「M78星雲の宇宙人からその命を託されたハヤタ隊員は、ベーターカプセルで宇宙人に変身した。マッハ5のスピードで空を飛び、強力なエネルギーであらゆる敵を粉砕する不死身の男となったのだ。それゆけ、我らのヒーロー!」
曖昧さ回避
各ウルトラマンをひとまとめにした記事に関しては「ウルトラシリーズ」を、初代ウルトラマンの記事については当該項目を参照。
ちなみに英語で表記すればUltramanになるが、英語の発音に一番近い日本語表記は「アルトラマン」となる。
スーパーマンの敵にもウルトラマンというヴィランがいる。こちらを参照。
物語
科学特捜隊のハヤタ隊員は小型ビートルで青い球体と赤い球体を追跡するが、赤い球体と激突。この事故でハヤタは命を落としてしまった。
赤い球体の正体はM78星雲の宇宙人だった。彼は、青い球体の正体である宇宙怪獣ベムラーを宇宙の怪獣墓場に護送する途中に逃げられたため、地球まで追って来た。そして、ハヤタを死なせてしまったことに責任を感じたウルトラマンは彼に自分の命を分け与え、地球の平和を守るために戦うことを決意。
こうして、宇宙人と一心同体となったハヤタは、彼の名をウルトラマンと呼んだ。
概要
特撮ヒーロー・ウルトラマンの誕生作であり、ウルトラシリーズとしては『ウルトラQ』に次ぐ2作目。
1966年7月から1967年4月にかけて、TBS系列で全国で放映された。全39話。
前作『ウルトラQ』の世界観を継承し、怪事件・超常現象専門チーム科学特捜隊や、M78星雲からやって来た正義の宇宙人ウルトラマンの活躍を描く。
放送に先駆け、1966年7月10日に特別番組として『ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生』が放映された。これは豊島公会堂などで行われた試写会の様子や第3話の紹介がメインであり、登壇した怪獣の中にはカネゴンやM1号などの劇中には登場しない面子も確認できた。
『ウルトラQ』は、それまでは映画でしか見られなかったような巨大怪獣やSFストーリーがテレビで見られるようになったことで人気を呼んだが、本作は人類の味方として戦う巨大ヒーロー、怪獣と戦う近未来的兵器・組織といった要素がさらに子供たちの心を掴み、平均視聴率36.8%、最高視聴率42.8%という怪物的な記録を残した。しかし、放映に追いつかれてしまい高視聴率を維持しながらも打ち切りとなった。
元は『科学特捜隊ベムラー』という科特隊と正義の怪獣ベムラーが戦う企画が前身となっていたが、『科学特捜隊レッドマン』(当時の円谷プロがよく使用していたダミータイトル)を経て現在の形になった。この名残からか、ウルトラマンはメディアでは正義の怪獣/怪物として認識されていたようであり、小学5年生(小学館)1966年7月号の初報や『少年』(光文社)8月号などからも窺い知れる。
また、1934年に公開された『大仏廻国』は1933年の『和製キング・コング』や1938年の『江戸に現れたキングコング』といったキングコング作品などと共に、日本でも特に初期に制作された特撮(怪獣)映画であるが、古谷敏によれば『大仏廻国』もウルトラマンの原点だとされている(参照)。
現在でも悪トラマンは『ウルトラ怪獣シリーズ』から販売されている他、『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』などの怪獣育成ゲームに登場しているため、その名残は未だに続いていると言える。
単なる怪獣退治の娯楽作品ではなく、人間のエゴや環境、社会情勢など、様々な問題提起をテーマにしている。これらは後のシリーズにも引き継がれ、ウルトラマンは、以後現代に至るまで実に半世紀以上に渡って続く、ウルトラヒーローの歴史の始まりとなった。ウルトラマンという言葉自体は、そんなウルトラ戦士の総称としてもよく使われている。時代ごとに新たなウルトラヒーローが登場しているが、ウルトラセブンと並び高い人気と知名度を維持しており、現在でも頻繁に客演している。
この時はまだオープニングでカラー化された『ウルトラQ』のOPロゴがあったり、「空想特撮シリーズ」の副題が付いていたことから、『ウルトラQ』の一シリーズ的なところがあった。
『ウルトラマンA』まで続く、怪獣たちやウルトラマンの影絵が出てくるオープニングもこれが最初。
本作の作中の時代設定は作品を見る限りでは製作当時の1960年代後半の世相が色濃いが、ある怪獣のエピソードで判明したものでは少なくとも(製作当時に想像された)1993年であることがわかる場面がある(ただし、後続作品と繋げるにあたり、60年代当時の出来事とされることもある)。
また、前作同様に東宝作品からの流用物が多く、第7話のバラージ王国セットは『奇巌城の冒険』(1966)から、ジラースは言わずもがなゴジラ(スーツアクターまで中島春雄である)、ジェットビートルは『妖星ゴラス』(1962)の「国連VTOL機」、熱線砲車は『怪獣大戦争』(1965)に登場した「Aサイクル光線車」(1966年公開の『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』の「メーサー殺獣光線車」も確認できる)…といった具合。
他作とのコラボも行っており、渥美清氏主演の『泣いてたまるか』(1966年〜1968年)第76話『おゝ怪獣日本一』にキーラ、メフィラス星人、サイゴ、ジェロニモン、ドラコ(再生)が、青島幸男氏主演回の第16話『かわいい怪獣ナキラ』にはギャンゴ、ネロンガ、ガラモンが出演している。仕事を選ばない円谷プロの萌芽がこの頃にはすでに確認できる。
