「3600形」は鉄道車両の形式のひとつであるが、旅客用では以下の形式が挙げられる。
本項では4について解説する。
京成電鉄3600形
当時の経営状態から、関東の大手私鉄としては極めて低かった冷房化率の向上や、吊掛車と同等の性能であった210形の置き換え用として、1982年から1989年にかけて6両編成9本、計54両が製造された。車両番号は成田空港駅方から36X1-36X2-36X3-36X6-36X7-36X8で、これは将来の8両編成化を見越して末尾4・5の番号が欠けているためである。車体は3500形の一部編成で取り入れられたオールステンレス製。中間車が電動車(モーター車)となった。制御方式は界磁チョッパ制御。
なお、製造を担当したメーカーによって台車付近の天秤梁の有無など、一部車体構造が異なっており、第4編成目以降は乗務員室が拡大されるなど、編成によって多少のバリエーションがある。
登場時は窓下・側面窓上とも赤帯のみの比較的シンプルな姿であったが、1993年頃から3700形に準じて正面・側面とも青帯が追加され、やや不格好な姿になっている。
その後1997年に、優等列車の8両編成化を目的として、3608・3628・3668編成の3編成から中間車を捻出し、それ以外の6編成に中間車を2両ずつ組み込んで8両固定編成化が行われた(既に3700形に製造が移行していたため、中間車は新製せず既存車の組み換えで対応)。前述の末尾4・5の番号の欠番については改番は行われず、番号はバラバラなままであった。
3608・3628・3668編成の先頭車6両が余ったため、この6両は固定編成化が行われた。3661-3628-3601-3608-3621-3668で編成を組み、末尾8の車両についてはパンタグラフ搭載改造を、両端2両ずつの計4両については電装工事を行った。VVVFインバータ制御になったことで、その自慢の俊足ぶりからこの編成には「ターボ君」のあだ名が付いた。
運用
- 8両固定編成は京成本線・京成東成田線・芝山鉄道線・京成押上線・都営浅草線での優等運用に入る。先頭車が電動車ではないため、乗り入れ協定に基づき京浜急行電鉄へは乗り入れない。
- 編成替えで8両固定編成主体となったが、普通列車の6両運用が増えているにもかかわらず、8連のまま運用されている。(事故・故障などによって一時的に6両編成が組成されたことはある。)皮肉なことに、3000形は3002編成以降3025編成まで6両固定編成ばかりが製造されていた。
- 「ターボ君」の6両固定編成は中間の3601・3608号車を外して4両で運用することが出来る。4両編成化することで、新車の甲種輸送ではこの編成が牽引電車として活躍する(「ターボ君」は京成3600形で唯一京浜急行電鉄に乗り入れのできる編成である。通常の編成とは違い、「ターボ君」は先頭車両が電動車である)ほか、京成金町線への運用も可能。
廃車
- ターボ君を除き、界磁チョッパ制御で製造された事と京急直通運用に使えない事が災いしてか、リニューアル工事は行われておらず、2017年から3000形による置き換え・廃車が始まっている。
- 「ターボ君」の6両固定編成は京成本線の普通列車での運用が主体であったが、3000形の増備により2017年に中間の3601・3608号車が廃車され、4両編成で運用されるようになった。
塗装
- 塗装については1992年9月から1993年3月にかけて現在の京成標準カラーに改められている。
- 8両固定編成の3611編成は2002年から2013年まで芝山鉄道へ貸し出されていた(リース)。貸し出し期間中は帯色が赤・緑の2本になっていた。
- 引退が近い2020年、3688編成が(6両編成化のうえで)登場時のファイヤーオレンジの帯色に復刻された。