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  1. 国鉄JRの特別料金(グリーン料金)を要する車両。
  2. 車体色が(グリーン)の車両。京王2010系など。

本項目では1.について説明する。


概要編集

正式には特別車両と呼ばれ、1969年にそれまでの等級制を廃止し単一運賃・料金制(モノクラス制)に移行した際、旧1等車についてこの名称に改め運賃、特急急行料金と併せてグリーン料金を支払うことで乗車できる車両とした。


グリーン車の名前の由来は特別車両の車体の窓の下に緑色の帯が入っていたことによるもので(他にも旧一等車のシートカバーが薄緑色という説もある)、これは特急形車両を除く各形式にも1978年の廃止まで踏襲された。

マークは黄緑色三角形が4つくっついたもので、四つ葉のクローバーモチーフとなっている。


※:これは利用者・一般国民向けのアピール用語だった。実際には、制度上は名称が「1等車」から「グリーン車」(及びA寝台車)に変わっただけで、国鉄の規範には相変わらず優等税の記述が使われていた。また利用者(特に鉄道ファン層)もグリーン車連結の編成を「グリーン付」「ロザ込み」、グリーン車のない編成を「モノクラス編成」と称していた。名実ともになくなるのは等級制の根拠法である国鉄法が効力を失う1987年3月、つまり国鉄分割民営化に伴う。また、元の等級制のころは優等車の運賃には奢侈税である「通行税」が課された金額で販売されていたが、これは税金なので国鉄の手元に残らない。これを撤廃したかったという一説もあるが、結局は料金部分に課税される形で残り、消費税導入で「通行税」が廃止されるまで続いた。


グリーン車となる車両の形式には「ロ」が等級記号として使用された。

ちなみに「ロ」は、3等級制時代に2等車に付与されていたものを踏襲している。1等車がイ・3等車がハを名乗り、1960年に2等級制になった際にロとハだけが残り現在に至っている。


「ロ」を名乗る車両には他に寝台用車両のA寝台車があり、鉄道ファンからはグリーン車は「ロザ(「ロ」号の座席)」、A寝台車は「ロネ(「ロ」号の寝台車、「ネ」の記号は寝台車全般に使われる記号でもある)」と呼ばれる。A寝台車の昼間利用時いわゆる「ヒルネ」ではグリーン車扱いされることがあった(「きたぐに」のA寝台車は臨時「雷鳥」使用時は普通車扱い)。


現在、新幹線在来線特急の多くに1(一部半室)~2両(東海道・山陽新幹線の16両編成では3両)連結されているほか、首都圏の中距離電車にも2両(2階建て車両)が連結されているほか、いわゆるジョイフルトレインでは、全車グリーン車という編成も存在した。


特殊なグリーン車編集

国鉄分割民営化後はサービス向上として、従来のグリーン車よりも料金・設備・サービスを大幅にグレードアップし、旧1等車に相当する車両も登場するようになった。


  • グランクラス:東北新幹線・北海道新幹線と上越新幹線・北陸新幹線で運用されているE5系H5系E7系W7系には飛行機のファーストクラスに相当する「グランクラス」という特別なグリーン車が存在する。
  • プレミアムグリーン車:特急「サフィール踊り子」は全車グリーン車指定席であり、1号車は更に上位の「プレミアムグリーン車」となっている。
  • スーペリアグリーン車:2024年秋に登場予定のキハ189系改造の観光列車「はなあかり」のうち1両に設けられたグリーン席の名称。
  • DXグリーン車:JR九州の787系に設置されているグリーン車。2人掛け座席と1人掛け座席を1列のみ配置した3席となっており、シートピッチはかなり広い。

普通列車のグリーン車編集

JR東日本では、都内と近郊を結ぶ東海道線横須賀・総武快速線に加え、JR宇都宮線高崎線(湘南新宿ライン)、常磐快速線(上野東京ライン)といった中距離普通列車にグリーン車が併結されている。

私鉄各社の指定席通勤ライナーへの対抗の目的もありJR東日本の首都圏主要路線に次々と導入され、東海道線伊東線直通、上野東京ライン湘南新宿ライン含む)、横須賀線総武快速線総武本線成田線内房線外房線直通含む)、高崎線上越線両毛線直通含む)、宇都宮線常磐線に投入。中央線快速青梅線直通含む)でも2025年3月から導入される予定である。


急行や特急のグリーン車は指定席であるのに比べこれらは自由席の為、立ち席でもグリーン料金を取る。激しい通勤ラッシュがある関東地方で着席チャンスを増やしたり立席であっても空いた空間を提供するサービスであり、全てダブルデッカー車となった現代では理解しにくいであろうが、かつて存在した「化けサロ」といわれた急行・特急形の113系改造編入車は座席が少なく、早々に立ち席が発生し混雑してしまうということがかつては問題になっていた。


