【注意】
ポケモンは沢山のキャラが登場するゲームですが、一部においてポケモンに対する扱いや能力、対戦での使用率を主観的、且つ過度になじる編集者が散見されます。
キャラ設定は今後のシリーズで変わること、対戦環境は変化を繰返すこと、本サイトの性質上記事内容もあくまで個々人の見解に過ぎない旨を理解し、全てを鵜呑みとしないようご注意下さい。
概要
ポケモンは種族ごとに1・2種類、技には1種類のタイプが必ず付加されている。
そのタイプの相性でバトルの有利不利が決定される要素の1つ。
初代から登場するタイプの1つ。
カテゴリーに分類される特徴としては、炎や火山などをモチーフとしたポケモンが多い。
全体的傾向として、外見の色は赤や橙色、黄色といった暖色系統のものが多い。体の一部が燃え盛った意匠のポケモンも多く、そのデザインにもよるが人気は高い。
複合タイプは第9世代時点でフェアリーとのみ未登場。
ゲーム初めに貰える3匹(ポケモン御三家)のうち、必ずその1つにほのお(炎御三家)が入れられている。
炎御三家最終進化形は他タイプとの複合が多く、単タイプは現時点で『ポケモン金・銀』シリーズ(ポケモンGSC)の原種バクフーンと『剣盾』のエースバーンのみ。
なお、シリーズごとに追加されるほのおポケモンは、御三家の残り2タイプでもあるみずタイプとくさタイプほどは増えていない。
これは植物や水生生物をそのままモチーフに使える2タイプと異なり、火そのものをモチーフにしてデザインしにくいことが原因か。
燃え盛る炎のイメージ通り、攻撃的なタイプ。
弱点を突けるタイプは4つで、全タイプ2位タイ。
種族値は「こうげき」「とくこう」の両方が高い所謂両刀配分のポケモンが多い。
攻撃技も、物理でも特殊でも全タイプ屈指の強さを誇る。
代表的な特殊技である「かえんほうしゃ」「だいもんじ」「フレアドライブ(フレドラ)」などはわざマシンまたはわざレコードとなっているため覚えさせやすく、さらには威力と命中率が両立しているため、全タイプの中でも火力はトップクラス。
多くの技に相手を「やけど」状態とする効果が付いているが、それ以外の状態異常とするものは少ない。
防御面は弱点3つに抵抗6つ。
耐性数だけでいえばはがねに次ぐTOP2。
しかし、半減属性が大体被り、弱点タイプがメジャーで且つ高威力技に富んでいるので、耐性面は必ずしも目立たない。
特にじめんといわはサブウェポンとして人気があるタイプで、使用率も高いことから注意が必要となる。
ほのお・はがねの半減被りの多さは、ヒードランの1/4に出来るタイプの多さがそれを物語っている。
種族値の面でも耐久型配分のポケモンはいない訳ではないが、弱点を突かれ1 0 2発でやられてしまうことが多い、まさに炎の如く短命なタイプである。
またドラゴンポケモン相手であると複合タイプでない限り、こおりやフェアリーをサブウェポンとして覚えられないポケモンの多さから御三家タイプでは唯一、ドラゴン対策に有効なサブウェポンを覚えられない上、ドラゴンはじめんやいわ技をサブウェポンとして持っている場合が多い点も注意。
特に600族系はほのおに耐性があるタイプが多く、相手側もじめんやいわ技等の使用率が高いので、600族相手であると最も不利なタイプとなる。
対戦でははがねの弱点を突けることから、他タイプのサブウエポンとしての需要が高い。
特にドラゴンの場合、「だいもんじ」や「ねっぷう」を覚えるか否かは強さを決める重要なバロメーターとなる。
ほのお技が強化される天候「ひざしがつよい」「ひざしがとてもつよい」があり、技「にほんばれ」や特性「ひでり」「おわりのだいち」で発動する。
この天候下では、ほのお技威力が1.5倍、みず技威力が0.5倍になり、攻防共にほのおに非常に有利ごなる。
だが、この天候を活かせる特性を持つポケモンはほのおにほとんどいないため、天候を活かす場合は主にくさと組合わせることが多い(「晴れパーティ」、略して「晴れパ」と呼ばれる)。
だが、この2タイプであってもドラゴンタイプには両方とも半減されるため、注意が必要である。
ポケカでは赤のイメージカラーを持つ「炎タイプ」(こちらは漢字表記が公式)として収録されている。雷タイプ(原作ゲームでのでんきタイプ)と並んで初期から存在し現在に至るまでゲームから他タイプの統廃合がないタイプ。
ほのおポケモン一覧
初代
No. | たね | No. | 1進化 | No. | 2進化 |
---|---|---|---|---|---|
0004 | ヒトカゲ | 0005 | リザード | 0006 | リザードン |
