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681系

ろくはちいちけいまたはろっぴゃくはちじゅういちけい

JR西日本の交直流特急形電車。かつては北越急行も同形車を所有していた。
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概要編集

1992年7月28日に先行試作車が登場したことに始まり、特急サンダーバード」・「はくたか」用として1997年までに合計102両が製造された。JR西日本初の特急型車両で、JR旅客6社の中では最も遅い登場である。


将来の湖西線北陸本線の高速化を視野に入れ、最高速度160km/hを実現すべく登場した。また、485系とは異なり踏切のある区間でも130km/h運転が可能となっている。


長らくの検討の末に高速化は見送られたものの、後に本系列の性能は北越急行ほくほく線における特急の160km/h運転に生かされている。


営業最高速度130km/h、160km/h(ほくほく線内)
設計最高速度160km/h
起動加速度1.8km/h/s
減速度4.5km/h/s(常用最大)、5.5km/h/s(非常)
歯車比18:94=1:5.22
駆動装置平行カルダン駆動・歯車継手方式
主電動機かご形三相誘導電動機 ※出力は1時間定格
  • WMT103(220kW・量産車)
  • WMT105(245kW・試作車)
  • WMT101(190kW・試作車登場時)
制御方式2レベルPWMインバータによるVVVF・すべり周波数制御
制御装置他励式サイリスタ位相制御コンバータ+2レベルPWMインバータ
  • WRS100+WPC3(試作車)
  • WRS103+WPC6(量産車)
台車軸梁式ボルスタレス台車
  • WDT300・WTR300
製造所近畿車輛川崎重工業(現:川崎車両)日立製作所笠戸事業所・新潟鐵工所(現:新潟トランシス)(※)

(※)ただし、新潟鐵工所が製造した車両は川崎重工業からの委託車両で、名義上は川崎重工業の製造車両となっている。


先行試作車(0番台→1000番台)、量産車(0番台および2000番台)が存在し、以下番台別に記載する。


先行試作車(0番台→1000番台)編集

681系

量産に先立ち、1992年7月28日に9両が製造された最初のグループ。最高速度160km/hでの高速試験走行を目的とした装備が数多く施されており、後の新快速の130km/h運転にも大きな影響を与えた。


量産車と比較すると、非貫通先頭車の運転席横の窓が三角形なのが目立った相違点である。更によく見ると、ドア窓が小さい、車体の裾が長い、パンタグラフの位置などの差異が見受けられる。


新製落成時編集

当時、北陸本線を走行していた485系による特急「雷鳥」・「スーパー雷鳥」と同程度の輸送力を確保しつつ、グリーン車の向きを合わせることから、富山・和倉温泉寄りにグリーン車を連結した9両固定編成で登場した。


落成当初は金沢運転所(※1997年3月22日金沢総合車両所運用検修センター、2024年3月16日に金沢車両区にそれぞれ改組)に配置され、0番台(U01編成)を名乗った。後に臨時列車「(ニュー)雷鳥」としてデビューしている。


  • 落成当初の編成表(←富山・金沢/和倉温泉 大阪→)
編成番号クロ681形サハ680形モハ681形サハ680形モハ681形サハ681形サハ680形モハ681形クハ680形
(なし)1101201201110111011

製造はクロ681-1・サハ680-101・モハ681-201を近畿車輛、サハ680-201・モハ681-1・サハ681-101を日立製作所笠戸事業所、サハ680-1・モハ681-101・クハ680-1を川崎重工業がそれぞれ担当した。


量産化改造・方向転換編集

1995年に量産車(0番台)が登場したため、設備を量産車(0番台)に合わせる改造が行われ、区別のため1000番台に改番された。また、編成の向きと設備を量産車と統一するために方向転換が実施された。


塗色は量産車(0番台)と同一のものに変更され、「Super Raicho THUNDERBIRD」のロゴステッカーが貼り付けられた。


  • 量産化改造・方向転換後の編成表(←富山・金沢/和倉温泉 大阪→)
編成番号クハ680形モハ681形サハ680形サハ681形モハ681形サハ680形モハ681形サハ680形クロ681形
U01100110011001110111011201120111011001

