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チョッパ制御

ちょっぱせいぎょ

電気車モーター制御方式の一つで、主回路がスイッチング素子となっておりON/OFFを高頻度で繰り返してモーターを制御する方法。電機子チョッパ制御をさすことが一般的。
目次 [非表示]

なお、本項では交流電車用のチョッパ制御といえるサイリスタ位相制御についても述べる。

概要

電気車モーター制御方式の一つ。単に「チョッパ制御」と呼ぶ場合、「電機子チョッパ制御」をさすことが一般的。

主回路が半導体スイッチング素子となっておりON/OFFを高頻度で繰り返してモーターへと流れる平均電流を制御する方法。スイッチング素子によるON/OFFの高頻度での繰り返しによる制御により、従来の抵抗制御では起動~定格速度の電流制限の際に抵抗器で熱として捨てていた分の電力を使わず、モーターに必要な電力だけ供給できるため電力使用効率に優れ、力行時の抵抗器からの発熱も無い。

また、主回路をモーターから架線への昇圧チョッパとしても動作できるように組むと回生ブレーキの使用も可能()となる。


しかしチョッパ制御車登場時の半導体、特に電力用半導体は非常に高価で車両価格が跳ね上がってしまうため、抵抗器の使用時間が比較的短い起動~定格速度までの熱損失には目をつむり半導体の使用を電機子より扱う電力の少ない界磁制御に絞って価格上昇を抑えつつ回生ブレーキを可能とした界磁チョッパ制御界磁添加励磁制御が主となり、更に電力用半導体素子の価格が下がってきた頃には交流モーターの駆動が可能になったVVVF制御が登場した。そのため、半導体を使ってまでして保守が面倒で閃絡(フラッシオーバ)による故障のリスクを持つ整流子とブラシの存在する直流モーターを使用する利点がなくなってしまい、地下鉄など車両からの排熱を如何しても抑えたい事業者以外では採用例の少ない少数派となってしまった。


pixiv内では鉄道車両のうち電機子チョッパ制御車のイラストにつけられている。

・・・が、界磁"チョッパ制御"も部分一致でひっかかる。

注釈

・・・初期のチョッパ制御車では保守簡易化の試験のため、チョッパ回路が力行制御のみで回生ブレーキ機能を持たない電機子チョッパ制御車があった。


AVF式チョッパ制御、AFE式主回路チョッパ制御

電機子チョッパ制御の進化形態。営団阪神電気鉄道東武鉄道の一部形式の車両で採用していた。

スイッチング素子がONの時に電機子へ、OFFの時に界磁へと多く電流が流れる様回路が組まれており、デューティー比(ON/OFFの比率)が高くなる高速域で自動的に弱め界磁が行われるようになっている。回生ブレーキ時は回路を切り替えてスイッチング素子で界磁巻線へと流れる電流を制御して回生電圧過大による回生失効を防いでいる。


高周波分巻チョッパ制御

電機子チョッパ制御の最終形態。主に営団地下鉄が採用していた。

回路構成としては主電動機に分巻電動機を使用し、電機子チョッパ制御と界磁チョッパ制御を組み合わせたものである。特に、分巻電動機の界磁側をスイッチング素子によるブリッジ回路とする事で、従来の直流モーター車にあった転流回路を完全に廃止し、主回路機器の大幅な小型軽量化を実現した。

電機子と界磁の電圧制御を別々に行う事が可能で、きめ細やかなトルク制御を実現している。


サイリスタ位相制御

サイリスタブリッジ回路によるコンバータで主電動機への電流を直接制御する方式。

サイリスタをターンオンさせる領域を、交流電圧のピークが小さい位相から徐々に大きい位相に切り替えていくことで、速度域に関わらず電流値を一定に制御している。

転流器を用いてサイリスタを逆方向に接続しインバータ回路を構成する事で回生ブレーキの使用も可能である。

サイリスタコンバータのみでは交流電源でしか使用できないため、交直両用とするためには直流区間用の制御装置を搭載する必要がある。

また、直流モーターの他にも681系のように三相インバータを後段に接続して交直両用のVVVFインバータ制御とする事も可能。


初期の交流電車に広く用いられたが、VVVFインバータが主流となるにつれて自励式PWMコンバータの技術開発が進み、より利点の多いそちらに取って代わられた。


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鉄道車両 半導体 地下鉄

国鉄での採用例

201系電車

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