0037 | ロコン | 0038 | キュウコン | - | - |
0058 | ガーディ | 0059 | ウインディ | - | - |
0077 | ポニータ | 0078 | ギャロップ | - | - |
0126 | ブーバー | ||||
0136 | ブースター | - | - | ||
00146 | ファイヤー | - | - | - | - |
第2世代
No. | たね | No. | 1進化 | No. | 2進化 |
---|---|---|---|---|---|
0155 | ヒノアラシ | 0156 | マグマラシ | 0157 | バクフーン |
0218 | マグマッグ | 0219 | マグカルゴ | - | - |
0228 | デルビル | 0229 | ヘルガー | - | - |
0240 | ブビィ | ||||
0244 | エンテイ | - | - | - | - |
0250 | ホウオウ | - | - | - | - |
第3世代
第4世代
第5世代
No. | たね | No. | 1進化 | No. | 2進化 |
---|---|---|---|---|---|
0494 | ビクティニ | - | - | - | - |
0498 | ポカブ | 0499 | チャオブー | 0500 | エンブオー |
0513 | バオップ | 0514 | バオッキー | - | - |
0554 | ダルマッカ | 0555 | ヒヒダルマ(ノーマル/ダルマ) | - | - |
0607 | ヒトモシ | 0608 | ランプラー | 0609 | シャンデラ |
0631 | クイタラン | - | - | - | - |
0636 | メラルバ | 0637 | ウルガモス | - | - |
0643 | レシラム | - | - | - | - |
第6世代
第7世代
第8世代
第9世代
No. | たね | No. | 1進化 | No. | 2進化 |
---|---|---|---|---|---|
0909 | ホゲータ | 0910 | アチゲータ | 0911 | ラウドボーン |
0935 | カルボウ | 0936 | グレンアルマ | - | - |
0937 | ソウブレイズ | - | - | ||
0952 | スコヴィラン | - | - | ||
0994 | テツノドクガ | - | - | - | - |
1004 | イーユイ | - | - | - | - |
1020 | ウガツホムラ | - | - | - | - |
メガシンカポケモン
ゲンシカイキ
No. | ポケモン |
---|---|
0383 | ゲンシグラードン※ |
※:ゲンシカイキすると、ほのおが追加。
リージョンフォーム
ポケモン | タイプ(変化前) | タイプ(変化後) |
---|---|---|
アローラガラガラ | じめん | ほのお・ゴースト |
ガラルヒヒダルマ(ダルマモード) | ほのお・エスパー | こおり・ほのお |
ヒスイガーディ | ほのお | ほのお・いわ |
ヒスイウインディ | ほのお | ほのお・いわ |
ヒスイバクフーン | ほのお | ほのお・ゴースト |
パルデアケンタロス(ブレイズ種) | ノーマル | かくとう・ほのお |
フォルムチェンジ
No. | ポケモン | フォルムチェンジ |
---|---|---|
0351 | ポワルン | たいようのすがた |
0479 | ロトム | ヒートロトム |
0493 | アルセウス | ひのたまプレート |
0741 | オドリドリ | めらめらスタイル |
0773 | シルヴァディ | ファイヤーメモリ |
1017 | オーガポン | かまどのめん |
タイプ相性と特性
タイプ相性
攻撃側 | タイプ |
---|---|
抜群(2倍) | くさ・こおり・むし・はがね |
今ひとつ(0.5倍) | ほのお・みず・いわ・ドラゴン |
効果なし(無効) | - |
防御側 | タイプ |
抜群(2倍) | みず・じめん・いわ |
今ひとつ(0.5倍) | ほのお・くさ・こおり・むし・はがね・フェアリー |
効果なし(無効) | - |
タイプ特性
タイプ相性考察
ここでは、相性の有利不利の理由となりうるものを列挙して行く。
- くさやむしに強いのは、燃やして絶命させてしまうからであるというのは容易に想像が付く。
