基礎データ
概要
ポケモンSVから登場する、パルデア地方の環境に適応したケンタロスのリージョンフォーム。
パルデア地方は闘牛の文化があったスペインがモチーフである点を踏まえると、初代牛ポケのケンタロスにスポットが当たる可能性は十分にあったと言え、またそれを意識してなのか、メインのタイプがノーマルタイプからかくとうタイプに変更されている。
残念ながらバリコオルやハリーマンのような進化形は登場しないが、なんとかくとうタイプのみならず下記の特徴を備えた「コンバット種」の他に、ほのおタイプが付加された「ブレイズ種」と、みずタイプが付加された「ウォーター種」の合計3種が登場する。
炎御三家以外のほのお・かくとうは史上初、みず・かくとうは本作初登場のウェーニバルに続き一般ポケモンとしては通算3組目。特に後者は水牛ポケモンの枠をケンタロスが掻っ攫っていく事になった。
コンバット種がどちらのバージョンにも出現する一方で、ブレイズ種はスカーレット、ウォーター種はバイオレットにのみ出現する。バージョン限定種の出現率はかなり低く、クリア後のキハダ先生とのバトルまで一切見かけなかったというプレイヤーも存在する。ブレイズ種とウォーター種は★5~6のテラレイドバトルでも出現するが、こちらもバージョン限定。
色違いは、本作で初登場したポケモンの中でも屈指の識別難易度の高さを誇る。色の構成自体は「たてがみ&蹄&尻尾の先とそれ以外の体毛の配色を逆転させただけ(種特有の部分は変わらない)」という極めてシンプルな物だが、その色というのが同系統な上に非常によく似ており、光の当たり方等によってはほぼ同じに見えてしまう。後述の突進の習性も相まって、見分けるのは至難の業である。少なくとも、前情報のない完全初見の状態では、まず見逃してしまうだろう。
コンバット種
原種の茶色い身体から一変、体色は真っ黒に変わり、ツノが若干短く、より筋肉質な身体を持つ。
逆に容姿・生態共にそれ以外の差異は殆どなく、リージョンフォームを知らない人には色違いにしか見えないかもしれない。
ブレイズ種
高温の鼻息を吹きだすのでブレイズ種と名づけられた。ツノの先が鋭く顔の前に突き出る形に曲がっており、赤い模様が入った体毛は逆立っている。コンバット種よりも一際長い3本の尻尾はこれでもかと言うほど束状に捻れに捻れている。ツノは熱する事で摂氏1000度の高温と化し、赤色化したツノで突き刺した相手を痛さと火傷で苦しめる。他の種と比べると若干細めな体つき。
ウォーター種
ツノが太く2つのコブがつき、先から勢いよく吹き出した水で敵を貫く。青い模様が入った体毛は下向きに垂れている。尻尾はスクリューのような螺旋状に変形、回転する。脂肪分が多く浮遊性が優れる等、泳ぐ事に特化した身体の作りをしている。四肢も他の種と比べて若干短め。こちらは青色にツノが光る。
レッツゴーで連れ歩いた際に泳ぐモーションがあるのはこの種だけで、シンクロマシンでも溺れずに水中でも操作させることができる。
ゲームでの特徴
- フィールド上では常に群れで行動しており、原種同様不用意に近付いて気付かれると、こちらに向かって突進してくる。幸いダメージは無いものの、バトルの最中に周囲を取り囲んで突っ込んでくるため、バトル終了後に接触して連戦する羽目になることも。途中で乱入してこないだけ、まだ紳士的と言えるか。対策としてレッツゴーで蹴散らすのも手。
- なお、ケンタロスが現れる所は努力値ダウンのきのみが落ちている所でありきのみ回収のためにはレッツゴーでケンタロスを蹴散らせるポケモンは必須と言える。
- また、この暴れっぷりから『パルデアじゃなくてヒスイ地方出身だろ』と言われる事も。
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
パルデア種 | 75 | 110 | 105 | 30 | 70 | 100 | 490 |
原種 | 75 | 100 | 95 | 40 | 70 | 110 | 490 |
比較 | ±0 | +10 | +10 | -10 | ±0 | -10 | ±0 |
- 種族値は原種から素早さと元々いらなかった特攻が下がり、その分攻撃と防御が上がっている。姿ごとに種族値の差はない。効率的でバランスが良くなったと言える。
- また習得技の多くはどの姿でも共通している一方で、姿によって覚えられる技が細かく異なり、以下の特徴がある。
- 原種と違い、いずれの種もこおりタイプ技を覚えない。
- 種族値は共通しているので育成方法は物理アタッカー一択。どのフォルムに共通するメインウェポンとしてはインファイト、レイジングブルがオススメ。サブウェポンとしてはフェアリータイプへの打点としてアイアンヘッド、ひこうタイプへの打点としてストーンエッジやいわなだれが候補に挙がる。
