。新技の「だくりゅう」も「マッドショット」と組み合わせれば高い回転率を誇り、相手のシールドを引き剥がすのに有用。とはいえ、こちらはかくとう技の「グロウパンチ」の方にややお株を奪われがちで、使用される機会は少なめである。
いずれにせよ、先発としても中継ぎとしても非常に優秀な働きができるのは事実。このポケモンの器用万能さが改めて証明されたといえるだろう。
アニメ版
タケシの手持ちはヌマクロー止まりでラグラージには進化しなかったため、レギュラーとしては登場しなかったが、ゲストポケモンとして登場している。ちなみに何故かトレーナー所有の3匹はサトシのヘイガニとばかり対戦している。
アニメでは、ゲーム版で言うところのわざマシンや教えわざなどを披露する事が多い。また、「ハイドロポンプ」を普通に使ってくる(ミズゴロウの時でないと覚えない)。
- ヒロミのラグラージ
- マサムネのラグラージ
- ヒースのラグラージ
ゲーム同様にブレーンのヒースが手持ちとしてウインディと共に使用。サトシのヘイガニ、オオスバメとバトルを行った。
序盤からウインディとの連係プレーでサトシ側を圧倒し、自身のみずのはどうとウインディのだいもんじによる合わせ技である「炎と水のフュージョン」攻撃によりオオスバメとヘイガニに大ダメージを与えて追い込んだ。
が、サトシ側の「ぎりぎりまで引き付けて回避することでウインディのしんそくをラグラージに誤爆させる」「ウインディのかえんほうしゃとヘイガニのバブルこうせんをぶつけ合わせて多量の水蒸気を起こし視界を塞ぐ」という作戦にはめられ、体勢を立て直す前にヘイガニのクラブハンマーを叩き込まれ倒れた。なお、サトシ側からまともに喰らった攻撃はこの〆のクラブハンマー一発のみだったりする。
- ミクリのラグラージ
- 新無印に登場したミクリの手持ちで、サトシとのバトルで先鋒として登場。カイリューと対戦しだくりゅうを放った。
- 野生のラグラージ
- DP109話にて臨海都市の地下水道に棲む野生個体が登場…何でそんなとこにいるんだお前。諸事象あって縄張りを横切ろうとしたサトシ一行を襲撃したが草四倍で返り討ちにされた。その後縄張りから出た後も執念深く一行を追撃に現れるが、ホエルオーの起こした大波に呑まれて流され退場。敵役にしてもこの扱いとは……。
- 新無印133話では「さいはてのことう」の野生個体がプロジェクト・ミュウのチェイサー達に襲撃するが、トキオのビリジオンにより撃退されている。
- 映画でのラグラージ
- 「蒼海の王子マナフィ」:冒頭アバンにおいて、ゲーム版RSの男主人公の手持ちとして登場。「裂空の訪問者デオキシス」からゲスト出演したヒトミのバンギラスと対戦し、れいとうビームを打ち込む一幕が描かれた。
- 「ボルケニオンと機巧のマギアナ」:映画の黒幕に操られた敵ポケモン軍団の一体として登場。他のポケモンたち共々黒幕の手で強制的にメガシンカさせられた状態でサトシたちを襲う戦闘員としての役回りだった。
その他
DP | 91話 |
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新無印 | 63話(映像) |
特別編 | 最強メガシンカAct2(イメージ) |
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
- ルビーのZUZU
前口上:「時の流れは移り行けども、変わらぬその身のたくましさ。ほとばしたるは怒りの激流!」
いがみ合いながらもそれなりに交友を育んでいたサファイアと仲違いし落ち込むルビーの前で進化。
手持ちが小型~中型のポケモンばかりでここまで移動は他人の乗り物に頼っていたルビーが初めて獲得したまともな移動要員でもあり、進化直後にも失意のルビーを乗せてヒマワキシティからカイナシティまで航行した。
精神的にも成長したためか、ミズゴロウ・ヌマクローの時にあったトレードマークの鼻水は垂らさなくなっている。
