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概要編集

神戸電鉄とは、阪急電鉄をはじめとする阪急阪神ホールディングスの傘下にある民営鉄道会社である。

路線の全区間が兵庫県に属する。

かつては準大手私鉄に分類されていたが、2005年以降は中小私鉄となる。

路線の大部分が神戸市内を通っており、一部三田市・小野市・三木市も通る。そのため、神戸市北部の通勤路線としての性格も持つ。

略称は「神鉄(しんてつ)」。神鉄六甲」駅などがあることから、「神鉄」の読み方は公式と分かる。ホームページのアドレスもshintetsuになっている。

1988年3月までは「神戸電気鉄道」が正式名称で、かつては神戸有馬電気鉄道という社名であったことから、「神有(しんゆう)」や「神有電車」と呼ばれていた。


路線・施設編集

路線編集

運転系統に関しては、主に

  • 新開地-湊川-鈴蘭台-有馬口-横山-三田
  • 新開地-湊川-鈴蘭台-粟生
  • ウッディタウン中央-横山-三田
  • 有馬口-有馬温泉

の4系統で運転される。(ただし区間列車もある。)

また、朝夕のラッシュ時の一部列車は

  • 新開地-湊川-鈴蘭台-有馬口-有馬温泉

と、有馬温泉直通列車が運転される。

また、有馬温泉への行楽客が増える秋ごろは臨時直通列車が運転されることがある。


この他、神戸市営地下鉄北神線の運行業務も神鉄が神戸市から受託している(かつて北神線を運行していた北神急行電鉄が解散する際に、北神線運行に携わっていた同社社員を受け入れたのが神鉄だったため)。

施設編集

車庫編集

  • 鈴蘭台車両基地(鈴蘭台車庫・車両工場)(鈴蘭台駅に隣接)
  • 見津車庫(木津-木幡間、見津信号所に隣接)
  • 第3車庫(道場南口駅に隣接)

他社管理駅編集

谷上駅は神戸市交通局の、新開地駅は阪神電気鉄道の、粟生駅はJR西日本の管理駅。


沿線の特徴編集

急勾配、急カーブ、通勤路線。編集

神戸電鉄は六甲山地を通るため、50‰(パーミル)もの急勾配が存在する。

普通の鉄道路線では25‰の坂でも急な勾配とされ、法律で35‰以上の勾配は特例を除き建設してはいけないこととされている、といえばどれほどの勾配かおわかりだろう。

また、山あいをぬって走るため、急カーブが多数あり、4両編成にもかかわらず前の車両から後の車両が見えるほどである。

また、神戸電鉄は有馬温泉神戸市中心部を結ぶために建設されたが、神戸市の中心部へつながっている利便性から住宅地が造成され、通勤需要が高くなった。そのためラッシュ時間帯は多くの上り列車が運転される。

鈴蘭台駅では2016年5月21日現在で7時台に19本もの列車が発車し、50‰もの急勾配を越えて新開地へと向かうのだ。


変化に富んだ景色編集

湊川~鈴蘭台間は、六甲山系の西側をぐるりと回りこむようにして通る。また、鈴蘭台-有馬温泉間や有馬口-五社間は六甲山の北側を通り、鈴蘭台-木津間も山地を通過するため、それらの区間は特に勾配が激しく、長い距離の急なアップダウンが連続する。にもかかわらず、途中に駅が複数ある。三田や粟生に近づくにつれ比較的勾配が穏やかな区間が多くなり、のどかな田園風景が見られるようになる。

途中、休止中の菊水山駅のあたりは携帯電話の電波が通じなかったり、鈴蘭台から先は単線区間があったりと本当にここは政令指定都市神戸市内なのかと疑うような光景が見られる場所もある。


車両編集

50‰の勾配が連続する関係で、全車両が強力なブレーキシステムを搭載している。また、電動車の比率が高い。起動加速度も3.0km/hと阪神電車赤胴車と同等。歯車比は阪神ジェットカー5500系と同等の7.07!

