概要
京成電鉄の通勤型電車。輸送力増強と旧型車両(いわゆる「青電」)の置き換えのために、1972年~1982年にかけて4両編成24本の合計96両が製造された。
京成電鉄において初となるステンレス車体で、外板をステンレス、骨組みを普通鋼としたセミステンレス構造である。なお、後期に増備されたモハ3583、3584と3588編成が試験的にオールステンレス構造で製造され、最終編成の3596編成は3600形と同じオールステンレス構造となった。
3300形同様、4両固定編成を2両ずつ分割し、別の4両固定編成につないで6両編成にできる。
運用
都営浅草線乗り入れ対応としていたが、先頭車は「運転台側の台車はモーター無し」とされ、乗り入れ協定の都合から京急線への乗り入れは原則認められなかった。(なお、登場から約6年間、乗り入れに使用されたことがある。)
ただし、後述の更新工事の際に京浜急行へ乗り入れのため、先頭車の台車が前後で交換されたことで京急線内への乗り入れが可能になった。なお、2017年頃に本系列は直通運転から退いている。
更新工事
1996年から2001年にかけて大規模なリニューアル工事が施され、乗務員室と前面窓の拡大・側窓の大型化、腐食部の修繕が行われた。しかし、あまりにも大規模な工事であることに加え、当初の想定より鉄材の腐食が早く進行してしまったことで費用がかさんでしまい、リニューアル工事は56両で打ち切りとなった。
廃車
リニューアル工事を受けなかった車両については2代目3000形の導入に伴い2017年までに廃車となった。また更新を受けた車両も、3532編成が2018年に廃車されたのを皮切りに、以降3400形や3600形とほぼ並行して廃車が進められている。
余談
3540編成は2013年に芝山鉄道へ転籍。当初は京成色のまま運用されていたが、2022年の検査時に、先代3600形と同じ帯に変更された。
2024年現在運用されている編成のうち、一部は事実上の6両固定編成とされており、中間に封じ込められた先頭車は運転台の機器は残されていてもSR無線の取付が行われていないため、本線上においては使用不可である。