- くさに耐性があるのは、燃料となってしまうから。
- むしに耐性があるのは、日本の諺にも「飛んで火に入る夏の虫」という言葉があり、炎の灯は虫を引き寄せてしまうからである。
- こおりやはがねに強く、耐性があるのも高温で溶かしてしまうから。
- 初代では、炎に入って来たものも溶けるという発想がなかったためか、こおりに耐性がなかった。
- フェアリーに耐性を持つ(このことは余り知られていない)のは、妖精が自然現象の象徴とされるのに対し、『火』は文明発展の象徴とされるからであろう。
- みず・じめん・いわに弱いのは、いうまでもなくこれらが火を消してしまうものであるため。
- 五行においても、水は火を消し止める「水剋火」という関係にあるのも言わずもがな。
- こらそこ、熱すれば水は蒸発するんじゃとか突っ込まない。
- 地面や岩で火を消すという発想にピンとこない人のために説明すると、これらの燃えにくいもので火を覆い、エネルギー源である酸素の通り道を塞いで消火する。これを『窒息消火法』と呼ぶ。
- 熱することで固まってしまう土=じめんは耐熱性に優れていないが、石は燃えにくい物体であるため、効果はいまひとつとなるのであろう。
- 五行においても、水は火を消し止める「水剋火」という関係にあるのも言わずもがな。
- 同タイプにあまり効果が期待できないのは、火に火を与えても余計燃え上がるだけであるから。
- ドラゴンに効果が今ひとつなのは至極簡単。ドラゴン自体が火を吐く生き物であり、ファンタジー作品ではウロコに炎の耐性があるとされることが多く、中生代には大半の時期が猛暑が続く気候で基本的に暑さに強い恐竜が栄えていた。
作品ごとの変遷
ポケモン赤緑
初登場にして燃え尽きる程の大不遇時代
御三家のタイプの1つとして登場したものの、ストーリーでも対人戦でも不遇な時代であった。
- 一例
- ほのお技が全て「とくしゅ」に区分されるにもかかわらず、ステータスが「こうげき」寄りに設定されていることが多い。
- ほのお技で弱点を突けるこおりを持つのは5種。このうちジュゴン・パルシェン・ラプラスはみず複合。しかも、この時代はこおり技を受けた際は半減ではなく等倍。
- また、弱点を突けるむしは冒険中盤以降は強敵となり得ず、ほのおが実質的に活躍出来そうなのはくさのみ。そのくさもこおりにひこうでも事足りてしまう。
- メイン技となり得る「かえんほうしゃ」を覚えられるポケモンが少なく、わざマシンにも採用されなかった。覚えてもほとんどがLv.50以上まで育てる必要がある。
- 当時はトレーナー再戦や「しあわせタマゴ」がなく、「がくしゅうそうち」仕様も異なるため、育成にかなりの労力を要した。
- 「かえんほうしゃ」を使えないポケモンは、一つのロム(セーブデータ)で一個しか入手できないわざマシン「だいもんじ」に依存しないと、ロクに戦えない。
- 訪れるダンジョンも海や洞窟が多い上、四天王及びチャンピオン戦では効果抜群をとれるポケモンが、カンナのルージュラとライバルのフシギバナかナッシーのみ。
…と、その不遇振りは枚挙に暇がない。
伝説ポケモンであるファイヤーも、何の手違いか「かえんほうしゃ」でなく「にらみつける」を覚える点も、不遇な印象を強める。
いわ・かくとう・むしと並ばんばかりの不遇タイプであり、対人戦は愚かCPU戦や野生ポケモンの対処にさえ困る有様であった。
それでも、当時のほのおに戦術がない訳ではなく、「どくどく」+「ほのおのうず」の嵌め殺し戦術が確立されていた。
大会でも98カップではLv.30戦という都合上ウインディが「りゅうのいかり」アタッカーとして利用されることが地区予選でそこそこあった(それがほのおポケモンとしての活躍かどうかは別として)。99カップではリザードン、キュウコンが決勝大会にエントリーされ、他にファイヤーが地区予選で使われた。
不遇ぶりに対する判官贔屓なのか、この作品のほのおはビジュアル面で評価が高いポケモンが多い。
代表例として初代御三家リザードン・同期キュウコン・ウインディ・ギャロップ・ブイズの進化形の内の1つであるブースターなど。
特にリザードンはアニメでの活躍による露出度の高さが光っていた。
これらのポケモンは公式にとってして見ても、キャラのアーキタイプとしても有用なデザインであったらしく、初代のほのおポケモンは、イーブイの進化系であるブースターを除いて全てが進化前また進化後、メガシンカ・リージョンフォームなどの派生デザインが後に追加された。
ポケモン金銀
ようやく実質的なスタートラインへ。
