曖昧さ回避
- 大魔王ベムラー - 『ベムベムハンターこてんぐテン丸』に登場した大魔王。
- 『宇宙戦士バルディオス』に登場したロボット。→ベムラー(バルディオス)
データ
概要
第1話「ウルトラ作戦第一号」に登場。
「宇宙の平和を乱す悪魔のような怪獣」と呼ばれる宇宙怪獣。
武器は口から吐く青白い熱線「ペイル熱線」。青く発光する球体に身を包み、宇宙空間を航行する。
棘の先は毒針になっていて、非力そうな短い腕も、40万馬力もの怪力が出せる。
こいつを追ってウルトラマンが地球を訪れたのが全ての始まりである。
着ぐるみがギャンゴに改造されたのを皮切りに映像作品には初代の映像流用という形以外での出演はなかったが昭和怪獣再登場の流れにのり後述するウル銀で復活。以降の映像作品にも登場するようになった。
活躍
ウルトラマンに「宇宙の墓場」(「怪獣墓場」とは別の場所)に護送されている最中に手錠を破壊して逃亡し、青い球状発光体の姿で地球にやってきた。
この際、竜ヶ森湖に潜むところを、パトロール中の科学特捜隊員のハヤタに目撃されたが、ハヤタ隊員はウルトラマンに追突事故を起こされてそれどころでは無かった。
その後、科特隊の「ウルトラ作戦第一号」によって地上に追い立てられ、ハヤタと一心同体になったウルトラマンと交戦。追い詰められ、青い球体になって逃げようとしたところへスペシウム光線が直撃し、殺処分された。第1話の怪獣なのもあってそこまで強くは無かったが、ウルトラマンが地球に来る切っ掛けを作った他「ウルトラマンひみつ大百科」内では隕石群に接触したウルトラマンとクロード(ウルトラマンの友人で、彼と共にベムラーを護送していた宇宙警備隊員)の隙をついて逃走し、別の惑星で大暴れした挙句にクロードを殺害すると言う、まさしく悪魔の如き活躍を見せている。
ベムラーが送られるはずだった「宇宙の墓場」とは、宇宙の平和を乱した怪獣が光の国の掟で死刑を執行される処刑場であり、「怪獣墓場」とは別物である(「ウルトラマンベストブック」竹書房による)。設定が作られた時期(第35話の脚本を執筆した佐々木守氏が生み出した)から見ても、第1話の時点で後者への言及があるとは考えづらい。
顔のデザインイメージは獅子。
脚本では、ウルトラマンと戦った末に光球形態で逃亡を図るも、そこで力尽きる予定だった。
名前の由来
『ウルトラマン』の準備稿であった『科学特捜隊ベムラー』の主人公ベムラーの名前から
左側の怪獣っぽいのが初期のベムラー、ちなみに右はレッドマン。
『ウルトラQ』終了後、予定されていた次回作はそれ以前に企画されお蔵入りとなった『Woo』の「人類に味方する怪獣」の設定を活かし練り直されて生まれたのが『科学特捜隊ベムラー』の企画であった。
『カラーフィルムの中で正義のヒーローをいかにと見せるかが勝負だよ』
これも残念ながら没になり、企画は『科学特捜隊レッドマン』へと様々な問題を経て練り直され、我々がよく知るウルトラマンとなった。
結果、それまでの試行錯誤の跡の一端が、ベムラーの名前に受け継がれる運びとなったのだ。
参考:『まんが ほんとにしらない映画&漫画アニメ&特撮秘密大全DX』コアマガジン
その後、没となった『WoO』のアイディアは2006年に『生物彗星WoO』のタイトルで40年の時をかけて日の目を見ることとなる。
ウルトラマンゼロシリーズ
ウルトラ銀河伝説
本作の冒頭でウルトラマンメビウスと宇宙空間で激しいチェイスを繰り広げ、惑星アルファにて激突する。
だが、長年の修練を積み歴戦の戦士となったメビウスに格闘戦で圧倒され、熱線をメビュームブレードで斬り裂かれた直後にメビュームシュートを食らって倒される。
ベリュドラの左腕の一部としても登場した他、右の角には『科学特捜隊ベムラー』のベムラーもいる。
映像作品への登場は、『ウルトラマン』以来実に43年ぶりとなる。
冒頭にてメビウスに追跡されるシーンは、『ウルトラマン』第1話を踏襲している。
着ぐるみはアトラクション用の物の改造で、以降のテレビ作品に登場するベムラーは、いずれもこの着ぐるみの流用もしくは改造である。造形チームのプロデューサーである澗淵隆文氏は、元の着ぐるみの時点でスーツの損傷が大きく、「一から作った方が早かった」と述べている。