改造はクハ680-1001(旧クハ680-1)・モハ681-1001(旧モハ681-1)・サハ680-1001(旧サハ680-1)を松任工場(1995年3月31日付)(※1997年3月22日に金沢総合車両所松任本所に改組、2024年3月16日に廃止)、サハ681-1101(旧サハ681-101)・モハ681-1101(旧モハ681-101)・サハ680-1201(旧サハ680-201)を鷹取工場(1995年4月14日付)、モハ681-1201(旧モハ681-201)・サハ680-1101(旧サハ680-101)・クロ681-1001(旧クロ681-1)を吹田工場(1995年3月10日付)がそれぞれ担当した。


  • 6両編成+3両編成への分割改造

量産化改造後も9両固定編成のままとされ、分割・併合を行わない列車に限定運用されていたが、2001年には量産車との運用共通化を目的に基本編成6両と付属編成3両に分割する改造工事を吹田工場で施工した(2001年9月6日付)。


  • 編成表(6両編成)(←富山・金沢/和倉温泉 大阪→)
編成番号クハ681形モハ681形サハ680形モハ681形サハ680形クロ681形配置改造年月日転属(金沢→京都)
金沢T07→京都W01150111011301105111011001京都2001年9月6日(金沢総)2011年3月12日

  • 編成表(3両編成)(←富山・金沢/和倉温泉 大阪→)
編成番号クハ680形モハ681形クハ680形配置改造年月日転属(金沢→京都)
金沢T18→京都V01120113011501京都2001年9月6日(金沢総)2011年3月12日

クハ680-1501(旧サハ680-1001)・クハ681-1501(旧サハ681-1101)は車体前位に貫通運転台を追加して先頭車化(前者はトイレ設置工事を事前に吹田工場で施工)。


この他、車内設備を683系0番台に揃えるための車内設備統一工事、電動車の主電動機取り換えが行われ、モハ681-1051(旧モハ681-1201)、サハ680-1301(旧サハ680-1201)、モハ681-1301(旧モハ681-1001)、クハ680-1201(旧クハ680-1001)の4両も改番されている。


683系4000番台の登場後、2011年3月12日付で京都総合運転所本所(2012年6月1日に吹田総合車両所京都支所に改組)に転属し、旧T07編成はW01編成、旧T18編成はV01編成を名乗るようになった。


  • 廃車

2015年3月14日に北陸新幹線の長野駅〜上越妙高駅〜金沢駅間が延伸すると、再度方向転換が実施されて引き続き運用に入った。しかし、量産車とは機器構成が大きく異なることから整備性に難があり、2015年にV01編成、2019年にW01編成がそれぞれ運用を離脱し廃車となっている。


  • 編成表(6両編成)(←金沢/和倉温泉 大阪→)
編成番号クロ681形サハ680形モハ681形サハ680形モハ681形クハ681形配置廃車年月日
W01100111011051130111011501京都2019年10月7日(※)

(※)クロ681-1001のみ2022年10月3日付で車籍抹消。


  • 編成表(3両編成)(←金沢/和倉温泉 大阪→)
編成番号クハ680形モハ681形クハ680形配置廃車年月日
V01120113011501京都2015年9月9日

量産車(0・2000番台)編集

681系俊足雪兎。

左:0番台、右:2000番台(北越急行時代)


試作車の成果を基に、485系の置き換えを目的として製造された。全車両が160km/h運転に対応しているが、運用にはトランスポンダの設置が必要。


試作車は3両ユニットであったが、量産車は2両ユニットとなり、より柔軟な編成組成が可能となっている。1995年から1997年にかけて6両編成10本・3両編成11本の計93両が投入された。ただし、登場時と比べて編成組み換えや改番、内装の更新などが行われているため、編成形態は一様ではない。


登場当初の車体色は、0番台がグレー・ブルー・ホワイトの3色で、乗務員室後部に「JR WEST JAPAN」のロゴが貼り付けられている。また、「サンダーバード」用編成(T編成)には「THUNDERBIRD」(2001年までは「Super Raicho THUNDERBIRD」)、「はくたか」用編成(W編成)には「Hakutaka WHITE WING」のロゴステッカーが貼り付けられている。2000番台は北越急行の独自性を表すためにフロスティホワイトをベースにクリムゾンレッドとアクアブルーの帯を配した車体色が採用され、「Snow Rabbit Express」のロゴステッカーが貼り付けられていた。また、乗務員室後部のロゴも「HOKUETSU EXPRESS」となっていた。