新規参戦はヒノアラシ系統・マグマッグ系統・デルビル系統・ブーバーのベイビィポケモンであるブビィ、伝説ポケモンはエンテイとホウオウが登場した。
1つのROMで「だいもんじ」が無限に入手可能となり、『クリスタル』では「かえんほうしゃ」を教えてくれるわざおしえオヤジが登場したことにより、技に困ることは減った。
また、耐性にこおりが加わり、新たに登場したはがねの弱点となったことや、ほのお技を強化する「にほんばれ」追加など、大幅なテコ入れが行われた。
ただ、当時はガラガラが猛威を振るっていたこともあり、ほのお技需要はあれど、ほのおポケモン自身が使われる機会はなおも少なかった。
それでも前作品よりは活躍の芽が出て来ており、新技「はらだいこ」で火力増強を行えるリザードン、じめんタイプ無効で超火力を誇ったファイヤー、新勢力にしてあくタイプ複合のヘルガーなどが活躍していた。
ほのお技の需要としては、エアームド対策に「だいもんじ」を仕込むという光景が良く見られ、その後の作品でも「ほのおでなくてもはがね対策にほのお技」という役割破壊は定番となっていった。
一方で炎御三家のバクフーンは種族値がリザードンと被っているだけでなく活用性にも難があった。
同じくエンテイも技の揃いが良くなく、能力も偏りがあるために不遇気味だった。
……この当時は。
ミュウツー同様の禁止級であるホウオウは、攻撃の高さはあまり活かせなかったが、専用技「せいなるほのお」が5割の確率で「やけど」を負わせるというとんでもない性能を誇り、使用可能なルールでは猛威を振るった。
ポケモンRS
さらなる技の改善も伸び悩み。
新勢力では御三家アチャモ系統の最終形態であるバシャーモが登場。
かくとう複合であり上記のカビゴンで止まらない他、HPが減ってから特性「もうか」や技「きしかいせい」を活用する戦術で名を馳せた。
圧倒的な「防御」を誇り、ジムリーダー・アスナの切り札であるコータスもこの作品出身だが、本気を出すのはだいぶ先の話。
既存ポケモンでは、ウインディが特性「いかく」を手に入れ、物理ポケモン牽制役としての仕事を得た。
後の作品でもダブルバトルにおけるメジャーポケモンの一角として活躍することとなった。
強力なはがねタイプであるメタグロスの登場により、ほのおタイプの需要を拡大させた。
技の面では「かえんほうしゃ」が悲願のわざマシン化、「だいもんじ」を超える火力を誇る「オーバーヒート」が登場し、攻撃技の改善がなされた。
また、特性「もらいび」が登場しほのお無効が増えてしまったが、この特性が与えられているのは現在でもほのおタイプのみ。
この他、孵化厳選のお供である特性「ほのおのからだ」、ほのおタイプ初の状態異常技「おにび」の登場もこの作品。
前述の通り、技の整備が進んだので初代のように不遇とまでは行かないのだが、特性「あついしぼう」を手に入れたカビゴンによって止まってしまうため、ほのおタイプ自体の使用率はまたもや頭打ちになってしまった。
ポケモンDP
転換期の到来。
何と『DP』シナリオで手に入るほのおタイプは、御三家を除けば、ポニータ系統のみ。
しかも、新規追加組は御三家以外に2匹のみという貧相極まりない状況。
また、ドラゴンタイプ且つじめんタイプ構成のガブリアスが登場。特にシングルバトルで猛威を振るい、目の上のたん瘤状態になった。
こんな有様で初代ばりの最底辺に落とされるかと思いきや……ところがどっこい。
この作品からもうかの如きほのおタイプの逆襲が始まった。
ポケモン個別で見ると、新規組ではブーバーが進化を遂げ、ほのおタイプでは初の「10まんボルト」習得者となったブーバーン、まさかのはがねとの複合で、豊富な耐性を持つ伝説のポケモンヒードランが登場した。
そして、物理特殊両方のほのお技を覚え、かつ、かくとうタイプとの複合でほのおが効きにくいタイプのポケモンにもある程度強く、多彩な技を覚えるほのお御三家ゴウカザルは、ルールを問わず八面六臂の大活躍を見せた。
その活躍ぶりは、たとえカイオーガがいようとも平気でその横に居座って戦えるほどだった。
既存組では、「ふんか」を手に入れて超強化を果たしたバクフーン、「せいなるほのお」物理化に加え『HGSS』にて「ブレイブバード」が与えられ、不死鳥の如く蘇ったホウオウなどが活躍した。
「特殊」一色だったほのお技が「物理」「特殊」に分離され、高い「攻撃」を生かすことができる高威力のほのおタイプの物理技「フレアドライブ」が登場した。
習得するまでの経緯はポケモンによってはかなりの高レベルを要したり、遺伝経由を要するなどある程度の条件はあるものの、ウインディを始めとした多くのポケモンが一気に強化された。