当初はゼットンが登場する予定だったが、最初の怪獣にはベムラーがふさわしいという理由で、造型の品田冬樹氏の提案によりベムラーに変更された。
ウルトラゼロファイト
第1部「新たなる力」の冒頭に登場。
同じくバット星人グラシエが怪獣墓場から復活させたサドラ、テレスドン、グドンと共にウルトラマンゼロに襲い掛かるが、ルナミラクルゼロのミラクルゼロスラッガーでテレスドンと共に倒された。
新世代ヒーローズ
ウルトラマンギンガ
ダークスパークウォーズに参戦していたが、闇の支配者の持つダークスパークの力でスパークドールズに変えられた。
ウルトラマンギンガS
第9話「取り戻す命」に登場。
ガッツ星人ボルストの分身体がウルトラマンビクトリーと戦うベムスターの援護のためモンスライブした。
ボルストの分身能力の他、口から黄色の金縛り光線を発射することが可能になっており、ベムスターと協力してギンガとビクトリーを苦しめたが、ギンガによって金縛り光線が跳ね返されベムスター共々動けなくなってしまい、ギンガストリウムのスペシウム光線で倒された。
名前が似ている事から「ベムベムコンビ」などと呼ばれている。上記の『ゼロファイト』ではそれぞれ別場面で登場したため共闘しなかったが、グラシエの配下として登場したという共通点がある。
ウルトラマンX
第1話「星空の声」
冒頭で地球に眠っていたスパークドールズが実体化した怪獣の一体として登場。
第20話「絆-Unite-」
カナダの湖畔に突如出現し、橘副隊長の娘たちに襲いかかるが、橘副隊長が変身したネクサスと戦い、その後、描写は無いがそのまま倒されたことが語られている(超全集では、第1話の個体と第20話の個体は別個体と記述されている)。
ベムラーがゲストキャラに抜擢されたのは、ネクサスの前日譚である映画『ULTRAMAN』に登場したビースト・ザ・ワンのモデルとなったキャラクターであった事が関係していたらしい。他にも、「カナダといえば湖→湖といえばベムラー」なんて考えもあったとか。
ウルトラマンオーブ
第18話「ハードボイルドリバー」に登場。
シャプレー星人カタロヒに操られており、体は青く水牛のような角が生えている。
詳細はベムラー(強化)を参照。
ウルトラマンタイガ
第18話「新しき世界のために」に登場。
バット星人小森セイジが加わっている宇宙人解放軍の尖兵で、冒頭でフーマと対決し彼を追い詰めるも、タイタスに交代してからは逆転され、アストロビームを食らって爆死した。
戦闘シーンが短いため過程は不明だが、スピード自慢のフーマを苦戦させていた事から、かなりの強敵だった模様。
その後の軍団の次なる一手は・・・。
ウルトラマンデッカー
第4話「破壊獣覚醒」にて、訓練用のシミュレータとして登場。
存在が確認されているからには、本作の世界にも過去にベムラーが出現していたと思われる。
派生作品
長篇怪獣映画ウルトラマン
テレビシリーズを再編集した映画版に、最初の怪獣として登場。
…したのだが、ウルトラマンの初戦闘シーンがレッドキング戦(テレビシリーズの「怪獣無法地帯」)になっており、ベムラーは科特隊によって倒されている。
ウルトラゾーン
ドラマパート「悪魔が降りた日」に登場。
青い球体の状態で新宿に落下。
怪獣特捜隊のタカダ・リホ隊員と、たまたま新宿にいた探偵助手の小早川真弓、刑事の松原と高田を巻き込んで大暴れし、東京ジュラ紀事件の影響で特捜隊からの支援を受けられない四人を追い詰めた。
4人は高性能爆弾でビルを爆破してベムラーを下敷きにする作戦を決行し、囮役と爆破役の二手に分かれて行動するが、作戦が開始された所で物語が終わってしまったためその後の消息は不明。
ノストラダムスの予言に現れる人類を滅亡させる「恐怖の大王」の正体ではないかとも言われているが、関係性は明かされていない。少なくとも3797年までノストラダムスは予言を残している為、恐らくは撃破されたものと考えられる。しかしながら、なんで1999年ではないこのご時世に放送したんだというツッコミに対して答えると、この回の放送年がマヤ暦で人類滅亡の年とされる2012年だった為だと思われる。そうは言ってもマヤ暦は一般層には馴染みが薄いので日本人に馴染み深い題材であるノストラダムスが選ばれたという所か。結局この年も人類は滅ばなかった辺り、彼らの奮闘が功を奏したというべきか。
