概要
静岡県の伊豆半島東岸において伊東駅(伊東市)から伊豆急下田駅(下田市)までの45.7km(営業キロ)を結ぶ路線を運営する私鉄で、東急電鉄のグループ企業。社章も東急と同じ。
略称は、伊豆急。
2012年4月より伊豆急不動産の傘下にあった関連会社と共に伊豆急ホールディングスの子会社となった。
1961年12月10日に開業し、第二の黒船が下田に来たと歓迎された。
当初は混雑が激しく、東急から車両を借りて列車を運行していたこともあるが、近年は様々な要因から利用客が減少傾向にある。
また、過去(1963年)には私鉄で唯一の本格的な食堂車(サシ191型)を保有していた(ただし、当時の国鉄伊東線では食堂車の営業ができなかったため、営業効率が悪く数年で食堂車は廃止)。
運行形態
伊東駅で接続するJR東日本伊東線と相互直通運転を行っており、東京駅や池袋駅等から特急「サフィール踊り子」・「踊り子」等が乗り入れている。なお、全線でJR東日本等のSuicaが使用可能。
路線データ
営業距離 | 45.7km |
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軌間 | 1067mm |
駅数 | 16駅 |
電化区間 | 全線電化(直流1500V) |
複線区間 | なし(全線単線) |
閉塞方式 | 単線自動閉塞式 |
保安装置 | ATS-Si(※) |
最高速度 | 90km/h |
表定速度 | 57.2m/h |
車両基地所在地駅 | 伊豆高原駅 |
※・・・地上装置側で信号現示に応じた速度照査を行っているが、それ以外はATS-SN形と同じ。不特定の国鉄車両が多数乗り入れる中で運輸省昭和42(1967)年通達を満たすため、ATS-Sの確認ボタンを押せないようカバーを被せ、無改造で基準を満たしていた。
所属車両
現役車両
- 2100系 リゾート21シリーズ。3~5次車の3編成(7両×1編成、8両×2編成)が「Izukyu KINME Train(キンメ電車)」「黒船電車」「THE_ROYAL_EXPRESS」として活躍。
引退車両
- 1000系 100系を更新した車両。2両×2編成が存在し、100系と連結して使用されていた。
JR東日本からの乗り入れ車両
定期列車
E257系2000番台 2020年3月14日より営業運転を始めた、特急「踊り子」号の車両。9両の基本編成が乗り入れる。2021年に185系を置き換えた。
E261系 2020年3月14日より営業運転を始めた、特急「サフィール踊り子」号用の車両。251系スーパービュー踊り子を置き換えた。
歴代踊り子号の車両については当該記事参照。
かつては113系や211系などの普通列車、157系や153系などの優等列車も乗り入れた。
臨時列車・季節列車
※・・・下田市に須崎御用邸があるため、お召し列車の運行がある。
その他、かつては臨時踊り子号として14系客車が乗り入れた
駅一覧
●:停車 |:通過
駅番号 | 駅名 | 踊り子 | サフィール踊り子 | 乗り換え路線 | 備考 |
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↑伊東線に直通 | |||||
IZ01 | 伊東 | ● | ● | 伊東線 | JR東日本の駅 |
IZ02 | 南伊東 | | | | | ||
IZ03 | 川奈 | | | | | 川奈ゴルフコースでトーナメントが開催されるときは特急の臨時停車がある。 | |
IZ04 | 富戸 | | | | | ||
IZ05 | 城ヶ崎海岸 | | | | | ||
IZ06 | 伊豆高原 | ● | ● | 車両基地のほか、伊豆急行本社も当駅近くにある。 | |
IZ07 | 伊豆大川 | | | | | ||
IZ08 | 伊豆北川 | | | | | ||
IZ09 | 伊豆熱川 | ● | ● | 熱川温泉の湯気が駅前から見える。 | |
IZ10 | 片瀬白田 | | | | | ||
IZ11 | 伊豆稲取 | ● | ● | 東伊豆町役場最寄り駅。 | |
IZ12 | 今井浜海岸 | | | | | ||
IZ13 | 河津 | ● | ● | 川端康成の小説『伊豆の踊子』舞台地。 | |
IZ14 | 稲梓 | | | | | ||
IZ15 | 蓮台寺 | | | | | かつては特急停車駅だった。 | |
IZ16 | 伊豆急下田 | ● | ● | 留置線がある |
余談
- もともとこの路線は前述の伊東線として敷設されるはずのものであった。伊東まで伸びた時点で戦争が起こってしまい、当時の鉄道省の財政難で伊東駅以南の工事が中止になりそのまま終戦を迎え放置された。
戦後しばらくしてから東急の資本で起工し(このときも西武と免許取得争いを演じている)、国鉄が必要と判断した時路線の買い取りに応じることを条件に東急系の「伊豆下田電気鉄道」が免許を受け、同社が改称した伊豆急行による運営になったといういきさつがある。このため、施設や車両の規格は全て国鉄のそれに準拠しており、JTB・JRの時刻表では、純民間企業による路線でありながら、伝統的に社線の時刻表ではなく、JR線の時刻表に掲載されている(東海道線・伊東線の欄に併記)。
- 西武鉄道グループ(伊豆箱根鉄道)とはかつて伊豆半島を巡る縄張り争い(通称:伊豆戦争)をしていたことで有名。「河津駅から伊豆急下田駅間は、西武系列のホテルを避けるために山側に線路を建設した」という都市伝説もあるが、これはガセネタ。クルーズトレインTHE_ROYAL_EXPRESS専用貸切バスを伊豆箱根鉄道が保有するなど、現在の関係は協力的である模様。
ゆるキャラ
「いずきゅん」というリゾート21をモデルにしたゆるキャラがいる。キンメ電車と黒船電車に着替えをすることも出来る。2017年12月に登場した。
鉄道むすめ
トミーテックが展開する鉄道むすめに、伊豆急からは1名登場している。
城ヶ崎なみ
車掌。伊豆高原電車区所属。
関連タグ
高額鉄道・・・大井川鐵道と静岡県で一二を争う運賃賃率の高さである。
- ステーションメモリーズ! 本作のキャラクターである蓮台寺ミオと蓮台寺ナギサが公認「でんこ」として認定された。後に蓮台寺ミナト、今井浜マオも公認でんこに認定され、2020年7月20日にはミオのバースデーカードが配布、2021年にはリゾート21、2024年には3000系に記念ヘッドマークが装着されるなど、力の入れようが凄まじい。
- あまんちゅ! 舞台が伊東市なため、コラボ切符などを発売。
- 夏色キセキ 舞台が下田市なため、アルファリゾート21にラッピングするなどの企画を行った。
- ハローキティ、名探偵コナン、カナヘイ、ぽすくま それぞれコラボ(ラッピング列車や記念乗車券)をした作品