……ブースターやエンテイといった一部のポケモンが当時覚えられなかったりもしたが。
同時に、みずタイプ対策の「ソーラービーム」、状態異常技「おにび」が広く配られ、戦術の幅が大きく広がった。
特に前作品から追加された「おにび」は、それまで攻撃一辺倒だったほのおタイプのイメージを覆し始めることにもなった。
また、前作品に登場した「ねっぷう」が2匹攻撃の威力増加でダブルバトルでの需要が増加し、『プラチナ』以降はすべてのほのおタイプに配られた。
……一方で、これらの恩恵を受けられなかったマグカルゴ、ブースター、エンテイなどは、恩恵を受けたポケモンとのタイプ間格差が拡大してしまうことになった。唯一神、唯一王などのようにネタ的に持て囃されることはあったが。
『ポケモンBW』
躍進はまだ続く。
ゴウカザルの活躍を受け、あらゆる方向から強さの拡充がされた。
伝説ポケモン・レシラムを筆頭に、ゴースト複合で「とくこう」種族値驚異の145を誇るシャンデラ、ほのお最高の「こうげき」種族値140を有し、隠れ特性によるフォルムチェンジでエスパー複合となるヒヒダルマ、むしタイプ複合でとくこう種族値135を誇り、卵孵化要員としても有用なウルガモスなど、短所はあれど一度暴れ始めたら止まらない強力なポケモンたちが追加された。
……中には、不遇な状態で追加されたクイタランやバオッキーみたいなのもいるが。
御三家はポカブ系統の最終進化形エンブオーが登場したが、まさかの3代連続の御三家でのタイプ被りとなった上に同タイプの御三家の存在が重く、没個性が浮き彫りとなってしまった。
また、ほのおタイプ初の幻のポケモンであるビクティニが登場したのもこの作品。
既存ポケモンでは、キュウコンにまさかの隠れ特性「ひでり」が追加された。
……だが、他の天候変化特性持ちに比べ圧倒的に素早く、同時に登場してしまうとあっさり天候を取られてしまうため、使い勝手は今一つであった。
また、バシャーモが何と隠れ特性「かそく」を手に入れ、しかも「とびひざげり」まで習得し、同タイプのライバルであるゴウカザルとの差を埋めるどころかゴウカザルを凌ぐ強さを手に入れた。
リザードンも隠れ特性「サンパワー」を手に入れ、「はれ」とのシナジーを獲得した。
……しかしながら、バシャーモとリザードンはともに限定品(本を買ってランダムで手に入る)だったせいで、そこまで広まらなかった。
『ポケモンXY』
最盛期突入。
新たに追加されたポケモンこそ少ないものの、チート特性「はやてのつばさ」を擁するファイアローが、『XY』全体を通じて対戦環境を制圧した。
ほのおとしての要素は少ないが、「おにび」を受付けないメリットが大きく、また自身も「おにび」を使い持久戦を展開することがある。
御三家はフォッコ系統の最終進化系マフォクシーが登場。こちらはビクティニ(フォルムチェンジ込みならヒヒダルマ(ダルマモード)も)と同じ希少なエスパー複合で、バシャーモから続いたかくとう複合被りのマンネリ脱却を果たした。
また、ノーマル複合・カエンジシ、初のみず複合である幻のポケモンのボルケニオンも登場した。
この他、リザードンがメガシンカを2種類も獲得し、メガリザードンXは特性「かたいツメ」での物理高火力、メガリザードンYは特性「ひでり」での特殊高火力を相手にぶつけられ、しかもどちらで来るか事前には分からないため、非常に強力。
どちらもメガシンカによってみず弱点を打消すことが出来るのもポイントである。
バシャーモは隠れ特性「かそく」が本格解禁された他、同じ特性「かそく」を持ち従来個体でも活躍できるメガシンカも手に入れて高火力と高機動力を両立するメジャーポケモンにのし上がった。
加えて『ORAS』ではあのグラードンがゲンシカイキによってほのお複合となり、且つ専用特性「おわりのだいち」で4倍弱点となるみず技を無効化するというとんでもない性能となった。
対戦面では新たに追加されたフェアリー半減タイプの1つとなり、耐性が5となった。
「おにび」も命中率が上昇した反面、永続天候が終了。一部特殊技威力が下げられてしまった。
既存ポケモンでは、ヒードランが唯一フェアリー技を1/4に出来るポケモン(『XY』当時、後にどく複合エンニュート系統・テツノドクガ、はがね・どく複合ブロローム系統が登場したことで解消)となり、フェアリーストッパーとしての役割を得た。
エンブオーは前作品と同じく立ち位置が厳しかったが、隠れ特性「すてみ」を獲得したことでようやく他の炎御三家にない個性を得ることが出来た。