スポンサーは前作に引き続き武田薬品。番組開始前には提供映像が流れており、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』でも流用されることで昭和時代を再現しようという本気の試みが窺える。また、宣伝用として無料配布されていたタイアップシールも『てれびくんデラックス 愛蔵版大決戦!ウルトラ8兄弟超全集』(小学館・2008年)にて付録として復刻された。
登場人物
放映リストと登場した怪獣、宇宙人
→初代マン怪獣を参照。
主題歌
作詞:東京一/作曲・編曲:宮内國郎/歌:みすず児童合唱団、コーロ・ステルラ
挿入歌
- 特捜隊の歌
作詞:東京一/作曲・編曲:宮内國郎/歌:みすず児童合唱団、コーロ・ステルラ
科学特捜隊の戦闘テーマ。作中ではインストゥルメンタル版が使用された。
- 進め!ウルトラマン
作詞:東京一/作曲・編曲:宮内國郎/歌:みすず児童合唱団、コーロ・ステルラ
ウルトラマンの戦闘テーマ。作中ではインストゥルメンタル版が使用された。
アーケード版大怪獣バトルなど多くの作品でアレンジ版が作られている。
漫画
楳図かずお版
『週刊少年マガジン』で連載されていた、ホラー漫画の巨匠・楳図かずおによる漫画。
ホラー要素が強く、特にバルタン星人やミイラ人間は夜に一人で読めないレベルの気色悪さ。
現在は講談社文庫(全2巻)で全話読める。
一峰大二版
『ぼくら』で連載されていた、一峰大二による漫画。
楳図版に比べるとSF色が強く、毎回怪獣に殺されかけるウルトラマンは知恵を振り絞って奇抜な発想で悪の怪獣軍団を撃破していく。
上述の通り、本作オリジナルの怪獣が搭乗するのも特徴。
現在、文庫版が秋田書店から発売されているが、一部原稿が散逸しており、『ネロンガの巻(第1話)』や最終回などが未収録になっている。1995年、翔泳社から完全版全2巻が発売された(絶版)。
ウルトラマン_THE_FIRST
『特撮エース』→『特撮ニュータイプ』で2003~2008年に連載された漫画。作者は『3×3EYES』の高田裕三。
登場怪獣は原作と同じだが、エピソードが現代風にアレンジされており、後半からはバルタン星人を黒幕とした長編「さらばウルトラマン」が展開される。また、フジ隊員がヒロインとして重要な役割を果たしたり、ハヤタ隊員に好意を抱く女性整備士(オリジナルキャラクター)が登場するのも特徴。
ゲーム
SFC版
オーソドックスな2D格闘アクション。当時、ギャグ漫画『ウルトラ怪獣かっとび!ランド』でもネタにされた。
怪獣を殴ったり蹴ったりすることでゲージを溜め、怪獣のライフが0(FINISH)状態になったところでスペシウム光線を撃ち込んで撃破する。FINISH状態にしてもスペシウム光線を当てなければ絶対に倒せないので注意が必要。タイムリミットはもちろん3分。
次作『ウルトラセブン』や海外でのみ発売された『Ultraman: Towards the Future(ウルトラマンG)』もほぼ同じシステム。後にアーケードゲームに移植され、WSやGBでもリメイクされている。「相手のライフをゼロにし、さらに必殺技を撃ち込まねば撃破できない」というシステムは後の「ファイティングエボリューション」シリーズにも受け継がれている。
怪獣帝国の逆襲
ファミコンディスクシステム用アクションゲーム。→『ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲』
PS2版
2004年に発売。3D格闘バトルアクション。
カメラアングルやエフェクトなど特撮の雰囲気を重視した戦闘シーンが特徴。
原作再現要素として、ジェットビートルからの空爆やハヤタを操って地上戦を行うステージもある。更に投げ技は各怪獣に対応したアクションを繰り出したり、特定の行動で部位破壊が可能など、かなり演出に凝った作品である。
また、前述のSFC版やファイティングエボリューションシリーズとは異なり、打撃や投げ技だけでも怪獣を倒すことができるため、ある怪獣との戦いではスぺシウム光線を撃たないことが重要になる。
一定条件をクリアすると『帰ってきたウルトラマン』ステージが登場する。
出典
- 『てれびくんデラックス 愛蔵版大決戦!ウルトラ8兄弟超全集』(小学館・2008年)P58
- 『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(出典:デアゴスティーニ/2009年〜2011年)『トピックインフォメーション SERIES2「ウルトラマン」SHEET01、02、03、08、11』より
関連動画
【ウルトラマン55周年記念】PV公開! 2021年 ウルトラマンは更なるステージへ!
※1966年、ウルトラマン、地球へ降り立つ。
最高視聴率42.8%、日本特撮テレビシリーズの金字塔となった『ウルトラマン』。
世代を超え世界中の人々に愛され、多くの声援とともに歩んできた55年。
そして、
Go Beyond
2021年、ウルトラマンはさらなるステージへ!
動画は円谷プロ公式YouTubeチャンネル『ウルトラマン公式 ULTRAMAN OFFICIAL by TSUBURAYA PROD.』(チャンネル登録者数:171万人)より転載
ウルトラマン55周年特設サイト
円谷プロ 公式サイト【「ウルトラマン」55周年記念サイト】(外部リンク)(日本語テキスト/日本語音声)
関連タグ
京楽 ULTRAMAN 怪獣帝国の逆襲 ウルトラマン(楳図かずお版) TBS
福島空港 - ウルトラマンと縁が深い空港として知られる。