- 「きあいのタスキ」対策として「にどげり」も覚えられる。A252かつ格闘テラスタル状態なら火力アイテムが無くとも耐久に無振りか無振りベースのマスカーニャ程度なら確定1発に沈められるので、もしマスカーニャの上を取れる「こだわりスカーフ」型を育てるなら覚えておいて損はない。
- タマゴわざでのろいも覚えられるが、デメリットを考えるとビルドアップを使った方が良い。だが、上述したように覚える技や耐性が多少異なるので、運用方法が大きく変わってくる。
- Aは110と一見アタッカーとしてもう一声な水準だが、威力120のタイプ一致技を2タイプ両方に貰っているため、A種族値だけ見て切り捨てるのは早計。不一致にも威力100の「じしん」、「ストーンエッジ」を持つため、尚の事である。
- SV初期のポケモンプールではほのお/かくとう複合がこのポケモンしか存在しないため、独自の立場を築き上げている。サザンドラとサーフゴーの相性補完コンビに対して両方一致で抜群を突ける他マスカーニャにも相性上有利で、ミミッキュにも「いかく」と「アイアンヘッド」で十分役割を持てるため、少なくとも他のポケモンには真似できない持ち味はあると言える。
- 難点としては、新たに弱点となったエスパータイプへの打点がどろぼうぐらいしかないことがあげられる。
スマートホーンは覚えられても、原種が使えたつのでつくやメガホーン、じごくづきは覚えられない。相手にヤドランなどがいる場合は素直に退くべきだろう。
- ダブルバトルではシーズン2からウォーター種の使用率が急上昇し、見事ベスト30入りを果たした。自身が持つ「いかく」に本来強いはずのドドゲザンやコノヨザルですら、ものまねハーブで「まけんき」をコピーすれば強気に出られる(そもそもドドゲザンをパルデアケンタロスの前に出す人は殆どいないだろうが)。
- ブレイズ種もシリーズ1シングルバトルで使用率40位台を推移するなど健闘。こちらは「いかく」や「おにび」、「がんせきふうじ」である程度起点作りをこなすこともでき、「インファイト」+「だっしゅつパック」で削りを入れつつ退場できるのが強み。
- かつて151匹の頂点に君臨した時程ではないが400程度のポケモン達の中で40位台に戻って来るのはやはり従来のポテンシャルの高さの表れと言える。
- シリーズ3シングルバトルではブレイズ種が独特の需要を得ている。一般的な型のパオジアン、イーユイに対して有利な上に、チオンジェンやディンルーにも十分な一致抜群打点があるためである。一致で抜群を突いてくるディンルーにも「いかく」が入れば楽であり、しかも起点作り型が主体であるディンルーの場合耐久振りが殆どなので一致「じしん」を入れられたところでどうという事はない。
- WCS2023サンディエゴ予選優勝パーティにはわんぱくHbSベースで「ぼうじんゴーグル」を持ったウォーター種がエントリーされていた。マスカーニャやサザンドラを意識した耐久調整であった。
- ★7テラレイドバトルでダイケンキがピックアップされると、その対策として使われるようにもなった。そのダイケンキはテラスタルがむしで固定なので、味方のマスカーニャの「トリックフラワー」辺りで「いかりのつぼ」を突いてもらえば後はワンパンできる。後の最強のインテレオンの時も同様で、相手が特性「スナイパー」発動を狙う技構成を「いかりのつぼ」発動に逆用できる。
使用トレーナー
ゲーム版
※1:炎・水の2匹
※2:オープニング映像のみ
※3:コンバット種
アニメ版
- ネモ (放課後のブレス)
アニメ版
アニポケ・リコとロイの旅シリーズ
- ED「RVR〜ライジングボルテッカーズラップ〜」
- 「リコとロイの旅立ち編」ではコンバット種、「テラパゴスのかがやき編」からのオリオver2でブレイズ種・ウォーター種が登場。
- 9話・51話:野生でコンバット種が登場。
放課後のブレス
SV前日譚である本作の第2話『息をのむ』にて、オープニングにしか登場しなかったネモの手持ちであるコンバット種がアリキスとのバトルで登場。テラスタイプは「かくとう」。
余談
余談だが、3種はいずれも他種への後天的な変化はせず、タマゴを作っても親と同種の個体しか生まれてこない。
ただ、他のリージョンフォームと同様、種類を問わず「かわらずのいし」を持たせずにパルデア外でメタモンとの間にタマゴを作らせると通常のケンタロスが孵化する。一方、通常のケンタロスに「かわらずのいし」を持たせずにパルデアでタマゴを孵化させると、必ずコンバット種が孵化する。
これを利用して、パルデア外でブレイズ種/ウォーター種とメタモンを交配させて通常のケンタロスを産ませ、それを今度はパルデアに持ち込んで再度タマゴを作らせることで疑似的にコンバット種への変更を行うことができる。隠れ特性やオシャボを遺伝させたい時には覚えておいて損はないだろう。
関連イラスト
関連タグ
0127.カイロス(メガカイロス)→0128.ケンタロス(パルデアケンタロス(コンバット種/ブレイズ種/ウォーター種))→0129.コイキング