概要
水は、化学的には化学式 H₂Oで表される、水素と酸素の化合物。大抵は液体の状態を指し、固体を「氷」、気体を「水蒸気」と呼ぶ。
常温では透明な液体。水中の不純物や周囲の光の加減で様々な色に見えることがある。一般に無色透明と言われ、コップ程度の量ではほとんど無色に見えるが、純粋な水は色は淡い青色(=水色)を帯びる。
海や湖が青く見えるのは空の反射ではなく、主に水そのものの色による。
地球上にはありふれた物質であり、海や川、氷雪、雲や霧、雨や雹などの形で目にすることができる。私たちには直接目にできない形態の水も、空気中の水蒸気(湿度を参照)をはじめ、タンパク質やセルロースなどの生体分子あるいは岩石などの鉱物などと結びついた結合水や、地中の地下水といった形で、いたるところに存在する。
なお、中国語(漢語)では高温の水を熱水と呼ぶが、日本語では温度が常温より高くなった水を湯と呼んでいる(中国語では、湯はスープのことである)。また、日本でも地質学などではマグマで熱せられた地下水などに対して熱水の語を使う。地下の熱水が地上に湧き出したのが温泉である。
生活必需品の一つでもあり、飲み物や料理などに1人当たり最低3リットルの水が必要と言われているほか、現代人は風呂、トイレ、シャワー、洗濯などの水洗い用途に大量の水を消費している。
化学物質としての水
身近に豊富にあるので意識されることは少ないが、化学物質としてみると特殊な性質を多く示す異常な化合物である。特筆すべきは後述の「冷やして固体にすると膨張する性質」と「物質を溶かし込む性質の強さ」であるが他にも多々あり、調べてみると面白いだろう。(→詳細)
生物の代謝は水の性質と密接に結びついており、水がなければ生物の誕生も不可能だっただろう。
温度との関係
普通の物質は温度が下がるほど容積が縮んで密度が上がるものだが、 水の場合は冷やして固体(=氷)にすると逆に膨張して密度が下がる(だから氷は水に浮く)。これは固体の水分子同士が水素結合という結びつきをつくり、凍結の際に隙間を作りながら結晶化するためである。水の密度は+3.98℃のときに最大になり、これより温度が下がると水素結合を形成し始め体積が増えるので負の膨張率を示す。このような物質は他にはない。
この性質のため、水は必ず水面付近から凍る。凍った水面に守られて水域の温度は一定以下には下がりにくくなり、厳しい冬の間でも生物の生存が可能になる。
なお、地上の水は摂氏100度を超えると沸騰してしまうが、地下の熱水は圧力がかかっているため、摂氏100度を超えても液体であることが珍しくない。温度の高い水は多くの物質を溶かすことができるので、温泉には多くのミネラルが含まれている。
水の溶解性
物質を溶かし込む性質がとても強く、イオン性の物質(電解質)も、気体も有機物も(量の多少はあれど)容易に溶かして水溶液をつくる。このため水溶液である細胞質基質において生物活動を発揮するさまざまな化学反応が行われる。また、各細胞には水溶液である組織液を通じて酸素や有機物が拡散供給される。
油は常温では水に溶けにくいのは広く知られている。しかし常温の水でも石鹸などの界面活性剤を混ぜると、油をも簡単に溶かしてしまう。水に熱を加えて湯にすると、物質を溶かし込む速度が速まり、界面活性剤なしでも油汚れを落とすことが容易になる。掃除や洗浄にお湯を使うと効果的なのはこの性質による。
さらに圧力を加えて高温の超臨界流体としてしまえばその性質は更に高まり、あらゆる有機物を溶かすようになり、腐食しにくい金のような金属ですら溶かしてしまう。加えて、超臨界流体の水はどんな有機物でも分解させることができるので、有害物の分解に用いられる。
水の溶解性は、純粋な水(純水)を得たい時には厄介な性質となる。というのは蒸留しても空気を溶かしこみ、さらにガラスの一部の成分(ナトリウムイオン)を溶かし込んでしまうからである。よって、逆浸透膜などを使って製造される不純物の極端に少ない超純水は、空気に触れないようにした上、パイプや容器の成分が溶け出す前に速やかに使わなくてはいけない。
創作において
ここPixivをはじめとした様々な創作の場でも、水は色々な形で関わっている。
水面の煌めき、波のうねり、水しぶきなどの表現がその一例で、それらを上手く描けることが絵師が持つ一種のステータスにもなっている。
また、ゲームではキャラクターの能力や武器の属性として関わっている他、プレイヤーの行く手を阻む障害物としても登場する作品も存在する。
そういったものは水位を操作して道を切り拓く謎解き要素、またはそれを飛び越えたり、激流を下ったりするアクション要素も盛り込まれることもある。
『水属性』の記事も参照。
関連イラスト
関連タグ
状態
場所・地形
海 湖 池 沼 泉 水たまり 水平線 川 滝 水路 噴水 温泉 間欠泉 地下水 湧き水
水辺 水上 水面 水没 水中 海中 水底 海底 水の都 水郷 水上都市 水没都市
動作
水しぶき 波 波紋 泡 雫 水滴 水柱 流れ 水流 流水 放水 水撒き 水まき 洪水
水に接する
水を使う・水に対するものなど
ホース 水やり 打ち水 農業 田んぼ ポンプ 用水路 水道 蛇口