新宿に現れるのはベムラーをオマージュしたビースト・ザ・ワンの逆オマージュと思われる。
いかにもベムラーのために用意されたことを思わせるシナリオだが本来はゴメスが登場する予定だった。しかし『ウルトラマンサーガ』の撮影で着ぐるみが出払っていたためベムラーに変更されたという。
これ以前にも温泉に入っているアイキャッチが登場した。
ULTRAMAN:RISING
身長 | 49m |
---|---|
体重 | 3万t |
冒頭部分に登場し、東京に出現したところをサトウ・ケンの父、サトウ教授が変身したウルトラマンと戦っていた。
他媒体での登場
怪獣絵物語ウルトラマン
脚本家の金城哲夫によるノベライズ版ではウルトラマンのチョップで気絶した後、怪獣墓場へ送り届けられた。
ウルトラマンSTORY0
第41話~第42話、第66話~第67話、最終話に別々の個体として登場。
第41話~第42話
光の国を襲った怪獣軍団の一体。火炎放射でモブのウルトラ戦士を攻撃するが、ウルトラマンタロウのストリウム光線により爆死した。
第66話~第67話
不思議な力を持つ隕石と共にメトロン星人が支配する惑星メトロプラネットに落下。ウルトラマンレオのレオキックを受けて倒された。
レオの友人となったメトロプラネットの少年アイザックはこの時見たベムラーの姿を基に新しい怪獣を考え出すが…
最終話
エピローグで、地球に近い宙域でウルトラマンがベムラーを捕獲し、怪獣墓場に護送するシーンで物語は終わる(恐らく、これが『ウルトラマン』第1話の出来事に繋がっていくと思われる)。
ウルトラマン THE FIRST
TV版よりも肩のトゲが増量された姿で登場。
ウルトラマンとなったハヤタの最初の相手。いくら悪い奴とはいえウルトラマンは捕獲を望んでいたが、融合したばかりのウルトラマンの体ではうまく戦えず、やむなくスペシウム光線で倒された。
ベムラー(漫画ULTRAMAN)
詳細はベムラー(ULTRAMAN)を参照
ウルトラマン超闘士激伝
第3部「ゴーデス編」にて超闘士ウルトラマンを倒したいと願う怪獣たちの一体として登場。
ゴーデスに騙され、ゲルカドンの邪生鋼(エビルブレスト)と融合し、ゴーデス五人衆の一人「ゲルガン」となった。
その後は宇宙各地で通り魔的な行為を行っていたが、超闘士ウルトラマン相手には手も足も出せずに、おまけに倒された描写もなく場面が変わるとやっつけられていた。
その後はササヒラーが収監された檻の中にガモスと共にいるのが確認できるが、彼がゲルガンとなったベムラーなのかは不明。
ウルトラ戦士列伝
テレビマガジンで掲載されていたグラビア記事シリーズ『ウルトラ戦士列伝』では海岸でジャンボーグAと戦い、ペイル熱線を発射するが、ジャンサーベルで反射されて敗れる(原作のジャンサーベルに敵の光線を反射する能力は未確認)。
大怪獣バトル
第3弾から参戦し、NEO第7弾では技カードとしても登場。
必殺技は青色熱光線、怪獣連撃、球体変化。
ストーリーモードでの出番はなかったが、ジャンボカードダス版ではモンスアーガーのポジションと入れ替わる形で登場した為、ウルトラアドベンチャーもこれに則っている(差し替えられた理由は全くの不明)。
大怪獣バトルウルトラアドベンチャー
イオがブルトンによって飛ばされた惑星に登場。イオの駆るゴモラをヒッポリト星人と組んで痛めつけるが、ペダン星人の老兵の捨て身の特攻によってヒッポリト星人が死亡すると、イオのバトルナイザーに封印された。
後にはブラックキングを撃破する大金星を打ち立て、ゲランダに宇宙船が襲われた際には自ら球体に変身してイオとピグモンを運んだ。
最後はレイブラッド星人が憑依したデスフェイサーの攻撃からイオたちを庇い、ネオマキシマ砲の砲撃に飲み込まれて死亡した。
ウルトラファミリー大集合2003
ベムラー(進化態)として登場。その姿はベムラーの面影は全くなく、白い鬣の生えた六脚の巨大怪獣という異形の姿をしており、ウルトラマンオーブに登場した強化態とも姿が全く異なる。
しかし出番はこれっきりであり、未だ再登場の気配はない。
怪獣酒場カンパーイ!