ちなみに新しい車両を製造することを阪急電鉄と同様「建造」と表現する。

慣例が存在し、車体と台車は川崎重工業製で、制御装置は三菱電機製となっている。

前面形状は1000系列を除いて非貫通型となっており、関西の私鉄では珍しい。

昼間は全車両全列車がワンマン運転の3両編成か4両編成である。ただし、神鉄の場合は都市型ワンマンと呼ばれる形態で、駅員がいるのに車掌がいなかったりする。


塗装は1986年からクリーム地に赤塗装へと変更が開始され、5000系までの新形式はこの塗装で登場した。

6000系列は赤帯を残しながらステンレス無塗装で黒帯主体のカラーリングとなっている。

1986年まではグレーに窓回りオレンジという塗装を採用しており、現在は3000系と1000系でこのリバイバル塗装が1編成ずつ運行中。


車両一覧編集

現役車両編集

  • 1000系列:現在はデ1070形、1100系、1300系、1500系が在籍。
  • 3000系:カラーリングから、通称「ウルトラマン電車」。
  • 2000系:公園都市線開業時に導入された電車。
  • 5000系:2000系と車体はほぼ同じで、制御方式をVVVFインバータ制御に変更。
  • 6000系・6500系:最新鋭。車内に液晶ディスプレイを設置している。

その他保線用にモーターカーと入替用モーターカーを保有する。

退役車両編集

旅客車編集

  • 上記以外の1000系列(デ1000形、デ1050形、デ1300形)
  • 800系810系
  • 300系
  • ク151形
  • ク141形(展望客車テン1より改造)
  • ク131形
  • デ211形
  • デ201形
  • デ101形
  • デニ11形
  • デ1形(開業当時の旅客車両)

事業用車・貨車編集

  • デヤ710形(電動貨車)
  • クホ・サホ710形(貨車。クホは制御貨車)
  • 700形(電気機関車。1990年にED2001から改称)
  • デト1001(開業当時の電動貨車)
  • トム521形
  • トム621形
  • ト501形
  • ワフ601形
  • ワフ611形
  • ワム621形
  • チ701
  • チ711

種別編集

特快速編集

平日朝ラッシュ時に三田発新開地行き3本のみ運転される神鉄最上位種別。

なぜ「特別快速」でも無く「特快」でも無く特快速という名称なのか。神鉄の謎である。ちなみに、特快速を英語にすると「SPECIAL RAPID EXP.」つまり特別快速急行という意味になる。


快速(2020年廃止)編集

英語名は「Rapid Express

有馬・三田線:有馬線内は特急と同じ停車駅で、急行停車駅の花山(2020年から停車)・大池・唐櫃台を通過。三田線内は各駅停車。

粟生線:昔の急行停車駅を継承した種別で、現在の急行停車駅である木幡と栄には停車しない。余談だが、西鈴蘭台~押部谷間の途中駅無停車9.9kmは神戸電鉄の全種別の中でも最長距離(特快速の岡場~谷上間は通過駅数こそ多いが9.8kmで僅かに下回る)である。

神戸電鉄では快速と急行を比べると快速のほうが上位種別である。


特急(1998年廃止)編集

新開地-三田間を走っていた最上位種別。三田線全区間で通過運転(有馬口・岡場・道場南口・横山に停車)したが、特急が走行する時間帯の各駅停車が30分間隔に半減するのが問題視され、快速に格下げされた。

北神急行開業後に新設された種別なので当初から谷上にも停車する。


急行編集

三田・粟生-新開地間で運転される。

準急を除けば最も運転本数の多い優等種別で、粟生線では日中にも志染行と粟生行が1時間に1本ずつ運転されていたが、減便で準急又は普通に格下げされる形で廃止され、現在は平日朝上りのみ運転。