また、過去作品で不遇ポケモンの代表格であった唯一王ことブースターに「フレアドライブ」が、唯一神ことエンテイに「せいなるほのお」が与えられ、その不名誉な称号を返上した。
特にエンテイは元々高いステータスも合わせて、ほのお単タイプではトップクラスといわれるまでに。
惜しむらくは、この作品の対戦環境がいわゆる暗黒時代だったことだろうか。
『ポケモンSM』
新勢力参入。
新規追加はアローラ御三家で最終進化するとあく複合となるニャビー系統、どく複合のエンニュート系統、伝説・メガ以外では初のドラゴン複合・バクガメス、ウラウラ島のめらめらオドリドリ、そして『USUM』が初登場となる新規UBのズガドーン。
この作品の環境では、原種譲りの「ひらいしん」+専用道具(ふといホネ)による高火力のアローラガラガラがゴースト複合に変わったことで、でんき受けとしての需要が急増。
高速型エンニュートは2匹目となるフェアリー1/4のポケモンで、環境に多いはがねやフェアリーに刺さりやすい。
シャンデラ以上の「すばやさ」を持つズガドーンは高火力専用技「ビックリヘッド」が非常に強力。
ほのお御三家の最終形態ガオガエンについては後述。
一方、ファイアローの「はやてのつばさ」が弱体化して数を減らしただけでなく、何と弱点であるみずが大幅強化されてしまったため、前作品に比べて立場は苦しくなった。
しかも、「やけど」状態ダメージが1/8から1/16に修正されて弱体化。
強力なフェアリーやはがねが増えたが、豊富なサブウェポンや複合タイプで押し負けかねず、全体的にマークが厳しくなった作品といえる。
それでも、大幅な弱体化とはならず、むしろ強化された部分もある。
たとえば、メガガルーラの陰に隠れがちだったメガリザードンが対戦環境の変化により伴い躍進し、メガ枠の採用率トップを勝ち取った。
そして、コータスがまさかの特性「ひでり」を獲得した。キュウコンと異なり「すばやさ」は天候変化特性持ちで最も遅い(ヒポポタスよりも!)上に「ふんか」も覚えることからダブルでの需要が一気に上昇、様々なコンボによって活躍するようになった。
一方、当のキュウコンはリージョンフォーム(アローラキュウコン)で「ゆきふらし」を手に入れ、しかも強力な変化技「オーロラベール」を手に入れ原種以上の大活躍を見せているという。
そして、『USUM』でガオガエンの隠れ特性「いかく」が突如解禁された。
それまで「耐久が高く、フェアリーが抜群にならず、『やけど』も『いたずらごころ』も無効化し『とんぼがえり』も専用Zワザもある『ねこだまし』持ち」としてかなりの評価をされていたところに特性「いかく」が加わりダブルに欲しい性能をこれでもかという程取り揃えたポケモンになったことで、一躍ダブルのトップメタに躍り出ることとなった。
一方、前作品でライバルに大きく差をつけられたゴウカザルは、ダブルバトルでの立ち位置をガオガエンに完全に奪われた挙句、種族値のインフレが加速したことで第一線から退いた。
この作品で新たに追加された新技「もえつきる」は、ほのお以外が使うと必ず失敗且つ使用後にほのおが消えるという効果を持ち、交代まで効果が持続するというもの。
……タイプ一致補正と耐性が消えるという難点もあるので一長一短であるが。
『ポケモン剣盾』
2度目の最盛期到来。
追加されたのは御三家エースバーン・いわ複合セキタンザン・むし複合マルヤクデ。
新規のリージョンフォームでほのおタイプを持つものはいなかったが、既存のほのおポケモンのうちポニータ系統とダルマッカ系統がリージョンフォームを獲得して別のタイプになった。
ほのおタイプのダイマックス技はダイバーンで、5ターンの間日差しが強くなる。
ダイマックスの仕様で従来の特性や道具とも両立できるため、天候の上書きが激しい作品となっている。
キョダイマックス持ちはリザードン・エースバーン・マルヤクデ・セキタンザンが該当。
今作品ではメガシンカとZワザ廃止に加え、使えるポケモンも制限され、段階を経て増えて行くという方針を採っているため、同作品内でも段階によってほのおの地位は絶妙に変化している。
『ポケモン剣盾』
新勢力のセキタンザンは特性「じょうききかん」を持ち、ほのおまたはみず技を受けると「すばやさ」が能力最大限まで上昇するため、「じゃくてんほけん」を持たせてみず技を受けさせることで上からの制圧を目指す戦術が開発され、ダブルバトルで活躍を始めた。
マルヤクデの専用キョダイマックス技「キョダイヒャッカ」は「ほのおのうず」の上位版といった性能を持ち、使用者が場を離れても効果が持続する。
ほのお御三家最終形態・エースバーンは高速高火力の物理アタッカーで、ほのお単タイプながら優秀な専用技「かえんボール」を持つ。