2004年からはSuicaに情報を記録し、空席のグリーン券情報読み取り部にSuicaをタッチして改札の手間を省き割引となる制度「Suicaグリーン車システム」が登場した。Suicaグリーン券を導入している列車では、グリーン券の料金体系は、距離は50km未満と50km以上、100km以上(2024年3月追加)の3段階に分かれ、割安なSuicaグリーン料金(自動券売機もしくはモバイルSuicaメニュー上からの購入が必要)とそれ以外(券売機購入・車内購入問わず。車内購入ではSuicaチャージ額で支払いする場合含む)で分かれている(2024年3月までは券種に限らず割安な事前購入料金/車内購入料金、更に平日と格安な土休日でも料金が異なっていた)。

これらの列車には車掌に代わって、グリーン車内のグリーン券検札(Suicaグリーン券を購入し、自分でタッチしている場合は省略)や車内販売(乗車券等の取り扱いはできない)を請け負う「グリーンアテンダント」が乗務している。

東海道線のJR東海管轄乗り入れ区間(熱海以西)では、グリーンアテンダントではなくJR東海の車掌が乗務。Suicaグリーン車システムは停止されており、磁気券での事前購入または車掌からの車内料金購入が必要(Suicaでは熱海以西の区間を含むグリーン券が購入できない)。

また、Suicaグリーン券はモバイルSuicaでも購入でき、車内で購入しても旧区分では事前料金となる(ただし、これは車内・車外の適切な判定が不可能なためであり、JR東日本では車内の電波状況による購入失敗の可能性を理由として、乗車前に購入するよう呼びかけており、検札までに購入できていないと通常料金(旧車内料金)で購入してもらうことになると警告しているが、実態は…)。

Suicaグリーン券を利用していて、乗り換えの場合、元々乗っていた列車の席で再度タッチしてデータを回収の上、乗り換え列車の新たな席でタッチすることで引き続きグリーン券情報が有効となる(同一方面などの規定あり。例えば、OK:前橋-両毛・高崎線-湘南新宿ライン横須賀線直通-横須賀線-久里浜(直線的に移動するため)、NG:大宮-宇都宮線-常磐線-水戸(上野で逆方向に向かうとみなすため)、NG:中央快速線-湘南新宿ラインor上野東京ラインor横須賀・総武快速線(方面問わず))。なお、乗り換え前のタッチを忘れた場合または磁気券の場合は、アテンダントに申し出れば履歴を確認の上、ランプをグリーンに変えてもらえるが、タッチを忘れた時点で手元のSuicaのタッチによる移動・乗換はできず、毎回アテンダントに処理をして貰う必要がある。

なお、同一列車内での席だけの移動は、元の席での再タッチは不要で、移動先の席でいきなりタッチすれば、自動的に元の席でのグリーンランプは消え、移動先にグリーンランプが移る仕様になっている(あまり知られておらず、それぞれタッチする乗客が多い)。

また、上書きタッチも可能(下車した乗客のグリーンランプが残った席に自分のSuicaをタッチすると、自分のグリーン券情報に上書きされる)で、上書きが可能ということは、誤って隣の席のSuicaライターを反応させてまだ座っている隣の人の情報を上書きして消してしまうことがあるので注意が必要(消された場合、Suicaグリーン券であれば再タッチ、磁気券等ならアテンダントに申し出れば復元されるが、消されたことに気づかず、巡回してきたアテンダントにグリーン券を要求されて慌てる人が多々いるので、隣に人が座った時は自分のランプが消えていないか要チェックである)。


  • JR北海道JR西日本も、それぞれ快速エアポート新快速の特別座席サービスの導入を計画し、それぞれuシートAシートと命名されている。しかしグリーン車扱いとはならず、車両形式はグリーン車形式(ロ)ではなく普通車形式(ハ)となった。
    • 特にJR西日本のそれは、京阪神地区を走る快速列車で1980年まで連結していた“グリーン車”として導入計画があったが、それが時勢や状況を変化したうえで復活したとみてもいいだろう。





JR以外の「グリーン車」に相当する車両編集

私鉄でも同様の上級クラス車が存在する。大抵は「スーパーシート」と名乗っているが、東武鉄道スペーシアがJR線内へ乗り入れる際にスペーシアの個室車をグリーン車と改めている。

かつてグリーン車があった私鉄としては、小田急電鉄(基本名称はスーパーシートで、RSE車の設備統一用で設定されていた)や伊豆急行(自社線内において設定廃止、JR直通でのみ現存)などがある。また、国内線航空機の上級クラスもかつてはそう名乗っていた。



関連タグ編集

普通車 グランクラス

ファーストクラス ビジネスクラス エコノミークラス

辻堂みどり


外部リンク編集

普通列車グリーン車の利用

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