第1話で客として登場。一面真っ暗な「闇酒場」に仕様変更してしまった為に注文した料理が全く来なかった為、勘定しようとするが、カネゴンに伝票が見えないので20000円支払って欲しいと言われ、あまりの杜撰さに突っ込んでいた。
ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ
怪獣を育成し戦闘するゲームアプリである本作では、プレイヤーにチュートリアルも兼ねて最初に与えられる怪獣というポジションになっている。そしてベムラーはそのままフレンドへの初期サポート枠になっているが、これがとんだ悲劇を生む事となった。
プレイヤーが変更しなければサポート枠が変わらない事に加え、チュートリアルでサポート枠の変更方法を教えてくれない事もあり、その結果ろくに育成されていないベムラーがサポート枠に居残ったままとなる。
サポート枠は戦力として重要な為、フレンド申請ではベムラーお断りというプレイヤーまで現れてしまったのだ。
配信から少したった現在では認知も広まり改善されつつあるが、ベムラーには厳しい環境であったことは間違いない。
一応ベムラー自体は性能は特別優れているわけでもないが、扱いやすい各種スキルを持っており、育て方次第でそこそこ強力なアタッカーとして機能する為、主力として使えるし、充分に鍛えたベムラーならばお断りにならないのが救いだろう。
なお、図鑑で各ウルトラ怪獣の必殺技を見れるがやられ役は全てベムラーである。アメとムチの振れ幅が大きすぎやしないか
ウルトラ忍法帖
「THE_KOROSHI」の巻に朧党の忍獣として登場した。
朧党の社内旅行に唯一参加した忍獣だったが、宿泊した温泉旅館で殺人事件に巻き込まれて第2の犠牲者になってしまった。首領達は同じ旅館に泊まっていたマンを犯人と断定するが…
酩酊!怪獣酒場
第23話で登場。巧みな話術でうるまたちを楽しませるが、その正体は食い逃げの常習犯。
うるまたちの温かみに触れ、自首しようとするが、スナック「ウマン」のママの計らいでウマンで働く事となった。
2ndでも引き続き勤務している。
カビキラーCM
初代ウルトラマンと久方ぶりに対決し、スペシウム光線を浴びて倒された。
ちなみにカビキラーの音声を担当しているのはネクサスである。
オマージュ
ウルトラマンが人類の前ではじめて戦った怪獣としてか、モデルとなった怪獣が存在する。
宇宙恐竜ヤナカーギー
「宇宙一の暴れん坊」の異名を持ち、ティガの世界の初代ウルトラマンによって竜ヶ森湖に封印されていた怪獣。
1965年にタイムスリップした宇宙魔人チャリジャの手で復活し、チャリジャを追って来たティガを圧倒するが、円谷英二監督がウルトラマンにもらった石「ウルトラの星」が監督の祈りに呼応してウルトラマンを召喚。
スペシウム光線とゼペリオン光線の同時照射を受けて倒された。
ビースト・ザ・ワン
映画『ULTRAMAN』に登場した怪獣で、ネクサススペースの地球に最初に現れたスペースビースト。
詳細は該当記事を参照。
余談
初代マンの記念すべき1話目、またウルトラ戦士が登場するようになったウルトラシリーズで記念すべき1話目という始まりの怪獣であり映画やTV本編の再登場も多く、各作品で名前や要素などオマージュとして重要な部分で取り入れられる。
こうして登場回数や設定は優遇されている一方でベムラー自身は特に飛び抜けた強さや特殊能力を持つわけでは無い、地球の野生種ではなく宇宙から来た犯罪者の宇宙怪獣という位置づけが災いしてか侵略者の手先という扱いが多い。
初登場の1話が初代マンとハヤタの出会いがメインでそちらの方の印象が強く、細身で黒いというイマイチ目立ちにくいデザインや派手さに欠ける湖での戦闘という事も災いし、2013年度の「ウルトラ怪獣総選挙」では37位、2022年度の「全ウルトラマン大投票」では109位と全体で見ると極端に下という訳ではないが高い訳でもないという微妙な立ち位置になっている。
こうした状況の為か「『ウルトラマン』最初の怪獣「ベムラー」はなぜ人気低い? 不遇扱いのワケ」と、その不遇さを伝える記事まで書かれてしまった。
無論再登場やオマージュも多い為、扱い的には不遇ではないのだが・・
上記の通り人気に加え初戦闘はあまり派手とはいえないのか、戦闘の派手や「ウルトラマン」という番組の分かりやすさ、キャラクターの知名度の高さという事情もありメディア展開では次話に登場するバルタン星人が優先される傾向が強い。それを指し示すかのように「ウルトラマン列伝」では2話でバルタン星人の回(初代マン2話)が扱われたのに対し、ベムラーの登場した1話はそれから5年近く経過した144話とかなり時期が経過している。
また純粋な野生種とは言い難い怪獣の為か、ニュージェネシリーズやシンマンでは初代マンを代表する序盤怪獣としてはネロンガにその座を譲っている。