もう1つの専用技「コートチェンジ」は互いの場の効果を入替える効果を持つが、使いどころは難しい。
キョダイマックスや隠れ特性に関しては後述。
既存組ではここに来て「サンパワー」リザードンが覚醒。
キョダイマックス技「キョダイゴクエン」は4ターンの間、ほのお以外にスリップダメージを与える効果を持つ。
前述の「キョダイヒャッカ」と同様、使用者が場を離れても効果が持続する。
敢えて通常ダイマックス個体を採用し、「ダイジェット」で「すばやさ」を上げ、「ダイバーン」で晴れにしてから特性「サンパワー」による超火力で焼き払うという、ともすればメガリザードンYをも凌駕する驚異的な全抜き性能を入手した。
具体的には「とくこう」最大+「こだわりメガネ」+「だいもんじ」で無振りサザンドラが確1。
ダブルではキョダイマックス個体が多く採用され、味方の天候変化を受けて前述の「キョダイゴクエン」をお見舞いする戦法が見られる。
コータスは天候変化要員としての需要が保たれたのみならず、「あくび」がダイマックス対策として見出され、さらに高い物理耐久を活用できる「ボディプレス」も手に入れたことで弱点対策もできるようになった。
さらにヒートロトムは「わるだくみ」が追加され、耐性を活かした立ち回りに加え全抜きまで狙えるようになり、大きく使用率を伸ばした。
『鎧の孤島』
『鎧の孤島』ではファイアロー、ウルガモスが復帰。
DLC配信に前後して『ポケモンHOME』が解禁され、原種ポニータ系統、原種ダルマッカ系統、ニャビー系統も『剣盾』に連れて行けるようになった。
新たに追加された教え技は「しっとのほのお」。
そのターンに相手が能力を上げていると、その相手を「やけど」状態にする。
後攻前提での効果になるためか「すばやさ」の低いコータスなどと相性がよい。
地味に相手2匹を対象にするのもポイント。
ガオガエンは一部の技が過去作限定となり、さらに「いかく」メタも増えたことにより以前より動き辛くなった。
しかし「すてゼリフ」を新たに習得し、サポート性能がより強化された。
そんな中で2020年6月、突如エースバーンの隠れ特性「リベロ」が解禁。
この特性の効果はかの有名な「へんげんじざい」と同じであり、一躍シングトップメタに躍り出た。
さらに鎧の孤島でキョダイマックスも解禁され、よりその強さに拍車が掛かる様に。
専用キョダイマックス技の「キョダイカキュウ」は、ほのお技であればどれでも威力160固定且つ特性を貫通するため、突破力が上がった。
これによりリザードン・コータス・ガオガエン・エースバーンの4強状態が出来上がり、特にダブルで大活躍を見せた。
だが、シリーズ6でリザードンを除く3匹がシリーズ7まで使用禁止という憂き目にも遭った。ちなみに3匹禁止はくさ、フェアリーと並ぶ最多となる。
DLC『冠の雪原』
DLC『冠の雪原』では御三家のアチャモ系統、原種ファイヤー、エンテイといった伝説組が復帰。
バシャーモはここに来て遂に念願の「インファイト」「とんぼがえり」を習得。
代わりにメガシンカと「とびひざげり」を失ったが、それを補って余りある強化を得た。
エンテイも「しんそく」「フレアドライブ」が全個体に解禁となり、「かみくだく」「てだすけ」などが追加され、さらに隠れ特性「せいしんりょく」本格解禁且つ「いかく」無効の追加によってダブル適性が大幅上昇した。
エースバーンは原種サンダーに立ち位置を奪われたものの、トップメタとしての強さは未だに健在。
対戦では上記の4強に加えてバシャーモ、エンテイを加えた6匹がバトルを席捲している。
また、禁止級が1匹だけ使用可能な竜王戦ルールではホウオウ、レシラムが参加できるようになった。
このように、剣盾でのほのおタイプは2回目の全盛期にあると言える。大不遇時代だった初代からすれば、考えられない大躍進である。
第9世代
テラスタル導入、変わる世界
追加は御三家でゴースト複合・ラウドボーン、くさ複合・スコヴィラン、分岐進化でエスパー複合・グレンアルマとゴースト複合・ソウブレイズ、未来種・テツノドクガ、災厄・勾玉イーユイ。
テラスタイプとしては、やけど状態を予防出来るため、物理アタッカーとの相性はかなり良く、通りの良いフェアリーに耐性を付けられる点も大きい。
特性「ふゆう」持ちなら地面を無効化出来、特にフライゴンは元のタイプからも恩恵が大きく今まで机上の空論であった「物理系ふゆう持ちポケモンに炎テラスタルを使うことで弱点を補いつつ、やけども封じながら強力な物理攻撃を行う」という連携が出来る様になった。
『SV』初期