新製時点では、0番台は全車両が金沢総合車両所に所属。2000番台は書類上の車籍こそ北越急行の六日町運輸区に置かれたが、車両管理はJR西日本に委託されており、金沢総合車両所に管理受託扱いで所属。運用上の効率を考慮して、「はくたか」の予備編成はJR西日本所属車・北越急行所属車で共通としていた。


  • 1995年に0番台の「サンダーバード」用編成(T編成)が登場。新たに貫通型先頭車が設定され、6+3両編成の構成となる。683系0番台の新造に際し一部が「はくたか」増強のために転用され、「サンダーバード」用編成は6両編成3本・3両編成4本に縮小した。
  • 1997年にはJR西日本所属の0番台の「はくたか」用編成(W編成)と北越急行所属の2000番台(N編成)が登場。

2015年3月14日に北陸新幹線の長野駅上越妙高駅金沢駅間が延伸開業することに伴い、金沢以東の在来線特急は廃止。2000番台は683系8000番台と共に北越急行からJR西日本に譲渡された。廃止直前には、「サンダーバード」編成・「はくたか」編成共に側面にオレンジとブルーの細帯が配された「しらさぎ」塗装に塗色変更(ただし、「SHIRASAGI」のロゴステッカーは貼り付けられていない)。編成構成が「サンダーバード」と揃えられ、ダイヤ改正と同時に683系も含めた全編成で方向転換を実施。グリーン車が金沢方面の先頭車に揃えられている。塗色変更した編成は金沢総合車両所に集結し、「しらさぎ」で運用を開始した。


2024年3月16日に北陸新幹線が敦賀まで延伸開業することに伴い、金沢発着の「サンダーバード」・「しらさぎ」は敦賀発着に縮小。681系のうち状態の悪い編成から順次廃車を行う方針としている。


主な使用実績編集

以下はかつて681系が使用されていた列車

  • はくたか(在来線時代、2015年3月13日廃止)
  • 能登かがり火(2024年3月15日まで、683系に変更)
  • ダイナスター(2024年3月15日廃止)
  • びわこエクスプレス(2024年3月16日「らくラクびわこ」に改称)
  • おはようエクスプレス・おやすみエクスプレス(北陸地区、2024年3月15日廃止)
  • ホームライナー関ヶ原(JR東海・2016年に区間短縮)

編成表編集

最終所属は吹田総合車両所京都支所所属=V編成、金沢総合車両所所属=W・N編成

塗装は現在(廃車時)のもの


  • 3両編成
編成クハ681モハ681クハ680塗装備考廃車
V01120113011501しらさぎ試作車2015年9月9日
V11205305505リニューアル
V12203302503サンダーバード
V13201301501リニューアル
V14202306502リニューアル
W118205508しらさぎ元はくたか
V449207509しらさぎ元W12編成、元はくたか
W134208504しらさぎ元T14編成、元はくたか
W146307506しらさぎ元T13編成、元はくたか
W15207204507しらさぎ元T17編成、元はくたか
N11200122022501しらさぎ元北越急行車
N12200222012502しらさぎ元北越急行車

  • 6両編成
編成クハ681モハ681サハ680モハ681サハ680クロ681塗装備考廃車
旧W01150111011301105111011001サンダーバード(※1)試作車2019年10月7日(※2)
編成クモハ681サハ680サハ681モハ681サハ680クロ681塗装備考廃車
W01507133079147しらさぎ元はくたか
W02508153084168しらさぎ元はくたか
W155047304284しらさぎ元W03←T04編成、元はくたか
W0450593058105しらさぎ元T05編成、元はくたか
W91506113066126しらさぎ元W05←T06編成、元はくたか
W065011301121しらさぎ元T01編成
W075023302342しらさぎ元T02編成
W085035303563しらさぎ元T03編成2024年3月
N01250120022301200220012001しらさぎ元北越急行車
N02250220042302200120032002しらさぎ元北越急行車

※1:2015年3月~2017年11月はしらさぎ

※2:クロは2022年10月3日廃車


関連タグ編集

鉄道 電車 特急形電車 北陸本線 湖西線

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