神戸電鉄
こうべでんてつ
神戸電鉄とは、阪急電鉄をはじめとする阪急阪神ホールディングスの傘下にある民営鉄道会社である。
略称は「神鉄(しんてつ)」。で、ホームページのアドレスもshintetsuになっている。
1988年3月までは「神戸電気鉄道」が正式名称であった。かつては神戸有馬電気鉄道という社名であったことから、「神有(しんゆう)」や「神有電車」と呼ばれていた。
路線の全区間が兵庫県に属し神戸市内を通っており、一部三田市・小野市・三木市も通る。そのため、神戸市北部の通勤路線としての性格も持つ。
こう書くと普通の鉄道のように思えるが、実際は始発駅から直ぐに六甲山地に上っていくため全国でも有数の50パーミルという急勾配が随所に存在する山岳路線である。
急勾配、急カーブ、通勤路線
神戸電鉄は六甲山地を通るため、50‰(パーミル)もの急勾配が存在する。
普通の鉄道路線では25‰の坂でも急な勾配とされ、法律で35‰以上の勾配は特例を除き建設してはいけないこととされている、といえばどれほどの勾配かおわかりだろう。
また、山あいをぬって走るため、急カーブが多数あり、4両編成にもかかわらず前の車両から後の車両が見えるほどである。
また、神戸電鉄は当初は有馬温泉と神戸市中心部を結ぶために建設されたが、神戸市の中心部へつながっている利便性から住宅地が造成され、通勤需要が高くなった。そのためラッシュ時間帯は多くの上り列車が運転される。
現在、平日朝の鈴蘭台駅では7時台に19本もの列車が発車し、50‰もの急勾配を越えて神戸市中心部の新開地へと下っていく。
変化に富んだ景色
湊川~鈴蘭台間は、六甲山系の西側をぐるりと回りこむようにして通る。また、鈴蘭台-有馬温泉間や有馬口-五社間は六甲山の北側を通り、鈴蘭台-木津間も山地を通過するため、それらの区間は特に勾配が激しく、長い距離の急なアップダウンが連続する。にもかかわらず、途中に駅が複数ある。三田や粟生に近づくにつれ比較的勾配が穏やかな区間が多くなり、のどかな田園風景が見られるようになる。
途中、休止中の菊水山駅のあたりは携帯電話の電波が通じなかったり、鈴蘭台から先は単線区間があったりと本当にここは政令指定都市の神戸市内なのかと疑うような光景が見られる場所もある。
ちなみに実質的な始発駅である新開地駅の標高は、海抜で約6m。ここから標高278mの鈴蘭台駅までをわずか5駅で一気に登ると表現するとこの区間の急勾配ぷりが実感できるであろう。参考までにJR中央本線の甲府駅の標高が281mである。
50‰の勾配が連続する関係で、全車両が強力なブレーキシステムを搭載している。また、電動車の比率が高い。起動加速度も3.0km/hと阪神電車の赤胴車と同等。歯車比は阪神ジェットカー5500系と同等の7.07!