パラドックスポケモンと準伝説が使用不可能なシリーズ1ではラウドボーンとウルガモスが環境に進出。また、ソウブレイズやグレンアルマが晴れパエースストッパーや特性「くだけるよろい」エースとして使われた。シリーズ1シングルバトルで使用率ベスト30に入ったのは以上であるが、これはテラスタルを切ればどんなポケモンでもほのおタイプに変わることができ、耐性としてのほのおタイプが元々ほのおタイプを持つポケモンがいなくとも用意できるのもある。
パラドックスポケモンが解禁されたシリーズ2においてはテツノドクガがトップメタに立った。攻守ともに優良なタイプ、高火力を活かし、非常に腐りにくい枠となっている。
四災が解禁されたシリーズ3ではイーユイが環境に追加された。イーユイはその火力から多くのポケモンにみずやほのおテラスタルを搭載することを強要した。
DLC前編『碧の仮面』
かまどオーガポンが追加。
かまどオーガポンはそのパワーとスピードで環境の頂点に立ち、多くのポケモンは「如何にかまどオーガポンを上から叩くか」「如何にテラスタルを駆使しつつ読み合いに勝って、かまどオーガポンの攻撃を1耐えするか」という勝負に引きずり込まれることとなった。
DLC後編『藍の円盤』
新規では準伝説格の古代パラドックスとしてウガツホムラが参入。また過去のほのお御三家が全系統復帰することとなった。
シングルバトルではウガツホムラ、エンテイがエースとして、ガオガエンがサイクル型、クッションとして使われるに至った。ダブルバトルではいつものごとくガオガエンが最上級のサポーターとして最前線に君臨し、エンテイが「せいなるほのお」と「しんそく」を武器にエースとして利用されるように。
レギュレーションGではシングル・ダブル共にコライドンが事実上のほのお複合として利用される。イーユイも禁止級伝説環境の中にあってもそのパワーは健在。シングルの耐久型としては解禁組のホウオウが進出。
ダブルでは打点として両バドレックスとパオジアンに刺さる上にサポーターとしても依然取り回しが良いガオガエンが通常環境以上に活躍し、コライドンと同じく晴れパの始動役であるコータスもそもそもの対フェアリー性能やトリパ適性から棲み分けができており使用率もそこそこの位置に付けている。
準伝説・パラドックスポケモン以上が使用不能なレギュレーションHシングルバトルでは、ウルガモスとラウドボーンに活躍が集約され、半端なほのお枠にとっては肩身が狭い状況。一応環境が進むとブレイズケンタロスがそれなりの位置に付けている。一方、ダブルバトルではガオガエン・コータス・ウルガモス・ファイアロー・ヒスイバクフーン・グレンアルマと様々なほのお枠が活躍しており、アタッカーからサポーターまでほのお枠が活き活きしている。環境が進むとダブルで「しんかのきせき」「このゆびとまれ」サポーターとしてブーバーが台頭。
『ポケモンGO』
攻撃性能が高く、耐久力が低めなポケモンが多いため、主な活躍の場はレイドバトル。
優秀なゲージ技である「ブラストバーン」を得た炎御三家達や「こうげき:種族値が高いファイヤーにエンテイにシャンデラなどが良く利用されている。
トレーナーバトルにおいては、対人戦に向かない種族値配分のポケモンが多いのに加えて、どのリーグ区分においてもみず・ドラゴン使用率が高いため活躍は難しい。
炎御三家一覧
ほのおポケモンの主な使い手
比較的男性比率が高く、現時点で3人しか女性トレーナーがいない。赤い髪や服を着用している人物が多く、肌露出が多く動きやすい服装をしているトレーナーが多い。
トレーナー自らもポケモン勝負中に熱い感情を持っている人物が多い。
カツラ | アスナ |
---|---|
ジムリーダー(カントー) | ジムリーダー(ホウエン) |
オーバ | ポッド |
四天王(シンオウ) | ジムリーダー(イッシュ) |
パキラ | カキ |
四天王(カロス) | キャプテン(アローラ) |
カブ | メロコ |
ジムリーダー(ガラル) | スター団 |
アカマツ | |
四天王(ブルーベリー学園) | |
その他のタイプ
ノーマルタイプ | ほのおタイプ | みずタイプ |
くさタイプ | でんきタイプ | こおりタイプ |
かくとうタイプ | どくタイプ | じめんタイプ |
ひこうタイプ | エスパータイプ | むしタイプ |
いわタイプ | ゴーストタイプ | ドラゴンタイプ |
あくタイプ | はがねタイプ | フェアリータイプ |
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