三田発着は朝と夕方に運転。現在の停車駅は通勤急行がベースとなっており、北神急行開業前は谷上を通過していた。2020年3月に花山が停車駅に加わった。

昭和時代は有馬温泉発着も存在した。保育社(ネコ・パブリッシング)の「私鉄の車両19 神戸電鉄」で有馬温泉行急行の写真が載っている。


準急以外の三田発着の優等種別は新開地-谷上間においては急行と停車駅が同じで、谷上-三田間で停車駅が異なってくる。


準急編集

普通列車のうち、丸山と鵯越(と菊水山)に止まらない種別。

公園都市線を除いた各線で運転されている。(ただし志染以西と有馬口-有馬温泉間は一部時間帯のみ)

本来は普通列車で運転されるようなものだが、鈴蘭台より南側は有馬線の列車と三田線の列車が合流して本数が多くなるため、需要の少ない2駅を通過させるようにした列車である。

有馬線の列車が準急などの時は粟生線が普通列車に、粟生線が準急の時は有馬線が普通列車になり、通過される2駅でも1時間に4本の列車本数が確保される。


普通編集

日中の志染-粟生間を除いて終日各線で運転される。

言うまでもなく各駅に停車する列車。と言いたいところだが、2005年3月まではそうではなかった。

なぜなら菊水山駅には停車しない列車があったからだ。

前述のとおり菊水山駅近辺では携帯電話がつながらないくらいの秘境であり、あるのは山と谷と川とダムと下水処理施設ぐらいのもので、ハイキング客ぐらいにしか需要がなかった。

その為、菊水山駅停車列車は鈴蘭台駅・西鈴蘭台駅を始発または終着駅とする列車を中心にごく僅かしか停車しなかった。後に有馬温泉駅押部谷駅発着の一部にも菊水山駅停車列車が設定された。

そもそも鈴蘭台や西鈴蘭台を始発/終着とする列車は少なく、新開地行きは日中5時間以上列車が来ない時間帯もあった。

その菊水山駅を通過する普通列車は「菊水山にはとまりません。」と車内放送や駅の電光掲示板に掲載されていた。

その菊水山駅も2005年3月25日のダイヤ改正と共に休止駅(2018年正式に廃止)となり、全列車が通過するようになった。

また、1975年に休止となり、後に廃止された新有馬駅も末期は1日1往復しか列車が停車しなかった。


神鉄まめちしき編集

「のぼり」なのに「くだり」編集

列車は新開地を出るとグイグイ坂を登っていく。そして新開地へ行くときはどんどん坂を下っていく。しかし、起点の駅が新開地(湊川)であるため、坂を登る列車が下り列車、坂を下る列車が上り列車とちぐはぐになってしまっている。

ただし日本ではJRなどは平地の東京から各地方に向かうのを下りとする都合、それほど珍しい例ではなく、たとえば北陸新幹線は東京方面から碓氷峠を登って軽井沢に行く方が下りである(他には奥羽本線板谷峠なども。下りる方が下りの例としては山陽本線の瀬野八など)。


止まる時の音編集

神鉄は勾配がきついので、いざというときに確実に止まれるように高い減速性を持つ素材をブレーキシュー(ブレーキパッド)に用いている。その素材が鋳鉄であるので、神鉄の電車が止まるときは旧型車最新型もみんな「キキーッ」という金属音を鳴らして止まるのだ。


珍(?)駅名編集

全国の松岡修造ファン必見の駅である。修造チックな名前の駅が、粟生線にある。

その駅名は、「志染(しじみ)駅

また、志染で折り返す列車も多く、志染行列車も日常的に見ることができる。


えちぜん鉄道松岡駅と並び、修造のような駅名である。


たぶんそこだけ気温は年中-10℃(?)

俺だってこの-10℃の街の中、住民がトゥルルって頑張ってんだよ!!

って言うのはウソ。


関連イラスト編集

菊水山秋模様

神戸電鉄

関連小説編集

菊水山の夏。

関連タグ編集

阪急電鉄 阪急阪神ホールディングス 中小私鉄 準大手私鉄

北神急行電鉄 北条鉄道 三木鉄道 神戸高速鉄道 兵庫県 神戸市 三田市 三木市 小野市

全国登山鉄道‰会参加事業者:南海電気鉄道 富士急行 大井川鐵道 叡山電鉄 箱根登山鉄道

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