ちなみに新しい車両を製造することを阪急電鉄と同様「建造」と表現する。
慣例が存在し、車体と台車は川崎重工業製で、制御装置は三菱電機製となっている。
前面形状は1000系列を除いて非貫通型となっており、関西の私鉄では珍しい。
2005年(平成17年)以降は基本的に車掌は乗務しておらず、全車両全列車がワンマン運転の3両編成か4両編成である。ただし、神鉄の場合は都市型ワンマンと呼ばれる形態であり、無人駅であっても有人駅への連絡設備や自動改札が完備されている。
塗装は1986年からクリーム地に赤塗装へと変更が開始され、5000系までの新形式はこの塗装で登場した。
6000系列は赤帯を残しながらステンレス無塗装で黒帯主体のカラーリングとなっている。
1986年まではグレーに窓回りオレンジという塗装を採用しており、現在は3000系と1000系でこのリバイバル塗装が1編成ずつ運行中。
特快速
平日朝ラッシュ時に三田発新開地行き3本のみ運転される神鉄最上位種別。
なぜ「特別快速」でも無く「特快」でも無く特快速という名称なのか。神鉄の謎である。ちなみに、特快速を英語にすると「SPECIAL RAPID EXP.」つまり特別快速急行という意味になる。
快速(2020年廃止)
英語名は「Rapid Express」
有馬・三田線:有馬線内は特急と同じ停車駅で、急行停車駅の花山(2020年から停車)・大池・唐櫃台を通過。三田線内は各駅停車。
粟生線:昔の急行停車駅を継承した種別で、現在の急行停車駅である木幡と栄には停車しない。余談だが、西鈴蘭台~押部谷間の途中駅無停車9.9kmは神戸電鉄の全種別の中でも最長距離(特快速の岡場~谷上間は通過駅数こそ多いが9.8kmで僅かに下回る)である。
神戸電鉄では快速と急行を比べると快速のほうが上位種別である。
特急(1998年廃止)
新開地-三田間を走っていた最上位種別。三田線全区間で通過運転(有馬口・岡場・道場南口・横山に停車)したが、特急が走行する時間帯の各駅停車が30分間隔に半減するのが問題視され、快速に格下げされた。
急行
三田・粟生-新開地間で運転される。
準急を除けば最も運転本数の多い優等種別で、粟生線では日中にも志染行と粟生行が1時間に1本ずつ運転されていたが、減便で準急又は普通に格下げされる形で廃止され、現在は平日朝上りのみ運転。
三田発着は朝と夕方に運転。現在の停車駅は通勤急行がベースとなっており、北神急行開業前は谷上を通過していた。2020年3月に花山が停車駅に加わった。
準急以外の三田発着の優等種別は新開地-谷上間においては急行と停車駅が同じで、谷上-三田間で停車駅が異なってくる。
準急
普通列車のうち、丸山と鵯越(と菊水山)に止まらない種別。
公園都市線を除いた各線で運転されている。(ただし志染以西と有馬口-有馬温泉間は一部時間帯のみ)
本来は普通列車で運転されるようなものだが、鈴蘭台より南側は有馬線の列車と三田線の列車が合流して本数が多くなるため、需要の少ない2駅を通過させるようにした列車である。
有馬線の列車が準急などの時は粟生線が普通列車に、粟生線が準急の時は有馬線が普通列車になり、通過される2駅でも1時間に4本の列車本数が確保される。
普通
日中の志染-粟生間を除いて終日各線で運転される。
言うまでもなく各駅に停車する列車。と言いたいところだが、2005年3月まではそうではなかった。
なぜなら菊水山駅には停車しない列車があったからだ。
前述のとおり菊水山駅近辺では携帯電話がつながらないくらいの秘境であり、あるのは山と谷と川とダムと下水処理施設ぐらいのもので、ハイキング客ぐらいにしか需要がなかった。
その為、菊水山駅停車列車は鈴蘭台駅・西鈴蘭台駅を始発または終着駅とする列車を中心にごく僅かしか停車しなかった。後に有馬温泉駅・押部谷駅発着の一部にも菊水山駅停車列車が設定された。なお菊水山駅には自動改札や券売機等の機器が設置されていないため、ワンマン列車は通過し、車掌が乗務する列車だけが停車するようになっていたという。
そもそも鈴蘭台や西鈴蘭台を始発/終着とする列車は少なく、新開地行きは日中5時間以上列車が来ない時間帯もあった。
その菊水山駅を通過する普通列車は「菊水山にはとまりません。」と車内放送や駅の電光掲示板に掲載されていた。
その菊水山駅も本線のワンマン化が進んだ2005年3月25日のダイヤ改正と共に休止駅となり、全列車が通過するようになった。
2018年に正式廃止となったが現在でも駅跡にはホームが残されており、車窓から見る事が出来る。
また、1975年に休止となり、後に廃止された新有馬駅も末期は1日1往復しか列車が停車しなかった。
沿線の人口減少や少子高齢化により、利用者が減少傾向にある。92年度の輸送人員は6600万人を超えていたが、2023年度は約3700万人まで減っている。
特に粟生線は、沿線ニュータウンの住民の高齢化による人口の減少、市内へ直行するバス路線に比べて運賃が高いこと、減便で急行や快速が消滅し各駅停車しかないこと、前記の直行バスが三宮まで行くが鉄道は新開地までしか行かないというのが不便などの理由で利用客の減少が加速しており、区間廃止などの存廃問題にまで浮上しつつある。
コメント
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