がっしりとした強靭な体躯を得たため名実共にルビーの主力となり、これまでに増してルビーの手持ちの中でもバトルでの活躍シーンが多く回ってきている。
演出面の都合から巨大怪獣サイズに設定されたグラードンの攻撃を素の筋力で受け止め、そのまま同じく怪獣サイズのカイオーガにがむしゃらで叩きつける等非常にパワフル。
もちろんコンテストにおいても、たくましさ部門マスターランクを勝ち抜く魅力を備えている。
第6章でもルビーの主力としてバトルドームやバトルタワーでの戦いで活躍。
終盤に"ハイドロカノン"を習得し、歴代図鑑所有者10人の究極技一斉射に参加した。
第13章では諸事情あって単独行動をとるルビーからサファイア達に預けられており、石の洞窟付近でキワメの修行を受ける。その後シーキンセツでメガシンカを遂げた。
『赤き情熱と藍き英知』
双子の主人公の兄・オメガのポケモンとして登場。
余談
上記で一通り触れた通り、解りやすくヒロイックなジュカイン・バシャーモと比べると扱い辛いのか、特に映像メディア展開では出番が少ない……どころか冷遇と評しても過言ではない程扱いが悪い。仮にも御三家の最終進化形だというのに。
アニメだけ取ってみても、ジュカインは主人公やライバルキャラの相棒を勤め、バシャーモも主人公を下したライバルキャラやヒロイン、準レギュラーの相棒と非常に美味しい役どころを貰っているのだが、ラグラージの登場は上記の通り。他のホウエン御三家の二匹と比べてしまうと明らかに見劣りする。
内、ライバル・強敵ポジションだったマサムネにしてもヒースにしてもラグラージが相棒・切り札と言うわけではない。
更にORASで追加されたメガシンカも、他二匹は本編中にグリグリ派手に動いたりと見せ場を貰っているのに対しラグラージだけが特別篇のおまけコーナーで十数秒しか出番がないなどとことん扱いが悪い。
『ポケモンレンジャー バトナージ』ではホウエン御三家の中で唯一登場していない。
しかもジュカインとバシャーモは進化前が出現せず彼ら単品での登場だったため余計にハブられた感が強まっている。
ちなみにこちらも進化前二匹は登場していない。
『ポッ拳』でもホウエン御三家の中で唯一参戦していない。
ORASの発売に伴いバシャーモやジュカインが参戦したタイミングで、次に参戦するポケモンの予告としてラグラージの色である青と橙色が使用され「名前にラがあるポケモンが来る」と書かれた画像が公開されたため一時期twitterのトレンド入りにもなった。
……が、散々期待を煽っておきながら実装されたのは何故かシャンデラという謎采配であった。
と、スタッフたちはラグラージに恨みがあるのだと言わんばかりに同期の二匹とあからさまに待遇に差を付けられてばかりだったラグラージだったが、『Newポケモンスナップ』ではジュカイン・バシャーモを差し置いて堂々の出演を果たした。
言うまでもないだろうがこの三匹の中でラグラージがハブられないどころかピンで採用されるのは登場から19年経って初である。
ここから待遇が改善されてくれればよいのだが。
関連イラスト
関連タグ
ポケモン一覧 ミズゴロウ メガラグラージ
キモクナーイ
259.ヌマクロー→260.ラグラージ→261.ポチエナ
ホウエン御三家・最終形態
くさタイプ | ジュカイン |
ほのおタイプ | バシャーモ |
みずタイプ | ラグラージ |
水御三家・最終形態
ポケモン | 該当地方 |
---|---|
カメックス | カントー御三家 |
オーダイル | ジョウト御三家 |
ラグラージ | ホウエン御三家 |
エンペルト | シンオウ御三家 |
ダイケンキ(ヒスイダイケンキ) | イッシュ御三家(ヒスイ御三家) |
ゲッコウガ | カロス御三家 |
アシレーヌ | アローラ御三家 |
インテレオン | ガラル御三家 |
ウェーニバル | パルデア御三家 |